お知らせ「自由民主」先出し

自由民主1面コラム「幸響」
五十嵐 清 新聞出版局次長

五十嵐 清 新聞出版局次長

価値観

「たった1人しかいない自分を、たった1度しかない人生を、ほんとうに生かさなかったら、人間、うまれてきたかいがないじゃないか」この一節が小学3年時の教室に掲げられていたことから、時々思い出す▼栃木県出身の作家山本有三の小説「路傍の石」の中で、主人公が恩師にかけられた言葉だ。作中では、自分らしく生きることの重要性や自らの力で人生を切り開こうと努力する姿が強調されている。連載開始は昭和12年、舞台は明治末期・大正初期の栃木県である▼近ごろ、縁あって就職活動中の若い方々と続けて話す機会を得た。私の考えを述べるよりも、彼らの価値観を知る良い機会と捉えた。親子ほどの年の差だが、想像以上に仕事や人生に対して価値観の違いを認識した。価値観は知識のみならず、時代の雰囲気や社会環境、生い立ちや経験で決まるのだと▼国政で法律や制度づくりに関わるようになり、最終的には自分の価値観で判断する自分がいる。今後、国会では、国論を二分するような政策分野で大胆な決断が求められる。わが国のありようを考えるとき、これまで以上に次世代の価値観を意識する必要性を感じた▼同時に、自らは「生かす」の意味にあらためて向き合いたい。

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