
鈴木 英敬 ネットメディア局長・総務部会長
通信基盤の自立
国際情勢の緊張やサイバー空間での競争激化の中、通信インフラの重要性は高まっている。わが国の国際通信の約99パーセントは海底ケーブルに依存しており、その役割は大きい▼海底ケーブルは、衛星通信と比べ伝送容量や速度、拡張性等で優位性を持ち、例えば日米間では通信速度が約5倍、容量は1本で衛星1機の約160倍に達する。加えて、敷設距離の制約や地理的特性から、わが国は北米とアジアを結ぶハブとして機能しており、AI時代のデータ流通基盤としても重要性が増している▼一方で、課題も顕在化している。房総半島や志摩半島に集中する陸揚げ拠点、老朽化が進む局舎、東シナ海・南シナ海での損壊リスク等、ぜい弱性は小さくない。世界では年間100~200件の障害が発生し、その多くは人為的要因によるものだ▼こうした現実を踏まえ、予備のルートや設備を確保することや、分散化を進めるとともに、国産企業の開発・敷設・保守能力を強化し、安定需要を確保していく必要がある。引き続き、国家基盤として、強靱で自立的な通信基盤構築に取り組んでいく。