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記者会見外交国会広島

役員会後 茂木幹事長記者会見

2023年5月22日(月)17:45~18:05
於:党本部平河クラブ会見場

茂木幹事長

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【冒頭発言】

本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、昨日、G7広島サミットが閉幕した。国際秩序が転換点にある中で、大変に内容の濃い、日本として国際的なリーダーシップを発揮できたサミットになったと考える。
広島サミットでは、3つの点に焦点をあてた。
第一に、ウクライナ支援、自由で開かれたインド太平洋の構築、経済安保をめぐって、G7の結束と連携を強化することができた。
第二に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の構築や、力による一方的な現状変更の拒否などの普遍的な原則の共有を通じ、グローバル・サウスの国々との「分断」を排し、「連携」を深めていくことができた。さらに、地球規模の課題に協力して取り組むための様々な枠組みについて、リーダーの合意を得た。
第三に、広島という象徴的な場所で、核兵器による威嚇、ましてや、その使用はあってはならないという国際社会の声を強く発信するとともに、「核兵器のない世界」に向けて、NPT体制の維持・強化を図る決意と今後の行動を示す、G7初の独立文書を発出した。
先月になってゼレンスキー大統領から対面参加の強い要望があり、G7で幅広い議論をしっかりと行い、かつ、大統領の安全な来日を確保するため、水面下での調整を集中的に行なった。昨日は、同大統領を交え、ウクライナ支援についてG7の連帯を強く発信することができた。さらに、インド、インドネシア、ブラジルなどとも直接の意見交換を持ち、G7および招待した8か国とウクライナが一堂に会する中での議論を経て、認識を共有した点について、議長として総括した。領土一体性など、国連憲章の原則を守るべきこと、対話による平和的解決や公正で恒久的な平和を支持すること、力による一方的な現状変更を許してはならないこと、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことなどについてG7のみならず招待国も含め考え方を共有できたことは、大変大きな意義があったと思う。
加えて、日韓首脳による韓国人原爆犠牲者慰霊碑の参拝を行い、また短時間の会議となったが、日米豪印のQUAD首脳会合、日米韓首脳会合なども行なった。
6月に予定している「骨太の方針」の策定や、「新しい資本主義実行計画」の改訂に向け、これまで以上に精力的に取り組んでいきたい。党の皆さんのご意見もしっかりと受け止めながら、こども・子育て政策、構造的賃上げ、新しい資本主義の実現など、先送りできない課題に一つ一つ答えを出すべく努力していきたい。
会期末をにらんで、国会はさらに緊迫した状況が続く。重要法案の審議も続いており、参議院を中心にご負担をおかけするが、引き続き役員各位のご協力をお願いしたい。
麻生副総裁からは、久しぶりの日本開催のG7だった。今回は、食事に何が出たかといったことではなく、会議の内容について大きく報道されていたことは良かった。
また今日、全国から応援に来た多くの警察官が離任する際、地元の小学生たちが全員で旗を振ってお見送りをし、感謝の気持ちを伝えていたことが印象的だった。
私(茂木幹事長)からは、今回のG7広島サミットには、ゼレンスキー大統領も出席し、G7とウクライナの揺るぎない連帯を示すとともに、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くとの力強いメッセージを日本から世界に発信した。また、保健・医療、気候変動をはじめとする地球規模の課題解決に向け、グローバル・サウスとの連携を強化していく方針を示した。
さらに、広島という平和の誓いを象徴する地で開催されたサミットで、核軍縮に関する「広島ビジョン」をG7として初めて発出できたことは、歴史的な意義があった。これらも含め、今回のサミットは、日本がG7議長国としてリーダーシップを発揮し、国際社会の結束を高める、歴史を刻むサミットになったと考えている。
