小さい頃からそば屋に行くと必ず注文していた、私の地元山梨県甲府市のソウルフード「甲府鳥もつ煮」。汁の多い通常の「もつ煮」とは違い、鶏の臓モツを少量のタレを使い強火で短時間のうちに照り煮します。ご当地グルメを競い合う第5回B1グランプリでゴールドグランプリを獲得してから一躍全国的にも有名になりましたが、甲府独自の食文化だとは、この受賞まで知りませんでした（全国のそば屋にはどこにでもあると思っていました）。
「甲府鳥もつ煮」は、戦後間もない昭和25年頃に、「鳥のもつが捨てられていてもったいない。何か安くておいしいものはできないか」と甲府市内のそば屋で考案されました。その後、そば屋から飲食店に広がっていき、今では、ほうとう、煮貝と並ぶ甲府独自の食文化となりました。砂肝のコリコリ感、しこしこしたハツ、レバーの柔らかさ、ぷちっとした感触のきんかん（産まれる前の卵）、食感だけでも十分楽しいのですが、甘辛く煮込まれたタレとの相性は抜群!一度食べたら病みつきになること間違いなしです。
私の祖父たちは、そば屋で鳥もつをさかなに日本酒を飲み、シメでそばを食べていたとか。また甲州ワインとの相性も最高です。甲府に来たら「甲府鳥もつ煮」で一杯いかがですか?
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