中東情勢の混迷はわが国の国益にも直結する
混乱の行方、影響について危機感持って報道を
イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意は明るいニュースだが、中東の混乱はまだ収まらない。その震源がシリアだ。昨年12月のアサド政権崩壊以降、政情の安定には程遠い。
1月1日付日本経済新聞「シリア、混乱拡大の懸念 クルド系や『イスラム国』再拡大 続く衝突、暫定政権苦慮 中東、さらなる火種にも」では、アサド政権の崩壊後、権力の空白に乗じた混乱への懸念を記者リポートの形で掲載した。シリア北部では暫定政権側と少数民族のクルド系勢力による戦闘が続き、イスラム過激派組織も勢力再拡大の動きを見せており、中東のさらなる火種となりかねないと米軍の空爆等も紹介して懸念を伝えた。
1月5日付毎日新聞「ウクライナ、シリアに秋波 小麦粉500トン支援 親露政権崩壊で」では、ウクライナのシビハ外相がシリアの首都ダマスカスを訪問する等、親ロシアのアサド政権が崩壊したシリアとの関係強化に乗り出し、最近は人道支援としてシリアに小麦粉を発送したことを紹介。一方で...