AIホワイトペーパー2.0
―AI駆動型国家への構造転換―
2026年5月19日
自由民主党デジタル社会推進本部
AI・web3小委員会
第1章 AI駆動型国家への構造転換
人工知能は、単なる道具から、実行する主体へ。
エージェントAIの時代が始まった。
人間の問いに答えるだけだったAIは、今や、人間が逐一指示しなくとも、与えられた目標に向かって自ら計画を立て、外部のツールやデータベースを呼び出し、複数のステップを自律的に実行し、結果を検証して次の行動を選択するようになった。従来の生成AIが「問いに答える」存在であったのに対し、エージェントAIは「目的を遂行する」存在へと、劇的に進化した。
AGI(汎用人工知能)という言葉を世に送り出したShane Legg博士は、我々のヒアリングでこう語った。
「これは人間社会に迫るとてつもない変革のまだ序章に過ぎない。」
蒸気が距離の壁を、電気が昼夜の境を、インターネットが情報伝達の在り方を塗り替えたように、エージェントAIは社会の意思決定と実行の構造そのものを塗り替えようとしている。様々な職種、職階における人間の多様な知的活動は、共通の計算基盤の上の「トークン」として単位化され、接続され、再構成され始めた。「知能」は個人の内に閉じた能力ではなく、社会に広く配分され、消費される新たなインフラとなりつつある。
競争の主戦場も変わった。単純な基盤モデルの性能比較から、社会全体の実装競争へと拡大しつつある。だが、問われているのは個々の導入事例の積み重ねではない。AIの存在を前提にあらゆる社会の仕組みを根底から見直し、設計し直す「AIトランスフォーメーション(AX)」を産業、行政、暮らしの隅々にまで及ぼし、国家そのものをAI駆動型へと転換できるかが問われている。いかに速く、広く、安全にこの構造転換を成し遂げられるかが、国家の盛衰を左右する時代に入った。
2023年春、我々は最初のAIホワイトペーパーを世に問い、以来「世界一AIフレンドリーな社会」を旗印に国家戦略を進めてきた。あれから3年、日本のAI政策は提言から実行へと確実に前進してきた。AI戦略会議の設置、計算資源の大規模確保、「広島AIプロセス」の主導、AI事業者ガイドラインの策定。我々が提起したAIに関する包括的な法的枠組みは昨年「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律(「AI推進法」)として結実した。3度のホワイトペーパーが描いた構想は、着実に現実の政策となった。
しかし、エージェントAI時代の到来は、その延長線上の戦略では不十分であることを突きつけている。
世界もまた、急速に動いている。米国はエージェントAIを含む先端技術への巨額投資と規制緩和を加速し、中国は国家主導でフィジカルAI・ロボティクスに集中投資を進める。欧州はAI Act施行後の運用段階に移行し、規制枠組みの国際標準化を推進している。日本はAI推進法を成立させ制度的基盤を整えたものの、AI開発投資の規模、企業のAI導入率、人材の厚みのいずれにおいても主要国との差はなお大きい。
だが、日本には固有のチャンスもある。少子高齢化、人手不足、地域格差、インフラ老朽化。これらの課題の深刻さは、裏を返せば、AIによる自動化・効率化・遠隔対応の導入効果が世界で最も大きい国であることを意味する。半導体製造装置やウェハーでは世界に不可欠な地位を持ち、製造、医療、介護などの現場にはAIの学習素材となる質の高い現場知が蓄積されている。課題先進国であるが故に、エージェントAIの社会実装で世界の先頭集団に立つニーズと可能性がある。
日本はこの大転換に受け身であってはならない。エージェントAI時代に求められるのは、ただAIを受け入れることではない。産業、行政、暮らし、安全保障、国際秩序にまたがる国家の構造そのものを、AIを前提に設計し直すことである。本ホワイトペーパーは、「AI駆動型国家への構造転換」を日本の新たな国家目標として掲げ、その戦略の座標軸を示すものである。
次章ではまず、この構造転換を導く三つのパラダイムシフトを提起する。
第2章 AI駆動型国家へ、三つのパラダイムシフト
「AI駆動型国家への構造転換」は、個別のAI導入の積み重ねでは実現しない。必要なのは、国家戦略の座標軸そのものを書き換えることである。強力なAIを前提に、国家の競争力、社会の価値、人と制度の関係をどう組み替えるかが問われている。
AI駆動型国家の実現には、三つの本質的な問いに答えなければならない。
第一に、AIを動かす基盤――半導体、計算資源、データ、電力――を他国に握られない国をどう築くか。第二に、AIが人間の仕事と社会の仕組みを変える時代に、国民の価値と役割をどう再定義するか。第三に、強力なAIを安心して使え、かつ果敢に挑戦できる信頼をどう設計するか。
本章では、これらの問いに対応する三つのパラダイムシフトを提示する。
1.「ソブリンAI」から「AI主権」へ
AI駆動型国家を自律的に運営するためには、その基盤を他国に握られてはならない。
近年、各国で「ソブリンAI」の議論が活発化しているが、この議論が国産の汎用基盤モデルの開発・保有そのものに矮小化されるとすれば、それは戦略として不十分である。AI時代の国家競争力は、単に国産の汎用基盤モデルを持つことだけでは決まらない。半導体、計算資源、クラウド、データ、モデル、アプリケーション、通信、運用を含むAIスタック全体の中で、特定の国や企業への過度な依存を避けつつ、国家として必要な統制力、継続運用能力、交渉力を確保できるかが問われている。
ここでいう「AI主権」とは、全面的な国産化でも全面的な依存でもない。必要な領域では国内能力を育て、同志国との国際分業、相互運用性、代替性確保を組み合わせながら、どこを自律的に押さえ、どこを連携で補うかを戦略的に設計する発想である。日本が目指すべきは、孤立した主権ではなく、開かれたAI主権である。
この転換を具体化する上では、次の四つの視点が重要である。
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(1) 「国産化至上主義」ではなく「戦略的自律性」を確保する
AIスタックの全領域で一律に国産化を目指すことは、現実的でも戦略的でもない。必要なのは、戦略的自律性の確保。すなわち、防衛、重要インフラ、行政、先端研究などの戦略領域において、データ、計算基盤、モデル、運用の自律性・代替性・耐遮断性を戦略的に選択して確保しつつ、民間・汎用領域では世界の優れた技術も柔軟に活用する設計である。特にAIが何を最大化し、どの価値を優先するかという目的関数・評価基準については、複数のモデル・評価軸を比較可能にし、可視化と選択肢を確保することが肝要である。国産化は目的ではなく、AI主権を支える手段として位置付け直さなければならない。
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(2) 「汎用AIの単純利用」ではなく「日本の現場知を資産化」する
日本の強みは、製造、物流、建設、医療、介護、インフラなどの現場に蓄積された知にある。これをデータとして構造化し、標準化し、モデル化することで、日本は汎用AIの単なる利用者から脱することができる。とりわけ重要なのは、業種ごとの課題に深く入り込む領域特化型AIと、ロボット、設備、センサ、モビリティと結びついて現実空間で価値を生むフィジカルAIである。現場知を資産化し、産業の中で勝てるAI国家を築かなければならない。
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(3) 「守る」だけでなく「戦略的不可欠性」を高め、その基盤を整備する
自律性の確保だけでは十分ではない。日本は、世界のAIエコシステムにおいて、外すことのできない存在にならなければならない。半導体製造装置、ウェハー、素材、通信、産業データ、インフラ運用など、日本が強みを持つ領域を土台に、国際的な不可欠性を高め、影響力を持つことが重要である。AI主権とは、守ることだけでなく、世界から必要とされる力を育てることでもある。
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(4) 電力と計算資源はエージェントAI時代の国家基盤
AI駆動型社会を自律的に回すためには、土台となる電力、計算資源、データ基盤を国家戦略として確保しなければならない。社会全体のAX推進に伴う爆発的な電力需要の増加を前提に需給予測を絶えず見直し、データセンター立地、送配電網強化、エネルギー政策、クラウド・計算基盤整備などを一体で進めなければならない。電力、計算、データは、もはや個別政策ではなく、エージェントAI時代の国家基盤そのものである。
2.「AIが何に使えるか」から「人間にしかできないことは何か」へ
AI駆動型国家は、すべてをAIに委ねる国家ではない。
AIが多くの知的作業を代替・拡張する時代だからこそ、人間が何を担い、どの価値に責任を持つのかを明確にしなければならない。ここでいう「人間にしかできないこと」とは、単なる能力論ではなく、人間が最終的に責任を持って担うべき価値の再定義である。
したがって、労働、教育、雇用、賃金、社会保障の仕組みをエージェントAI前提で見直し、社会全体の価値創出モデルを再設計する必要がある。この転換は企業の業務改革にとどまらず、科学研究、教育、創作活動における人間とAIの関係再設計にも及ぶ。失業や転職に伴う摩擦に備え、それを緩和しながら、人間にしか託せない役割と責任を技術の進歩に応じて継続的に再定義し続ける覚悟が求められる。
この転換を社会実装へとつなげる上では、次の二つの視点が鍵となる。
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(1) 社会総がかりで「AX」を推進する
AI競争の本質は、モデル性能だけではなく、どれだけ広く、深く、現場に実装できるかで決まる。AXを大企業の先進投資だけで終わらせてはならない。中小企業を含む全産業・全規模の事業者が、業務、組織、意思決定の在り方をAI前提で組み替え、AXを進めることが、日本経済全体の生産性を引き上げる。日本は、製造、医療、介護、物流、建設、自治体行政など、課題が大きい分野ほどAXの効果も大きい。AXを日本の「国技」とする覚悟で、社会全体の実装密度を高めなければならない。
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(2) 「課題先進国」の強みを活かし、移行コストに正面から向き合う
少子高齢化、人手不足、地域格差、インフラ老朽化、災害対応など、日本が直面する課題は重い。しかし、その厳しさは、AIによる課題解決の効果が最も大きい国であることも意味する。規制改革や導入支援などの政策ツールを駆使し、困難な社会課題にこそ、AIの力で新たな解を生み出すべきである。日本が先に産業モデル、行政モデル、生活モデルを築くことができれば、その経験は世界に先行する競争優位となる。
同時に忘れてはならないのは、この転換には痛みが伴うことである。AXの進展に伴う失業、転職、賃金変動、地域間格差の拡大といった移行コストを直視し、リ・スキリング支援、セーフティネットの強化、公正な移行のための制度設計を政策パッケージとして準備しなければならない。移行コストへの備えなくして、社会全体のAXは実現しない。
3.「規制の強弱」から「信頼の設計」へ
AI駆動型国家は、信頼なくして成り立たない。
AI政策を「規制を強めるか、緩めるか」という二項対立だけで語る時代は終わりつつある。AIがますます強力になる中で、規制だけで安全性は担保できない。日本はAI推進法を成立させ、AIセーフティインスティテュート(AISI)の設立、基本計画の策定、国際規範に即した指針の整備を法的に位置付けた。しかし、法律の制定は出発点であり、到達点ではない。
これから重要なのは、社会が安心して使え、企業が挑戦でき、政府が責任を持って運用できる信頼をどう設計するかである。「責任あるアジャイル・ガバナンス」を実現するためには、ルール形成に加え、技術的制御と利用者側のリテラシーまでを含めた立体的な設計が必要である。
日本は、信頼そのものを競争力へと転化する国を目指すべきである。加えて、国内の信頼設計にとどまらず、同志国と連携しながら、国際的なルール形成と標準化においても主導的な役割を果たしていかなければならない。
この転換を制度と実装の両面で進める上では、次の二つの視点が重要である。
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(1) 規制、技術、リテラシーの三位一体で立体的に信頼を設計する
責任あるAIは、法規制だけでは実現しない。ルール整備に加え、モデル評価、監査、トレーサビリティ、ガードレールなどの技術的制御、さらに企業・行政・市民のリテラシー向上を三位一体で組み合わせて初めて、実効的な信頼が成立する。問題が起きてから対処するのではなく、セキュリティ・バイ・デザインで設計・実装の段階からリスクと制御、被害抑止の透明性を可能な限り確保する必要がある。重要なのは、「規制か成長か」という対立を乗り越え、責任あるAIを社会に埋め込むことである。日本は、こうした信頼設計を国内で着実に実装するとともに、国際的にも共有可能なルールや標準の形成に貢献し、国内外で信頼されるAIエコシステムを築くべきである。
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(2) 「ガバメントAI」から「ガバメントAX」へ
責任あるAIを社会に埋め込むためには、政府自身が、AIの利用者から制度設計者へと立ち位置を変えなければならない。
現在進みつつある「ガバメントAI」は、政府職員が業務にAIツールを活用する道具導入の段階にある。これに対し「ガバメントAX」は、行政の業務プロセス、データ基盤、調達、人材配置、権限設計、そして制度運用そのものを、AIが恒常的に動作することを前提として組み替えるアーキテクチャ再設計の段階を指す。ガバメントAIは、このガバメントAXへと向かう歩みの起点であり、通過点である。そこから先へと段階を進めることが、政府に求められている。
この再設計は、行政の内側にとどまらない。エージェントAIが契約、申請、相談、発注、移動、医療・介護支援に主体として関与し始めることを念頭に、人間の申請者・責任者の存在を暗黙の前提として組み立てられてきた本人確認、責任分界、監督、課税、社会保障の諸制度も、世界に先駆けて見直していかなければならない。行政と社会制度の双方にまたがるこの再設計を動かすには、省庁横断の司令塔機能、継続的な政策更新能力、実装と規律を束ねる中枢の強化が欠かせない。制度と社会アーキテクチャを継続的に設計し直す主体として、政府自身の構造転換が急務である。
以上の三つのパラダイムシフトが、AI駆動型国家への構造転換を導く戦略の骨格である。第3章では第一のパラダイムシフトを、第4章では第二のパラダイムシフトを、第5章では第三のパラダイムシフトを、それぞれ具体的な政策提言として展開する。
第3章 「ソブリンAI」から「AI主権」へ
AI駆動型国家を自律的に運営するためには、その基盤を他国に握られてはならない――第2章で提起した第一の問いに、本章は具体的な政策で応える。
