2024年4月4日(木)18:23~18:53
於:党本部平河クラブ会見場
【冒頭発言】
本日、党紀委員会が開催され、1日に私から党紀委員会に審査要請した39名につき、逢沢党紀委員長より、その結果を今、報告を受けたところですので、発表いたします。
まず、今般の「派閥」の政治資金パーティーの不正な処理に関わる問題について、大きな政治不信を招いており、極めて深刻な問題であると受け止め、党紀委員会に審査要請したところです。
特に、清和政策研究会においては、長期にわたり大規模かつ継続的に、「派閥」の政治資金収支報告書だけでなく、大半の議員の政治資金収支報告書に還付金の不記載が判明するなど、組織的な不正が疑われています。
党紀委員会においては、これらの不正・不適切な会計処理について、「派閥」の幹部の立場にありながら適切な対応を取らず、大きな政治不信を招いた者の政治責任は極めて重いとの審査結果でした。
具体的には、清和政策研究会の会長代理、常任幹事会座長、もしくは参議院清和政策研究会会長という「派閥」運営の枢要な立場にあった者の政治責任、清和政策研究会の幹部であり、「パーティー収入」の会計処理を話し合う重要な会議に出席していたにもかかわらず、適切な対応を取らなかった者の政治責任、そして、清和政策研究会において還流の開始時から直近まで事務総長という重要な立場にあった者の政治責任です。
また、不適切な会計処理への関与の事実は認められなかったものの、「派閥」の幹部の一員であった、もしくは過去5年において、自身の政治団体に多額、2000万円以上の不記載があった議員の政治的、道義的責任も重いとの判断でした。
上記以外にも、過去5年において、自身の政治団体に相当な額、1000万円以上、もしくは500万円以上の不記載がある議員について、会計責任者に任せきりで不適正な処理としてしまった者の管理責任も問われるとの審査結果でした。
なお今日、党紀委員会において、審査の過程で具体的な処分の判断、党紀委員会において判断をいただくものですが、事前に様々なマスコミ報道が流れていたということに対しては大変遺憾であると、こういう表明があった。こういうご意見についても報告を受けたところです。
以上の内容を踏まえた具体的な処分については、これから資料を配布いたします。
お手元の資料の通りでありまして、党紀委員会の審査結果、39名に対する処分の審査でありまして、「離党の勧告」塩谷 立議員、世耕 弘成議員の両名、「党員の資格停止(1年間)」下村 博文議員、西村 康稔議員、「党員の資格停止(6カ月)」髙木 毅議員、「党の役職停止(1年間)」がご覧の9名、「党の役職停止(6カ月)」がご覧の8名、そして「戒告」がご覧の17名ということになります。具体的にどのような政治責任であるか、管理責任であるかについては、先ほど私がお話した通りです。
私からは以上です。
質疑応答
- NHKです。幹事長に伺います。以前、国民の納得が得られるかどうかというのが一番重要なポイントだったと思いますが、今回、結果を見て、処分の重さや対象議員など、国民の納得感がある妥当な結果だとお考えですか。
- この処分というか党紀委員会については、私の方で開催を要請させていただきました。そして、党紀委員会において厳正な審査の結果としてこのような処分が決定されたところでありまして、党紀委員会の審査をお願いした私の立場から、この処分についてどうであるというコメントは差し控えたいと思いますが、これだけ多くの処分者が出た、また厳しい処分も含まれているということについては重く受け止めたいと、このように考えています。
- 朝日新聞です。今回、一連の問題に対しては、総裁である岸田首相への責任を問う声が党内ならびに世論からも強くあります。本来であれば、この場に総裁が出席して、自己の責任の在り方、それから党再生の道筋について、自らの言葉で語るべきだと思いますが、そのような状況にはなっていません。この状況について幹事長はどのようにお考えですか。
- 岸田総裁はこの後、ご自身で今回の結果を踏まえた考えというか、それについては対外的にお話をされると、そのように考えています。今回、党紀委員会の開催については、幹事長である私が要請をさせていただきまして、逢沢委員長、田村副委員長の下で、厳正な審査が行われた。その結果につきましては、開催を要請した私の方から、お2人から報告を受けて、今、処分の内容について発表しているところです。総理自らにつきましては、ご自身がまたぶら下がり等で対応される。このように承知しております。
