宇宙開発特別委員会

―大規模市場獲得のための宇宙政策の強化・総合的展開に向けた提言―

令和8年5月19日
自由民主党政務調査会
宇宙開発特別委員会

0.はじめに

わが国を取り巻く安全保障環境は、厳しさと不確実性が加速度的に増大している。宇宙分野は高市政権の戦略分野の1つであり、通信、観測、測位等の面で国民生活の基盤そのものであるとともに、安全保障と社会課題解決を担う次世代の国家インフラとも言える。同時に、社会全体のDXや経済成長を生み出す共通基盤であるG空間や、フロンティア分野の1つである海洋といった分野においても欠かせない技術領域となっている。

こうした中、各国は、各種衛星の機数増加や能力強化に注力している。ロシアによる侵略を受けたウクライナでは、民間の通信・観測衛星によるサービスが、軍事作戦支援や戦場動向把握などの安全保障用途で多用され、戦況に大きな影響を与えている。さらに、一部の国家では、自国の軍事的優位性を確保するために、他国の衛星を妨害・無力化する技術開発を活発化しており、宇宙の軍事利用をより効果的にする手段等として、能力向上に積極的に投資するなど、宇宙の戦闘領域化が進展し、宇宙空間における脅威とリスクが拡大している。

また、世界的な潮流として、国際宇宙ステーション(ISS)から商用宇宙ステーションへの移行を見据えた民間企業による地球低軌道利用に関する活動、アルテミス計画をはじめとするシスルナ領域(地球から月までの間の領域)での主要国の検討加速(月面基地、動力源等)、月以遠の探査プログラムの推進により、宇宙における活動領域が広がっている。

加えて、経済成長の観点からも宇宙分野を無視することはできない。世界経済フォーラムによると、宇宙市場規模は2023年の6,300億ドルから2035年には1兆8,000億ドルまで拡大すると分析されている。その年平均成長率は9%であり、宇宙インフラを過度に他国に依存し続けることは、急速に拡大する宇宙市場での成長機会を逃すことになる。

今後も、AI、量子、光通信等の新技術の台頭によって衛星機能の飛躍的な向上が見込まれ、宇宙を巡る国際競争はさらに激化していくことが予想される。わが国としても、この競争に遅れを取ってはならない。戦後より長い年月をかけて培われた、確かな技術と人材の蓄積をさらに発展させ、スピード感を持ち、官民共創で取り組んでいく必要がある。

自由民主党は関係省庁に対し、国際的な動向も注視しつつ、しっかりと必要な予算を確保したうえで、本提言に記された事項を、制度整備や政府・JAXAにおける推進体制の強化も含めて戦略的に実行し、わが国の宇宙活動の自立性を確保していくことを求める。また、2023年に策定された現行の宇宙基本計画の目標である2020年4兆円の宇宙産業の市場規模を2030年代早期に8兆円とする目標を2030年実現に前倒ししつつ、2040年には少なくとも13兆円規模の日本企業の国内外での市場獲得を目指すべく、来年の宇宙基本計画改定を見据えた多角的な施策の検討を行うことを求める。

特に自由民主党のこれまでの提言により宇宙基本計画及び宇宙技術戦略に基づき宇宙政策が強化され、宇宙予算は全体で世界上位の規模に達し、その中でも宇宙戦略基金は、着実に進捗していることは改めて銘記したい。速やかに1兆円規模の支援を行い、「大規模集中支援」と「非宇宙プレイヤー参画・次世代支援等」の両輪で成果最大化・好循環を目標に運営すべきである(添付1)。さらにその先は大規模宇宙市場獲得に向けた官民の大胆な成長投資へ進むべきであり、そのうちロケット・射場についてはスペース・インフラ・イニシアティブ(日本版COTS/CRS)(添付2)をここに提起しておきたい。

また、政府において検討している3文書改定においては、「宇宙安全保障構想」や「宇宙領域防衛指針」を踏まえ、さらにこの提言の趣旨を十分に踏まえることを期待する。

1.宇宙安全保障の確保

わが国が、宇宙空間の安定的利用と宇宙空間への自由なアクセスを維持できるよう、防衛省を中心に、さらなる宇宙安全保障に係る予算の確保を図ることが重要である。また、官民の連携を強化し、技術開発の加速など、積極的かつ戦略的な対応が必要である。特に急務となるのが、同盟国・同志国とも連携しつつ、スタンド・オフ防衛能力や海洋状況把握等に資する目標の探知・追尾能力、精密誘導、広域で作戦を遂行するための通信等、目的から導かれた手段としての宇宙アーキテクチャを定義し、早期に構築することである。