「開かれたAI主権」の確立に向け、本章では八つの重点領域を取り上げる。まず、日本の現場知を資産化し、産業の中で勝てる力を築くフィジカルAIとバーティカルAI。次に、世界のAIエコシステムにおける不可欠性を高める半導体製造装置・ウェハーなど、そしてAI駆動型社会の土台となる電力・データセンター。さらに、自動運転というフィジカルAIとバーティカルAIが交差する社会実装の最前線。そして、防衛・金融・行政という国家の戦略領域におけるAI実装である。
戦略的自律性の確保、現場知の資産化、国際的不可欠性の強化、基盤インフラの整備という四つの視点を貫きながら、各分野の具体像を論じる。
1.AIロボット・フィジカルAI
AIが文字・画像の生成にとどまらず、ロボットなどを通じて物理世界で自律的に動作する「フィジカルAI」の時代が到来している。自律性と汎用性を高めたフィジカルAIは、製造、物流、介護、インフラ、災害対応などの幅広い分野において、人手不足への対応、生産性向上、危険作業の代替などを可能とし、我が国の産業競争力強化と社会課題解決の双方に資する重要技術であり、我が国のものづくりの強みを次世代の成長力へと結びつける重要分野である。
他方、世界では競争が急速に激化している。中国は、国家主導の下、ヒト型ロボットの量産、低価格化、オープンソースモデルの普及などを通じてAIロボットの社会実装を加速させている。米国も、基盤モデル、半導体、シミュレーション環境などの共通基盤の整備を通じて優位の確保を図っている。これに対し、我が国は、産業用ロボット、高精度部品、現場の熟練技能などに強みを有する一方、フィジカルAI向け基盤モデル、学習に適したデータセット、責任・安全に関する制度、社会実装環境の整備において、なお課題を抱えている。
とりわけ、学習に適したデータセットの整備は急務である。フィジカルAIの性能は、製造現場の動作データ、センサデータ、作業手順、熟練技能者のノウハウなど、現場に根差した高品質なデータに大きく左右される。しかし、我が国では、こうしたデータが企業ごとに分散し、標準化や共有が十分に進んでいない。加えて、個人情報保護法、不正競争防止法、営業秘密管理などへの懸念もあり、データ利活用が進みにくい状況にある。
また、フィジカルAIは物理世界で稼働する以上、事故時の責任分担、安全基準、認証、保険などの制度整備も不可欠である。加えて、実証から社会実装への移行を加速するためには、試験場やロボット特区などを通じた導入支援、産学間の人材循環の促進や海外高度人材の受け入れ環境整備を含む人材育成、研究開発支援、モーター、減速機などのハードウェアの戦略部材を含むサプライチェーン強靱化を一体として進め、「信頼されるフィジカルAI」の実現を国家戦略として推進すべきである。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.フィジカルAIに特化した基盤モデルの開発支援
- 経済産業省は、各事業者又は各産業ドメイン・ユースケースにおけるフィジカルAI向け個別モデルの土台となる、全産業に共通するフィジカルAI向けマルチモーダル基盤モデルを開発・整備すること。我が国の強みである品質、安全、協調性を反映したフィジカルAI向けマルチモーダル基盤モデルの開発を国家戦略として推進し、「AIロボット・フィジカルAIを見据えたマルチモーダル基盤モデル開発事業」(令和8年度予算3,873億円)に基づき、2029年には専門的業務も含めた実世界タスクの実行を実現することを見据えて、2027年までにAAII(※)におけるトップモデル水準のエージェント基盤を確立すること。
(※)AAII(Artificial Analysis Intelligence Index)は、グローバルで活用されているAIの総合的な性能を評価する指標。
- 経済産業省は、上記プロジェクトと並行して、民間のロボットメーカー、部品メーカー、SIer、AI研究機関、大学などの連携体制を構築し、補助金やコミュニティ活動支援などを通じて、各企業又は各産業ドメイン・ユースケースに特化したフィジカルAI向け個別モデルの開発を支援する新たなプログラムを設けること。
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2.学習に適したデータセットの整備促進
- 経済産業省は、全産業に共通するデータ基盤の構築を主導する。フィジカルAIの学習に必要な機器の稼働データ、センサデータ、技能者の動作データなどについて、データ項目・仕様の標準化、契約ルールの整備や、試験用ロボットを活用した大規模な学習用データ収集(データ工場)などを進め、フィジカルAIの学習に活用可能な質・量ともに充実したデータ基盤を官民連携で整備し、事業者による活用を促進すること。
- あわせて、産業ドメイン別のデータ基盤構築の取組みを支援する。補助金などを通じて、各事業者による各産業ドメイン・ユースケースに特化したフィジカルAI向け個別モデルの学習用データの収集や、合成データ及びシミュレーション環境などの活用を促進し、現場データや熟練技能者の動作データなどの暗黙知のAI-ready化や学習に適したデータセットなどの学習基盤の充実を支援すること。
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3.ハードウェアの開発・生産能力の強化
- 経済産業省は、関係省庁や事業者と協力して、フィジカルAIのハードウェアを支える重要なコンポーネント(モーター、減速機、センサ、半導体、電池など)の開発・生産に関して、既存ビジネスの部材からの転用の可否も含めて短期的・中長期的に重点的に取り組むべきものを戦略的にマッピングし、国内開発・生産能力を強化すること。
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4.責任・安全に関する制度整備
- 経済産業省は、関係省庁と協力して有識者会議などを立ち上げ、AIロボットの届出・登録制度の要否、事故時の責任分担、安全基準、認証制度、保険制度の在り方などを整理し、事業者の予見可能性と被害者救済の両立を図ること。
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5.試験場・ロボット特区などを通じた社会実装の加速
- 経済産業省は、関係省庁と協力して、「AIロボティクス戦略」及び「各分野別のAIロボティクス実装ロードマップ」(2026年3月)に基づき、各産業ドメインにおける技術課題の解決を支援するほか、導入補助、試験場の整備及び災害対応、建設・土木や防衛などの官需領域における公共調達の活用、さらにはサンドボックス制度や特区制度を活用した制度的課題への対応を通じて、フィジカルAIの社会実装を後押しすること。
2.領域特化型AI(バーティカルAI)
先端的な基盤モデルの開発と並行して、データ、AIモデル及びアプリケーションを垂直統合し、特定の領域や分野に特化したAI(バーティカルAI)の開発及び実装をめぐる国際競争が急速に進展している。バーティカルAIは各産業の生産性や効率を大幅に向上させる可能性を有していることに加え、日本が直面する国内の人手不足、医療介護、行政効率化などの社会的な課題解決にも貢献し得る。すなわち、バーティカルAIは、産業・行政・生活の現場で大きな価値を生み出すものとして、AIの社会実装競争の中核となりつつある。
バーティカルAIの市場も急速に拡大しており、日本国内でも2030年には約3兆円の市場となる見通しも示されている中、AI分野における我が国の産業競争力確保の観点からも極めて重要な分野となりつつある。特に、日本においてバーティカルAIでの強みを発揮すべき分野として、①日本の産業競争力向上に資する領域(製造業、金融、創薬、科学技術など)、②人口減少社会における社会機能の維持に資する領域(物流、医療、介護、教育、建設など)、③公共サービスの領域(防衛、防災、行政など)の三つの分野が考えられる。
バーティカルAIにおける競争力は、基盤となるモデル性能そのものだけでなく、領域固有のデータ、現場知識(暗黙知含む)、業務フロー、ルールなどを収集、構造化、統合するとともに、それらのデータをAIが利用可能な形に転換し、さらに実装を通じて高度化を図っていけるかに大きく依存している。そのため、ここでは後発国でも国際競争に参入できる余地が大きく、日本にとっても、強い産業基盤と豊富な現場知、相対的にデータ活用のしやすい規制環境を活かして競争力を確立できる可能性がある。一方で、将来的には領域特化モデルを置き換える汎用基盤モデルが登場する可能性もあり、開発・実装のスピードが極めて重要となる。
したがって、政府はバーティカルAIを我が国のAI戦略上の重要分野として位置付け、資源を集中的に投じ、自律性を確保していくべきである。
そのためには、各領域に固有のデータ、現場知識、業務フローをどのようにデータ化し、収集、統合していけるか、公共データをどのように活用できるか、データ学習に適した規制環境をどのように創出するかなどの様々な論点が存在する。特に、AIが利用するデータを構造化し、統合するミドルウェアに関しては、バーティカルAIの中核と言えるが、ここでも少数の海外企業による寡占が形成されつつあり、日本の自律性確保の観点から国産の代替手段を開発することが急務である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AIデータ統合用の国産ミドルウェアの重点開発支援
- 経済産業省は、AIデータ統合用の国産ミドルウェア開発を強力に推進すること。ここでいうミドルウェアとは、バーティカルAIの競争力の源泉となる各領域に固有のデータ、現場知識(暗黙知含む)、業務フローなどを収集、構造化及び統合し、AIが利用可能な形に転換する国産の基盤レイヤーを意味する。GENIACにおいて関連する支援は始まっているが、国際競争力や社会実装のインパクトの観点から有望な案件を選抜した上で、支援上限額の引き上げや支援期間の延長などを通じて、支援を重点化するとともに、関係省庁と連携し、公共調達も含め、導入までを見据えた一貫支援を早急に進め、大胆な投資を促進すること。
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2.バーティカルAIにおける公共データの利活用促進
- デジタル庁及びデジタル行財政改革会議は、今国会で審議中のデジタル行政推進法等の改正により整備されるデータ利活用制度に基づき、国の行政機関等が保有するデータが民間事業者のAI開発に迅速かつ最大限活用されるように、重点分野につき早期に指針を作成するなど制度整備を行い、事業者に対する周知広報、相談対応及び活用事例の提示などを行うこと。あわせて、国と国以外の行政機関等が共同で行うデータベースの整備等の加速に向けて必要な支援を行うこと。
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3.バーティカルAIにおける民間データの利活用促進
- 内閣府は、関係省庁と連携し、AI開発事業者が必要とするデータの収集、連携、学習及び利用に適した規制環境を維持するとともに、各領域に深く入り込んでいくバーティカルAIの研究・開発、高度化及び実装を加速する観点から、各領域における法令、ガイドラインなどを点検し、必要に応じて見直すこと。あわせて、今国会で審議中の個人情報保護法の改正が、民間データの利活用促進に向けて最大限活用されるよう、早期の制度整備、事業者に対する周知広報、相談対応及び活用事例の提示などを行うこと。
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4.重点領域における進捗状況のモニタリング
- 経済産業省及び内閣府は、関係省庁と連携し、バーティカルAIにおける各重点領域の支援事業の進捗状況を継続的に確認し、それらの推進に必要な施策を実施すること。
3.AIスタックにおける戦略的不可欠性の確保
AIモデルの高度化・大規模化が進む中で、エージェントAI時代の国家の競争力は、計算性能だけでなく、それを支えるハードウェア基盤、サプライチェーン、設計力を含めたAIスタックの総合力によって決まる。とりわけ、計算基盤の高度化、光電融合技術、サーバーの安定供給、半導体設計支援、そして同志国と連携したサプライチェーンの構築を一体的に進めることこそが、AI時代における強靱で信頼性の高い産業基盤の確立につながる。
そして、AIスタックをめぐる競争は、必ずしも全てのレイヤーで一国が優位を占めるものではなく、各国が強みを持つ領域を通じて不可欠性を確保し得る構造にある。この点、日本は半導体製造装置において、米国に次ぐ世界市場シェア(28%)を有しており、個別工程を見ても、縮小傾向にありつつも、依然としてウェハー製造(72%)、洗浄(68%)、ロジックテスタ系(76%)、プローバ系(78%)、信頼性試験(65%)、工場自動化装置(84%)など、日本企業が世界的に強みを有する領域は少なくない。また、主要半導体部素材分野においては世界トップの市場シェア(53%)を有し、高純度洗浄液(59%)、フォトレジスト(78%)、フッ素混合ガス(92%)、硫化カルボニル(97%)、シリコンウェハー(53%)、バッファーコート膜・再配線形成材料(98%)については、世界的に高いシェアを維持している。こうした装置・素材分野における日本の強みは、AI時代の国際分業の中で我が国の不可欠性を支える基盤であり、国家戦略として明確に維持・強化していかなければならない。
次に計算基盤の高度化に向けては、光電融合技術への期待が高まっている。従来の電気配線を中心とした計算システムでは、消費電力や通信遅延がボトルネックとなりつつあり、AI処理のさらなる高速化・省電力化には限界が見え始めている。光電融合技術は、光通信の高速性と電気回路の柔軟性を組み合わせることで、データ転送効率を大幅に向上させ、データセンターや次世代計算基盤の性能向上に貢献する。AIインフラ全体の電力制約が深刻化する中、光電融合は持続可能な計算基盤を実現する鍵となる技術である。
また、こうした高度な計算基盤を社会実装につなげるためには、それを構成するサーバーの安定供給確保が欠かせない。AI向けサーバーは、高性能半導体に加え、パワー半導体やアナログ半導体等の従来型半導体、電子部品、電源、冷却技術など、幅広い産業の結集によって成立する。地政学リスクの高まりを背景に、特定国や特定地域への過度な依存は、計算基盤全体の脆弱性を高める。経済安全保障の観点からは、同志国と連携したサプライチェーンの構築と多元化が不可欠であり、信頼性の高いサーバー供給体制を確保することが、AI利活用の前提条件となる。
加えて、こうした国際分業型サプライチェーンの中で、日本の強みである半導体製造装置や部素材分野に対する継続的な支援は、グローバルな半導体サプライチェーンの強靱化に直結する。足下の地政学的状況を踏まえ、我が国の自律性・不可欠性の観点から、特にアナログ・レガシー半導体、電子部品等のサプライチェーンの強化・最適化や必要な産業再編に向けた取組みを進め、我が国の不可欠性を高めることが、経済安全保障上重要である。
