AI政策推進機能の抜本的強化に係る緊急提言
令和8年7月17日
自由民主党政務調査会
デジタル社会推進本部
AI·web3小委員会
AIホワイトペーパー2.0では、AI戦略本部の事務局機能を含むAI戦略関係機能に関し、内閣府科学技術・イノベーション事務局AI政策推進室について速やかに定員・実員を現行の2倍以上、AI戦略本部の事務局体制やAI推進法の施行機能を強化するよう提言した。これは、高性能AIや高リスクAIの法定評価制度を持つEUの120人超、日本同様の政策体系の英国でも70名を有する体制を参照したものであった。
この間、高性能AIが相次ぎ登場し、米国でもAI開発事業者の協力を得て、高性能AIが公開される前にリスク評価を行うようになった。我が国でも、AI推進法等を含めた制度を能動的かつ不断に見直すこと、AI、特に高性能AIを技術評価することの必要性と緊急性は益々高まっている。また、今こそ、広島AIプロセスを主導してきた日本が高性能AIの国際ガバナンス構築をリードしなければならない。AI開発に関する国際連携や協業も加速する必要がある。そのためにも、高性能AIをはじめとした技術潮流や各国の政策動向の収集・分析を行うインテリジェンス機能を一層強化しなければならない。
同時に、進化する高性能AIの各国での実装の進捗を踏まえると、AXを産業、行政、暮らしの隅々までに及ぼし、国家そのものをAI駆動型に転換していく緊急性は更に高まっている。AIホワイトペーパー2.0で内閣官房直下に「日本AX推進チームを設置すること」を提言したとおり、AX推進の国家戦略を定め、制度改革と実装の推進を一体的に担う、官民混成の専門人材による実行組織を早急に構築しなければならない。
国家的命題として、担当閣僚の強いリーダーシップの下、政府一丸で取組む必要があり、中核となる内閣府AI政策推進室をはじめ、AI政策推進機能及び体制を抜本的に強化しなくてはならない。AI·web3小員会・デジタル社会推進本部として、下記のとおり緊急提言する。
- 1. 政府は、他国や他の我が国の国家戦略組織を参考に内閣府AI政策推進室の実員を現行の30名弱の 体制から80名以上の体制にするなど、一日も早くゼロベースで機能及び体制強化を図ること。AX推進やAIのリスク対応はあらゆる行政分野に関係することから、政府をあげて内閣府AI政策推進室への各省庁1~2名の常駐併任者の派遣増等も含めて今夏から体制強化を行うこと。合わせて来年度の機構定員においては「AX推進枠(仮称)」等を作り、内閣府のみならず関係省庁を含めて重点配分を行うこと。
- 2. 内閣府は、AISIと連携した高性能AIの技術評価、デジタル庁との協働によるAXの推進に必要な技術基盤構想の構築、AI法施行や関連法令の見直しを先導できる民間からの20名規模の適材確保を今夏から直ちに進めること。人材の専門性を最大限生かすため、適切なポストに任用すべく所要の予算や定員を措置するとともに、他省庁事例を参考に国家公務員より高額かつ柔軟な報酬体系を実現すること。併せて来年度の予算要求を適切に行うこと。
- 3. AIの社会実装を担うデジタル庁、AIのサイバーリスクに対応する国家サイバー統括室等関係省庁、更に技術評価機関としてのAISIの機能・体制も増強、それぞれの役割を活かす形で、相互併任の活用等連携をこれまで以上に強化し、限られたリソースの中で最大限の効果を上げること。