① 宇宙システムを活用した隙のない情報収集の推進

官民の衛星を利用し、同盟国・同志国と連携強化を図りながら、広域・高頻度と高精度を組合せ、リアルタイムかつ効率的な情報収集態勢の確立が必要不可欠である。情報収集衛星の10機体制が目指す情報収集能力の向上を着実に進めるべきである。

2027年度までに、可能な限り光学・SAR衛星を含む国産衛星を活用しつつ、⽬標の探知・追尾能⼒の獲得を⽬的とした衛星コンステレーションを着実に整備するべきである。

② 重層的で傍受・妨害に強い情報通信体制の確立

静止軌道から低軌道まで様々な衛星を活用した、重層的で冗長性のある通信衛星網の構築が必要である。防衛通信衛星「きらめき」1号機及び2号機の後継機の開発を着実に進めるべきである。また、今後も増大が見込まれる通信所要を踏まえ、閉鎖網や専用のビームを用いた商用サービスも検討するべきである。

③ ミサイル防衛システムに必要な技術の確立

わが国の周辺国等による弾道ミサイルや極超音速滑空兵器等の開発・装備化に対応するため、ミサイル防衛用宇宙システムについて技術実証を行い、必要な能力の確保を図るべきである。

④ 衛星測位機能の強化

高い抗たん性を有する衛星測位機能を担保することが重要である。特に、自律測位の観点から、準天頂衛星システムの機能性や信頼性を高め、衛星測位機能を強化するべく、7機体制の構築は急務である。さらに、バックアップ強化と11機体制への拡張に向け、開発を速やかに進めるべきである。H3ロケット8号機失敗の原因究明を踏まえつつ、当初予定されていた準天頂衛星「みちびき」7号機の打上げを速やかに目指すとともに、7機、11機体制構築に向けた取組を加速するべきである。

加えて、自動運転、農林水産業、交通・物流、建設等の民生分野や防衛・海上保安分野における、準天頂衛星システムのさらなる利活用の促進にも取り組むべきである。

⑤ 宇宙領域把握体制の構築

宇宙の安定的な利用を確保するため、SDA衛星を2026年度に着実に打ち上げるとともに、2号機以降の整備・開発を推進すべきである。

連合宇宙作戦(CSpO)イニシアチブでの取組も含め、同盟国・同志国と連携して宇宙監視能力や宇宙対処能力を強化する必要がある。また、民間の商用サービスの活用も検討していくべきである。

宇宙作戦能⼒の強化に向けて、宇宙作戦集団(仮称)を新編し、航空自衛隊を航空宇宙自衛隊(仮称)に改編し、宇宙作戦に携わる人員を大幅に増員するとともに、能力向上と人材育成が必要である。

⑥ 宇宙システム全体の機能保証の強化

国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画の改定に向けた各種検討を進めるべきである。

衛星機能を喪失した場合に直ちに機能を復旧するため、即応打上げ能力を含めた再構築機能の整備を行うとともに、サイバーセキュリティ体制の確保などを行い、物理的及び非物理的な両面から宇宙システムの抗たん性の確保を進めるべきである。

⑦ 宇宙安全保障と産業の発展のエコシステムの構築

宇宙システムのデュアルユース性を念頭に、民間の宇宙技術を安全保障分野においても活用することにより、宇宙産業基盤・競争力を強化し、それが宇宙安全保障のさらなる強化につながるという好循環を創出するべきである。

2.国土強靱化、地球規模課題等への対応とイノベーションの実現

能登半島地震や豪雨において、官民の衛星を用いて撮像した衛星データが、浸水や土砂災害等の被災状況の把握に活用された。そのほか、衛星データとAIを組み合わせた分析による、農作物の生育モニタリングや、水道管の漏水リスクの評価等、様々な社会課題解決につながる宇宙関連技術の開発も進んでいる。かかる中、事業化に向けては政府のアンカーテナンシーによる初期需要確保を通じた成長投資が肝要である。

① 衛星開発・運用とデータ利活用の促進

官⺠衛星の特性を生かした連携利用・開発を進めるとともに、社会課題分野ごとに利活用にあたる関係府省の連携を促進する。防災・国土強靱化対策などの様々なリスクや社会課題に対し、官⺠共創による先手を打って行う戦略的な投資を促進するべきである。

線状降水帯や台風等の予測精度を抜本的に向上させる大気の3次元観測機能、太陽活動等によるわが国上空の宇宙環境の変動を観測するセンサなど、最新技術を導入したひまわり10号について、2030年度の運用開始を目指し、着実に整備を進めるべきである。

