
石破茂総理(中央)に緊急提言を手渡す高市早苗会長(左から2人目)ら党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会役員(昨年12月)
昨年8月以降、首都圏で連続発生した闇バイト事件で、警察は18事件の実行役等47人(延べ70人)を検挙しました。最後の事件は昨年11月3日、千葉県内で発生しましたが、警察庁によると党治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会が「『闇バイト』対策の強化に関する緊急提言」(昨年12月)を打ち出して以降、闇バイトによる強盗事件は把握しておらず、同提言に一定の抑止効果があったと分析しています。同提言に対する主な政府の対応をまとめました。
【提言(1)新たな捜査手法の確立】
捜査員がその身分を隠して闇バイトの募集に応じ、検挙等につなげる「雇われたふり作戦」で架空の身分証明書等を相手方の求めに応じて提示する「仮装身分捜査」に関し、1月、その手続きや順守事項を定めた実施要領を制定し、各都道府県警察に通達しました。〔警察庁、法務省〕
【提言(2)SNS等を利用した犯罪の捜査における隘路への対策】
SNSアカウントが闇バイトの募集に悪用される実態を踏まえ、昨年12月、サービスを提供する大規模事業者に対し、アカウント開設時における本人確認手法の厳格化を含む措置を検討するよう要請しました。〔総務省〕
【提言(3)いわゆる「闇バイト」等募集情報への対策】
闇バイトの募集情報の実効的な削除に資するため、昨年12月、労働者の募集を行う者が広告等により募集情報を提供するときは、求人者の氏名または名称・住所・連絡先、業務内容、就業場所および賃金の表示が求められることを明確にしました。〔厚生労働省〕
【提言(4)防犯体制・広報啓発の強化】
防犯カメラや防犯性能の高い建物部品、固定電話機等の設置等、防犯対策強化のための取り組みが実施されるよう、都道府県警察と地方公共団体との連携を推進します。〔警察庁〕
【提言(5)サイバー犯罪対策に係る体制の充実・強化】
サイバー警察局やサイバー特別捜査部、都道府県サイバー部門のさらなる体制強化と各種装備資機材の充実強化を実施。併せて警察大学校にサイバー警察教養部を新設するとともに、教育内容の充実強化を図ります。〔警察庁〕