中小企業・小規模事業者政策調査会 提言
令和8年5月28日
自由民主党政務調査会
0.はじめに
(1)「変化の時代」の中小企業・小規模事業者政策
いよいよ本格的な「変化の時代」が来た。
先進国の経済史上例の無い、四半世紀に亘るデフレ局面からインフレ局面に代わったことだけでも、これまでの経営を取り巻く環境は180度変わったと言っても過言ではない。 その間、バブル崩壊、金融危機、グローバル化、リーマンショック、東日本大震災、そしてコロナ禍など、幾多の試練を、中小企業・小規模事業者は乗り越えてきた。特に、コロナ禍をはさむこの5年の、世界的な産業の再編、新技術の飛躍的進展、そして世界的な価値観の転換、そして国内のインフレ局面入りは、これまでとは考え方をまったく変えることを、経営者に求めている。
2022年からの円安の進行は、企業の調達・生産・販売の前提を大きく揺さぶっている。また人口減少社会において、地方における人材不足は深刻であり、労働供給制約社会に直面していることも憂慮すべき事態である。深刻化する人手不足は、成長の制約要因となっており、従来型の経営モデルの見直しを迫られている。
その上、この数か月の中東情勢は、ポスト冷戦構造の中で享受できた事業環境が所与のものではないことを浮き彫りにした。このことは、「物価高への対応」「資材不足への対応」にとどまらず、中小企業・小規模事業者ですら、「これから先の社会がどう変化するか」を常に念頭に置き、より自律性を持ち、よりしなやかに強くなることが求められる時代に入ったということを意味する。従来の延長線上での対応ではなく、社会全体で前提を更新し、変化に耐える経済・地域・企業・経営者のあり方へと企業経営の常識を塗り替えていかなければならない。
なぜならば、中小企業・小規模事業者は、わが国の産業の要素技術を産み出すクレイドルであり、国民の大多数の生活の基盤であり、地域社会において世界のどこにもないユニークネスを育む、ある意味でわが国の社会そのものであると、我々自民党は考えるからである。
それゆえに、我々の考える「中小企業・小規模事業者政策」は、あくまでも経営者と同じ目線で、その努力に寄り添って伴走する姿勢を持ち続ける。 しかしその目的は、あくまでもわが国で働く人たちの生活がゆたかになり、結果として地域社会がゆたかになることにある。世界的な大変化の時代の中でも、ゆたかになった地域社会が人を育む力を涵養し、さらにそれぞれの地域にしか無いユニークネスを世界に発信できる、自律した地域社会から今一度、しなやかに強い日本を再興する。中小企業・小規模事業者の自助的な努力に寄り添い、その持てる役割を果たしていただくことが、中小企業・小規模事業者政策の目的であることを改めて共有したい。
(2)政策検討の方向性
前述の通り、中小企業・小規模事業者はこの四半世紀を考えても大きな試練を乗り越え続けてきた。わが国の中小企業・小規模事業者政策は、それに寄り添う形で世界にも類を見ないほどの充実を遂げてきた。
しかし一方で、政策手段が多様化しすぎ、守備範囲が広がりすぎてしまったきらいがある。そこで、本提言書においては、これまでの中小企業政策の流れを再整理の上、「変化の時代」に合わせた以下の方針で検討を重ねた。
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① 4類型
政策体系の対象となる事業者を、2021年3月の中小企業政策審議会で示されている通り、中小企業・小規模事業者の規模要件などはそのままで、期待される役割などを踏まえ、スケールアップを志向する「グローバル型」と「サプライチェーン型」と、パワーアップを志向する「地域資源型」と「地域コミュニティ型」という4類型に整理をして考える。
さらにこの4類型を念頭に、それぞれの企業成長ステージに鑑みて必要な経営要素から、規模別に、「1億企業」「10億企業」「100億企業」の3つの段階で政策群の再整理を試みている。
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② 労働生産性と「経営生産性」
今回の調査会においては、経営や生産性といった概念を、「変化の時代」にふさわしく新しいものとする、以下の二点を政策検討の軸とした。
これまで、経営力向上を議論する際の「生産性」と言えば「労働生産性」と「高付加価値化」が指標として考えがちであった。しかしこの指標であると、「変化する社会」に対して、「会社そのもの/経営の在り方を時代に合わせて変える」というメッセージが伝わりにくいとの懸案があった。そのため、「働き/労働」に着目をした「労働生産性」に対し、「会社そのものの形/経営」を意味する「経営生産性」という概念を議論の軸に据えた。
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③ PL経営からBS/CF経営へ
「金利ある世界」で資金調達コストが意識される一方、賃上げや成長投資の継続も、これまでの「PLの一時的な改善」を旨とするPL経営では達成は難しい。有形資産(設備等)や無形資産(人材、技術等)への投資を通じて財務基盤を厚くし、変化する社会に合わせて事業を組み替えて「経営生産性」を向上させるBS経営が必須となる。これに、ストックを改善し続けるキャッシュフロー(CF)を基軸とする、BS/CF経営へと、経営の軸足の移行を、社会全体で後押しすることが不可欠である。
(3)本提言書の構成
以上の考え方の下、本提言書は以下の構成となっている。
- 1.中東情勢への対応
- 2.賃上げ環境整備(官公需を含む価格転嫁など)
- 3.日本成長戦略(戦略17分野・横断8課題)への参画
- 4.地域の経営力向上:経営主体の支援
- 5.真の働き方改革へ
- 6.地域の経営力向上:基盤的支援体制整備
