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メディア短評 日暮高則(アジア問題ジャーナリスト)

WHO年次総会開催 パンデミックに備えた条約採択 全国紙社説は評価するも米国の離脱により新たな課題

昨年8月、ネパールのヒマラヤ山脈で氷河湖が決壊し、下流にある村落が洪水被害を受けたが、今年5月にも、スイスで大規模な氷河崩落が起き、下流の村をのみ込んだ。これらは地球温暖化が原因である。一方、2019年に中国・武漢で初めて感染者が報告された新型コロナウイルスはその後全世界を巻き込むパンデミックとなった。感染症のまん延は歴史上一定間隔で繰り返される、避けられない悲劇である。
だからと言って漫然としていいわけでない。人類一丸となって対抗すれば、その被害は最小限に食い止められる。地球温暖化では、パリ協定での枠組みを順守することで温室効果ガスの削減が図れるし、感染症では、世界保健機関(WHO)が旗振り役になり、各国の保健当局と製薬企業が協力すれば、最小限被害での制圧も可能だ。という意味から、2つの協定と機関は、われわれが安穏で平和な日常生活を送る上で欠かせない存在である。
温暖化もパンデミックも地球規模で影響を受け、どの国もその難を逃れることはできないのだが、トランプ米大統領はこれらの防止対策に消極的のように感じる。
パリ協定を巡っては、トランプ大統領が1期目の政権時に「米国の製造業を制約する不公平な協定」と主張し離脱したので、今回の脱退も予想できた。しかし、WHOの脱退についてはいま一つ分からない。トランプ大統領はこれまでWHOを中国寄りだと非難してきたが、それだけの理由だとしたらあまりにも軽薄、無茶な振る舞いではないか。
そうしたなか、5月、スイス・ジュネーブでWHOの年次総会が開かれ...

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