② 次世代通信技術開発・実証支援の推進

災害時・有事の際を含め、より高速で安定的かつシームレスな通信サービスの提供や衛星通信の自律性を確保していくべく、わが国の通信衛星(静止衛星、低軌道衛星コンステレーション)を活用したコンステレーションや HAPS などの非地上系ネットワーク(NTN)の地上ネットワークとのシームレスな連携の実現に向けて、事業化を支援していくべきである。さらに、地球観測データ含む情報の大容量、低遅延、セキュリティが堅牢な伝達を可能とするわが国の強みである衛星光通信についても、実現に向けた取組を引き続き支援していくべきである。

3.宇宙科学・探査による新たな知と産業の創出

世界では、米国が、同志国との国際協調のもと、火星を含む深宇宙の有人探査を視野に入れたアルテミス計画を進めている。月探査については、米国NASAがアルテミス計画の打上げ頻度向上や月面基地構築に注力する方針を打ち出したことに加え、中国、インド、その他の新興国も取組を加速化し、国際競争が激化している。また、国際的なプラネタリーディフェンスの活動や超大型望遠鏡計画における連携も進展している。わが国としては、宇宙科学・探査のさらなる成果や、宇宙飛行士の活躍に代表される活動によって、国際社会における独自のプレゼンスを示し続け、自立性を含め向上させていく必要がある。

① 月以遠の深宇宙を含めた宇宙探査活動の推進

アルテミス計画について、2024年4月の日米首脳共同声明において、日本人宇宙飛行士が米国人以外で初めて月面に着陸するという共通の目標が発表された。その後、2025年2月の日米首脳共同声明においても、両国の宇宙飛行士が参加するISSへのクルー10ミッションやアルテミス計画の将来のミッションでの月面探査を含む有人探査に係る強力なパートナーシップを継続する意図を有することが確認された。さらに、同年10月、日米首脳会談に合わせ、米国との間で「日米間の技術繁栄ディールについての協力に関する覚書」に署名し、宇宙分野では、ISS、アルテミス含む宇宙平和利用の推進・国際連携強化、スペースデブリ対策の促進等について、日米間協力の一層の強化を図ったところである。従って、これらの日米宇宙協力に基づき、有人与圧ローバの開発等のわが国が強みとする技術によって計画に着実に貢献することを通じ、2020年代後半に日本人宇宙飛行士の月面着陸を必ず実現させるべきである。

さらに、持続的な活動領域の拡大と新たな市場の構築も見据え、民間の参画も得ながら、自律的な有人宇宙活動に向けたロードマップの作成も視野に、月面活動の前提となるデータ取得、月通信・測位、無人遠隔技術、発電・蓄電、建設・土木、居住施設、資源開発、燃料製造、食料生産、モビリティ等の基本インフラに関する検討・技術実証を推進するべきである。

② 地球低軌道活動の推進

2030年以降の商用宇宙ステーションの実現に向け、民間企業による地球低軌道活動への参画を含めて、その充実・強化を図ることが重要である。政府主体から民間企業主体となる地球低軌道活動における利用ルールの検討を進めるとともに、2026年度以降に打ち上げる新型宇宙ステーション補給機(HTV-X)2~6号機のISSへの物資補給や技術実証を含め、必要な技術開発を進めるべきである。

4.宇宙活動を支える総合的基盤の強化

世界的に宇宙活動が活発化し、スタートアップを含む民間企業による競争環境も激しさを増す中、わが国の宇宙活動の自立性を維持していくためには、宇宙活動を支える総合的基盤の一層の強化が重要である。

① 宇宙輸送能力の強化

ロケット・射場は、わが国の宇宙アクセスのための重要な国家インフラである。2025年のロケット打上げ数は米国192回、中国91回と急増しているのに対し、わが国は3回と大きく劣後している。また、自国衛星を自国ロケットで打ち上げた割合(過去10年)は米国が約80%、中国が約99%に対し、わが国は約50%にとどまっている状況である。

国内外の打上げ需要が拡大している中、現在、国内ロケットでの宇宙へのアクセス手段が一時的に失われている現状は危機的状況であり、基幹ロケットである、H3ロケットの8号機失敗に対する原因究明と早期打上げ再開、イプシロンSロケットの第2段モータ燃焼異常の原因調査と従来型の第2段モータを活用したイプシロンロケットの早期打上げに向けて、迅速に対応を進めることが極めて重要である。