「1.中東情勢への対応」については、政府の積極的な対応を評価する一方で、今後、事態の長期化深刻化があれば、速やかな危機対応への対応と、現場へのきめ細やかな情報提供を求めている。
「2.賃上げ環境整備」では、国民の生活の不安を取り除くのみならず、日本をインフレ下でも着実な成長をする経済構造に作り直すための「堅実な個人消費」実現のためにも、死活的に重要なことである。そのためには、時限的にでも戦略的観点で記載事項の検討・実行が重要であることを求める。 特に、地域経済に大きな影響がある官公需においては、「安ければ良い」という世間常識を、国や地方自治体が率先して一掃するべく、価格交渉・転嫁に取り組むことが重要である。
「3.日本成長戦略」は、中小企業者群の提供する要素技術の提供無しには達成をしえない。また、この国家的プロジェクトへの国民の「大きな期待」を高市政権に対する国民の「確かな信頼」とするためにも、中小企業が広く参画し、その効果を国全体に均霑されることの重要性を記している。
以上は、ある意味で、特出しとして記述していることであり、以下がこれから数年をかけて「自律力と強靭力」ある中小企業・小規模事業者を達成する具体的な記述となる。
まずは、事業者そのものの経営力を支援する成長支援の政策群を「4.経営主体の支援」にまとめている。地域経済の持続的成長を実現するため、「地域の経営力向上」を中小企業政策の中核に据える。人や企業の行動を生み出すためには豊かな「社会土壌」を生み出すことが重要であり、この土壌を生み出す主体が中小企業・小規模事業者である。こうした観点で、中小企業政策と地域政策は一体不可分であるともいえる。 そして、地域経済は一本の「木」ではなく、「森」である。地域の「幹」となる100億企業への支援を引き続き強化していき、地域の幹を支える「枝葉」や「根」となる、成長志向の中小企業の裾野を広げる新たな仕組みの構築を進めるとともに、幅広い経営者の経営リテラシーの向上を図りつつ、地域を支える「下生え」でもある小規模事業者の持続的発展や、社会課題の解決と収益性を両立させるローカル・ゼブラ企業の成長を後押しすべきである。 また、次代の担い手を生み出す創業や省力化投資をはじめとした生産性向上を強力に推し進めるとともに、円滑な事業承継やM&A、事業再生による事業再編を通じた新陳代謝促進、成長投資を支える金融機能の高度化に取り組むことが必要である。あわせて、中小企業における経済安全保障や、ツールの導入に留まらず、AIが自律的に学習・改善・創造し、業務設計や判断支援等のこれまで人間が行ってきた知的なアウトプットもAIが行う状態に変え、仕事の仕方や組織、経営モデルそのものの再構築を行っていくAX(AI Transformation)といった新たな課題への対応を進めることで、変化に強い地域経済構造の構築を目指す。 こうした中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」強化は、高市内閣が掲げる日本成長戦略(戦略17分野・横断8課題)や地域未来戦略の実現に不可欠であり、中小企業政策としても、政府全体の戦略と連動していくべきである。
「5.真の働き方改革」には、働き手一人ひとりがやりがいをもって働き、活躍できる社会の実現に向けて、規制当局のあり方、経営のあり方、支援機関のあり方の見直しを提言している。これを通じて、経営側の視点としては人材の力を活かし採用・定着の面からも企業経営の持続性を確保しながら業績を向上させること、一方の労働側の視点としては個別最適な働き方の、それぞれの実現を目指している。
最後に、これらの施策を推進する上での基盤となる、中小企業支援体制の強化を「6.」に提言している。国と地方公共団体による適切な役割分担の下で、必要な予算を確保するとともに、企業の潜在的な課題を先取りして支援につなげるプッシュ型の伴走支援を推進することが必要である。この際、金融機関、商工会・商工会議所等の支援機関の機能強化を図るとともに、自治体の体制整備を強力に後押しし、地域全体で中小企業の挑戦を支える支援基盤を構築していくべきである。
1.中東情勢を踏まえた中小企業・小規模事業者への支援
今般の中東情勢の急速な緊迫化は、エネルギー、原材料、物流を通じて我が国経済の基盤を揺るがし、とりわけ体力の脆弱な中小企業・小規模事業者に直撃する深刻なリスクをはらんでいる。
政府は、全国約1,000カ所の特別相談窓口の設置、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の金利引下げや官民金融機関による資金繰り支援の徹底、約1,800の業界団体等に対する価格転嫁への配慮要請など、当面の事業継続を下支えする措置を講じているが、今後、事態が長期化・激化した場合は、必要に応じた特別な危機対応への移行と、それを支える追加の予算措置が必要となる。影響の兆候を迅速に捉える現場目線での情報発信を政府のみならず、地方公共団体や各種団体とも協力して積極的に行うべき。
2.持続的な賃上げの実現に向けた環境整備
原材料費やエネルギー価格、労務費等が上昇する中で、中小企業が持続的に賃上げや成長投資を行っていくためには、持続的な賃上げの実現に向けた環境整備が必要である。
まずは、中小企業が自らの価値創造に見合った対価を確実に受け取ることができる取引環境を整備することが不可欠であり、事業者が「PLからBS」に経営の在り方を変容させる入口ともなるのが価格転嫁である。一方で、サプライチェーンにおける力関係や旧来の商慣行を背景に、コスト上昇が十分に価格へ反映されず、中小企業に一方的に負担が押し付けられてきた実態がある。こうした問題意識のもと、本調査会においては、令和6年5月に「構造的な価格転嫁の実現に向けた提言」をとりまとめ、これを受け、公正取引委員会及び中小企業庁で検討を進め、令和7年3月には「下請代金支払遅延等防止法及び下請中小企業振興法の一部を改正する法律案」が国会に提出され、同年5月に成立、令和8年1月より中小受託取引適正化法(取適法)及び受託中小企業振興法(振興法)が施行されたところである。
