
こやり 隆史 新聞出版局長
静かなる有事とエネルギー安全保障
令和8年3月、米軍がイランを攻撃し、イランがホルムズ海峡の封鎖を宣言▼この遠く離れた砂漠の地の火花は、瞬く間に海洋を越え、島国であるわが国の「エネルギー安全保障」という重要な生命線を脅かしている▼わが国の石油資源は長らくホルムズ海峡という針の穴を通すような海路を通る原油に9割以上を依存してきた。もちろん、天然ガスのように中東依存から脱し、輸入の多角化が図られているものもあるが、エネルギーを海外に依存している現実は変わらない。海路が封鎖され、タンカーの航路が断たれる時、常にわが国は「静かなる有事」の渦中に立たされることになる▼エネルギー安全保障は、こうした地政学的荒波の中でも、国家の機能を維持し、経済社会を守り抜く「盾」である以上、可能な限り強靱なものでなければならない。高市政権は、危機管理投資の対象として、この分野を取り挙げている。準国産エネルギーとして機能する原子力発電の活用や技術革新を確実に進めるための官民による投資を急ぎ、強力なエネルギーポートフォリオを構築したい。