日本発の次世代エネルギー技術「QHe」
原油の価格高騰等、エネルギーを海外に依存しているわが国では、次世代エネルギーの開発が急務となっています。そんな次世代エネルギーの中で、天然ガスの1万倍のエネルギー密度を有し、東北大学と日本の企業のチームが世界で開発の先頭を走っている「QHe(量子水素エネルギー)」を紹介します。
QHeは、水素の量子拡散を利用した発熱技術です。ニッケルベースのナノ複合金属材料に吸蔵させた少量の水素を加熱することにより、水素が量子拡散し発熱反応が起こります。
発熱の原理(イメージ)
※画像提供:(株)クリーンプラネット
この反応は、研究者の間では、「凝縮系核反応」「金属水素間新規熱反応」「低エネルギー核反応」等と呼ばれ、世界中で研究が活発になってきています。
このQHeの実用化に向けた取り組みで世界をリードしているのが、株式会社クリーンプラネットです。同社が東北大学と実用化に向けて共同開発に取り組んでいるQHeのエネルギー密度は、メタン(天然ガス)や水素の燃焼等の化学反応に比べて圧倒的に高いことが特徴です。QHeの技術を使えば、わずか10グラム以下の水素で、一家庭で毎月必要な電気と熱を供給するのに十分なエネルギーを作ることが可能です。さらに、実験では、少量の水素を運転開始前に装置に注入するだけで、1年半以上もの長期間の連続運転を行うことにも成功しました。
QHeの熱核融合に比べた優位な点は、一般的な水素を燃料に熱を生み出しており、中性子線を含む放射線が発生しない点にあります。将来的には・・・