また、近年、新規参入企業の急増や技術革新の進展などにより、宇宙輸送活動の多様化が急速に進展した。米国NASAは、スペースシャトル退役後のISS向けの補給手段を確保し、米国の商業宇宙産業を育成する目的で、宇宙輸送機の開発支援を行うCOTS、物資輸送を委託するCRSを実施した。これらの取組により、SpaceX社等による民間宇宙輸送の技術開発・運用が進んだ。

わが国においても、SBIRフェーズ3や宇宙戦略基金により宇宙輸送技術の開発支援を強化し、新規参入企業によるロケット開発が進展している。基幹ロケットを含め、その後の打上げ高頻度化を見据えた、射場設備、ロケット製造設備、ロケットエンジンの燃焼試験設備等のインフラ設備への重点支援を早急に進めるべきである。加えて、民間ロケット企業等の投資予見性を高めるため、宇宙基本計画工程表の拡充や衛星の打上げサービスの中長期的な政府調達の充実など、供給・需要の両面から総合的に取り組むべきである。

さらに、資金支援のみならず、継続的な制度整備も重要である。本国会における宇宙活動法等の改正にとどまらず、遅くとも改正後の宇宙活動法の施行後3年以内には技術革新や宇宙利用の広がりを踏まえた具体的な見直しの検討を行うべきである。加えて、打上げに係る各種法令対応についても、国家戦略特区の活用も含め必要に応じた規制緩和等についても検討を行うべきである。

これらの取組を通じて、海外に流出している国内衛星の打上げ需要を獲得することに加え、衛星コンステレーションなど海外衛星の打上げ需要を獲得するため、官民による国内の打上げ能力について、2030 年代前半までに年間 30 件程度を確保すべきであり、中長期的には年間50件程度を目指し取組を強化すべきである。あわせて、この打上げ能力を安定的に支えられる射場のキャパシティの獲得を目指すべきである。

② 軌道上サービスの推進

増加するスペースデブリ問題への対応が急務である。特に能動的デブリ除去技術や、燃料補給など軌道上サービスといった、スペースデブリの低減、衛星長寿命化に資する技術は、わが国が世界的に先行して強みを持つことができる分野でもあり、重点的な技術開発が必要である。あわせて、政府と国連宇宙部等との連携を深めつつ、国際的規範・ルール作りにも率先して取り組むことが重要である。

③ 宇宙を支える技術・人材基盤強化

拡⼤する宇宙⼈材の需要に応えるべく、幅広い宇宙人材の育成や、非宇宙産業等の多様な⼈材の宇宙分野への流⼊を促進するべきである。あわせて、安全保障や国土強靱化における宇宙システムの役割拡大、アルテミス計画や地球低軌道活動等の日米連携によるプロジェクト、宇宙戦略基金による民間企業への資金配分機能、試験施設・設備の共用等、中核的機関としての役割が継続して拡大しているJAXAについて、技術基盤や人的資源の拡充・強化を早急に図るべきである。

④ 技術・産業基盤強化

「宇宙技術戦略」を踏まえ、日本の貢献分野を見据えて、戦略的に開発を進めるべき技術を見極めたうえで、重点的な支援を行うべきである。

特に、「宇宙戦略基金」を活用し、国際競争力を持つスタートアップを含む民間企業等を戦略的に育成・支援するべく、その技術開発を柔軟かつ継続的に支援することが重要である。今後、採択事業者に対するステージゲート(進捗確認審査)が段階的に本格化する中で、わが国としての勝ち筋を見定め、勝ち筋に対して集中的に支援するべきである。

宇宙分野は、ビジネス化し、初期投資を回収するまでに時間がかかる。基金による弾力的な支援で予見可能性を確保しつつ、技術開発や実証を進めるとともに、技術開発成果の活用先が官需である場合には、関係省庁においてアンカーテナンシーを積極的に検討するべきである。このような投資の予見可能性の向上につながる取組によって市場創出・外需獲得といった民間投資を後押ししていき、資金の好循環を図ることが重要である。

5.宇宙関係予算の拡充・宇宙政策推進体制の強化

① 宇宙関係予算の拡充

わが国の安全保障や、経済成長にも貢献する宇宙開発・利用の促進のために、十分な宇宙予算を確保することが必須であり、毎年度の宇宙関係予算として1兆円を確保すべきである。

「宇宙戦略基金」については、昨年11月の総合経済対策(令和7年11月21日閣議決定)において「速やかな総額1兆円規模の支援を通じて、宇宙空間における輸送、衛星及び探査の分野において先端技術開発、技術実証及び商業化を支援する」とされていることを踏まえ、国内外の宇宙開発を巡る情勢や、これまでの事業の進捗を確認しながら、既存実施課題への重点加速・拡張を含めた積み増しを速やかに行うべきである。