G7サミットを終え、国会の会期もいよいよ1カ月を切った。参議院のご協力もいただきながら、重要法案の審議を着実に進め、全法案の会期内成立を目指し、万全を期していきたい。
大阪における党勢回復に向け、党に「大阪自民党刷新本部」を立ち上げたが、明後日、私と森山選対委員長とで大阪を訪問し、支部長、友好団体をはじめ関係者の意見も伺い、改革案の検討に入っていきたい。
髙木国対委員長からは、先週、財務大臣不信任決議案を否決し、「財確法」を財金委員会で可決した。明日13時の本会議は、「財確法」を含む議了案件の採決で、全党が討論する場合、所要1時間程度が見込まれる。
24日(水)の午後には、「G7広島サミットなど内外の諸課題」に関する予算委員会の集中審議4時間を開催する。
先週の本会議で、記名採決の際に演壇で紙を掲げて秩序を乱した、れいわの櫛渕万里君に対して、自民・公明・立憲・維新・国民の5会派で懲罰動議を提出した。
野上参議院国対委員長からは、先週19日(金)、国対委員長会談を行い、今週の本会議・登壇日程及び予算委員会・集中審議の日程等について協議を行なった。
財源確保法案は、明日23日(火)の衆議院からの送付を前提に、翌24日(水)の本会議において、総理出席の下、趣旨説明・質疑を行うことで合意した。26日(金)は、午前の本会議で装備品基盤強化法案の登壇を行い、午後から予算委員会を開いて集中審議を行うことで合意した。
本日は、決算委員会を10時から開会し、令和3年度決算、予備費8件について、「財務+要求大臣」方式の准総括質疑を6時間コースで行なっており、その後、予備費8件の討論・採決を行う。17時20分頃終了の見込み。
予算委員会は、明日16時に理事懇を行なって、集中審議の日程を協議する。
残る会期は、土日を除くと、本日を含めて僅か23日間。多くの重要法案が残されている中、国会はますます緊迫度を増して来ることが想定される。法案成立に向けて、衆参連携をより密にし、全力で臨んでまいる。
関口参議院会長からは、G7広島サミットは、岸田総理のリーダーシップのもと、しっかり成果を出していただき、とても良かったと思う。国会日程については、厳しい状況が続くので、衆議院と緊密に連携して取り組んでまいる。引き続きよろしくお願いする。
世耕参議院幹事長からは、G7広島サミット、総理大変お疲れ様でした。内容ももちろんのこと、首脳声明の発表とゼレンスキー大統領登場のタイミングなど、段取りが入念に組まれていたと思う。支えて頂いたスタッフの皆さんにも敬意を表したい。
会期が1カ月を切った状況の中で、本当に参議院は大変な状況になっている。衆議院が今後扱っていく議員立法をどうするか、また、閣僚の出張日程等で政府及び衆議院のご協力を頂かなければならないのでよろしくお願いしたい。
森山選対委員長からは、先般発足した「大阪自民党刷新本部」の関係で、茂木幹事長からも発言があったが、明後日・水曜日に大阪府連等と協議をしてまいる。選対としても、幹事長室、組織運動本部等、関係部署と連携しながら、大阪自民党の再建に尽力してまいりたいと思うので、役員の先生方にもご協力よろしくお願い申し上げる。
萩生田政調会長からは、広島サミット、G7首脳をはじめ、8つの招待国の首脳、7つの国際機関の長、さらにはゼレンスキー大統領の参加を得て、「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」、「核兵器のない世界の実現」など、極めてメッセージ性の高いサミットとなったと受け止めている。岸田総理のリーダーシップに、心から敬意を表したい。
今週の政調審議会は、火曜日、木曜日の定例日、いずれも開催する。明日23日は、議員立法3件、閣議決定案件1件のほか、政府への提言4件の審査を行う。了承した議法と閣議決定案件については、速やかに総務会にお諮りしたい。25日(木)は、政府への提言2件の審査を予定している。
会期末まで1カ月を切ったが、議員立法の取組みや、骨太等に向けた政府への提言等の作業が続いており、来週も火曜日・木曜日に政審を開催する。
なお、先週金曜日に「政調全体会議」を開催し、関係部会から「こども・子育て支援に関する小倉大臣の試案」に対する意見を聞き、併せて出席者からも意見聴取を行なった。今週金曜にも「政調全体会議」を予定しており、次回は安定的な財源の在り方についても議論していきたい。
遠藤総務会長からは、総務会は、明日23日(火)11時より開催する。案件は、政務調査会からの議員立法など4件の審議を予定している。