- 読売新聞です。離党の勧告に従わない場合というのは、除名となるのでしょうか。
- 離党勧告に従わない場合、まず不服申し立てができるわけでありまして、それが総務会にかかることになります。もし、この不服申し立てが了解された場合は再審査ということになりますが、そうでない場合については、仮に従わない、ぜひこれを重く受け止めてほしいと思っておりますが、一定期間、決まっている期間で離党届が出されない場合には、最終的にはより重い処分ということになると考えています。
- 読売新聞です。萩生田前政調会長の処分ついて、萩生田氏は5人衆の1人であったことや、金額の大きさからも党内からは処分について軽すぎるのではないかという声も出ていますが、幹事長は処分の妥当性についてどのようにお考えですか。
- 処分の結果は、今発表したところでありまして、これから様々なご意見もいただくと思っています。そして今回の事案について、まず検察による捜査がありました。そして、党及び国会において事実確認の取組みを行いまして、一定の事情を知り得る立場にあった方々については、追加の聞き取り調査も行なったところであります。その上で、検察の判断による刑事責任とは別に、今回のような事態を招いてしまった政治責任、道義的責任、そして管理責任についても明らかにする必要があると考え、党紀委員会による審査を要請したところであります。そして、党紀委員会による審査の結果、今回の処分を決定いたしました。先ほどもお話しましたが、審査をお願いした立場から党紀委員会の処分の判断、個々の議員の処分の判断について評価するということは差し控えたいと思いますが、審査の結果についても、またそれに対する様々なご意見、評価についても、重く受け止めたいと、そのように考えております。
- フジテレビです。幹事長に伺います。塩谷立氏の処分に関連して、塩谷氏が処分の審査前に、弁明書が一部報道で報じられて、自身の処分は不当だとして、「独裁的、専制的な党の運営には断固として抗議する」と報じられました。党の執行部に対して、「独裁的な」という極めて強い言葉を使って批判したわけですが、これについて幹事長の受け止めを伺います。
- 弁明書は手続きに則りまして党紀委員会の方に提出されたものと承知しております。私は、党紀委員会の開催、そして処分審査をお願いする立場でありまして、弁明書の内容については承知をいたしておりません。
- TBSです。今日、党紀委員会で処分の審査をしなかった残りの45人については、党規律規約にある幹事長が行う処分をされるのか、具体的な内容や時期なども決まっていたら教えてください。
- 不記載額が過去5年間で500万円未満、すなわち年間で見ますと100万円未満だった45名については、党の聞き取り調査等でも意図的に不正な処理に関与したという事実は認められず、党則に基づく処分ではなく、幹事長による対応として、厳重注意、早急に行いたいと思います。
- 共同通信です。安倍派幹部の処分について伺います。政倫審などで焦点となっていたのは、22年8月のキックバックの復活会合に参加したことだったと思いますが、今回、塩谷氏、世耕氏と下村氏、西村氏で処分に差がつきました。この差について、肩書きなのか、再聴取の結果、関与の度合いで違いが出たのか、その点について伺います。
- 2022年の8月5日の会合について、キックバックについての会合というお話でしたが、お話を伺いますと、そこにおきましては、今後のグループの運営をどうしていくか、また当時は安倍元総理の国葬の話もありました。いくつかのテーマがある中で、このパーティー収入の処理についても話し合ったということでありますけれど、細かい内容につきましては、今回の聞き取り調査については明らかにしないということでありますので控えたいと思いますが、いずれにしても、これまでに党の執行部として様々な聞き取り、追加の調査、アンケートも行なってまいりましたが、その把握している事実関係や問題認識、これにつきましては党紀委員長の方にお話をして、それも踏まえて、今回の処分であったと考えているところです。
- 日本テレビです。安倍派ではいわゆる5人衆を中心に派閥の集団指導をしてきましたが、今回、その5人の処分に差がついた理由について改めて教えてください。