中小企業のおかれている取引環境は改善傾向にあるものの、取適法違反の勧告も相次いでおり、依然として価格転嫁を阻害する商習慣が存在している。日本社会の「常識を変える」ためには、実効的な法執行に向けて、取適法・振興法の現場への浸透を一層進めるとともに、取適法の規制の対象外となる大企業間や中小企業間の取引についても、独占禁止法上の告示の策定等と遵守徹底に取り組むことで、サプライチェーン全体の価格転嫁・取引適正化を一層推進していく必要がある。
また、地域経済に大きな影響がある官公需において、国や地方自治体が、率先して物価上昇を適切に反映した価格交渉・転嫁に取り組むことは不可欠である。安ければ良いという従来の官公需における常識は一掃すべきであり、国・地方自治体で必要となる予算を確保するだけではなく、予算が適正な対価として地域の中小企業に行き渡るよう、ダンピングの防止といった発注の見直しについても、財務省や総務省など関係省庁が密に連携し、政府を挙げて強力に推進すべきである。
また、中小企業の経営者が従業員の賃上げに向けて全力で努力している中、社会保障制度については、将来の安心を構築するという重要性は認識した上で、賃上げの流れを止めない社会保険料負担軽減のあり方についても検討していくべきである。
(1)価格転嫁・取引適正化の徹底に向けた取適法・振興法の執行強化
今般の法改正により、取適法では、公正取引委員会・中小企業庁に加え、事業所管省庁にも事業者へ指導する権限が付与され、関係行政機関の連携を図ることとされた。関係省庁の連携を通じた取適法・振興法の執行強化に向けては、取引実態を適切に把握することが必要不可欠である。また、中小企業をとりまく環境が大きく変化する中、万が一にも、これまで進めてきた価格転嫁・取引適正化の流れが停滞することのないよう、取引Gメン等を通じて、より多くの現場の声をすくい上げることが重要である。引き続き、価格交渉促進月間フォローアップ調査等を通じた実態把握を進めるとともに、取引Gメンの体制強化や効率的な調査の実施に取り組むべきである。
また、適切な価格転嫁・取引適正化の商習慣を社会全体に定着させていくためには、企業の調達現場への取適法・振興法の浸透が必要不可欠となる。振興法に基づく振興基準の改正やパートナーシップ構築宣言の拡大・実行性の向上や知的財産権等の適切な取引に関する指針の策定等の取組を進めるとともに、公正取引委員会及び中小企業庁は、取適法・振興法等の一層の周知徹底に取り組むべきである。
(2)サプライチェーン全体での価格転嫁を推進するための取適法対象外の取引への規制強化
サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の整備に向けて、取適法においては「協議に応じない一方的な代金決定の禁止」及び「手形払等の禁止」が新たに禁止行為に追加された。適切な価格転嫁をサプライチェーン全体で定着させていくためには、大企業間・中小企業間や発荷主・着荷主間の取引など、取適法の対象外の取引についても規範を示し、実効的な取組を促す必要がある。公正取引委員会は、サプライチェーン全体での支払条件の適正化、物流に関する商習慣の問題に対する更なる対応に向けて、優越的地位の濫用に対する規制(独占禁止法上の告示)を整備するとともに、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁の環境整備に向けて、優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の考え方(優越ガイドライン)の改定を進め、その遵守徹底に取り組むべきである。
(3)官公需における価格転嫁・取引適正化を推進するためのフォローアップ等の徹底
官公需における適切な価格転嫁・取引適正化を進めるため、これまでも、「官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律」に基づき、毎年度閣議決定される「中小企業者に関する国等の契約の基本方針」に「物価上昇に伴うスライド対応」、「期中改定」等が盛り込まれ、その取組状況のフォローアップ調査が行われてきた。これらの取組を加速すべく、本年4月に、政府において「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」が公表され、実勢価格を踏まえた予定価格の作成、低入札価格調査制度や最低制限価格制度の活用など国や地方自治体で令和9年度末までに100%実施すべき措置が示された。
官公需は、いわば地方に行けば行くほど地域経済に与える影響が大きく、国の地方支分部局や独立行政法人、国立大学法人等はもとより、とりわけ地方自治体における取組の推進が特に重要である。各機関においては、「中小企業者に関する国等の基本方針」や「官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プラン」に明記されている措置事項について、自ら率先して取組を進めるべきである。
その上で、中小企業庁は、総務省とも連携して基本方針や加速化プランの地方自治体への周知徹底に取り組むとともに、総務省は、地方自治体の取組が確実に進展し、具体的な改善につながるよう、地方自治体への指導等をより一層強化すべきである。加えて、関係省庁及び地方自治体の協力のもと、各機関における価格転嫁・取引適正化の取組状況の見える化を進めることで、フォローアップを徹底し、国・地方自治体の官公需における価格転嫁・取引適正化を一層推進していくべきである。
(4)賃上げの流れを止めない社会保険料負担軽減のあり方
