改正労働施策総合推進法が10月1日に施行され、事業主のカスタマーハラスメント(カスハラ)対策が義務となりました。労働者一人ひとりの安心を支えるだけでなく、多様な労働者が活躍できる環境づくりを推進するのが目的です。新たなルールのポイントをまとめました。
事業主による対策を義務化
今回の法改正では、職場におけるカスハラについて、(1)顧客等の言動であって、(2)業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるもの―の3点を全て満たすものと規定されました。電話やSNS等のインターネット上で行われるものも含みます。
その上で、事業主に対し(1)事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発(2)相談体制の整備(3)事後の迅速かつ適切な対応(4)対応の実効性を確保するために必要なカスハラの防止ための措置(5)そのほか併せて講ずべき措置―の5点を義務付けました(別表)。
なお、カスハラ対策を講じる際には、消費者の権利や、障害者差別解消法において障害を理由とする不当な差別的取り扱いの禁止・合理的配慮の提供義務に留意する必要があります。
カスハラ防止のために事業主が講ずべき措置
- 【1】事業主の方針等の明確化およびその周知・啓発
●カスハラには毅然とした態度で対応し、労働者を保護する旨の方針を明確化し、労働者に周知・啓発する
●カスハラの内容およびあらかじめ定めた対処の内容(※)を労働者に周知する
(※)管理監督者にその場の対応の方針について指示を仰ぐ、可能な限り労働者を一人で対応させない、犯罪に該当しうる行動は警察へ通報する、本社・本部等へ情報共有を行い、指示を仰ぐ 等 - 【2】相談体制の整備
●相談窓口をあらかじめ定め、労働者に通知する
●相談窓口担当者が適切に対応できるようにする - 【3】事後の迅速かつ適切な対応
●事実関係を迅速かつ正確に確認する
●被害者に対する配慮のための措置を行う
●再発防止に向けた措置を講ずる - 【4】対応の実効性を確保するために必要なカスハラの抑止のための措置
●特に悪質と考えられるカスハラへの対処の方針をあらかじめ定め、労働者に周知し、当該対処を行うことができる体制を整備する - 【5】その他併せて講ずべき措置
●相談者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、労働者に周知する
●相談したこと等を理由として不利益な取り扱いをされない旨を定め、労働者に周知・啓発する