お知らせ「自由民主」先出し科学技術エネルギー

自由民主1面コラム「幸響」
こやり 隆史 新聞出版局長

こやり 隆史 新聞出版局長

科学技術投資の難しさ

今年は量子力学が誕生して100周年。昭和24年に日本人初のノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は、この分野を大きく前進させた立役者の一人だ▼この量子力学とはどんな世界か。私も学生時代に少しかじったことがあるが、いかにも厄介な世界だ。どんな物でも分解すれば全て量子に行きつく、エネルギーや物質の最小単位。だが、光は波であって粒子でもあると言われてもピンとこない。量子がどの位置にあるか、動いているのか、その振る舞いは確率でしか予測できない。かの有名なアインシュタインでさえも理解できなかった非現実的な世界だ▼この非現実がわれわれの生きている現実世界を作っている。訳が分からないから、こんな話は関係ないと思うのが普通だし支障もない。ただ最近、この非現実世界が身近に姿を現してきた。量子コンピュータや暗号等産業から哲学までを揺さぶる「量子力学」という世界。100年前に誰が想像できただろうか。基礎科学技術分野への投資がいかに重要で、かつ困難なことか、改めて考えさせられる。

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