習国家主席とプーチン大統領が会談 中国の仲介外交に各紙は厳しい見方
国民による選挙を経ない国家の指導者が国民に自らの執政の正当性を納得させるのには三通りの方法があると言われる。
一つは国民の生活を向上させること。石油資源の収入で税負担がないサウジアラビアやブルネイ等がそうだし、21世紀に入って大幅な経済発展を図った中国もそうであった。
二つ目は軍事力を行使したり、誇示したりして国民に物理的な強国ぶりを示すことだ。ミサイルの連射で韓国、米国に負けない姿勢を見せつける北朝鮮がその典型である。
三番目の方法は、世界の紛争に介入したり、解決のために仲介の労を取ったりすることにより、国民に世界のリーダー国の矜持を持たせることである。最近の中国がこれに当たるのではないか。先月には中国の仲介により、長い間敵対関係にあったサウジアラビアとイランが関係正常化に合意した。もともと中東でこうした役割を担ってきたのは米国だが、今回の中国の動きは世界にこの地域での存在感を示すと同時に、今後、国際情勢の隅々まで関わっていくという"大国化"への強い意思表示でもあろう。
それを証明するように、習近平国家主席はウクライナ戦争に介入、「和平案」を提示し、ロシアを訪問してプーチン大統領と会談した。ただ、残念ながら、この「和平案」はロシアの占領を前提に話し合いを進めるという極めて中立性を欠くものであり、プーチン大統領は歓迎したものの、一方のウクライナや西側諸国からは評価されていない...