さらに、AIと半導体をつなぐ要として、半導体設計支援の重要性が一段と高まっている。ロボットや自動車、FAなど多様な分野でフィジカルAIの実装が進む中、用途ごとに最適な半導体を設計・統合することも不可欠である。その実現には、需要側産業が積極的に専用半導体を開発するための設計拠点の整備や、高度な半導体を実現するための設計開発プロジェクトを継続していくことが重要である。その上で、こうした取組みを通じてソフト・ハードの両面の知見を有する高度人材育成等を進め、AIの進化を競争力あるハードウェアとして具現化することが我が国産業競争力強化にとって不可欠である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AI時代を支えるハードウェア製造基盤の国家戦略上の位置付け
- 政府は、AI時代に必要不可欠となる半導体をはじめとするハードウェアの国内開発・製造基盤を強化し、2030年に国内で生産される半導体売上高15兆円、2040年に40兆円という目標の実現に向けて、日本が国際的なマーケットシェアや技術的優位を有する半導体製造装置・素材、光電融合技術等を、AIスタックを支える戦略基盤として、本年6月に取りまとめる「日本成長戦略」の中で明確に位置付けること。
- 経済産業省は、我が国が強みを有する工程(エッチング、洗浄、検査など)及び素材(シリコンウェハー、レジストなど)について、研究開発、設備投資及び人材確保を通じて競争力の維持・強化を図ること。他方で、経済安全保障の観点から先端工程及び次世代材料への対応が求められる領域のうち、市場規模が大きく、又はフィジカルAI時代の実装基盤として戦略的重要性の高い分野についても、中長期の視点から重点的な支援を講ずること。
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2.AI時代を支える計算基盤に不可欠な光電融合技術
- 政府は、生成AIやフィジカルAIの高度化・利活用拡大に伴い急増する計算需要と、それによるデータセンター等の電力消費量増大に対応するため、電気配線を光配線にすることで革新的な省エネを実現する光電融合技術の開発を重要課題として位置付けること。
- その上で、経済産業省は、こうした革新技術のデータセンターや次世代サーバーへの実装を見据え、デバイス、材料、実装、システム設計までを一体として捉えた研究開発支援を強化し、社会実装を加速させること。
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3.計算基盤の構築に必要なサーバーの安定供給確保
- 政府は、AI向け計算基盤の信頼性確保の観点から、高性能なロジック半導体・メモリ半導体に加えて、パワー・アナログ等の従来型半導体や、電子部品、電源・冷却技術等を含めたサーバー全体の安定供給体制の確立を重要課題として位置付けること。
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4.我が国が強みを有する経済安全保障上重要な半導体サプライチェーンの強靱化
- 政府は、半導体サプライチェーンが設計・製造から製造装置、部素材・原料に至るまで広範な産業で構成され、一国で完結し得ないことを踏まえ、同志国と連携したサプライチェーンの構築を経済安全保障上の重要課題として推進すること。
- その際、経済産業省は、日本が強みを有する半導体製造装置・部素材分野への継続的な支援を通じて不可欠性を高めるとともに、先端分野に加え、アナログ・レガシー半導体や電子部品等についても、自律性・安定供給の観点からサプライチェーンの強化・最適化や必要な産業再編を進めること。
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5.需要側を含めた半導体エコシステム構築のための、半導体設計支援
- 政府は、ロボット、自動車、FAなど多様な分野で進展するフィジカルAIの社会実装を支えるため、実装先で求められる機能要件から逆算して最適な半導体を設計・統合できる体制を中核に、半導体設計支援を強化すること。
- その際、経済産業省は、高額な投資を必要とする設計環境を提供する拠点を国が整備することで需要側産業の競争力を強化するための半導体設計開発を促進し、AI時代における競争力あるハードウェア基盤の形成を図るとともに、高度な半導体実現に向けた設計開発支援を積極的に推進すること。
- 同時に、経済産業省は、こうした取組みも活用しながら、ソフト・ハードの両面を理解した高度設計人材育成に取り組むこと。
4.AI時代の国家基盤としての電力・計算資源の確保
エージェントAI、フィジカルAI、自動運転などの研究開発と社会実装は、あらゆる領域において大量の学習用と推論用の計算資源を必要とする。それを支えるデータセンター需要の急拡大は必至であり、今後は電力需要の圧倒的な逼迫が見込まれる。その中で、十分な計算資源と安定した電力供給を確保できる国こそが、自律性を持ってAIを産業競争力、公共サービス、地域活性化へと結びつけることができ、国際的な不可欠性も高めることができる。
電力、データセンターをAI主権及び国家競争力を支える基幹インフラとして位置付けるべき今、AI政策、エネルギー政策、地方創生政策などが縦割りで個別最適のままでは、エージェントAI時代の国家基盤を構築することはできない。
今後の電力需要は、データセンターや半導体工場に加え、自動運転、エッジ計算、フィジカルAIによる産業設備の自律化、通信需要などが複合的に押し上げる可能性が高いため、そのような需要の急増予測をあらかじめ政策の前提に組み込んだ上で、安定的な電力供給を確保することが必要である。
その上で、データセンターの立地戦略についても、現在の大都市圏への集中展開は限界を迎えようとしている。用途ごとに需要地との近接性、電力や通信インフラとの一体性、遅延耐性、防災性などを総合的に勘案して決定すべきである。国内ではまずはモジュール型を含めた地域分散型データセンターへの投資が急務であり、地域住民の理解も丁寧に得つつ、適地への立地誘導を含む投資促進策を実施することが求められている。また、日本が強みを持つ電力設備や冷却装置を含めたデータセンターエコシステムとして、大規模データセンター整備が爆発的に進む海外市場を含めた戦略的な展開を官民連携で探求する。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.電力需要予測の再点検と安定的な電力供給の確保
- 経済産業省は、エージェントAI時代における電力需要の爆発的な増大を踏まえ、「エネルギー基本計画」で参照している電力需要想定を今後も定期的に点検すること。また、最新の需要想定を前提として、今後の安定的な電力供給を持続可能なポートフォリオで確保するために、特定電源への過度な依存を防ぎ、原子力、火力、再生可能エネルギーなどを適切に組み合わせ、大量需要に耐える供給構造を多層的に整備すること。
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2.データセンターの戦略的国内配置
- 経済産業省及び総務省は、データセンターの国内立地を戦略的に進めること。特に、行政、重要インフラ、機微データ、リアルタイム制御に関わる分野では国内立地の重要性が高い一方、それ以外の分野によっては海外のデータセンターも活用するなど、国内と海外での立地の選別という視点や、事業者や用途によってはデータセンターの立地に求められる条件が異なるという視点を取り入れること。
- 経済産業省及び総務省は、GX戦略地域制度も活用しつつ、電力と通信の効果的な連携(「ワット・ビット連携」)により、大都市圏への集中を軽減し、全国の複数ブロックへ分散配置するなど適地へのデータセンター立地への民間投資を促進すること。
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3.省エネの推進
- 経済産業省は、電力供給の強化と並行して、最先端技術を活用して省電力化を積極的に推進することで、限られた電力を高い知能価値へ効率的に変換するよう努めること。
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4.計算基盤・データセンターのサプライチェーン強靱化
- 経済産業省は、データセンターの構築・運用に必要な機器・ソフトウェアのサプライチェーン上の脆弱性を評価し、同志国と連携したサプライチェーンの多元化・強靱化及び国内におけるサーバーの研究開発、製造機能の確保を通じて、安定的な構築・運用を可能とする体制を整備すること。
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5.データセンターエコシステムの戦略的海外展開
- 政府は、我が国が推進するAIスタックに関する国際連携の柱として、データセンター開発協力を位置付けること。経済産業省は、海外の先進的なデータセンター開発に積極的に参画することで、我が国企業が技術力を一層強化し、国内でのワット・ビット連携等による開発への技術還流を促進すること。特に、経済産業省は、米国、中東、アジアをターゲットに、各国との国際協力スキームの活用を含めて我が国データセンターサプライチェーンの展開を支援すること。
5.交通分野におけるAI利活用(AI for Mobility)
自動運転は、フィジカルAIとバーティカルAIが交差する最大の社会実装領域であり、AI主権が問われる最前線でもある。また、日本の自動車産業は、販売台数で世界シェアの25%、製造品出荷額等約72兆円、輸出額の約16%、就労人口の約8%を占める基幹産業であり、自動運転市場における競争力は、産業競争力、経済安全保障、地域交通、物流維持及び交通安全の観点から極めて重要である。
世界では、カメラ映像等のセンサ入力から車両の制御指令までを一気通貫でAIに学習させるEnd-to-End(E2E)型AIが、自動運転の競争構図を一変させつつある。E2E型AIは、従来のモジュール型・ルールベースの技術と異なり、多額のコストがかかる高精度三次元地図を必要とせず、走行データの蓄積によって継続的に性能が向上するため、拡張性に優れている。米国ではTeslaがFSD(Full Self-Driving)の技術学習を日本を含む各国で本格化させ、Waymoは東京での自動運転タクシー事業の開始に向けてデータ収集を進めている。英国のWayveは2027年度に国内メーカーの車両に搭載されて国内に投入される見通しであり、中国ではMomenta、Huawei、Pony.aiなどが量産段階に入りつつある。
一方、日本の自動運転は、投資規模の不足もあり、モジュール型・ルールベースの段階にとどまっている。レベル4の無人自動運転については、モジュール型技術により交通量の少ない限定的な路線から実装が始まっているが、都市部や複雑な交通環境での展開には、E2E型AIへの移行が不可避である。このまま国内のE2E型AI開発が遅れれば、走行するほどデータが蓄積されて性能が向上するE2E型AIの特性上、海外AI企業のモデルばかりが賢くなり、特定のAIベンダーへのロックインを招くおそれがある。自動車産業は日本の基幹産業であり、その頭脳となるAIの自律性を失うことは、経済安全保障上も看過できない。
E2E型AIの実装にあたっては、安全性の評価方法の確立も急務である。AIの判断過程がブラックボックスであることから、従来のルールベースの安全性評価手法のみでは対応が難しく、走行テストの統計的・確率的検証やシミュレーションを活用した新たな評価手法の開発が求められる。安全性評価の国際基準は国連WP29を中心に策定が進んでいるが、AI固有の課題に対する知見は各国とも発展途上にあり、日本が国際基準の策定を主導できる余地がある。
また、自動運転の社会実装を面的に拡大するには、技術開発だけでなく、車両の調達・整備・配車・運行管理を担うオペレーション能力の確保や、人手不足が深刻な物流分野への展開も不可欠である。特にトラック輸送においては、高速道路の幹線輸送をモジュール型AIが、その先の面的輸送をE2E型AIが担うという役割分担が想定されており、各段階の無人化を支える技術・制度・運用基盤を一体的に整備する必要がある。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.国産E2E型AIの開発加速
- 経済産業省は、海外のE2E型AIによるレベル2自動運転が2027年度に国内に投入される状況を踏まえ、国産のE2E型AIの早期実装に向けた開発を加速すること。具体的には、国内プレーヤーが米Tesla、英Wayve、中Momenta・Huaweiなどの先行企業に伍していけるよう、計算資源の調達を支援するとともに、走行データの収集・蓄積と効率的なAI学習を可能にするデータ基盤・学習基盤を官民連携で構築すること。学習基盤については、収集したデータをAIモデルや自動車メーカーを超えて共有・活用できる設計とし、重複投資を避けながら国全体として開発効率を高めること。
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2.E2E型AIの安全性評価方法の確立と国際標準化
- 経済産業省は国土交通省と連携して、E2E型AIを含むAIベース自動運転システムについて、シミュレーション環境の活用やアウトプットベースでのAIモデル評価など、合理的な安全性評価方法の確立に向けた取組みをレベル4の実現に向けて推進すること。制度化にあたっては、イノベーション促進的な設計とし、AI安全性に関する専門機関とも連携すること。また、国連WP29における国際基準の策定プロセスにおいて、E2E型AIの安全性評価に関する日本の知見を積極的に反映させ、自動車産業の論理に閉じない、AI時代の国際基準づくりを主導すること。
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3.自動運転の社会実装を支えるオペレーション基盤の整備
- 経済産業省及び国土交通省は、交通事業者がE2E型AIを搭載した車両を活用した運行を展開できるよう、車両調達、整備、配車、運行管理などのオペレーション機能を支援する国内事業者(交通サービサー等)の育成・支援を行うこと。特に、地域の零細タクシー事業者などが単独では対応が困難な場合にも、こうしたサービサーによる支援を通じてE2E型AIによるレベル2以上の運行を展開できる体制を整えること。
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4.物流分野における自動運転の社会実装の推進
- 経済産業省及び国土交通省は、人手不足が深刻な物流分野における自動運転の社会実装を促進するため、主要物流拠点間の幹線輸送から地域物流拠点・配送拠点を経てラストワンマイルに至るまでの各段階が極力無人化されるよう、運行管理システム、自動配送ロボットなどのためのAI開発を支援すること。あわせて、高速道路におけるレベル4の無人トラック走行の実現に向けて、先読み情報などの支援インフラの整備、トレーラーへの切替えに係る制度的論点の検討、遠隔監視・駆けつけ体制の確立を一体的に進めること。
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5.自動運転車の購入補助