中小企業の経営者は従業員の賃上げに向けて全力で努力をしているにもかかわらず、賃上げに伴い社会保険料の負担も増加するので、経営者の負担が重く、従業員も賃上げの実感を得られないというのが、現場から上がっている切なる声である。社会保障制度については、将来の安心を構築するという重要性は認識した上で、賃上げ、消費、投資のサイクルを回し、成長と再分配の好循環を実現していくためには、今の安心も大切であるという観点から、現場の声を聴きながら、社会保険料が賃上げの抑制要因とならないように制度のあり方について、迅速に検討し、結論を出すべきである。
(5)賃上げと成長の好循環維持のための賃上げ促進税制の見直し
全国津々浦々での賃上げを実現していくためには、税制の観点からも賃上げを応援していくことが必要である。平成24年の政権交代以降、党として賃上げを後押しする税制を後押ししてきたところであり、現行の賃上げ税制についても、賃上げを積極的に行う事業者を重点的に後押ししていくための制度へと進化させ、賃上げと成長の好循環をさらに回していくことについて検討すべきである。
3.日本成長戦略への中小企業の参画支援
高市内閣が掲げる日本成長戦略(17の戦略分野・8つの分野横断的課題)という国家的投資戦略の完遂には、中小企業による参画が必須であり、「稼ぐ力」の強化や、それに伴う賃上げを実現することが必要不可欠である。
これは、国家プロジェクトの成果を国民の実感に変えていくという観点においても重要であり、中小企業が戦略分野に取り組むことによって、サプライチェーンの強靭化が図り、強い経済を実現すべきである。
さらに、インフレの中で健全な実質経済成長路線を確立するためには、直接投資の増加が、個人消費を増加させなければならないという視点からも、可能な限り多くの中小企業者が、この国家的事業に参画できるようにしてはじめて、この戦略はその意図を果たすこととなる。それゆえに、先行事例と言えるTSMCやラピダス案件への、地元への影響や日本企業の参画の現状などを、詳細に調査研究し、投資対象地域の地方公共団体や参画検討事業者、そして我々自身の学びとすることは必須である。
4.「変化の時代」へ対応するための地域の経営力向上を実現する成長支援促進や環境整備
地域において基盤となるサービスを提供し、地域を支える中小企業・小規模事業者が好循環を生み出していくためには、中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」を抜本的に強化し、成長と賃上げの好循環を生み出すことが必要である。本調査会においては、中小企業・小規模事業者の多様性を踏まえ、中小企業・小規模事業者の4類型(前述0.(2)①参照)に言及している。この分類に基づき、成長志向の中小企業・小規模事業者に対し、事業規模・成長ステージに合わせた支援策を整理・再編したうえで、更に目的をもって強化していくことが必要である。
こうした中小企業・小規模事業者の稼ぐ力を高めるためには、PL偏重の経営から脱却し、BSやCFを踏まえた判断ができる経営者のリテラシー向上が不可欠である。財務構造と資金の流れを理解してこそ、賃上げや成長投資は持続可能となる。同時に、金融機関においても、担保や過去実績に依存せず、企業の事業性を正面から評価し、経営改善や成長を後押しするリテラシーを高めることが強く求められる。また、企業成長には地域金融の力が重要であり、後述の中小企業庁と金融庁が連携して策定する「地域未来金融アクションプラン」(仮称)も踏まえ、企業の経営改善や成長を後押しすべきである。
加えて、経営資源の散逸や棄損を防ぎ、経営資源を有効に活用するため、事業承継やM&A、事業再生といった新陳代謝の円滑化にも取り組むべきである。
そして、地域の中小企業・小規模事業者の経営力を高めることは、地域そのものの経営力を高めることになり、地域の社会課題を解決していく主体が増えることになる。こうした地域全体の常識がアップデートされていくことこそ、目指すべき地域の姿であり、その実現に向けて、都道府県や市町村といった自治体も、地域の経営力向上に向けたコミットメントをしていくことが求められる。
(1)地域の幹となる「100億企業」への支援
地域の好循環を生み出していくためには、地域に根を張り、地域の「幹」となっていくような売上高100億円を目指して挑戦する成長志向の企業を各地で継続的に生み出していく必要がある。そのためには、「100億宣言企業」などに対して、中小企業成長加速化補助金などによる投資促進とともに、投資計画を実現するための制度融資による支援、資本性劣後ローン等によるリスクマネー供給による成長に向けた投資への支援を強化すべきである。成長投資支援について、成長と賃上げに向けた機運を高めるとともに、民間金融機関における成長資金供給力を強化する形に変化を促し、少なくとも集中加速化期間における財源は確保すべきである。
また、企業の成長に当たっては、無形固定資産である知的財産を活用していくことが不可欠であり、特許庁や独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)等による知財面での伴走支援にも取り組むべきである。あわせて、経営者同士のネットワークを全国展開するほか、「地域金融力強化プラン」との連携をはじめとしたソフトインフラの整備を実施すべきである。
(2)成長志向の中小企業の裾野を広げる新たなメカニズム構築
