軍事クーデターから3年目のミャンマー 全国紙は社説で現政権に厳しい見方示す
ある政治勢力が国土を武力で制圧しても、その後の支配体制がうまくいかなければ、政権は長続きしない。イスラム武装勢力「タリバン」は一度アフガニスタンを支配したが、女性の地位を否定する等極端な「原理主義」を貫いたため、民衆の反発を招き、支配権を失った。米軍の撤退で再び舞い戻ってきたものの、広範な支持は得られず、先行きは怪しい。
パレスチナの武装勢力「ハマス」は長年ガザ地区を統治してきたが、民生面での改善が見られないことから、住民は不満を募らせていた。昨年、突如イスラエルへの奇襲攻撃に出たのは、住民の目を統治者から外に向けるための巧みな計略とみられる。
ミャンマーはアウンサン・スーチー女史の下、健全な民主主義国家として発展しようとしていたが、2021年2月1日、ミン・アミン・クライン将軍の軍部がクーデターを起こし、権力を奪取した。国民のほとんどが望んでいない政変であり、軍政に従えるはずもない。むしろ反発の激しさから、一部の民主勢力は国境地帯を実効支配する少数民族部隊に合流し軍事政権打倒に動いており、内戦状態と化している。一般に、政治権力は奪取することより、長く維持する方がはるかに難しいことはこの国の例でもよく分かる。
ミャンマー軍政3年目の節目に際し、全国紙が社説を掲げたが...