- 国土交通省は、経済産業省と連携して、交通過疎などの社会課題解決と経済安全保障の観点から自動運転車の個人需要、商用需要の双方において購入補助金等の需要喚起策を講じること。
6.防衛分野におけるAI利活用(AI for Defense)
AIの軍事分野への活用は以前から予見されていたが、現在米国を中心として、情報収集(ISR)、指揮統制、兵站、整備、サイバーなどの幅広い軍事機能にAIが実装され始めており、これが現代の戦い方そのものを大きく変えつつある。とりわけ米国では、AI導入を個別の技術実証にとどめず、国防総省を挙げたAI利活用による軍事力の向上を図ろうとしており、この動きに数多くの国が追随することが想定される。
日本を取り巻く安全保障環境がかつてなく厳しくなっている中で、防衛省・自衛隊におけるAI利活用に遅れが生じれば、意思決定の速度、統合運用能力、同盟国との相互運用性など、様々な側面において防衛力の相対的な低下につながるおそれがある。一方で、AIの活用推進は、防衛力の効果的な運用を可能とするだけではなく、自衛官の充足率の不足をはじめとした、防衛省・自衛隊が構造的に抱える諸課題を解決する可能性も有している。
また、技術的優位性の確保と同盟国との相互運用性の観点から、一部の指揮統制システムでは、同盟国の先進的ソフトウェアとの接続性の確保を考慮することが望ましい。他方で、機微データの保管やアクセス制御などの中核を担う部分については、日本が自律的に統制可能なアーキテクチャとする必要があるため、相互運用性と自律性を両立するシステム設計を進めることが求められる。
いずれにせよ、日本においても、防衛分野におけるAIの利活用に選択の余地はなく、むしろ論点は、日本の防衛力を強化するため、AIをいかに抜本的にかつ迅速に導入できるかにある。冷戦終結後、かつては「ネットワーク中心の戦い」(Network Centric Warfare)への転換が唱えられたが、現在求められているのは「AI及びデータ中心の戦い」(AI and Data Centric Warfare)への転換といえる。こうした重大な認識転換を、予定されている防衛三文書の改訂において具体的に反映していくことが求められる。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.「AI及びデータ中心の戦い」への発想の転換
- 防衛省は、AIを新たな戦い方の中核として位置付け、「AI及びデータ中心の戦い」(AI and Data Centric Warfare)への転換を推進すること。AIを個別の機能強化のツールではなく、意思決定速度の優越の確保及び戦力運用を高度化するための統合作戦基盤として活用する段階へ移行するべく、防衛省は「AI活用推進基本方針」を、防衛力整備、作戦運用のドクトリン、訓練、演習、調達、研究開発、データ統合・活用を一体化した政策へと発展させること。また、その実行のためにも、防衛省・自衛隊のすべてのレベルにおいて、AIの積極的な活用及びそのためのデータの統合が喫緊の課題であるという意識改革を推進し、その障害となる文化の払拭に努めること。
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2.データ統合のための集約権限の明確化及び制度化
- 防衛省は、AI利活用の前提として、各自衛隊及び機関が保有するデータの所在、性質、利用可能性を可視化し集約すること、そのための共通フォーマット整備などを進める必要がある。その実行にあたって、同省におけるデータの集約及び統合のリーダーシップをとる部署を特定及び制度化し、当該部署に明確な権限を付与することを検討すること。
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3.AI利活用を前提とした調達制度の改革
- AIの潜在力を最大限活用するには、早期の装備化とともに、AIモデルやソフトウェアの継続的なアップデートを迅速に取り込める調達の仕組みが必要となる。技術進歩の速いAI分野に十分対応できるよう、防衛省は「ファストパス調達」などの早期装備化のための取組みをさらに加速させるとともに、AIモデルやソフトウェアなどが常にアップデートされることを前提とした調達制度を検討すること。また、その一環として、国内スタートアップ企業の参入も促進すること。
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4.AI利活用の効果を最大化するための人材育成の見直し
- 防衛省・自衛隊におけるAI利活用を実効的なものとするため、防衛省は、現場の部隊から各幕僚監部、研究開発担当までを含めた人材育成と配置の見直しを検討すること。AIは単なる技術ではなく、その効果を最大化するには、部隊運用から指揮統制、兵站、訓練、研究開発などに至るすべての発想の転換を必要とする。人材育成においては、そのための意識改革も推進すること。
7.金融分野でのAI利活用(AI for Finance)
エージェントAIが人に代わって情報収集、比較、購買、決済などを一気通貫で行う「エージェンティック・コマース」は、現実のものとなりつつある。金融分野においても、AIは業務効率化のための補助ツールにとどまらず、顧客との接点を担い、決済、送金、投資判断などを支える存在へと進化している。これらの変化に伴い、金融サービスの提供構造や決済インフラの在り方そのものが大きく変わろうとしている。また、その基盤として、ブロックチェーンやステーブルコイン・トークン化預金などのオンチェーン金融の重要性も高まっている。
海外では、エージェントAI間通信、認証、決済などの領域で標準化競争が進み、ステーブルコインを含む新たな金融インフラの制度整備も加速している。他方、我が国においても、資金決済法による制度整備や民間事業者による実証は進みつつあるが、エージェントAI時代を見据えた金融政策・法制度・インフラ整備を一体として捉える国家的な戦略は、なお十分とはいえない。
このままでは、我が国は海外で設計されたプロトコル・決済基盤や外貨建てステーブルコインの利用者にとどまり、成長機会を逸するのみならず、決済インフラや通貨主権をめぐる経済安全保障上の脆弱性を抱えるおそれがある。また、現行法は、法律行為や金融取引の主体として自然人又は法人を前提としており、エージェントAIによる取引の効果帰属、責任分配、業規制の適用関係、本人確認やAML/CFTへの対応など、多くの論点が未整理である。さらに、高頻度・常時稼働型の決済が普及した場合に、既存インフラが十分に耐えられるかという観点からも、早急な対応が必要である。
我が国には、ステーブルコイン制度、公的個人認証基盤、金融庁による実証支援など、先行的に活用し得る基盤が存在する。これらを活かし、エージェントAI時代の金融を国家戦略として明確に位置付け、法制度とインフラ整備を一体的に進めていくべきである。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.エージェントAI時代の金融を国家戦略として位置付けること
- 政府は、エージェントAIによる決済・送金・投資などを含む「AI for Finance」を成長戦略及び経済安全保障政策の重要課題として位置付けること。金融庁は、日本銀行と連携し、エージェントAI時代における安定的な金融市場の確保に向けた検討や金融機関のガバナンス・監査の在り方を含むエージェントAI時代の金融の将来像について、官民で共有するビジョン・ペーパー(「AIディスカッション・ペーパー2.0」(仮称))を策定すること。金融庁は、関係省庁と協力して、国際的な標準化・相互運用性の確保やルール形成の議論に積極的に参画し、我が国の立場を反映させること。
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2.エージェントAIによる金融取引の法的整理・社会実装を進めること
- 政府は、デジタル庁・法務省・金融庁・消費者庁などの関係省庁において、金融取引においても論点となり得るエージェントAIが自律的に行う取引の効果帰属や責任分配を明確化するため、その法的位置付けに関する検討を進めること。また、AIによる誤情報提供、不当勧誘、詐欺、エージェントAIが本人からの授権範囲を逸脱するケースなどに対応するため、利用者保護の観点から必要な取組みの検討を進めること。
- 金融庁は、AIを介して金融商品の説明、勧誘、助言、販売などを行う場合の金融商品取引法、銀行法、保険業法その他の業法の適用関係について、自然人又は法人の関与の程度を含む具体的なユースケースを踏まえた事業者対応・明確化に万全を期すとともに、DeFiに関する金融規制の在り方について検討すること。デジタル庁は、関係省庁と協力して、AIを介した取引における本人確認・法人確認、権限管理、AML/CFTの在り方について、公的個人認証基盤その他のデジタルIDやトラストサービスの活用も含めて検討を進めること。
- 金融庁は、エージェントAI、ステーブルコイン、トークン化預金、DeFiなどのオンチェーン金融を組み合わせた実証支援の枠組みの強化を行い、これらの社会実装を後押しすること。
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3.決済インフラの強靱化とセキュリティ強化
- 金融庁は、エージェントAIによる高頻度・常時稼働型決済を見据え、関係省庁・日本銀行と協力して、既存決済インフラの処理能力及び耐障害性を総点検した上で、次世代の決済基盤の検討及び検証を進めること。
- 金融庁は、近時のエージェントAIを用いたサイバー攻撃の脅威増大を踏まえ、関係団体と連携し、早急に金融インフラのサイバーセキュリティ体制の抜本強化を図ること。(詳細は第5章1. 参照)
8.行政分野におけるAI利活用(AI for Government)
日本は、政府のAI利活用で世界の先頭を切り拓く。
政府職員が安全・安心にAIを活用できるガバメントAI基盤としてデジタル庁が開発・整備した生成AI利用環境「源内」は、対話型チャット、文章作成などの汎用AI機能に加え、行政実務に特化したアプリケーション群を実装し、政府内で広く利活用されている。本年度前半には、全府省庁約18万人の政府職員が利用可能となる予定であり、ガバメントAIの実装規模としては世界最大級となる。
AIは、もはや人間の知的作業を補助する道具にとどまらず、行政、産業、国民生活の現場を支える社会基盤へと変容しつつある。競争の主戦場も、基盤モデルの性能そのものの比較にとどまらず、AIをいかに社会に実装し、現場で具体的な価値の創出に結びつけるかへと移行している。行政分野におけるAI利活用は、こうした時代転換における国家競争力を左右する中核的な取組みである。行政においてAIを活用することは、サービスの質の向上と業務の効率化に資するだけでなく、人口減少に伴う担い手不足への対応を可能とし、地方自治体や民間事業者による実装を後押しすることで、国内AI市場の形成・拡大にもつながる。
他方、行政AIの本格展開にあたっては、三つの構造的課題がある。第一に、AI利活用の前提となる国・地方を通じたデジタル基盤、データ、アプリケーションの共通化・共同利用が、なお十分ではないことである。第二に、デジタル化以前を前提とした業務設計や制度運用が残存し、AI導入の効果を制約していることである。第三に、縦割りの組織構造や国と地方の分断により、人材交流や実装支援が進みにくいことである。今後は、「個別・単独」から「共通・共同」へ、「人手前提」から「AI・デジタル前提」へ、「単なる権限移譲」から「継続的な伴走支援」へと発想を転換しなければならない。あわせて、デジタル基盤のみならず、電力、通信、データセンターなどの物理基盤を含むレジリエンスの確保と、医療、教育、防災、交通、農業などの準公共分野を支える共通基盤の整備も不可欠である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.国と地方の共通基盤整備
- デジタル庁及び総務省は、関係省庁と連携して、国と広域自治体の役割の再定義を進めるとともに、共通基盤整備と基礎自治体支援を一体で進めること。東京都などの広域自治体において先行的に上記の仕組みを構築し、インフラ、データ、アプリケーションの共通化と、広域自治体から基礎自治体への人材派遣を組み合わせた支援モデルを確立すること。
- デジタル庁は、関係省庁と連携して、AI利活用の前提となる共通デジタル基盤・準公共基盤を国主導で整備すること。マイナンバーカード、ガバメントクラウド、GSS(ガバメント・ソリューション・サービス)、ガバメントAIの横展開を進めるとともに、医療、教育、防災、交通などの準公共分野においても、共通のAI・デジタル基盤及びデータ連携基盤を計画的に整備すること。
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2.ガバメントAI「源内」の地方展開開始とエージェント機能実装
- デジタル庁及び総務省は、「源内」のオープンソースソフトウェアについて、地方自治体が安全・安心にAI基盤を実装できる支援策として、令和8年度中の第一号導入案件の実現を目指し、普及啓発及び導入支援を進めること。あわせて、民間事業者による機能拡張やサービス展開が可能となる環境を整備し、公共AI市場の活性化と関連投資の喚起に向けて民間事業者との連携を進めること。
- デジタル庁及び総務省は、「源内」のアーキテクチャ及びガバナンスフレームワークを、特定の事業者や基盤モデルに過度に依存することなく、安全・安心にAIを選択・運用できる「AI主権」の具体的な実装モデルとして整理し、海外への情報発信を強化すること。あわせて、「広島AIプロセス」の推進及びグローバルサウス諸国との共創・協力モデルの構築を通じて、本モデルの国際展開を進めること。
- デジタル庁は、「源内」において、AIエージェントの実行環境を本年中に実装するとともに、政府職員約18万人が自然言語を用いて簡便にAIアプリケーション(スキル)を作成できる開発環境及び作成したスキルを政府横断的に共有・再利用できる仕組みを整備すること。これにより、人材育成やセキュリティ確保に十分配慮しつつ、政府職員による創造的かつ自律的なAI利活用を広く促進し、行政分野における世界最高水準のAI利活用の実現を目指すこと。
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3.重点ユースケースの先行実装とAI前提での業務再設計
- デジタル庁及び総務省は、関係省庁と連携して、給付、相談、照会対応などの重点ユースケースから、国と地方が共同で先行実装を進めること。国民の利便性向上や行政現場の負担軽減への効果が高く、かつ短期間で成果を創出しやすい分野から優先的に導入を進めるべきである。あわせて、その成果は横展開を前提に公開し、行政でのAI利活用に向けた共通資産として蓄積すること。
- 財務省、内閣人事局、人事院及びデジタル庁は、関係省庁と連携して、各府省庁において、バックオフィスを中心にAI前提のBPR(業務プロセス再設計)を断行すること。人事、会計、庶務などの業務は、単なるAIツールの追加導入にとどめるのではなく、制度、人事、システム、データを一体で見直すこと。
