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メディア短評 川上和久(麗澤大学教授)

国内外で相次ぐ情報セキュリティーを巡る問題 各紙は危機管理対策の強化の重要性を主張

わが国におけるIT社会での備えの不安を露呈する事件が最近でもいくつか起きている。出版・動画配信大手「KADOKAWA」の子会社が運営する動画サービス「ニコニコ動画」でサイバー攻撃によるシステム障害が発生したのは6月8日。通信制高校「N高等学校」の生徒等の個人情報が一部漏えいしたとされ、攻撃にはランサムウエア(身代金要求型ウイルス)が使われたとみられている。
7月7日付日本経済新聞社説「KADOKAWAへの攻撃を他山の石に」では、情報セキュリティーに完璧はないものの、情報システムを利用している全ての企業や団体に対し、この問題を他山の石として、セキュリティー対策に当たる人員や投資が十分か確認すべきであると警鐘を鳴らしている。
だが、情報セキュリティーを担保するはずのセキュリティソフトの不具合で、世界中で混乱が起きた。7月9日に、米サイバーセキュリティー会社クラウドストライクのソフト「ファルコン」のウィンドウズ向けの更新作業で問題が生じ、ウィンドウズを搭載したパソコンの操作ができなくなったり、世界中で交通、物流や金融、放送、医療サービスがダウンする等、幅広い分野で被害が広がった。
ここであらためて問題となったのが、クラウドストライクが、パソコン等の情報をサイバー攻撃から守る分野で、世界首位のシェアを持ち、約3万社の顧客を抱えていたために、被害が世界中に広がったという現実である...

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