さらに、現行の防衛力整備計画期間の宇宙関係予算総額1兆円について、将来の積み増しも視野に、機を逸することのないよう、宇宙の安全保障の分野での対応能力を強化することが重要である。

② 宇宙政策推進体制の強化

宇宙は、わが国の経済・社会のありとあらゆる場面において欠かすことのできない、重要な分野であり、各府省庁が横断的に連携し、政府一丸となって取り組む必要がある。2030年~2040年を見据えた中長期の将来には、①宇宙技術戦略や10年間の宇宙戦略基金の基本方針・実施方針、宇宙開発戦略本部と宇宙政策委員会における重要事項の審議など、内外を俯瞰した横断的施策の企画立案・執行を軸とする政府内の司令塔機能、②増加する基幹ロケット/新規参入ロケットの打上げや人工衛星の管理など宇宙活動の基盤となる宇宙活動法の審査・執行、衛星リモートセンシング法や宇宙資源法の審査・執行、地域の宇宙港の広がりに対応した外国との二国間でのライセンスなど制度間交渉や調整、スペースデブリ・軌道上サービスや宇宙資源を巡る国際規範づくり交渉への参画、③準天頂衛星システムの11機体制へ向けた継続的な開発や運用、利活用の促進による安定的・持続的な国民生活と安全保障への貢献、といった3つの柱について、政府にとってこれまでにない新たな課題への挑戦として一層強化すべきである。そのため、宇宙政策の企画立案・司令塔機能の強化を含め、国際競争の基盤としての100人~150人規模以上の内閣府「宇宙庁」設立構想へ向け、段階的に進めることを念頭に置くべきである。

そのために、まずは、内閣総理大臣を本部長とする宇宙開発戦略本部のもと、各省庁を束ね、宇宙政策の総合的かつ計画的な推進・調整を担う司令塔たる、内閣府宇宙開発戦略推進事務局の機能強化を進めることが非常に重要である。内閣府宇宙開発戦略推進事務局について、高市政権における成長戦略にも資する射場整備や有人輸送等の宇宙輸送や準天頂衛星システム利活用の推進、国内外の情勢に合わせた宇宙3法(宇宙活動法・宇宙資源法・衛星リモセン法)の制度検討・審査体制の構築に向けて、令和9年度には現在の62名の定員規模から3割増を目指すなど、宇宙庁に求められる機能の段階的整備に向けた定員増加や機構の強化を進めるべきである。

以上

宇宙開発特別委員会

開催一覧

第一回 令和8年3月5日(木) 有識者ヒアリング(射場・ロケットについて)
三菱重工業株式会社 防衛・宇宙セグメント 宇宙事業部長 五十嵐 巖 氏
株式会社IHIエアロスペース 取締役・宇宙輸送事業推進部長 矢木 一博 氏
インターステラテクノロジズ株式会社 代表取締役President 中山 聡 氏
第二回 令和7年4月2日(木) 有識者ヒアリング(人工衛星・サービスについて)
NTT株式会社 代表取締役副社長 星野 理彰 氏
同 執行役員 爪長 美菜子 氏
日本電気株式会社 執行役Corporate EVP 兼 COO社会インフラ事業担当 永野 博之 氏
同 社会インフラソリューション部門 主席宇宙事業主幹 通路 徹 氏
株式会社Synspective 代表取締役CEO 兼 創業者 新井 元行 氏
サグリ株式会社 代表取締役CEO 坪井 俊輔 氏
第三回 令和7年4月7日(火) 省庁・有識者ヒアリング(準天頂衛星システムについて)
内閣府宇宙開発戦略推進事務局
立命館大学 総合科学技術研究機構 教授 中須賀 真一 氏
エゾウィン株式会社 代表取締役CEO 大野 宏 氏
第四回 令和7年4月21日(火) 省庁・有識者ヒアリング(宇宙交通管理について)
内閣府宇宙開発戦略推進事務局
株式会社アストロスケールホールディングス 代表取締役社長 グループCEO 岡田 光信 氏

(添付1)

宇宙戦略基金による「大規模集中支援」と「非宇宙プレイヤー参画・次世代支援等」の概念図
宇宙戦略基金による大規模集中支援・次世代支援等の全体像

(添付2)

スペース・インフラ・イニシアティブ(日本版COTS/CRS)の概念図
スペース・インフラ・イニシアティブ(日本版COTS/CRS)