成長志向型の中小企業をより多く創出していくために、地域に100億企業の枝根となる新たな成長企業を創出するメカニズムを構築する必要がある。具体的には、地域の外へ売り、広域へ展開し、場合によっては海外にも出る、今後伸び行く成長意欲を持ち、地域の幹となる企業を支える枝葉でもある10億円を目指して挑戦する「成長型」や、必ずしも規模だけを追わず、地域に深く広く根を張り、その土地でしかできない技術、味、サービス、信用、関係性を磨き続ける「価値追求型」などが想定される。こうした企業の経営者に対して、メインバンクも本気で伴走支援を行うことで成長に向かう中小企業を選定する仕組みを構築するべきである。その際、成長を持続するべくメインバンクにおける伴走支援方針を確保するとともに、成長できる経営基盤を構築するためのハンズオン支援、成長投資支援を集中投下すべきである。こうした、いわゆる「10億企業」を生み出す新たなメカニズムの構築に当たっては、いち早く地域における成長の機運を高めるべく、検討を加速化すべきである。
また、「価値追求型」について、経営者が生み出す多様でとらえきれない価値を、質の高い経営を作ることを通じて、熟成し、発展させていくことが重要であり、このメカニズムを通じて定着するよう引き続き検討を進めるべきである。
(3)地域を支える小規模事業者の経営力向上に向けた支援強化
経営環境の急速かつ大規模な変化を踏まえ、「小規模企業振興基本計画(第Ⅲ期)」において、小規模事業者においても経営リテラシー向上を通じて経営力を向上させ、これまで以上に「稼ぐ力」を高めることが必要であり、その実現のために「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律(小規模事業者支援法)」に基づき支援体制の充実を図ることとされている。
小規模事業者の持続的発展こそ、地域を支える「下生え」でもあり、平成26年の「小規模企業振興基本法」の制定以来、小規模事業者支援法の経営発達支援事業により商工会・商工会議所による伴走支援体制の整備を進めるとともに、持続的発展を目指す事業者に対し、経営指導員の伴走支援の下、基礎的経営リテラシーの向上のために経営計画の策定を条件とした小規模事業者持続化補助金を通じた販路開拓等に係る支援等を実施してきたところである。
今後は、基本計画(第Ⅲ期)に基づき、小規模事業者の経営の方向性の違いを踏まえ、小規模事業者支援法に基づき都道府県・市町村と連携し、従来の「持続的発展を目指す事業者への支援」に加え、高度な経営力を有する「成長志向の事業者の創出メカニズム」や「エッセンシャル・サービスを担う事業者への支援」に向けた取組を行うなど、きめ細やかな支援とともに、これを支える商工会・商工会議所の支援体制強化を図るべきである。
また、これら取組を小規模事業者支援法の経営発達支援計画の枠組で実施することにより、地域未来戦略を含む都道府県や市町村の産業政策と整合的な取組とすることができるので、都道府県や市町村には、積極的にこれら事業者の創出・支援を促進することが強く期待される。
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① 成長志向の小規模事業者の創出メカニズムの構築
地域経済の持続的成長のためには、経営者を地域で育てていくことが重要であり、そのため、地域に有意な変化をもたらすような既存事業の改善に留まらない成長の核となる事業価値(例えば、要素技術、特色ある商品・サービス、地域の関係性を構築する、地域課題解決に資する価値を有するなど)の確立を前提に、①売上規模を拡大し例えば売上高1億円を目指す、または、②高収益型を目指す、といった成長志向の小規模事業者、いわゆる「1億企業」に対して、挑戦(意識・行動変容)を促す仕組みが必要である。
具体的には、それら一定の目標に到達する成長シナリオを描く経営計画を特に「成長志向の経営計画」と位置づけ、商工会・商工会議所の経営指導員による伴走支援を必須として、同計画を“宣言”(登録・公表)できる仕組みを構築すべきである。これにより、成長志向の小規模事業者が、経営指導員の伴走支援による同計画の策定に取り組む中で、成長に向けた経営の方向性を言語化・可視化し、成長実現のために必要な高度な経営力を身につけていくことを促進する。
また、“宣言”事業者による挑戦的取組を後押しするため、小規模事業者持続化補助金等における優先措置の導入、成長資金調達に係る信用力向上のためのマル経融資の優先的な推薦等の実施、将来的なプロパー融資の増加を見据えた経営指導員による民間金融機関への接続等を図るべきである。
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② 持続的発展を目指す小規模事業者(エッセンシャル・サービス含む)の支援
持続的発展を目指す小規模事業者においても、大きな事業環境の変化が続く中において地域を支え続けていくためには、経営計画や資金繰り表などの策定を通じて、特に原価や収益、資金繰りの把握、在庫の棚卸し、売値の見直しなどの基礎的な経営リテラシーの向上を図り、自己研鑽の端緒に立つことが重要である。
そのため、小規模事業者の気付きや経営計画等の策定を促すためのプッシュ型の働きかけの更なる拡充を図るとともに、商工会・商工会議所の青年部の勉強会等を「学び合いの場・扶け合いの場」として改めて位置づけ、小規模事業者同士の経営リテラシーを深める取組や、事業者間での扶け合いや協業、地域内での事業引継ぎといった取組を促進すべきである。
また、エッセンシャルサービス(ES)の担い手である小規模事業者に対し、今国会に提出された産業競争力強化法改正法案にて「生活維持物品役務需要減等事業適応計画」及びその支援機関の認定スキームが設けられることを踏まえ、商工会・商工会議所が同法案に基づく認定ES支援機関となり、ES事業に対して重点的に支援を行うべきである。
そして、これらの取組に関して、商工会・商工会議所が実施する経営発達支援事業に係る伴走型補助金の拡充や配慮、経営指導員のサポートを行う専門家等の拡充、小規模事業者持続化補助金における優先措置の導入等を行うべきである。
(4)地域経済循環実現に向けたローカル・ゼブラ企業支援