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4.「GovTech Japan」の創設に向けた人材育成と全国展開の仕組み整備
- デジタル庁及び総務省は、関係省庁と連携して、東京都とGovTech東京の人材育成と基礎自治体支援の仕組みを最大限活用し、将来的に「GovTech Japan」として全国展開の仕組みを構築すること。共同化、伴走支援、人材育成、開発資産共有の仕組みを全国に広げ、人材プール、共同調達、共通仕様、全国的なセキュリティ運用を組み合わせることで、地域間格差を最小化しつつ、誰一人取り残されない行政DX・AXを実現すること。
第4章 「AIが何に使えるか」から「人間にしかできないことは何か」へ
AI駆動型国家は、すべてをAIに委ねる国家ではない――第2章で提起した第二の問いに、本章は社会の各現場から応える。
AIが多くの知的作業を代替・拡張する時代だからこそ、人間が何を担い、どの価値に責任を持つのかを明確にしなければならない。重要なのは、AIを単なる効率化ツールとして局所的に利用することではなく、企業経営、研究、教育、創作、そして働き方や暮らし方まで含めて、人間とAIの役割分担そのものを再設計することである。日本にとってこれは、少子高齢化や人手不足という制約を突破し、「課題先進国」から「課題解決先進国」へ転じる好機でもある。
だからこそ、一部の先進企業だけでなく、中小企業や個人事業者を含む社会総がかりのAXを進め、教育、研究、創作といったあらゆる知的活動領域で、人間の判断、責任、創造性の新たな発揮の在り方を形にしていかなければならない。同時に、この転換に伴う失業、転職、賃金変動といった移行コストに正面から向き合い、公正な移行を確保する政策も欠かせない。本章ではその道筋を示す。
1.全事業者におけるAX推進
あらゆる企業にとってAI利活用は、経営判断の質やスピードの向上、提供価値の向上、コスト削減が飛躍的に向上する必須インフラとなりつつある。AXを推進し、AIファースト企業となることは将来の競争力を左右する最重要経営アジェンダである。
日本の企業において、生成AIの活用は拡大している。しかし、積極的に活用する方針を示す企業の割合は欧米や中国の半分程度であり、活用の用途も文章作成や情報検索・情報収集・調査といった断片的なタスクにとどまるなど、AI利活用やAX推進の進捗は諸外国に比べ大きく後れをとっている。この傾向は、従業員数100名未満の企業におけるAIの利用率が1割未満となるなど、中小企業において顕著である。DXで諸外国の後塵を拝した二の舞とならぬよう、国としてただちに大企業から中小企業までAXの推進に向けた取組みを支援すべきである。
特に日本の中小企業においてAXが進まない背景には、第一に経営者の意識、第二にAI推進組織・人材の不足、第三に投資資金の不足という複合的な課題が存在する。
時代の変化を捉え果敢な投資判断を行うべき経営者について、AIの理解が十分ではなく、自社における活用の必要性を認識せず、事業を変革する意思決定及び投資判断を行えなかったり、逆に、AIを魔法の杖と誤認し、実現不可能な指示を出したりするケースが見受けられる。
また、経営者がAX推進を指示しても、社内にAI推進組織がない、AI推進人材がいない、意思決定プロセスや企業文化がAI利活用にブレーキをかけるといった理由でAXが進まないケースも散見される。
さらに、経営者や組織の課題を乗り越え、具体的なAIプロジェクトの検討にたどり着いても、成果が確実に得られるか分からないPoC(Proof of Concept、本格実施前の概念実証)への投資を躊躇する場合やPoCの先の開発・現場導入に向けた投資額を捻出できないケースも多い。AXにも活用できるIT関連の補助制度はすでに存在するものの、AXの支援目標が設定されておらず、AI利活用プロジェクトに活用しづらいといった課題も存在する。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.中小企業経営者のAX時代への大胆な意識変革を全国展開する
- 中小企業の経営者の理解促進と挑戦意欲を喚起するため、経済産業省(中小企業庁)は、中小企業におけるAXのベストプラクティスとなる事例を取りまとめ、AXの効果や進め方に関するセミナーを来年度末を目途に全都道府県(オンラインや共同開催を含む)で実施すること。セミナーや研修資料は、公共財として、原則一般公開すること。
- 経済産業省(中小企業庁)は、AI時代の経営者に求められる姿勢と能力を定義した上で、AXに特に積極的な経営者に対する能力の獲得と伴走の支援事業を行うこと。(支援事業の実施にあたっては、経済産業局や自治体、AI利活用に長けた事業者と連携し、座学にとどまらない支援を行うこと。)
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2.AX推進人材の要件を定義し、人材育成を支援する
- 経済産業省は、IPAなどの知見を有する機関と連携しながら、AXを推進するために必要な組織の要件や組織変革の要諦、ベストプラクティスといった、企業がAI推進組織を構築する際の参考となる知見を取りまとめること。
- 経済産業省(中小企業庁)は、企業のうち特に社員数の限られた中小企業がAXを推進するために確保すべき人材を定義し、育成を支援すること。(育成は、初学者に対しては明確なゴール(G検定、E資格、DS検定といった資格試験の合格など)を設定して基礎知識の習得を支援し、基礎知識を得た者に対しては自治体と連携して、AI利活用プロジェクトの伴走支援を行うこと。)
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3.100億企業等のAX支援等を通じ、AI投資を支援する
- 経済産業省(中小企業庁)は、年商100億円以上を目指す企業による「100億宣言」において、100億円実現に向けた具体的措置としてAXへの取組みが積極的に評価される仕組みとすること。また、100億円に満たない企業についても、同様にAXへの取組みが積極的に評価される仕組みを創出すること。
- 経済産業省(中小企業庁)は、中小企業のAXを資金面で後押しするため、ツールの導入や生産性の向上、新規事業の創出といった各企業のAXの取組み段階に応じた切れ目のない支援を行うこと。(AX支援に関する各補助制度の利活用の状況について、定量的かつ定期的なモニタリングを行うこと。)
2.エージェントAI時代の働き方・雇用の再設計
AIの発展は、大規模なスキルチェンジとジョブチェンジを引き起こす。政府は、労働者の考え方とスキルを、AI利活用を前提とした働き方に適合させることを支援し、雇用が消滅する職種から新たに創出される職種への円滑な労働力の移動を支援しなければならない。
-
(1) 「スキルチェンジの支援」
人間は監督や意思決定、情緒の理解といった人間にしかできない業務に専念し、それ以外の業務は徹底的にAIに任せる時代が近づいている。スキルチェンジで重要になるのは、AIと効果的に協働するための考え方とスキルの獲得である。AIの特性を理解し、エージェントAIを構築・運用しながら意思決定する実践的な能力が求められる。
加えて、AI人材の能力を最大限引き出すためには、企業は組織設計も刷新しなければならない。AI人材に明確な責任と権限を与え(ジョブ型組織)、AI人材と経営層の間の中間層を最小化(組織のフラット化)して、迅速かつノイズの少ない意思決定を行う必要がある。我が国の雇用体系は、流動性が高まりつつあるとはいえ、メンバーシップ型の雇用制度と重厚な中間層をおくピラミッド型の組織構造が根強く、人材と組織についてAI時代に向けた根本的なパラダイムシフトが求められる。
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(2) 「ジョブチェンジの支援」
ホワイトカラーの業務のうち、単純・反復的な業務はエージェントAIが代替していく(OECDの見立ては27%の職業に自動化リスクがあるとしている。この効率化・省人化の流れは、社会が生産性を高め、国際競争力を維持する上で避けることはできない。
他方で、AIで代替される職種に就く労働者を、AIで代替されにくい職種に転換することは、失業対策の観点からも労働力の有効活用の観点からも、政府が担うべき責務である。また、エージェントAIによる雇用縮小の影響を大きく受けるのは、より経験を積んだ中高年労働者よりも、経験の浅い若年層労働者であるとの調査結果がある。中高年労働者のリ・スキリングと同等かそれ以上に、若年層の職業訓練と雇用対策も急務である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.エージェントAIによる労働市場への影響の調査
- 内閣府と厚生労働省は連携して、エージェントAI、生成AI等の進化と普及等が労働市場に与える影響を調査すること。調査は、技術の進化に応じて定期的に行うこと。
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2.リ・スキリング教育などスキルチェンジの支援強化
- 厚生労働省は、関係省庁と連携して、AIを活用したり、AIに代替されないスキルを獲得するためのリ・スキリングの内容の向上を図るとともに、リ・スキリングに係る情報を労働者が分かりやすく、かつ簡易な手続きで提供すること。
- 文部科学省は、スキリング及びリ・スキリングの観点から、労働者が主体的に、特に高度な能力を獲得するため、産学連携して17重点戦略分野を中心に実践的な教育プログラムを作成すること。
- 文部科学省、厚生労働省及び経済産業省は連携して、若年層の能力開発と就職支援をはかること。求職者が高等教育で学んだ内容と企業が求める能力のミスマッチの解消を図るため、資格制度等の既存の明確な基準を活用した、AI利活用人材として必要な能力の獲得を支援すること。
- AI利活用を前提とした人材活用や円滑な組織判断を実現するため、マネジメント層を対象としたジョブ型雇用を推進すると共に、迅速に組織判断が下せるフラットな組織形態の導入が不可欠である。このため、内閣官房、経済産業省及び厚生労働省は、ジョブ型雇用や組織の在り方について、ガイドライン策定を視野に入れ、海外を含めた成功事例の調査・公表に取り組むこと。
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3.ハローワークの機能拡充などジョブチェンジの支援強化
- エッセンシャルワーカー職種を所管する各省庁はAIによって代替されるホワイトカラー以外の職種の魅力の再発見と認知の拡大に向けた広報を行うこと。
- 厚生労働省は、円滑なジョブチェンジを支援するためハローワークの機能を拡充すること。AIに代替された労働者やリ・スキリングをした労働者が、納得感を持って自身の能力に合った職を選択できるよう、ハローワークにおけるAIを活用したマッチングの精度向上と利用促進に取り組むこと。
- 厚生労働省は、雇用の流動性を阻害しないような労働政策の在り方について、不断に検討に取り組むこと。
3.科学研究におけるAI利活用(AI for Science)
AI for Scienceは、文献調査、仮説形成、実験設計、データ解析、検証など、科学研究の全過程を変革し得る新たな研究基盤である。研究速度、探索範囲及び再現性を飛躍的に高め、従来は到達困難であった科学的発見や社会実装を可能にする点で、単なる研究効率化を超える意義を有する。近年、米国、中国、英国、EUなどでは、AI for Scienceを国家戦略として位置付け、計算基盤、研究データ、人材育成及び重点分野への投資を加速しており、AI for Scienceは研究政策にとどまらず、産業競争力、経済安全保障及び国家成長戦略に直結する領域となっている。AI for Scienceの駆動力は、特定の分野で人間を凌駕する処理能力をもつAIによる知的活動等の代替と拡張であり、その実装により、多様な研究者の様々な着想を試行可能とし、生産性、効率性及び創造性を高め、破壊的イノベーションやゲームチェンジャーとなる発見・発明を促す可能性を秘めている。
この意味で、AI for Scienceは、第2章で示した三つのパラダイムシフトが交差する領域でもある。第一に、AI時代の研究力は、単に国産モデルを持つことではなく、計算資源、クラウド、研究データ、研究設備等を含む研究基盤全体の中で、必要な自律性と国際連携をどう設計するかに左右されるという点で、「ソブリンAI」から「AI主権」への転換を体現する。第二に、AI for Scienceは、研究者を代替するものではなく、研究者の創造性、課題設定能力及び最終的責任を拡張するものであり、「AIが何に使えるか」から「人間にしかできないことは何か」への転換を促す。第三に、科学研究において重要なのは一般的な性能の高さだけではなく、安全性、信頼性、再現性及び継続運用性を備えた形でAIを実装することであり、「規制の強弱」から「信頼の設計」への転換もまた不可欠である。
人材不足等の課題を抱える日本において、AI for Scienceこそが「科学の再興」の要であり、我が国のAI基盤の高度化と産業特化型AIの発展を支える重要基盤でもある。そして、日本には、SINET、NII RDC、「富岳」やHPCIなどの共通的な情報基盤、高品質な研究データ、精密な製造・計測技術、ロボティクス、現場知といった強みがある。これらを活かし、マテリアル、ライフサイエンス、創薬、防災、環境・エネルギー等の重点分野で世界をリードするとともに、その成果を幅広い分野へ波及させることが、「科学の再興」と研究力・国際競争力強化の鍵となる。
もっとも、我が国におけるAI for Scienceの推進には、なお重要な課題がある。まず、我が国は、優れた研究データや研究基盤を有する一方、AI研究力、計算資源及び投資規模が主要国に比してなお脆弱であり、それを研究力及び産業競争力の強化に結び付けるための開発力、計算力及び資金力が十分ではない。また、AI時代における研究データの管理・利活用に関する制度設計についての産学官の議論や、クラウド型サービス、AI-readyなデータ整備、計算基盤とデータ基盤の連携等を含む研究環境の整備もなお不十分である。さらに、重点分野への集中投資と全分野への波及促進との適切なバランス設計が求められるほか、AI for Scienceの多様な担い手である分野研究者、AIエンジニア、データ整備人材、研究支援人材等の育成・確保及びその貢献を適切に評価する制度も未成熟である。
加えて、国際連携は不可欠であるものの、過度な海外依存は、研究データ、知的財産及び成果の帰属の面で、我が国の技術的・経済的自律性を損なうおそれがある。他方で、過度に閉鎖的な姿勢は国際競争からの孤立を招きかねず、両者をいかに両立させるかが重要である。最後に、AI for Scienceにおいては、一般的な性能の高さのみならず、安全性、信頼性、再現性及び継続運用性が重要であるが、分野ごとの評価指標、ベンチマーク及びモニタリングの枠組みも未成熟である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AI for Scienceの国家戦略化と重点投資の推進
