
令和8年1月1日から「下請法」が改正され、「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」が施行されます。受託側の中小企業・小規模事業者の利益保護を強化し、大企業と中小企業・小規模事業者が対等な取引環境をつくり上げます。


取適法は令和7年の通常国会で法改正が実現し、周知期間を経て令和8年1月1日に施行を迎えます。わが国の商慣習にあった「下請」という概念を一掃。対等なパートナーシップで取引を行い、これまで「下請いじめ」といった負のイメージを解消します。
資本金や従業員数によって委託事業者が定められ、規模の大きい企業が、立場を利用して中小受託事業者にとって不利な取引を求めることを厳しく律します。
発注後の返品や、買い叩き、指定する物品等を強制して購入、利用させること、報復措置といった11の事項を禁止。発注内容を明示し、書類等を作成することや、支払期日を定めることも義務化します。
物価高に負けない賃上げを持続し、「賃上げが当たり前の経済」となるよう、構造的に中小企業・小規模事業者が価格転嫁できる仕組みをつくる上で、取適法の施行は極めて重要です。わが党は対等な商慣習を実現し、中小企業・小規模事業者の力強い成長を全力で後押しします。

手形支払いを禁止

取適法ではわが国の長年の商慣習として存在していた手形支払い(約束手形)を禁止します。手形による代金受け取りは受注から、現金を受け取るまでの期間が長くなり、受注者にとって資金繰りの面で大きな負担となってきました。
手形取引は発注側の資金繰り負担を軽減する手段として、企業の資金需要に融資が追い付かない資金不足を補うために、高度成長期では盛んに使われてきました。発注側にメリットある一方、受注側には負担が大きく、わが党は構造的な価格転嫁を実現するため、手形支払いの禁止を強く主張してきました。
取適法では手形支払いを原則禁止し、支払期日までに全額現金化が困難な電子記録債権や一括決済方式も禁止します。今後は「受領から60日以内の現金支払い」が原則となり、振り込み手数料も発注側が負担することが義務付けられ、支払いの適正化が図られます。