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連載シリーズ 新しい資本主義の「扉」第46回
心筋梗塞や肝硬変等、不治と言われる病の治療も可能に

臓器の線維化の原因を発見

心筋梗塞、肝硬変、慢性腎不全、膵臓(すいぞう)がん等の難治性がん。これらは先進国の全死亡原因の約45%に該当するとされています。これらの症状に関与しているとされるのが、「線維化」と呼ばれる臓器が硬くなる症状です。これまで「線維化」をもたらす原因物質が分からず、これに対する決定的な治療薬や治療法はありませんでした。九州大学の仲矢道雄准教授らを中心とする研究チームは線維化を促すたんぱく質「VGLL3」を特定し、不治の病と言われる心筋梗塞や肝硬変等の治療薬開発にもつながる発見をしました。

線維化の原因物質を発見

私たちの体の中では、細胞はコラーゲン等の細胞外マトリックスタンパク質と呼ばれるものに囲まれています。このコラーゲン等は、さまざまな臓器に適量存在し、これが臓器に弾力を与えています。

しかし、私たちが病気になると、このコラーゲン等の細胞外マトリックスタンパク質が過剰に産生されてしまいます。この状態になると、それまで適度な弾力があった臓器が硬くなってしまいます。この状態は、臓器の「線維化」と呼ばれ、さらに病状が悪化していきます。したがって、この線維化の進行を促す役割を果たす物質を突き止め、その物質の働きを抑える薬を開発することが期待されています。

この物質について、九州大学大学院薬学研究院疾患制御学分野の仲矢道雄准教授を中心とする研究グループ(小迫英尊徳島大先端酵素研究所教授、田中亨自治医科大教授、大村谷昌樹兵庫医科大教授ら)は、「VGLL3」というタンパク質が臓器の線維化を促進することを世界で初めて発見しました。

病気の臓器におけるコラーゲン過剰産生の負のスパイラル

連載シリーズ 新しい資本主義の「扉」第46回 心筋梗塞や肝硬変等、不治と言われる病の治療も可能に

※画像出典:九州大学ウェブサイト

負のスパイラルを止める

線維化は、上図のように、コラーゲン等を産生する筋線維芽細胞(きんせんいがさいぼう)が、その周囲に形成されるコラーゲン線維から物理的な力を受けることによって加速度的に進行します。研究グループでは・・・

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