
国際局主催第23回「国際政治・外交論文コンテスト」は、揺らぐ「法の支配」と国際秩序~分断の時代において日本が果たすべき役割~ をテーマに募集し、115編のご応募をいただきました。
厳正なる審査の結果、次の3名の方々を「総裁賞」、「幹事長賞」、「国際局長賞」に決定いたしました。
また今回、意欲的な視点や現実的な提案を提示した4名の方々の論文に対し、「特別賞」を贈ることといたしました。
審査にご協力いただきましたすべての皆さまに心より感謝申し上げます。
受賞作品
〇総裁賞
「法の支配」を"守る"から"支える"へ
――分断の時代に日本が担うべき橋渡し型制度構築外交――
久米田 倭人 (くめだ やまと)さん
東京都:大学院生 22歳
(選評)
日本の強みを的確に分析し、「法」についても正面から問うた良文。現在の危機を三つの層に整理した点は非常に説得力がある。日本が法を支える国になるべきという論点も重要な指摘。参考文献リストも、しかるべき文献が列挙されている点も評価。
〇幹事長賞
「法を語る国」から「法を使える⼒を⽀える国」へ
―南シナ海における法の⽀配と⽇本の海洋能⼒構築⽀援
足立 圭弥 (あだち よしや)さん
東京都:大学生 21歳
(選評)
南シナ海に絞り、「監視・証拠化・主張・発信・執行」という法執 行過程へ支援を接続した着眼が秀逸。政府開発援助(ODA)、政府安全保障能力強化支援(OSA)、海洋状況把握(MDA)を束ねる構成も明快で、政策実装まで論理が通る。文体も脚注が適切に使用されており、独力での論点構成が明確。
〇国際局長賞
揺らぐ「法の⽀配」と国際秩序
〜⽇本らしいリアリズム外交〜
大槻 万里(おおつき ばんり)さん
愛知県:大学生 20歳
(選評)
米国の二面性を直視しつつ同盟を捨てない「日本らしいリアリズム」に収斂させた問題認識が鋭い。対米・豪韓印欧連携の論理も現実的 で、政策含意が明確。論文としても形式が整っており、明確かつ論理的に展開されている点も大いに評価する王道をいく論文。
〇特別賞
「アナーキーの秩序」を設計せよ
―覇権後退期の国際秩序における「法の支配」と日本の生存戦略―
板谷 陽帆(いたや あきほ)さん
神奈川県:大学生 24歳
(選評)
法の支配を打ち出し続ける意味をリアルに再構築している。日本 の立ち位置や米国の変調を見据えながら、論旨を力強く展開している。ミドルパワー連合の可能性を否定せず、規範・制度・言説の領域での国際ルール違反国のコストを上げるという戦略を提示している点を評価。非対称戦略としての法の使い方は良い着眼点。
〇特別賞
信頼を制度に変える日本へ
―「自由な選択」を守る法の支配外交―
川井 大介(かわい だいすけ)さん
東京都:大学教員 33歳
(選評)
法の支配を自由=選択可能性の維持に置き換え、それを守るために具体的に日本が何ができるかを自前の言葉で考察した好論。具体的かつ現実的な提案があり、非常にキャッチーなコンセプトを打ち出している点が素晴らしい。
〇特別賞
揺らぐ「法の支配」と国際秩序
―信用に裏打ちされた国際正義の発展に向けて―
杉山 立弥(すぎやま たつや)さん
埼玉県:大学院生 24歳
(選評)
正義の多様化、米国の変化、AIという論点を広く捉え、日本の信用を外交資産にする発想がよい。現在の国際秩序を揺さぶる問題について適切に注をつけ論拠を示しつつ説得的かつ論理的に整理されている。積み上げた議論の上に論理的に接続的に具体的方策が提示されている点も評価。
〇特別賞
「法の番人」から「法の設計者」へ
──「規範的一貫性」の確立による国際秩序の再構築──
山本 和輝(やまもと かずき)さん
東京都:高校生 15歳
(選評)
法の支配の危機の三層構造は、興味深い整理。国際刑事裁判所(ICC)や国際司法裁判所(ICJ)への日本の関与の深さの指摘は重要で評価に値する。15歳が正確に日本外交の長所を分析し、未来に向けての希望あるメッセージを出している志も評価。