人口減少下の地域経済において、地域資源を活用しながら地域の課題解決に取り組み、社会的インパクトを創出し、地域経済循環を実現する存在であるローカル・ゼブラ企業の育成を推進し、またそのための環境整備に取り組むことが必要である。
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① 地域エコシステムの構築・定着の促進のためのソフトインフラの整備
共助の領域において公的な補助等に依存せず民間主体で持続可能な新しい市場を形成するためには、ローカル・ゼブラ企業の個々の社会課題解決の取組を包括し、地域全体で創出される社会的インパクトを大きく捉え、地域経済循環の核となる事業者を育成していくことが重要である。
このため、これまでの成果も踏まえて、地域未来投資促進法における都道府県等の承認スキームを活用しつつ、各地でローカル・ゼブラ企業と地域のステークホルダーの連携体制を構築し、先行地域からビジネスモデル構築や実践的な資金調達手法等のノウハウを学び、地域エコシステムの構築・定着に取り組むべきである。また、地域や業種を超えてローカル・ゼブラ企業同士がつながり、学び合う場の創出に取り組むべきである。
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② 地域経済へのインパクトや事業性等を考慮した資金調達環境の整備
ローカル・ゼブラ企業等が生み出す地域への正の外部性(社会課題解決、地域の事業者等の取引費用の削減等)や地域経済へのインパクト(関係人口の創出等)等が適切に評価される仕組みの構築が重要である。一方で、金融機関等の事業の評価軸との乖離、事業者側の事業計画の質やファイナンス設計能力の不足等の課題により円滑な資金調達が進んでいない。このため、地域の実情に合わせたファイナンスの仕組みの構築に向けたモデル地域の創出に取り組むとともに、その成果も踏まえて資金提供者・資金調達者での対話において各々踏まえるべき事項等を取りまとめたガイダンスの策定を進めるべきである。同時に、民間資金の呼び水効果も持つ政策金融の活用を促進するべきである。
(5)中小企業のイノベーション促進に向けた環境整備
先述した成長ステージごとの支援策に加えて、賃上げの原資を確保するためには、中小企業のイノベーションを促進し、より付加価値の高い製品・サービスの開発や新事業への進出を通じて「稼ぐ力」を向上させる必要がある。その中でも、危機管理投資や、昨年度の提言でも言及した半導体分野を含む17の戦略分野は集中投資の恩恵を地域や中小企業にも波及させていく上で、特に重点的に後押しをしていくことが重要である。
このため、マーケットインのイノベーション創出を加速させ、成長指向の中小企業の研究開発を支援していくとともに、その成果を事業化・新事業進出に繋げていくことが必要である。具体的には、市場ニーズと企業のコア技術やノウハウから新たな価値を持つ新製品・サービスを構想し、事業化までプロジェクトを牽引する人材である「イノベーション・プロデューサー」の担い手や活動を拡大させていくとともに、事業化のための研究開発支援を強化していくことが重要。また、中小企業が予見可能性をもって成長市場への販路開拓、新製品・サービスの開発や新事業進出のための設備投資に取り組めるよう、力強い支援を切れ目なく行っていくことが必要である。
(6)輸出を成長につなげるための中小企業支援
成長志向型の中小企業にとって、輸出をはじめとする海外展開により外需を取り込むことは、事業を成長させる手段であり、新たな可能性を切り拓く重要な選択肢である。さらに、輸出の実現に向けては、海外事業を一過性の取組ではなく、事業戦略の一つとして位置づけ、明確な意思を持って挑戦していくことが必要である。一方で、輸出に取り組む過程では、計画策定の初期段階から、商品・サービスの差別化、取引先の開拓、知的財産の保護、複雑な契約手続きへの対応など、断続的に課題が生じ、こうした海外事業戦略を自社だけで描き切ることは容易ではない。このため、課題を着実に乗り越え、成長へと結びつけていくために、海外事業に果敢に取り組む中小企業の人材・組織づくりを支える仕組みを立ち上げるべきである。
また、これまで「新規輸出1万者支援プログラム」を通じて、新たに輸出に取り組む事業者への各機関による支援を継続して実施してきており、例えば日本貿易振興機構による越境EC活用支援や中小企業基盤整備機構による伴走支援を進めるなど輸出挑戦に向けた各種支援を実施している。本プログラムでは、現時点で約2.6万者が登録し、約3.7千者が輸出を実現している。さらに、本年4月には、我が国の農林水産物・食品の輸出拡大を目的として「日本の食輸出1万者支援プログラム」が立ち上げられており、今後も輸出等に取り組む事業者に向けた関係機関による支援を強化して取り組むことが求められる。
(7)創業の挑戦を地域で支え、成長につなげる取組の強化
我が国の創業政策は、2013年の「日本再興戦略」において米国・英国レベルの開業率を目指すとされて以降、創業者数の増加を目標としてきた。しかし、我が国の中小企業政策が「稼ぐ力」を高め、成長を通じて地域経済を支える方向に舵を切る中では、創業の数そのものを積み上げる政策から、創業が地域で付加価値を生み成長することを重視する政策へと転換が必要である。このため、創業前、創業時、創業後までを一体で捉えた取組に抜本的に強化し、地域の成長に寄与する創業政策に再構築すべきである。加えて、市町村が策定している創業支援計画が全国的に画一的な傾向であることを改め、今後は都道府県の支援も得つつ、市町村が地域の産業構造や成長分野を踏まえた計画を構想し、創業支援に取り組むべきである。あわせて、創業後の成長を支える上では金融機関が果たす役割も極めて重要であり、地域金融機関には、必要な融資を適切に行うことや伴走型の関与が期待される。国は、これらに積極的に取り組む地域を継続的に支援し、成長性の高い創業が各地で生まれる環境整備を進めるべきである。
