

石田 昌宏 参議院議員
令和6年能登半島地震で、お亡くなりになった皆さまのご冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
被災した能登半島にも酒蔵が多数ありますが、日本酒のクオリティーはどんどん上がっています。切れ、コク、香りどれをとっても天下一品。世界のどんなお酒とも渡り合える日本の誉れです。
ところが、せっかくの日本酒も開栓して残しておくとすぐ酢になってしまう、なんて声も。でも、そうとは限らないのです。
確かに空気に触れていれば空気中の酢酸菌が日本酒のアルコールを酢酸に変えて酢になります。
古来、酒は神事で使う大切なもの。飢きんが起きたときは穀物の代わりにカロリーにもなっていました。集落には必ず日本酒が保存され古酒になっていきました。ところが、明治時代、戦費調達のために酒税ができたとき、お酒を作った瞬間に税金をかけたため、保存すると資金繰りが悪化し、酒蔵は作ったらすぐに売るしかすべがなくなりました。これが日本酒は新酒が当たり前となった理由です。税制が文化を滅ぼしてしまいました。
戦後、その税制が改正され保存しても問題なくなったのですが、いつの間にか作り手も飲み手も新酒に慣れてしまい、日本人は古酒を忘れてしまいました。
ところが最近、日本酒の古酒にスポットが当たり始めました。お酒を追求する人たちがその価値を再発見し、少しずつですが20年、30年、50年物といった古酒を出す酒蔵が増えてきました。
濃厚な香りと複雑な味わいはいろいろな料理に合います。バーで食後にという飲み方もおいしいです。