
読書
趣味を聞かれると「町の散策と読書」と答えるが、最近すっかりご無沙汰状態にある。とりわけ読書は「最近なに読んだ?」と聞かれてもすぐに思い出せないほどである。そのような中「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(三宅香帆・著)という本を見つけて読んでみた▼「疲れてスマホばかり見てしまうあなたへ」というキャッチコピーが目に留まるこの本では、明治・大正の時代から戦後、オイルショック、バブル崩壊等々時代が変わりゆく中での成功観の変化が読書と関係しているという▼どうやら現代は自らが成功するには読書から得る「社会に関する知識」は必要でなく、「自分に関する行動」に重きを置き、自分に関係ない知識は「ノイズ」と捉える時代になったようである▼ノイズとして気付かない情報の中にも実は大切な事実があり、成功へとつながるきっかけもある。政策を伝える上で、手短さや分かりやすさは必要だが、印象だけで物事が決まっては危険である。丁寧にひた向きに粘り強く伝えることが大切と切に思う。