公費でワクチン接種が可能
わが国では平成25年から子宮頸(けい)がんの原因となる、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチン接種が、予防接種法に基づく定期接種として行われています。しかし、接種後の多様な症状に関する一部報道等を受けて、平成25年6月から令和4年3月までの間、積極的勧奨が差し控えられたため、この間も定期接種の対象であったものの、HPVワクチンの公費での接種機会を逃した人がいます。そのため、公平な接種機会を確保する観点から、政府は、来年3月末まで「キャッチアップ接種」として、過去にワクチン接種を完了していない人に、公費による接種を呼び掛けています。HPVのキャッチアップ接種について、Q&A形式で紹介します。
公平な接種機会を確保
- 今回のキャッチアップ接種とは、誰を対象に、いつまで行うのですか?また、具体的にどうすれば接種できますか?
- 今回のHPVワクチンのキャッチアップ接種対象となるのは、
(1)誕生日が平成9年4月2日~同20年4月1日:今年度17歳~27歳になる女性
(2)過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
→この(1)と(2)を満たす女性が対象となります。
なお、今回のキャッチアップ接種は、令和4年4月から始まり、来年3月末に終了予定です。
また、具体的な接種方法は、住民票のある市町村から届く通知等で確認してください。
今年9月末までに1回目を
- キャッチアップ接種では、何回ワクチン接種しなければならないのですか?
- HPVワクチン接種では2価ワクチン(サーバリックス)、4価ワクチン(ガーダシル)、9価ワクチン(シルガード9)の3種類が使用されます。
いずれのワクチンでも、今回のキャッチアップ接種では、決められた間隔をあけて、同じワクチンを合計3回接種することになります。
このため、公費による接種を今回の期間内に終えるには、少なくとも今年9月末までに1回目の接種を終えることが必要となります。そこで、政府は夏休み等の比較的時間が確保しやすい夏までの間の接種を呼び掛けています。
なお、自費でワクチン接種を受ける場合の費用は、1回あたり3万円程度と言われています。
子宮頸がん予防にはワクチン接種と検診
- 通常の定期接種の対象年齢である高校1年の期間を過ぎても接種の効果はありますか?
- 16歳頃までに接種するのが最も効果が高いですが、それ以上の年齢で接種してもある程度の有効性があることが研究で示されています。
- 過去に1回のみ接種した場合や、2回のみ接種した場合、残りの回数もキャッチアップ接種の対象となりますか?また、対象となる場合、残りの接種を9価ワクチンに変えることができますか?
- 過去1回接種した場合は残り2回、・・・