

櫛引 ユキ子 青森県議会議員
私の推しメシは、青森県の津軽地方に伝わる郷土料理「けの汁」です。お正月になると作り置きをし、温め直して食べます。この時期なると、子供たちや孫たちまで楽しみにしてくれます。
「けの汁」の由来は、「粥(かゆ)」のことを津軽地方では「け」と呼ぶことから、「かゆの汁」という意味でこう呼ばれている等諸説あります。もともとは、昔の小正月の料理でお嫁さんが里帰りする際、男衆のために作り置きしたものとされています。津軽の「七草がゆ」とも呼ばれています。
具材が多く、栄養豊富な保存食ともなります。わが家の作り方は、昆布だしを取り、それに煮干しの粉末を加えます。具材は大根、人参、ごぼう、竹の子、ふき、ぜんまい、昆布、乾燥豆腐、油あげ、しいたけです。わらびがある時はそれも入れます。大根や人参は1センチ角に切り、他の具材も細かくします。ぜんまいなどの山菜は、この「けの汁」のために保存しておきます。味付けはみそです。大豆を入れる家庭もあると聞くので、家庭によって微妙に味が違うということでしょう。
この一品でおかずと汁物になります。餅を入れて食べる人もいます。体が温まりますし、作る人の温かさも感じて、懐かしさもあります。飲食店等でも出されていますので、青森県においでの際はぜひご賞味ください。