平成30年度日本遺産認定

日本遺産「百世の安堵」は、国史跡指定の広村堤防(写真)、
津波で村に漁船が流れ込まないように植えた1000本の松等、26の構造物や祭り等で構成されている
安政元(1854)年11月5日、大きな揺れが広村(現・和歌山県広川町)を襲いました。その時、地元の名士・濱口(はまぐち)梧陵(ごりょう)は直後に大津波がやってくることを予測し、収穫したばかりの稲わら(稲束の山)に火を付け、多くの村人を高台に誘導して命を救いました。梧陵は次なる津波への備えとして私財を投じて堤防を築き、村人たちは震災の記憶や教訓等を石碑に刻んで後世に警鐘を鳴らしました。これらの防災遺産と、先人が残した貴重な文化遺産は現代まで綿々と受け継がれ、2015年に国連総会が制定した「世界津波の日」(11月5日)誕生のきっかけになりました。