厚生労働省は、令和5年12月25日、海外で開発中の薬の早期承認を目指し、国際共同治験の前に行われる治験に日本人が参加できなかった場合に、国際共同治験前に求めていた日本人への事前の治験について、原則不要とする通知を出しました。今回の通知により、従来指摘されていたドラックラグやドラッグロスの解消に向けて前進することになります。わが党も引き続き、この創薬環境の改善を支援していきます。
現在、わが国の新薬は、基礎研究・非臨床試験・臨床試験・承認審査・製造販売後調査というプロセスを経て創薬されています(図参照)。
臨床試験は、第Ⅰ相試験・第Ⅱ相試験・第Ⅲ相試験に分けられ、この人に対する臨床試験のことを特に治験と言っています。
この治験では、通常、第Ⅰ相では少数の健康な人を対象に副作用等の安全性について確認し、第Ⅱ相では少数の患者を対象に有効で安全な投薬量や投薬方法等を確認し、第Ⅲ相では多数の患者を対象に有効性と安全性について既存薬等と比較し、薬の有効性等を確認しています。
この治験の第Ⅲ相試験は、近年は国際共同治験という形で大規模に行われるようになっています。この国際共同治験の国別実施数に関して、日本は世界23位の実施にとどまっています。
![[創薬]創薬日本人への追加の事前試験、原則不要に ~ドラックラグ・ドラッグロス 解消への第一歩~](/news/information/img/207408_01.png)
創薬PTも改善を提言
わが国での国際共同治験の実施が伸び悩んでいるのは、・・・