連載シリーズ 新しい資本主義の「扉」第45回
web3で世界初の村おこしに挑戦
「デジタルアート」×「電子住民票」
わが国は地方を中心に、人口減少や少子高齢化、過疎化といった課題を抱えています。これらの課題を解決するためには、デジタル技術を活用した地方の活性化を図っていくことが必要です。新潟県旧山古志村(現・長岡市)は、世界初となる「デジタルアート」と「電子住民票」を活用した村おこしに挑戦。その取り組みに注目が集まっています。
デジタル村民がリアル村民超える
新潟県の中央部、中山間地域に位置する旧山古志村は、平成16年、中越大震災により壊滅的な被害を受けました。全村民が避難を余儀なくされた上、長岡市への合併を経て、震災発生当時2200人いた旧山古志村の村民は約800人に減少。加えて、約55%が65歳以上と、高齢化も進んでいます。
そこで、旧山古志村は集落の存亡を懸け、次世代のインターネット概念「web3」の代表的なサービスである非代替性トークン(NFT)を活用した世界初となる村おこしに挑戦。「Nishikigoi NFT」と名付けられた、旧山古志村の名産である錦鯉をモチーフにした「デジタルアート」を発行しました。
「電子住民票」を兼ねた「Nishikigoi NFT」の例(出典:「Nishikigoi NFT」ホームページ