- 政府は、AI for Scienceを、AI基本計画及び統合イノベーション戦略2026の横断的重点事項として明確に位置付け、重点領域を中心にAIエージェント及びAI駆動型研究システムに対して、世界水準に見合った規模とスピードを備えた、複数年度にわたる機動的で大胆な投資(今後5年間で1兆円規模)を行うこと。
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2.3年間で3,000件のAI駆動研究の創出・拡大
- 文部科学省は、全国の幅広い研究者がAI駆動研究に取り組むことができるよう支援制度(AI for Science萌芽的挑戦研究創出事業(SPReAD1000))を活用し、今年度に1,000件、今後3年間で3,000件のAI駆動研究を創出するとともに、有望な案件については次段階の研究費による支援につなげるなど、複数年度にわたり段階的・継続的に支援できる仕組みを整備すること。あわせて、AI時代に即した新たな審査システムや研究評価手法の導入に向け、審査におけるAI利活用や機動的な審査手法について、調査・研究試行・検証を進めること。
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3.研究データの戦略的管理・利活用ルールの整備
- 文部科学省は、関係省庁と連携して、研究分野の特性に応じ、研究データの機密性、戦略的重要性及び法令上の制約を踏まえた「オープン・アンド・クローズ戦略」を明確化し、国外移転、外部クラウド利用、大規模モデルの学習利用等の基本的な考え方を整理すること。あわせて大型な公的資金による研究等については、データマネジメントプランの策定・提出を求めること。
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4.研究現場における安全・円滑なAIサービス利用環境の整備
- 文部科学省は、大学・研究機関が、一定のセキュリティ要件、データレジデンシー、学習不利用、契約条件及び監査可能性を満たすクラウド型AI for Scienceサービスを共通条件で利用できる環境の整備に取り組むこと。あわせて、若手研究者や小規模研究室にも利用機会が行き渡るよう、計算資源の迅速な確保・提供、共通的な利用条件の整理、契約の円滑化等を進めること。
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5.AI for Scienceを支える研究基盤と推進体制の一体的整備
- 文部科学省は、AI for Scienceの推進に向けて、AI向け計算資源等を搭載した計算基盤、研究データ基盤、情報流通基盤、先端研究設備・機器、自動・自律・遠隔化された研究環境を一体的に整備すること。具体的には計算資源及び研究データ基盤の大幅増強、情報流通基盤の高速化を早期に実現し、これらをシームレスに繋ぐパイプラインの構築などを、AIエージェントの導入等も見据えて強力に推進すること。
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6.5年で3,000人のAI高度研究人材の育成・確保
- 文部科学省は、AI高度研究人材について、5年間で3,000人以上を育成すること。 そのため、「AI for Scienceによる科学研究革新プログラム」等を活用し、国内のAI for Scienceの波及・振興及び世界トップ層との戦略的な共同研究等を通じて、トップ人材の育成及び研究力の向上を図るとともに、研究機関におけるAIエンジニア、技術職員及び研究開発マネジメント人材について、各職種の人事制度等に関するガイドラインを踏まえた継続的な研究支援や拠点形成等により、安定的なキャリアパスの整備及び処遇の改善を推進すること。
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7.分野別評価基準・ベンチマークの整備による信頼性確保
- 文部科学省及び経済産業省等の関係省庁は、連携して、マテリアル、ライフサイエンス、医療等の分野特性に応じて、AI駆動型研究に用いる製品・サービスについて安全性、信頼性、再現性、継続運用性、説明可能性、データガバナンス等に関する評価項目やベンチマーク、モニタリング指針等を検討し、研究機関・企業が適切に製品・サービスを選択できる環境を整備すること。
4.教育分野におけるAI利活用(AI for Education)
AIが急速に進化する中で、我が国は教育分野でも教育・校務へのAI利活用(「教育のためのAI」)とAI時代に即した教育内容へのアップデート(「AIのための教育」)の両面で対応を求められている。
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(1) 「教育のためのAI」
現在、教育現場は、なり手不足や長時間労働、生徒の多様化への対応など多面的な課題に直面している。国内外における複数の実証実験で、教職員の事務作業の時間を短縮し生徒と向き合う時間を増やしたり、生徒一人一人の個性や特性に応じた対応を向上させたりなど、AIの有用性が示されている。教育分野においてもAI利活用は最優先に取り組むべきアジェンダである。
しかし、日本の学校におけるAI利活用は、OECDによる国際比較によれば55か国中54位とされており、諸外国に比べてもAI利活用が大幅に遅れている。これは、教職員のリテラシー不足や研修時間の不足、リスクを懸念する文化の払しょくの遅れといったソフト面の課題と、教育現場へのツールの導入や校務の標準化、データの整備と蓄積の遅れといったハード面の課題が複合的に絡み合った結果である。
今後、教職員の業務の効率化、教育内容の高度化・多様化の視点から定量的なKPIを設定し、ソフト・ハード両面でAIを徹底的に利活用する環境を構築しなければならない。AI利活用環境の構築をスピード感を持って進めるために、国と自治体が前例にとらわれず協力していくことが求められる。
また、教育分野におけるAI利活用の出発点となる人材の育成はただちに開始すべきである。AI利活用人材を育成することで、教育分野へのAI利活用に向けた実証実験を行い、データを収集しながらより効果的なAI利活用を模索するサイクルを構築しなければならない。例えば、AI利活用先進国のUAEでは、AIを利活用した教育の推進が位置付けられており、教員1,000人を対象に、AI利活用に向けた研修が行われ、当該研修を受けた教員が現場でさらにAIを利活用した教育を広げるという戦略的な取組みが行われている。
加えて、ハード面の整備として、AI利活用の前提となるクラウドベースのインフラ整備や教育現場で安心して利用できる生成AIツールの開発・導入、AIの利活用範囲拡大と精度向上に向けた校務の標準化やデータの整備・蓄積を進めることが特に重要である。
なお、教育分野におけるAI利活用については、AIの進化や動向を踏まえつつ、短期的な視点と、中長期的な視点を持って取り組むことが重要であることに留意する必要がある。教育分野へのAI利活用は、不易流行という言葉があるが、技術の変化に合わせて速やかに対応すべき部分と、人間性や社会性の育成といった慎重に対応すべき部分に分けて対応することが肝要である。
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(2) 「AIのための教育」
AI時代に人間に求められる能力は大きく変化する。例えば、AIが代替可能な反復継続する事務作業を早く正確にこなす能力の重要性は大きく後退し、代わってゴールを設定してAIを組み込んだ業務プロセスを設計したり、AIのアウトプットを考察・検証し、意思決定する能力がこれまで以上に重要になる。
年代別にみると、若年層はすでにAIに囲まれて生活しており、AIの出力に十分な検討を加えずにそのまま自身のアウトプットとして利活用してしまう「AI浅慮(AIシャローシンキング)」が指摘されるなどAIの弊害は顕在化しつつある。しかし、学習指導要領はAI時代に十分に対応したものになっていない。指導内容をAI時代に適合させる取組みをただちに加速させるべきである。
成人も、AI時代の職業別の需要の変化を見据え、積極的にリ・スキリングを行う必要がある。しかし、十分に学習機会を得られているとはいえない。AI関連のリ・スキリングは座学に加え実践的な経験の獲得が重要である。また、AI人材・データ人材へのリ・スキリングと同時に、AIによって代替されにくい職種(例えば、エッセンシャルワーク分野)へのリ・スキルも重要である。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.教員3000人規模のAI研修の実施
- 文部科学省は、海外の取組みも参考に、教職員に対し、生成AIの業務への適用を推進する実践的かつ効果的な研修を実施すること。まず、今年夏に教員3,000人を対象にAIを利活用した授業・校務の研修(DXにとどまらないものとする)を行うとともに、夏以降も継続的に研修を実施すること。当該研修に参加した教員は、自身の職場において生成AI利活用の普及に努めるとともに、文部科学省は生成AI利活用に関するデータを収集し、AIを利活用した一層効率的で高度な授業・校務を推進すること。さらに、令和9年度により多くの教職員がAIを利活用した授業・校務の研修を受けられるよう取り組むこと。
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2.教育現場の抜本的なAI業務改革(BPR)に向けた大規模実証など実装加速
- 文部科学省は、特定地域の小・中・高校において大規模実証研究事業を実施する。当該実証事業では、小規模な事業規模で一部の教員や一部のタスクに限った断片的な生成AI利活用を行うのではなく、業務プロセスの抜本的な見直しと再構築(BPR)を通じてAI導入の効果が大きい校務を特定し、非効率の解決に資する校務AIの導入とAIを利活用し切る新しい業務プロセスを構築したり、AIを利活用して教育内容の高度化を実現したりするなど、AI時代の学校運営のモデルケースの創出に向けた取組みを実施すること。
- 文部科学省は、各学校のクラウドベースのオンライン環境や生成AIの導入などハード面の整備を徹底的かつ迅速に行うこと。AIを利活用する前提として、学校運営全体をデジタル化・オンライン化すること。
- 文部科学省は、AIの利活用範囲を広げ、児童生徒(ギフテッドを含む)の能力を最大限引き出すためのデータの整備や利活用を進めること。特に、学習指導要領をはじめ公共性の高いデータについてAIによる可読性の向上と、教育の現場における教員や生徒に関するデータの蓄積について、政府が主導してデータ形式の設定やデータ収集プロセスの構築について直ちに検討をはじめること。
- 文部科学省は、学校現場におけるプライバシーなどに配慮した安心・安全なAIを実現するため、既存のガイドラインを改訂するとともに、AIの開発・実装、利活用支援を行う事業者に向けたガイドラインを作成するため、AISIと連携して、ワーキンググループを設置すること。
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3.AI時代の子供の学びの再定義
- 文部科学省は、AI時代に子供が身につけるべき資質や能力を早期に取りまとめること。また、文部科学省は関係省庁と連携して、産業の発展や社会課題の解決の観点から、高等教育において、理工・デジタル人材の育成強化や、地域の人材需要を踏まえた人材の育成等を推進すること。
- 文部科学省は、子供が生成AIに依存せず適切に利活用する上で必ず必要になる資質を獲得するための授業を行う環境を早期に整備すること。また、初等中等教育におけるAI時代に必要な資質と能力を育成するための試験的な取組みを奨励し、そこでの学びを収集し全国の学校に共有すること。
- 文部科学省は、AIに頼らないリベラルアーツ(一般教養)の習得と探究的学習を徹底すること。また、学習効果を高めるため、基礎学習や反復学習の徹底や語学教育にAIを積極的に利活用すること。
- 文部科学省は関係省庁と連携して、成人がAI時代を生き抜く上で必要な資質や能力を獲得するために、AI関連職種とAIに代替されない職種の両面で、座学だけでなく実践的な経験を積むことができる機会を整備すること。
5.創作活動におけるAI利活用(AI for Creators)
海外事業者の動画生成AIを通じて日本の著名なコンテンツと類似する生成物が拡散したケースに代表されるように、生成AIによるコンテンツの無断利用に対する著作権者の懸念はさらに高まっている。政府や自民党からの要請が海外事業者における一定の改善対応などにつながった事例はあるものの、日本では個別事業者による訴訟提起を通じた権利行使の実績は乏しい。
他方で、人手不足が深刻化する制作現場において、生成AIの利活用は作業を劇的に効率化させ、クリエイターが人間にとってやりがいのある作業に集中することを可能にし、人間が新たな創造的表現を生み出す可能性を広げるなど、日本のコンテンツ産業の活性化にとっても欠かせない存在となりつつあることも事実である。
AIと著作権の議論をめぐり、いつまでも従来の「著作権者vs AI事業者」という単純な対立構造の図式に囚われたままでは、日本のAI産業だけではなく、コンテンツ産業の空洞化が加速してしまう。海外において、著作権侵害訴訟が頻発する一方で、交渉を通じたライセンス契約による利益還元の実例が着実に蓄積されていることからも分かるとおり、適切な権利行使と、契約を通じた許諾は、相反するものではなく互いに補完し合う関係にある。
コンテンツ産業に関わる幅広いステークホルダーを含むエコシステムが健全に発展していくためには、国内外での悪質な権利侵害に対するエンフォースメントの実効性を高めるとともに、許諾に前向きな権利者に対する利益還元が円滑に進むような環境整備を促進することが重要である。その際には、著作権の保護が及ぶコンテンツに限らず、実演家の「声」の無断利用といった問題についても同様の問題意識を持って臨むべきである。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AI推進法に基づく指導、助言、その他必要な措置の積極行使
- 内閣府は、侵害物が高頻度で生成されるAIサービス提供者などに対し、類似物の生成防止措置や学習データの実態などに関する説明や対応状況の報告を積極的に求めるとともに、その報告内容等に応じ、AI推進法に基づく指導、助言その他必要な措置を講じること。
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2.許諾と利用還元のエコシステム整備のための調査研究と実証
- 内閣府及び文化庁は、安心・透明な許諾と利益還元の仕組みを整えようとする国内外での民間の取組みをさらに促進するため、ステークホルダーから実務的課題の聞き取りを行い、契約雛形などのツール整備、データ連携基盤の構築、データ管理や対価配分の技術的検証をはじめとする調査研究と実証に取り組むこと。
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3.事業者による権利行使の実効性の確保
