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お知らせ「自由民主」先出し新型コロナウイルス

ファイザー製ワクチンの有効期限1年に
段階的な延長はむしろ慎重な確認の証左

ファイザー製ワクチンの有効期限1年に 段階的な延長はむしろ慎重な確認の証左

ファイザー製新型コロナワクチンの添付文書が4月22日に改訂され、有効期限が従来の「9カ月」から「1年」に延長されました。適切な方法で管理されている場合は1年経っても品質が保たれていると確認できたことから延長されたのですが、ネット上では「廃棄したくないからだ」「一度世に出たのに期限が延びるなんてありえない」などといった憶測やデマが飛び交っています。

抗インフルエンザ薬など延長例は多々
不安払しょくへ丁寧な周知徹底が重要

ワクチンの有効期限は、ワクチンを一定期間保存し、品質が維持されることを確認した上でメーカーが設定し、そのデータを基に、規制当局が妥当かどうかを判断します。今回もファイザーから延長の申請を受けた上で、提出されたデータ等を基に厚生労働省が審査し、薬事上の承認を行っています。政府が独断で期限を延長しているわけではありません。
また、最初から「有効期限:1年」という製品を世に出すには、少なくとも完成してから「1年+品質確認にかかる期間」が必要になり、それだけ実用化に時間がかかります。
今般の新型コロナは国内外で多くの方が亡くなる、まさに一刻を争う事態であり、臨床試験で高い有効性・安全性が確認されたワクチンを、できるだけ早く実用化する必要がありました。他方、接種までには輸送・配分等のプロセスがあるため、ある程度の期間は品質が維持されなければ、現実的に使えません。そのため、当初は「きちんと保管すれば6カ月間品質が維持できる」ということが確認できた時点で実用化されました。
その後、接種を進めるのと並行して、保存期間による品質への影響を追加的に検証。問題がないかどうかを確認しながら、科学的な知見に基づいて昨年9月に「9カ月」、今回「1年」と段階的に期限が延長されてきています。言うなれば新型コロナワクチンの有効期限は「その時点で品質が維持されることが確認できている保存期間」、つまり暫定的なものなのです。何度も期限の延長が行われているのは、むしろ慎重に検証・審査を行っている証左だと言えます。
保存温度等についても同様に、最初はより慎重な取り扱いをしつつ、どの程度まで緩和できるのかをしっかり検証した上で変更されています。
ちなみに、こうした有効期限の延長は、抗インフルエンザ薬や高脂血症治療薬をはじめとして他の医薬品でも行われていることであり、なんら珍しいことではありません。
ただし、接種済証に貼り付けるシールの印字等は延長以前の日付が掲載されているものもあるため、きちんとした情報提供がなければ......

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