「トランプ関税」全国紙社説を読む 健全な世論形成へメディアの役割果たせ
トランプ米大統領が主導する関税政策は日本に大きな衝撃を与えた。その後、上乗せ部分の執行が90日間停止されたとはいえ、日米関係を根底から覆しかねない状況であることに変わりはない。まさに「国家の非常事態」と言っていい。全国紙各紙が事態進展のたびに社説でこれを論じたのも当然だ。
各紙ともトランプ大統領と米国を厳しく批判し、政府に対し毅然(きぜん)として交渉するよう要望した。また、各国との連携や国内対策に万全を期すことも各紙共通して訴えた。
そうしたなか、朝日新聞は「経済にしろ、安保にしろ、現状を所与のものとせず、米国から突き放されるリスクへの対応も視野に入れた、より自律性の高い戦略を模索する必要がある」(4月8日付社説)として、米国依存からの脱却を説いた。日本経済新聞も「長期的には米市場への依存を引き下げ、地域的によりバランスのとれた収益構造をめざしたい」(4日付社説)と同調した。
読売新聞も同じく米国から依存度低減を唱えた。しかし、それ以上に強調したのは...