- 内閣府及び文化庁は、個々のコンテンツホルダーが権利行使するに際して何が法律上・事実上の障害となっているかの実態を調査し、権利侵害に対するエンフォースメントの実効性を高めるための方策について検討すること。
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4.声の無断使用に関する解釈明確化と対策強化
- 内閣府、法務省及び経済産業省は、生成AIによる「声」の無断利用についても、実演家の声を模倣した音声コンテンツの無断生成・公開などが一定の場合にはパブリシティ権その他の権利の侵害に該当し得ることを周知する。また、より確実な権利保護に向けハードロー整備の必要性も含め引き続き議論を継続すること。
第5章 「規制の強弱」から「信頼の設計」へ
AI駆動型国家は、信頼なくして成り立たない――第2章で提起した第三の問いに、本章は制度・技術・社会の三面から応える。
エージェントAIが申請、契約、相談、発注、移動、現場支援といった現実の行為に主体として関与する時代には、もはや「規制を強めるか、緩めるか」という二項対立では十分ではない。必要なのは、安心して使えることと、挑戦できることを両立させる信頼の設計である。その基盤は、①ルール整備、②技術的制御・監査、③ユーザーのリテラシー向上を三位一体で組み合わせた立体的なガバナンスの設計にある。加えて、政府自身がAXを断行し制度設計者としての責任を果たすとともに、変化に即応できる司令塔機能を備えなければ、信頼は社会に根づかない。
本章では、信頼の設計、国際連携、ガバメントAX、司令塔機能の強化を論じ、責任あるAIを社会に埋め込み、信頼そのものを日本の競争力へ転化する具体策を提示する。
1.三位一体の「信頼の設計」
AI技術の社会インフラとしての浸透に伴い、生成AIによって生じるディープフェイクの被害や著作権侵害をはじめとした課題が顕在化している。さらに今後のエージェントAIなどの本格的普及により、誤動作の影響が、デジタル空間にとどまらず、国民の生命・身体・財産、国家安全保障に係る領域を含め深刻かつ広範囲に及ぶおそれがあることも認識する必要がある。また、我が国の戦略として製造業などの強みを活かしたバーティカルAIやフィジカルAIといった応用領域への注力を進める上では、そのコア・基盤として依存するAIモデルの安全性をいかに担保するかも課題となる。
我が国では、AI事業者ガイドラインをはじめとしたソフトロー整備の他、昨年施行されたAI推進法の枠組みに基づき、同法13条の指針策定や16条による調査研究などの施策が進められているが、既存法がカバーしないAI時代の課題への実効的対処手段は限られている。先例を見ない速度でのAI技術の進化とそれによる社会全体の変革速度を前提にすると、立法事実が明確化してから、つまり、深刻な事故や被害が生じた後になって初めて法整備作業に着手するという従来の発想は、根本的な転換を行う必要がある。あるべき社会やガバナンスの全体像を見据えた上で、ソフトローの積極的な活用に加え、ハードローつまり議会が定める法自体の継続的な見直し・迅速なアップデートをプロアクティブに行う、民主主義国家として「責任あるアジャイル・ガバナンス」を実現していくべきである。
高度化するAIの信頼性を高め、さらなる利活用とイノベーションを進めていくためには、従来の「強い」規制・「弱い」規制という二項対立を超えた、国全体としての「信頼の設計」を行う必要がある。それは法制度のみでは実現できず、AISIを中心としたモデル評価、トレーサビリティやガードレールなどの技術的制御、危機時の情報共有などを可能とする技術的評価能力の確立と強化が不可欠である。とりわけ、問題が顕在化してから対処するのではなく、AIの設計・実装段階からリスク評価、制御機能、監査可能性、脆弱性対応体制を組み込む「セキュリティ・バイ・デザイン」の発想を、開発事業者・利用事業者の双方に根付かせることが求められる。
特にエージェントAI時代のサイバーセキュリティ上の脅威は、従来とは質的に異なる段階に入っている。2025年11月、Anthropic社は、AIが攻撃プロセスの大半を自律的に遂行した世界初の大規模サイバースパイ活動を検知・阻止したことを公表した。さらに2026年4月には、同社の最新モデル「Mythos」が主要なソフトウェアの未知の脆弱性を大量に自律発見する能力を持つことが判明し、セキュリティ上の理由から一般公開が見送られた。AIの能力向上は防御側にも恩恵をもたらすが、攻撃側が先にAIの力を活用すれば、従来の防御態勢では対処できない規模と速度のサイバー攻撃が現実のものとなる。AI駆動型国家への構造転換を進める上で、AIを活用したサイバー防御能力の抜本的強化は、もはや選択肢ではなく前提条件である。
さらにAIの使い手である企業・行政・市民などの各セクターが、AIの利点とリスクを正しく理解し、有意義に使いこなしていくための、ユーザーリテラシーを欠かすことはできない。既に顕在化している生成AIなどのリスク対応に加え、例えば今後エージェントAIを通じた代理購買や契約が普及していく上では、国民一人一人が誤動作・詐欺などのリスクを認識して対処できる必要があるなど、ユーザーリテラシーの継続的向上を担保する施策が求められる。AI戦略本部及びAISIのインテリジェンスが、国民のAIリテラシーをエンパワーし、また国民のAI利活用から得られた声が、政府の施策を具体化・発展させるサイクルを確立する必要もあろう。
そのような、法制度、技術的制御・監査、ユーザーリテラシーを一体とした施策を推進していくために、上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AI推進法16条の執行力強化など法制度のアップデート
- 内閣府は、AI推進法16条の要請に従わない悪質な事業者に対し、罰則を含めたより実効性ある適切な方策を検討すること。同条に基づく調査・研究及び指導・助言・情報提供は、問題の端緒が生じた際に、内閣府は関係省庁と連携して迅速かつ確実に状況を把握・分析し、国民に情報提供を行い、国として的確な対応を行うための主要な手段である。特に情報提供要請に関しては、欧米中をはじめ各国がAI関連法などにより広範な権限を有するのと比して、我が国の緊急時などの情報劣位が生じてはならない。目下としては現行16条の積極的な運用を行いつつ、国民の権利及び我が国の経済・社会に深刻な影響を与え得る事態への対応を念頭に、その円滑な運用と実効性を担保すること。
- 内閣府は、自由民主党デジタル社会推進本部「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」による「AIホワイトペーパー2024」で提示し、AI推進法の礎となったWG有志による「責任あるAI推進基本法」の考え方にあるように、特に社会インフラとしての重要性が高いAIを開発・提供する事業者などについて、安全性確保のための体制整備の状況に関する報告の必要性についても、AI技術の発展を注視しつつ、継続的に検討を行うこと。
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2.サイバー対処など技術的制御・監査能力の強化
- 内閣府は、AI政策の技術的中核であるAISIについて、昨年12月に本小委員会が出した「AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の機能強化に係る緊急提言」にあるように、経済産業省をはじめとした関係省庁と連携して、英国AISIをベンチマークとした質・量両面での人員・体制強化、各省庁からの出向者拡大、国内外の優秀な技術専門家雇用のための高額かつ柔軟な年俸支出、財政基盤の確保を図るとともに、AIサミットの日本開催を含む国際連携推進施策を早急かつ確実に進めること。
- AIを悪用した高速・広範囲・高度なサイバー攻撃に対応するため、内閣官房国家サイバー統括室は、関係省庁と連携して、国家・国民生活の基盤となる民間事業者から、サイバー関連情報を幅広く収集・集約する仕組みを構築すること。また、エージェントAIを利用した大規模自律型サイバー攻撃が現実の脅威となっている現状を踏まえ、サイバー対処能力強化法の施行を待つことなく、同法に基づく協議会の準備を速やかに進めつつ、政府機関及び基幹インフラ事業者のシステムの脆弱性点検、AI駆動型攻撃を想定した事業継続計画の検証・強化、各種セキュリティガイドラインの見直しならびに攻撃検知時の官民情報共有手順の策定を早急に開始すること。
- 内閣官房国家サイバー統括室は、危険性や脆弱性の発見、大規模なサイバー攻撃や国民生活に多大な影響を与え得る誤動作などが発生した際に、AISIとも協力しつつ迅速な情報収集・分析を行い、基幹インフラ事業者等への情報提供等、官民連携強化に取り組むとともに、AI戦略本部と連携しながら国民への注意喚起や情報提供を行う体制を整備すること。特に、「Mythos」をはじめとしたサイバーセキュリティに係るAI利用にあたっては、内閣官房国家サイバー統括室を中心に政府をあげて、AISIの知見やネットワークを活用しながら、関連の金融機関や基幹インフラ事業者のサイバーセキュリティ機能の向上に努めること。あわせて、AI開発事業者が公表するシステムカード、脅威インテリジェンスレポート等の安全性情報を継続的に収集・分析し、最新のAI能力がもたらすサイバーリスクの評価を政府内に共有する機能を強化すること。
- 金融庁は、上記の取組みを踏まえつつ、FISC(金融情報システムセンター)及び業界団体と連携し、エージェントAI時代の金融システムに対するサイバー脅威に特化した官民連携の枠組みを構築すること。具体的には、AIを活用した金融システムの脆弱性診断、AI駆動型攻撃を想定した業界横断的な演習の実施、攻撃発生時の早期警戒・情報共有体制の整備、ならびに金融機関がAIを防御目的で活用する際の指針の策定を一体的に進めること。
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3.ユーザーリテラシーの向上
- デジタル庁、総務省、文部科学省及び厚生労働省は、相互に連携して、AI開発・実装人材の育成施策と並行して、初等中等教育段階からのAI利用についての教育強化、幅広い年齢層を対象としたリ・スキリングなど、ユーザー側でのAIリテラシー獲得・向上機会の拡充を進めること。
- 消費者庁は、内閣府及び関係省庁と協力して、国民がAIに関わる被害を受けた際などに、適切なアドバイスや救済を受けることができるよう、公的な相談窓口を拡充すること。各事業所管省庁は、事業者が自ら苦情受付体制の整備を適切に行うための施策を講じること。
2.国際連携とルール形成の主導
我が国は、世界がAIの能力とリスクに半信半疑であったころから、安全・安心で信頼できるAIの普及に向けた国際連携を主導してきた。
2016年のG7伊勢志摩サミットにおいて世界に先駆けてAI開発原則の策定を提唱して以来、2019年には「人間中心のAI社会原則」を策定し、G20大阪サミットでは「信頼ある自由なデータ流通(DFFT)」の理念を提唱した。これらは現在のOECD原則の基礎となり、世界のAIガバナンスの潮流を決定づけるものとなった。
さらに2023年の「広島AIプロセス」では、議長国として生成AIに関する世界初の包括的な国際指針の合意形成を主導した。2026年には「広島AIプロセス・フレンズグループ第2回対面会合」を主催し、グローバルサウス諸国を含め「広島AIプロセス」の精神に賛同する国・地域、企業・団体の拡大や取組みの深化を図っている。また、昨年施行された我が国のAI推進法のAI利活用の促進とリスク管理のバランスをとったソフトロー的なアプローチは、諸外国におけるAIルール策定の参考となっている。
このように我が国は国際的なルール形成と普及を主導してきたが、AIの急速な進化と活動範囲の拡大は、新たなリスクや社会的な懸念を生み出している。今後、我が国が国際協調を進める上で重要な視点は「信頼の設計」と「AI主権」である。
「信頼の設計」について、我が国は前述のとおり人間中心のAI社会を構築するためルール整備を主導してきた。引き続き、「広島AIプロセス」の継続・発展に努めるとともに、G7外のパートナーとの取組みの深化・促進に取り組まなければならない。また、AIのリスクが国境を越えて拡大する中で、諸国と連携してAIのリスク評価や技術的な監査制度を構築することで、「広島AIプロセス」の実効性を高める必要がある。
「AI主権」の確立は、AIが生活や産業に深く入り込むにつれて重要性を急速に増している。第2章の(視点1)で示した「戦略的自律性」を実現するために、友好国との関係を強化し、AI開発・運用における国際分業体制を構築する必要がある。また、我が国が国際分業体制の中で欠くことのできない一国となるために強みを確立していく必要がある。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.AGI時代を見据えた「広島AIプロセス」の推進・発展
- 総務省は、「広島AIプロセス」を発展継続させるため、G7との継続的な議論を主導し、G7外のパートナーとの関係の強化に向けた取組みを主催すること。AGIに向け技術進歩が加速する中、社会に対する脅威を生み出し得る特に強力なモデルに対して、適切なタイミングでの監査や脅威を生じた場合の封じ込め策について諸国間での討議を主導すること。
- 外務省は、各国や地域が産業構造や文化等の特性に合わせたAI利活用を促進し、日本とのAIエコシステムを共創するよう、在外公館ネットワークやODA等を活用して、高度人材の育成と戦略的招へい、日本企業と現地企業との共同研究・開発の促進、世界トップレベルの研究機関とのネットワーク強化等を支援すること。
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2.2028年度のAIサミットの誘致
- 内閣府は、関係省庁と連携し、AI主権の確立に向けて、我が国のAI分野における様々な先進的な取組みやガバナンスの仕組みについて国際的な理解と連携を深めるための契機として、2028年度のAIサミット誘致に向けて取り組むこと。
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3.エージェントAIに関する国際標準化戦略の強化
- 経済産業省及び内閣府は、エージェントAIやフィジカルAIなどの分野で国際的な規格や標準化がますます重要になることを踏まえ、国際機関及び友好国との連携強化の取組みを推進すること。
3.ガバメントAXの断行
人工知能は、生成AIの普及を経て、自律的に思考し、判断し、行動するエージェント型AIへと非連続的な進化を遂げつつある。エージェント型AIが、申請、契約、決済、移動など、市民生活や経済活動のあらゆる場面に溶け込む社会の到来は、もはや遠い将来の話ではない。今、政府に求められているのは、AIを単に導入することではなく、法律・制度、データ・システム、組織・業務そのものをエージェント型AI前提で再設計する「ガバメントAX(Agentic AI Transformation)」である。
