独特の質感が見る者を魅了 江戸の技法を再現した朧銀塗

まどろむ酒器 桜・花火

新潟漆器『朧銀塗』(角皿)
5月に新潟市で行われたG7財務大臣・中央銀行総裁会議では開催自治体である新潟県、新潟市からも記念品が各国大臣・総裁に贈呈されました。
新潟県からは同県の金属加工品。銅製の酒器は、錫(すず)がコーティングされています。表面には春を感じる桜と夏の花火柄を施し、約16度以下の冷たい液体を入れると柄が色づく仕掛けとなっています。
新潟市からは新潟漆器の角皿。江戸時代には、北前船の寄港地だった新潟はさまざまな地方の漆器の加工法が取り入れられ、「変わり塗りの宝庫」と言われています。朧(おぼろ)銀塗は、江戸時代の技法を現代によみがえらせたものです。塗りと錫の粉を撒く作業と水研ぎを繰り返すこと約45日。伝統技術と創造性の結晶とも言える朧銀塗の表面は、漆器とは思えぬ金属のような独特な質感です。