
滝波 宏文 広報本部長代理
「失われた30年」は不適切
平成の30年間を指して「失われた30年」と呼ぶのは、不適切であると考える。元々このフレーズは、1990年代の日本経済について"Lost Decade(失われた10年)"と海外から指摘された呼称をベースとして、それが30年間続いたとするものだ▼ここで「失われた(Lost)」は、経済がひたすら悪化する「真っ黒」の状況がイメージされている。確かに90年代はバブル崩壊から金融危機も続き、悪化一途の「失われた10年」と呼ばれて然るべきだった▼だが2000年代では、03年りそな銀行資本注入が成功し、株価も底打ち。リーマンショックまでの5年程は経済は決して悪くはなかった▼加えて2010年代では、アベノミクスにより、12年末の第2次安倍政権以降20年コロナ危機までは一定の成長が実現した。すなわち、「失われた30年」と言うことは、アベノミクスの否定とイコールである▼このように、平成の30年は、悪い時だけでなく、経済が比較的良い時もあり、「失われた30年」と悪化一途のように言うのは、日本経済の実像を示す表現として正しくない。わが自民党こそ、このフレーズを使うべきではないだろう。