こうした社会構造の変化を踏まえれば、ガバメントAXは、単なる行政内部の改革にとどまらず、日本社会全体の再起動を先導する国家的取組として位置付ける必要がある。他方で、この転換には、なお幾つかの構造的課題が存在する。第一に、現行の法制度や行政手続の多くが、人間による申請、審査、判断、責任負担を前提として構築されており、自律的に判断・行動するAIの関与を十分に想定していないことである。第二に、AIが適切に機能するために必要な行政データ、準公共データ、民間データの整備や安全な連携の仕組みが十分に整っておらず、エージェント型AIの社会実装を支える基盤がなお脆弱であることである。第三に、制度、業務、技術を一体として検証し、優先領域に資源を集中投下しながら迅速に横展開を図る推進の仕組みが確立していないことである。第四に、AI技術を理解し業務を変革できる専門人材が不足していること、加えて、AI時代に適合した柔軟な公務員人事制度が十分に整っていないことである。従来の定型業務や固定化された所掌を前提とした人員配置や評価体系が、行政組織の抜本的なアップデートを阻む要因となっている。
さらに、ガバメントAXを進めるにあたっては、デジタル投資そのものの捉え方も転換しなければならない。ガバメントAXの基盤となるAI・デジタル基盤は、単なるコスト削減策としてではなく、担い手不足の緩和、公共サービスの向上、新たな官民サービスの創出に資する将来への戦略投資として位置付けるべきである。したがって、デジタル投資は国家的投資として捉え直し、政府のAI・デジタル基盤を「デジタル公共財」として評価し、公共的価値の創出という観点から適切に位置付ける必要がある。
エージェント型AIが現実の社会基盤となりつつある中で、従来の延長線上にある部分最適の改革では限界がある。制度の見直し、先行実証、データ基盤の整備、成果の可視化、組織改革を一体として進め、政府自らが新たな行政モデルを率先して提示していくことが求められる。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.「AI臨調」の新設
- デジタル庁は、府省庁横断で、法制度、ガイドライン、運用ルールを一斉かつ継続的に見直すため、「AI臨時行政調査会(AI臨調)(仮称)」を設置すること。同枠組みの下で、法解釈やガイダンスを機動的かつ継続的に更新できる仕組みを整備すること。その際、成長戦略および国際標準化戦略を起点とし、これに規制を整合させる発想で、規制・標準・認証の一体的改革を進めること。検討事項には、省人化・自動化可能領域の整理、AI自律度別の制度設計、責任・被害救済の制度体系化、法令の機械可読化を含めること。また、規制改革推進会議、特区、規制のサンドボックスなど既存の規制改革装置との接続強化と役割明確化を行うこと。さらに、公共調達を通じた規制整備とマーケット形成の一体化、徹底した行政改革を行うとともに、特区等での先行実証の成果を全国レベルの規制見直しへとフィードバックする仕組みを確立すること。
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2.官民連携によるAX先行実証とデータ整備
- デジタル庁は、関係省庁と連携して、公共・準公共・民間領域においてAX実現に向けたユースケースを選定した上で、人的資源を集中的に投入し、官民連携による先行実証を行うこと。その際、当該実証に必要となるデータを重要データとして位置付け、優先順位を明確にした上で整備を進めること。上記官民連携での先行実証を進めるため、制度、業務、技術を一体的に検証する「Japan AXサンドボックス(仮称)」を整備すること。本枠組みは、AI臨調(仮称)のアジェンダ立案のため、AIエージェント・フィジカルAI等に重点化し、制度設計者側も運用知見を蓄積する仕組みとして整備すること。
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3.ダッシュボード設置によるガバメントAXの進捗と効果の可視化
- デジタル庁は、関係省庁と連携して、政府全体のAX政策をまとめた「Japan AXダッシュボード(仮称)」を整備し、目標、進捗、成果を分かりやすく可視化するとともに、国民及び国内外の関係者に対して継続的に情報発信を行うこと。また、公共調達においても、処理時間短縮率や差戻し率減などの行政の効率化と質の向上を測る成果指標の設定を原則化し、投資対効果の透明性を高めること。
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4.AX時代を踏まえた公務員制度改革
- 人事院は、関係省庁と連携して、AI時代に適合した公務員人事制度への見直しを進めること。定型業務はAIに委ね、公務員は企画立案、複雑な判断、対人対応、制度設計に注力できるようにし、そのために必要な専門人材の育成、戦略的配置、官民をまたぐ人材交流を進めること。
4.司令塔機能の強化
前節で述べたガバメントAXを実現するためには、制度見直し、データ整備、先行実証、成果の横展開を府省庁横断で一体的に動かす司令塔機能が不可欠である。
エージェント型AIの進化により、AIは、行政、産業、社会基盤、安全保障、国際競争力にまたがる横断的な国家課題となっている。前回のホワイトペーパーにおいても、AI新時代にふさわしい新たな国の基本戦略を策定し、その推進にあたってAI政策に関する司令塔を定め、体制拡充を図る必要性が指摘されていた。2026年現在、その必要性は一層切迫したものとなっている。
AI時代の政策課題は、研究開発支援や産業政策にとどまらない。制度設計、データ基盤、人材育成、国際連携、社会的受容の形成までを一体として進める必要がある。とりわけ、AIの社会実装競争においては、いかに速く、広く、深く実装を進められるかが競われており、個別府省庁ごとの縦割り対応では限界がある。求められる司令塔は、単なる総合調整機能ではなく、制度改革の方向性を示し、重点領域を定め、必要なデータ基盤と実証環境を整え、官民の実装を後押しし、その成果を次の制度見直しにつなげていく、戦略・実装・評価を一体として回す中核機能である。AIの進化速度を踏まえれば、従来型の府省庁間調整のみでは不十分であり、明確な実行責任、必要な権限、十分な機動性を備えた新たな推進体制が必要である。
加えて、これまで府省庁の境界で設計責任者が不在であったため、領域をまたぐデータ連携や官民のサービス接続が後追いで継ぎ合わされ、データ変換や重複投資が繰り返されてきた。司令塔は、領域横断・官民横断のサービスとデータをつなぐアーキテクチャ設計権を内部に備え、各府省庁の個別整備がこの設計方針の下で整合する仕組みを構築しなければならない。
上記を踏まえ、以下提言する。
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1.日本AX推進チームの立ち上げ
- 政府は、初動のスピードと実行力を最大化するため、AI担当大臣直轄の特命タスクフォースとして、「日本AX推進チーム」を内閣官房直下に設置すること。本チームは、国家戦略の具体化、重点領域の選定、府省庁横断の調整、制度改革と実装の推進を一体的に担う実行組織として位置付けるべきである。
- 政府は、司令塔機能の実効性を高めるため、「日本AX推進チーム」に、領域横断・官民横断のサービスとデータをつなぐアーキテクチャを設計するユニットを内包し、官民混成による多職種連携チーム(事業責任者、設計責任者、プロジェクトマネージャー、AIリサーチャー、法務専門家、業務改革・サービスデザイナー、データアナリストなど)を編成すること。あわせて、特別処遇制度の活用により、専門人材を機動的かつ継続的に確保できる仕組みを整えること。
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2.AX戦略推進基金の設置
- 政府は、中長期の視点から重点分野に継続的な投資を行う仕組みとして、司令塔の戦略の下で機動的に活用できる「AX戦略推進基金(仮称)」を設置すること。
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3.AI政策推進機能の統合と強化
- 政府は、AIとデジタルを最大限活用した社会変革を一体的に推進する観点から、AI推進法に基づくAI戦略本部の事務局機能を含むAI戦略関係機能について、業務面に加え、人的・財政的資源も含めて、現在の内閣府科学技術・イノベーション推進事務局(AI政策推進室)につき、速やかに定員・実員を現行の2倍以上にし、AI戦略本部の事務局体制を強化し、AI推進法の施行機能を強化すること。また今後、当該事務局とデジタル庁の間で機能を段階的に集約・統合することを検討し、その実現に向けて必要となる法制度上の措置についても、あわせて検討を進めること。
別紙1
自由民主党デジタル社会推進本部(AI関連)及び
AI・web3小委員会の開催実績(2025年10月以降)
| No. | 日程 | 議題 | 発表者 |
| 2025年 | |||
| 1 | 10月23日 | AI基本計画骨子(たたき台)について | ・内閣府 |
| 2 | 10月29日 | Anthropicの創立経緯、責任あるAIの将来ビジョンについて Anthropicの日本における製品展開、市場開拓に関する計画、日本企業との協業について | ・Anthropic Dario Amodei CEO |
| 3 | 11月13日 | 純国産NTT版LLM「tsuzumi」 ~省コストで日本のインテリジェンスを守る~ | ・NTT研究開発マーケティング本部 |
| 国産汎用基盤モデル開発について | ・経済産業省 | ||
| 4 | 11月18日 | ・ステーブルコインについて ・暗号資産等について ・暗号資産税制に関する緊急提言 | ・金融庁 ・JPYC株式会社 ・(一社)日本暗号資産ビジネス協会 |
| 5 | 11月20日 | 官民連携DXが拓く、地方女性の賃上げと活躍による日本経済の好循環 | ・一般社団法 人官民連携DX女性活躍コンソーシアム 矢田 稚子 代表理事 |
| 6 | 11月26日 | AISIの機能強化について | ・AIセーフティ・インスティテュート 村上 明子 所長 |
| 国内外のAISIについて | ・内閣府(科学技術・イノベーション推進事務局) | ||
| 7 | 12月10日 | AI基本計画(案)について | ・内閣府 |
| 8 | 12月17日 | AIセーフティ・インスティテュート(AISI)の機能強化に係る緊急提言(案)ほか | ― |
| 2026年 | |||
| 9 | 2月25日 | 日本のAI国家戦略総論 | ・地経学研究所 塩野 誠 経営主幹/新興技術グループ・グループ長 ・東京大学大学院工学系研究科 松尾 豊 教授 |
| 10 | 2月25日 | AI for Scienceの検討状況について | ・文部科学省 ・Matlantis株式会社 瀬川 晶子経営企画部長 ・Google Japan 河本 雄 統括執行役員(政策・政府渉外担当) ・Google Deepmind 全 炳河 プリンシパル サイエンティスト兼東京拠点リード ・Google Japan 加山 博規AI Research & Coreパートナシップ日本リード |
| 11 | 2月26日 | プリンシプルコードについて | ・内閣府 |
| Seedance2.0に係るTikTokからの状況報告について | ・Tik Tok Japan 安永修章 公共政策本部長 | ||
| 12 | 3月10日 | Vertical AIについて | ・Sakana AI株式会社 伊藤 錬COO ・NSVウルフキャピタル 柴田 尚樹Managing Partner |
| 13 | 3月12日 | 中小企業のAI活用支援について | ・中小企業庁 ・燈株式会社 野呂 侑希 代表取締役社長兼CEO |
| 14 | 3月17日 | AGI時代の到来と日本の可能性 | ・Google DeepMind Shane Legg共同創業者 ・Google DeepMind Shane Gu Research Scientist & Manager |
| 15 | 3月18日 | エージェントAI時代に向けた制度改革 | ・浅沼 尚 前デジタル監 ・渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 落合 孝文 シニアパートナー |
| 16 | 3月25日 | AI for Defenseについて | ・吉田 圭秀 前統合幕僚長 ・Palantir Technologies Japan株式 会社 大原 克之CEO |
| 17 | 4月1日 | 商取引の未来:AIとステーブルコイン | ・Visa Oliver JenkynGroup President |
| 18 | 4月1日 | ・AI for Governmentについて ・業務の省力化に資するAIの活用方策の検討状況について ・ガバメントAI(源内)について |
・東京都 宮坂 学副知事 ・デジタル庁 ・デジタル行財政改革会議 |
| 19 | 4月2日 | フィジカルAIについて | ・野村総合研究所未来創発センター 李智慧 チーフエキスパート ・経済産業省 |
| 20 | 4月9日 | AIfor Educationについて | ・東京大学大学院工学系研究科 吉田 塁 准教授 ・Polaris.AI株式会社 飛島寛人COO ・文部科学省 |
| 21 | 4月15日 | AI時代の労働の在り方について | ・東京大学大学院経済学研究科 川口 大司 教授 ・厚生労働省 |
| 22 | 4月16日 | AI for creators | ・一般社団法人学術著作権協会 石島寿道 事務局長 ・note株式会社 加藤貞顕 代表取締役CEO ・音声AI問題を懸念する関係団体 |
| 23 | 4月16日 | エージェントAI時代のデータセンターについて | ・NTTグローバルデータセンター・ジャパン株式会社 鈴木 康雄 代表取締役社長 ・慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 高橋 恒一 特任教授 ・経済産業省 ・総務省 |
| 24 | 4月21日 | AI for mobilityについて | ・株式会社 本田技術研究所 ・デジタル庁 ・経済産業省 ・国土交通省 |
| 25 | 4月22日 | デジタル社会推進本部に関わる日本成長戦略17分野 ・AI・半導体(AI部分) ・デジタル・サイバーセキュリティ | ・内閣府 ・経済産業省 ・デジタル庁 |
| 26 | 4月23日 | AIホワイトペーパー2.0とりまとめ | ― |
別紙2
AI・web3小委員会ワーキンググループ
| 氏名 | 役職・所属 |
| 浅沼 尚 | 前デジタル監 |
| 生貝 直人 | 教授 一橋大学大学院 |
| 梅田 耕太 | 研究員 国際文化会館 地経学研究所 |
| 岡田 淳 | 弁護士 森・濱田松本法律事務所外国法共同事業 |
| 北島 東吾 | 弁護士 長島・大野・常松法律事務所 |
| 殿村 桂司 | 弁護士 長島・大野・常松法律事務所 |
| 松倉 怜 | CEO・弁護士 株式会社AVILEN |