- 先ほど冒頭でも党紀委員会のご判断として、いくつかのカテゴリーというか、それぞれの責任の重さについて冒頭、発言をさせていただいたと思います。一つは、清和政策研究会の会長代理、そして常任幹事会の座長、会長がいない中では一番高いポストになると思います。そして、参議院の清和政策研究会、40名を有するグループでありますが、その会長という、派閥運営の枢要な立場にあった者の政治責任、これは極めて重いと判断をされたんだと思います。そして2つ目のカテゴリーというか、幹部であってパーティー収入について会計処理を話し合う重要な会議、4月7日、そして8月5日、この会議に出席していたにもかかわらず、最終的には適切な対応を取らなかったという幹部の政治責任、さらには、還元が復活をしたのが2022年の9月になると思いますが、その時点で事務総長であり、直近まで事務総長であった議員の政治責任、こういった形で区分をされた。そしてそれぞれに適切な処分というのを決定された。このように考えております。
- 北海道新聞です。逢沢党紀委員長に伺います。本日の党紀委員会の中でどういった点を重視してご判断されたのか、また弁明書は何人から提出があったのか、教えてください。
- (逢沢党紀委員長): 今日午前10時、あるいは10時30分の締切を締めさせていただいて、弁明書の提出を求めさせていただきました。当該議員総数39名のうち31名の議員の方々から弁明書が提出されました。もちろんのこと、党紀委員会に臨む以前に、党紀委員会の皆様方に、その弁明書を精読をしていただいて、党紀委員会に臨んだということでございます。
- 北海道新聞です。どういった点を一番重視してご判断されたのでしょうか。
- (逢沢党紀委員長): もちろんのことでございますが、党所属の議員の処分について、真剣に議論するわけでありますが、今回の処分の結果が広く国民の皆さん、全国の党員の方々に積極的に受け止められ、未曽有の危機的状況にある自由民主党の再生、あるいは新しく党が変わる、党を変えていく、このエネルギーというか機運というか、そのことに一歩でもつながる、一歩でも近づける。そのことを、私を含め全ての党紀委員の方々、民間人の方も含めて、真剣に、その一点に思いを集中させて、真剣に議論をいただいた。その結果が今、お手元に配布をさせていただいた結果であり、全体については、幹事長が今、説明いただいた通りでございます。
- 朝日新聞です。幹事長に伺います。先ほど幹事長からも言及がありましたが、今回の組織的な不正について、いつから、どう始まったのかという実態の部分が必ずしも明らかになっていません。野党は国会の中で森元首相への聴取を行う機会を再三再四求めてきたわけですが、改めて、森元首相への聴取というのは行われたんでしょうか。
- 追加の聴取等につきましては、事実関係の確認のために必要に応じて実施をしているところであります。以前から申し上げておりますが、聞き取りの対象とか、また聞き取った内容について、外部に明らかにしない方針としているところでありますが、党としての様々な調査の内容とか、その結果についての問題認識については、党紀委員長の方にお伝えをしているところであります。また事実関係を究明する、極めて重要なことだと思っています。その努力は続けなければなりませんが、ある意味、一定の処分というのはいつまでも延ばすことはできない。こういう思いで今回、党紀委員会の開催というのをお願いした。こういう経過でありまして、そういった、結果であったりとか、また事実確認、こういったものを踏まえながら、再発防止策につきましても早急に検討を深めていきたい。具体的な内容について詰めていきたい。こんな風に思っています。
- 朝日新聞です。今日、実際処分が決まったわけですが、それでもなお森元首相への聴取の有無について公表できない理由はどういったことでしょうか。
- 森元総理というか、誰に聴取をしたかということについては、報道ベースでは流れていますけれど、少なくとも聴取を担当した総理、そして私、森山総務会長、この3人でやっておりますが、この3人からはお話をしていない。このように思っています。
- NHKです。今回、岸田総理は処分の対象に含まれなかったわけですけれども、野党は、非常に不可解だとしています。また、今回、離党勧告となりました塩谷さんは、自らの弁明の中で、岸田総理の道義的・政治的責任も問われるべきだと主張しています。幹事長は、岸田総理の説明責任ですとか、政治責任は、もう責任を果たされたとお考えでしょうか。