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① 創業の挑戦が地域に根付き、次の成長につながる環境づくり
創業政策を通じて地域経済の活力を高めるためには、創業後に事業が地域に根付き、成長や価値の確立へとつながる挑戦が継続的に生まれる環境整備が重要である。このため、個々の創業者への支援のみならず、市町村や地域の金融機関、商工団体、先輩経営者を始め、多様な関係者が創業者を継続的に支える仕組みを、地域全体で構築することが求められる。
その際、創業者数の確保とその後の成長が一定実現している地域の取組を参考に、国が地域における支援体制や関係者の関わり方を整理し、他市町村や地域に共有することが重要である。その上で各市町村は、具体的な取組として自ら策定する創業支援計画に反映させるとともに、国や都道府県がその策定や実行を後押しすることで、創業を支える地域基盤の底上げを図るべきである。
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② 創業する経営者に対する経営力の向上やヒト・カネの確保に向けた支援
創業者が事業を継続・発展させるためには、創業段階から経営者としての基礎的知識や判断力を習得することが不可欠である。このため、財務や経営管理など従来の経営リテラシーに加え、AIやデジタル技術を活用して生産性向上等を図るためのスキル習得を促すべきである。
創業は、地域に根差した小規模事業から急成長を目指す事業まで多様である。持続的発展を目指す創業者には、財務等の基礎的知識の習得支援が有効である一方、成長や高収益を志向する創業者には、事業段階に応じた支援が求められる。地域の支援者は、自らの支援リソースを、地域の成長戦略や創業支援計画を踏まえ、創業者の志向や成長段階に応じて効果的に活用することが望まれる。
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③ 創業後のさらなる成長支援の強化
創業後の支援では、事業成熟度や成長の方向性を踏まえ、事業者の状況に応じて継続的に寄り添うことが重要である。特に、強みとなる技術や商品・サービス、顧客との関係性等を的確に把握し、どのように磨き伸ばすか、経営者との対話を重ねつつ伴走する支援を強化するべきである。
また、創業後の成長過程では資金支援と経営面での助言を一体的に行うことが不可欠であり、金融機関が果たす役割は極めて大きい。地域金融機関は、事業内容や成長戦略を理解し必要な融資を適切に行うとともに、地域の支援機関と連携しながら継続的に伴走することで、次の成長段階への移行を後押しすべきである。
(8)人手不足に対応するための省力化・生産性向上の推進
人手不足感の強い業種においてはAI、ロボットの導入やデジタル化をはじめとする省力化投資を強力に推進する必要がある。昨年策定した「省力化投資促進プラン」を着実に実行するためにも、ソフト・ハードいずれの支援も抜本的な強化を実施することが重要。
全国47都道府県に設置した、よろず支援拠点「生産性向上支援センター」による伴走支援を強化すると共に、省力化ナビを活用したプッシュ型のサポートを着実に推進することが必要である。
また、中小企業・小規模事業者の生産性向上に資する各補助金を通じて、予見可能性をもって省力化投資・デジタル化投資等に取り組めるよう、力強い支援を切れ目なく行っていくことが必要である。
(9)事業承継・M&A・事業再生等による事業再編
変化の時代には、経営者交代を契機とした経営革新や経営資源の引継ぎ・集約、事業や組織の再編は、新たな成長や再生につなげるための好機でもあり、経営者が戦略的に取り組むべき事項である。
同時に、中小企業・小規模事業者においては、地域における人手不足の深刻化等により、生産性向上に向けた取組を通じて、「稼ぐ力」を高め、賃上げに結びつけていく必要性も高まっている。
中小企業は企業規模や経営状況、地域における役割等が多様であり、将来に向けて目指す姿も一様ではない。こうした多様性を踏まえ、中小企業が自らの実情に応じて、事業承継、M&A、再生、再チャレンジといった選択肢の中から将来的な方向性を選択し、経営者交代を契機とした経営革新や集約化によるスケールアップ、生産性の高い企業の退出防止、再生企業の持つ技術や人材の有効活用を実現していけるような環境を整える必要がある。
また、後継者の確保は必ずしも容易ではなく、事業の存続や承継の成否が、地域の雇用や産業の持続性にも影響を及ぼしかねない状況が広がっているため、地域の活力維持の観点からも、引き続き中小企業の事業承継は重要な政策課題である。
このため、以下に掲げる施策を通じて、これらの取組を支える総合的な環境整備を進めるべきである。
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① 円滑な事業承継・M&Aの促進に向けた措置
経営者交代を契機として新規事業への進出などの経営革新に向けた取組が実施されることも多いことを踏まえると、中小企業が事業承継を円滑に実施し、更なる成長・発展を実現するよう、力強く応援することが重要である。