以上です。

質疑応答

Question
読売新聞です。読売新聞の最新の世論調査で、内閣支持率が10ポイント近く上がっています。何が評価につながっているのか、幹事長の受け止めをお願いします。
Answer
今回ちょうどサミットの時期に重なった、こういったこともあったんだと思いますが、今回のサミットで、ウクライナのゼレンスキー大統領を広島に迎え、G7とウクライナの強固な結束を示すことができ、また国際秩序の維持・強化、そして核なき世界の実現に向け、リーダーシップを発揮されている岸田総理の姿が、高く評価された。このように受け止めています。同時に、国会審議、いろいろタイトな日程でありますが、着実に審議が進んでいる。安定的に政権が運営されている。このことも、最近の支持率の向上にはつながっているのではないかなと思っています。
Question
毎日新聞です。関連して伺います。内閣支持率の上昇に伴い、与党内では一部、早期解散待望論なども聞こえています。早期解散の是非について幹事長のお考えをお願いします。
Answer
今申し上げたように、G7サミットでの総理のリーダーシップは、世論調査を見ても、国民から高く評価されていると思います。また、わが党は現在、衆参ともに与党で安定した議席数を確保しており、4月の衆参の5つの補選でも議席を伸ばすことができました。今後の対応についてどうするか。岸田総理はG7サミット後の会見でも、日本が直面する内外の諸課題への取組みに注力すると、このように話していると理解しています。
Question
朝日新聞です。公明党との東京28区をめぐる候補者調整について、今日、都連が党本部で会議を開きましたが、これについて都連側から何か報告を受けていますか。加えて、先週来、総理を交えて協議が進められているわけですが、28区については自民党として公明党の擁立は認めない方針ということも報道されています。今後党としてどう対応されるか伺います。
Answer
今朝の都連の会議については、既に萩生田都連会長の方が皆さんにも説明していると思いますが、私もその報告、受けています。その上で、公明党からの要望につきましては、党内でも様々な議論を行わせていただきまして、近くわが党としての基本的な考え方、これを公明党の方にお伝えしたいと考えています。
Question
読売新聞です。昨日投開票の足立区議選で、公明党が13人全員当選した一方で、自民党は現職5人を含む7人が落選しました。また維新が3人当選して躍進しています。この厳しい選挙結果について幹事長はどのように受け止めていますか。
Answer
地方選、同じ足立区でも、区長選については、自民党と公明党が推薦する現職が、野党の新人候補に大差を付けて当選しています。地方議会の選挙、首長選もありますし議会選挙もありますが、争点も含めて国政選挙とは違った側面もあると思いますので、結果については、都道府県連であったり、地元で分析が行われるのではないかなと思います。
Question
朝日新聞です。G7サミットについて先ほど幹事長からも言及がありましたけれども、ゼレンスキー大統領も出席したサミットとなりました。ただ一方、サミットに関しては、ロシアや中国が一連の声明に反対や反発している動きもあります。こちらについて中国、ロシアの対応についてもご所見があればお伺い致します。
Answer
今回のサミットについて、ゼレンスキー大統領も出席をして、G7とウクライナの揺るぎない連帯を示すと共に、ロシアへの制裁とウクライナ支援の継続で一致をしたところであります。そして、G7、広島首脳コミュニケをはじめ、6つの成果文書を発出して、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜く、地球規模の課題解決に向けて、グローバル・サウスと連携を強化する、核軍縮に関する「広島ビジョン」など、力強いメッセージを日本から世界に発出することが出来たと思っております。ロシアによりますウクライナ侵略、中国の「力による一方的現状変更の試み」など、「自由で開かれた国際秩序」に逆行する動きが一段と激しさを増す中、日本が議長国としてのリーダーシップを発揮して、国際社会の結束を高める歴史的なサミットになったと考えております。その上で、ロシアに対してはウクライナからの部隊の即時・完全・無条件の撤退を、中国に対しては我々の懸念を直接表明し、国際社会での責任ある行動を求めたいと思います。