わが国の領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた面積は世界第6位。さらに、日本海溝等の深海があるため、容積では世界第4位を誇ります。この広大な海で、海洋資源開発や洋上風力発電、海洋安全保障等の幅広い分野で活躍が期待されているのが自立型無人探査機(AUV)です。
極めて高精度なデータ取得可能に
AUVは「海のドローン」とも呼ばれる海中ロボットの一種です。人が直接行くことのできない海中を探査するために使用されます。

隊列制御を行った4機のAUV
(出典:JAMSTECホームページ)
海中のAUVの測位や通信等の制御には、音響測位や通信装置を備えた無人自動運行の海上艇である海上中継器(ASV)を用います。ASVは衛星通信装置も備えており、AUVからの情報を支援船舶や陸上へ送信することができます。

ASV「KaiKoo」
(出典:JAMSTECホームページ)
従来、海洋鉱物資源調査等の広範囲の海洋調査には、洋上から調査船舶が発信する音波を用いた調査が行われていました。しかし、水深の深い海域では取得データの精度が低下し、高精度の海底地形調査には限界がありました。
これに対して、海中で展開するAUVを用いる調査では、海底面近くの水深で航行しながらAUVが音波を発して調査を行うことにより、海面上の船舶からの調査と比較して、極めて高い精度のデータを得ることが可能となります。