中国が繰り返す台湾周辺での大規模な軍事演習
各紙は不測の事態を誘発しかねないと懸念表明
中国は一昨年以降、台湾周辺での大規模な軍事演習を繰り返してきたが、去る10月14日、新たに海上封鎖を想起させるかのような大規模軍事演習を展開した。この軍事演習では台湾の重要な港湾都市である台北、基隆、花蓮、台東、高雄、台中という6都市沖合に演習区域を設定し、極めて威嚇的な演習行動を実施したのである。不測の事態を誘発しかけない危険な行為と言わなければならない。
読売新聞(10月16日付社説)は「中国は、威圧によって台湾の民意を台中融和に動かすことはできない。かえって警戒感を強めさせることを自覚すべきだ」と、こうした行動を戒める一方、「今回の演習には、台湾侵略の際に米軍の介入を阻止する中国側のシナリオの一端がうかがえる」として、単なる威嚇や世論誘導といった次元を超えて、直接的軍事行動が射程に入っているのではないかとの懸念をにじませていた。
朝日新聞(10月17日付社説)も「武力による威嚇を常態化させるふるまいは地域の軍事的緊張の固定化を招きかねず、日本を含む周辺国にとって到底受け入れられない」と中国の姿勢に懸念を示し、日本経済新聞(10月15日付社説)は「国際的な港湾・空港を備える台北、高雄、基隆、台中は世界につながるサプライチェーン(供給網)を支える、台湾企業が中核を担う高性能半導体の供給等国際経済の要衝である」「陸海空各軍とロケット軍を投入し、海空封鎖もにおわす圧力の継続は、アジア太平洋の平和と安定、経済協力も脅かす。それは...