党米国の関税措置に関する総合対策本部(本部長・小野寺五典政務調査会長)は9月9日、会議を開き、4日にトランプ米大統領がわが国に対する関税の引き下げ措置に関する大統領令に署名したこと等について、「関税より投資」を貫き交渉に当たった赤澤亮正経済再生担当大臣から報告を受け、議論しました。同大統領令はわが国から輸出する自動車等への関税を15パーセントへ引き下げること等が盛り込まれたもので、日米関係の黄金時代を築く礎となります。

赤澤亮正担当大臣から報告を受けた党米国の関税措置に関する総合対策本部
赤澤大臣は今年4月以降、計10回にわたって訪米し米側との協議を重ねました。7月22日、わが国の基幹産業である自動車および自動車部品について日米は、今年4月からわが国に課されていた25パーセントの追加関税率を半減し、世界貿易機関(WTO)のルールに基づく既存の最恵国待遇(MFN)税率を含めて15パーセントへ引き下げることで合意しました。
また25パーセントまで引き上げるとされていた相互関税についても15パーセントにとどめることで一致。対米貿易黒字を抱える国のうち、最も低い税率となりました。
合意以降、わが国は速やかな関税引き下げの実現を最優先に位置付けました。わが国の要望も明確であったことから、政府は日米の共同文書は不要との立場をとり、関税に関する大統領令を発出するよう累次にわたり米側に働き掛けました。
米側から、日本が半導体や医薬品、エネルギー等の経済安全保障上重要な分野において5500億ドルを米国に投資することを内容とする日米間の投資イニシアチブに関する共通理解を確認するための了解覚書と、両国の合意を再確認する共同声明の2つの文書を作成したいとの要望があり、日本政府が大統領令の発出を条件に応じたことで、9月4日のトランプ大統領の署名に至りました。
英国や欧州連合(EU)をはじめとする諸外国では自動車・自動車部品関税引き下げに関する大統領令はいまだ発出されていません。わが国は世界に先駆けた関税引き下げの実現となりました。
投資イニシアチブは日米同盟のさらなる強化と経済安全保障の確保、わが国の経済成長の大幅な促進に資するものとなります。

新たな関税の主な項目
小野寺本部長「暮らしと雇用守り抜く」
赤澤大臣は一連の交渉の経過について報告した上で「医薬品や半導体に関する大統領令において、わが国の最恵国待遇が確保される必要が今後ある等、全ての決着ではない」との認識を示しました。両国の相互利益につながる成果を早期に上げ、日米双方の成長と経済安全保障の確立を実現するとともに日米同盟をさらに強化していく重要性を強調しました。
報告を受けた小野寺本部長は「米国との関税交渉に関する合意が整い、まずは国民生活と日本経済を守る上での大きな一歩を刻むことができた」と、日米交渉の成果を評価。その上で「引き続き、国内対策には万全を期したい」と述べ「すでに決定済みの米国関税措置を受けた緊急対策パッケージに基づき、国内産業や国民生活への影響を最小限に抑えるための各種施策を着実に履行していくとともに、必要であればさらなる対策を講じていきたい」と方針を示しました。「物価高と関税の影響から国民の暮らしと雇用を守り抜くことにわが党は総力を挙げなければならない」と強調し、緊急対策パッケージの着実な実施に加え、今後の動向を踏まえた必要十分な追加対策や中小企業小規模事業者の資金繰り支援を責任を持って進めていきたいと語りました。