- 今回の党紀委員会、所属議員の多数に不記載があった派閥の幹部という立場にあったにも関わらず、適切な対応を怠って大きな政治不信を招いたケース、それから不記載、あるいは不適正な記載の金額が過去5年で500万円以上の多額にのぼるケース、あわせて39名の審査が行われ、処分が決定したところでありまして、岸田総理については、この2つのどちらにも当てはまらないということでありますが、岸田総裁が今回の処分全体について、どう受け止めているかについては、このあとご自身からお話があると思っております。
- 共同通信です。世耕元参院幹事長は先程、国会内で記者団の取材に応じ、離党届を党本部に提出したと述べられました。この離党届の取り扱い等についてお伺いします。
- まだ事実関係を確認しておりませんけれど、離党届が出されたということであれば、受理するということになると思います。
- 東京新聞です。今回の処分で2名の方が離党勧告となりましたが、離党勧告された議員の選挙区では、支部長というのはどうなるのか、また次回の選挙では別の候補を立てるご予定でしょうか。
- まず、離党されるということになった場合には当然、支部長というのは外れるということになります。今後の対応につきましては、まさに、今、離党勧告というのは決まったわけでありますので、今後決定したいと思います。
- ニッポン放送です。逢沢委員長にお伺いします。確認ですが、今回の決定は、全会一致ということでしょうか。もう一つ、この党紀委員会のメンバーの中には有識者の方が4人いらっしゃったと思います。その方々が何かご意見とか、あるいは今回の処分について了承されたのかどうか、そのあたりをお聞かせください。
- (逢沢党紀委員長): 最終的に、様々な議論、様々なご意見をいただきましたけれど、このタイミングで処分を要請した幹事長、執行部の判断を党紀委員会としては重く受け止め、ギリギリの努力でありましたけれども、最終的に全会一致の形で処分の決定をいたしました。4人の民間出身の委員の方がいらっしゃいます。申し合わせで、個々の方々がどう発言されたかは公表しないという約束をいたしておりますので、そのことはご理解いただきたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、民間の立場で党のこれからを憂い、また再生に向けてどうあるべきかと、そういう観点からご熱心な議論をいただいた。大変、委員長として感謝をいたしております。
- ブルームバーグです。茂木幹事長にお伺いします。一連の政治資金問題について、今回の処分は一定のけじめがつけられたとご認識でしょうか。国民の不信に対してどのような位置づけになるとお考えでしょうか。
- 党紀委員会の方には今回の政治不信を招いた事態は極めて深刻である、こういうことで党紀委員会での処分の審査をお願いしたところであります。そして、審査の結果が出ました。離党勧告というのは議員にとってかなり厳しい処分であると思っております。また党員資格停止になるということは党員としての様々な活動が出来なくなるということでありまして、これも厳しい処分と思っています。こういう判断に至ったということはそれだけ、わが党に対する批判が大きなものがある。また、それだけではなくて全体の政治不信を招いてしまった、こういうことについて強い反省が必要だということだと思っております。仲間を処分しなければならない、率直に苦しい思いもあります。しかし、それだけ危機的な状況にわが党があるということを改めて、痛感しなければいけない、責任者の一人として痛感しなければいけない、そして、この処分、これを踏まえて、党の再生を進める。国民に対する信頼回復を図っていく、まさにそのスタートにしていきたい、こんな風に考えております。
- 朝日新聞です。逢沢委員長にお伺いします。この処分の効力はいつから発効するのかということと、また、萩生田さんについて党の役職停止になった場合、東京都連の会長という立場、こちらにも効力が及ぶのかどうかお聞かせください。
- (逢沢党紀委員長): ルールに従いまして、異議申し立ての期間がございます。今日から10日間となります。従いまして、4月13日までが異議申し立て期間、14日から効力を発するということになります。東京都連については幹事長から説明させていただきます。
- 役職停止、これは基本的に党本部の役職について停止になるということであります。その上で、それを踏まえて、各地方組織でどう対応するか、これはまさに、それぞれの地方組織で、都道府県連の役員などは決めているわけでありますから、そこで判断をするということになってくると思います。