特に、親族内承継を行う際に活用されてきた事業承継税制については、団塊世代の経営者が引退期を迎える2020年頃に後継者難を理由に廃業する事業者が多数発生する可能性があるという危機感の下、9年前に本調査会の下に小委員会を設置し、法人版事業承継税制の特例措置の創設を提言し、実現した。本特例措置については、設立当時より「承継は喫緊の課題」との認識は強く、可及的速やかな制度活用を促す意図で「令和9年末の適用期限」を明記した。しかしその活用数は、必ずしも期待をした水準には至っていないのが事実である。今後の適用期限後のあり方については、効果検証や課題分析や、地域の牽引役となる事業者を重点的に後押しするなど、制度の見直しを検討するのは当然である。しかし、制度の政策目標達成のためにより重要かつ必須なことは、制度活用の一層の加速化を実現すべく、制度維持を望まれる関係団体等とも、期間や量を含めた目標の共有など、現実性のある計画である。個人版事業承継税制についても、活用の実態を踏まえ、併せて検討を行う必要がある。
また、取引相場のない株式の相続税評価制度のあり方について検討が行われているが、その内容によっては、中小企業の事業承継に大きな影響を与えるおそれもあることから、動向を注視する必要がある。
また、事業承継を促進するにあたって、後継者育成も重要な取組である。成長志向を有する後継者の経営能力を高める観点から、より実践的な後継者育成プログラムの開発を行う必要がある。
近年では、親族内承継や従業員承継の他に、M&Aによる事業承継も増加している。複数回のM&Aの実施によるグループ化は、譲受側の成長の実現はもちろんのこと、譲渡側にとっても自社に必要な経営資源の提供を受けることで、成長を実現できる取組であり、後押ししていく施策が必要である。他方で、地方部や比較的小規模な中小企業においては、M&Aが十分に普及していない現状を踏まえると、地域金融機関等とも連携し、事業承継・引継ぎ支援センターを中心とした各地の持続可能な事業承継支援体制の構築に向けた取組を進めるべきである。加えて、シンポジウムの開催等、全国各地で事業承継ニーズを喚起する広報を実施し、事業承継・M&Aに関する更なる機運醸成も図るべきである。
さらに、海外資本による国内の中小企業のM&Aは成長をもたらす可能性もある反面、安全保障上重要な技術や人材が流出する懸念もあることから、これらのリスクに関する経営者や支援機関の認識を高める必要がある。
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② 資格制度創設を含めた中小M&A市場の適正化に向けた取組
中小企業のM&Aは、近年では、第三者承継を目的としたM&Aだけでなく、成長戦略としてM&Aを活用する中小企業も増加している。中小M&A市場の急速な拡大に伴い、新規参入の支援事業者が増加する中、支援の質や倫理水準のばらつきが顕在化している。当事者と支援者との間には情報の非対称性が存在することから、中小企業にとっては、支援内容や手数料の妥当性、助言の適切性等を見極めることは容易ではない。こうした状況の下、不適切な譲受側や支援の質が十分でない事業者の存在も指摘されており、市場への信頼確保が大きな課題となっている。
これまで、中小M&AガイドラインやM&A支援機関登録制度を通じて、事業者単位での規律遵守や情報の可視化が図られてきたが、依然として不適切な支援に関する指摘が寄せられていることを踏まえると、制度の更なる実効性向上が求められる。とりわけ、中小M&Aの成否やトラブルの発生は、支援に関与する個人の知識・能力や倫理観に大きく左右されることから、個人レベルでの質の担保と向上が不可欠である。このため、支援に必要な一定の専門性と倫理観を担保する資格制度の創設に向けて検討を進めるとともに、事業者については、既存の登録制度の在り方を見直し、資格制度と連携した運用を図ることで、個人・事業者双方における規律の定着と能力向上を促すことで中小企業が安心してM&Aに取り組むことのできる環境を整備するため、法制化も視野に入れて検討するべきである。
なお、今後も中小M&A市場の拡大が予測される中で、常に取引の実態把握に努めるとともに必要に応じて柔軟に追加的な対応も検討していくべきである。
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③ モニタリング・事業再生の実効性確保に向けた仕組み作り
事業と財務の双方が毀損するなど経営の立て直しが難しい案件が増加し、再生局面の手遅れ感も指摘される中で、適切な出口を見据えない金融支援、スポンサー型再生(再生M&A)の増加等への対応が課題となっている。こうした中で、経済社会情勢の変動に伴う短期的な資金需要には迅速に対応しつつ、経営課題の先送りをもたらさないよう、過剰な資金供給や過度なリスケジュール等の金融支援は回避しなければならない。また、早期の事業再生や再生M&Aを通じた、再生企業の持つ経営資源を生かした事業成長や生産性向上等の「成長型再生」を推進する必要がある。
そのためにも、昨年3月策定の「再生・再チャレンジ支援円滑化パッケージ」の実行から見えた、地域の関係者間での再生支援の早期着手に係る課題等への対応を含め、地域金融機関による事業者の成長余力管理や伴走支援でのガバナンス機能の発揮など、地域のモニタリング体制整備が急務である。
特に、中小企業庁と金融庁が連携して、都道府県別など地域ごとに、関係者で地域の中小企業金融の現状・課題の因数分解、アクションプランの策定、各関係者の役割分担の明確化を行うべきである(地域未来金融アクションプラン(仮称))。これも踏まえ、事業者のモニタリングを通じたメインバンク機能の強化や、中小企業活性化協議会の支援や経営改善計画策定支援事業の規律・支援力強化等も通じた早期の再生支援を進めるべきである。また、地域の再生支援人材不足の中で、中小企業活性化協議会における公認会計士等の配置やトレーニー・補佐人等の育成機会の拡充を着実に進めるべきである。
また、再生M&Aの推進において、担い手の理解不足や経済的合理性の課題等を踏まえ、再生M&Aの実務に関する共通理解の醸成に向けたガイドライン等の作成や、中小企業活性化協議会や事業承継・引継ぎ支援センター等を活用した再生M&Aの優良事例の横展開等を通じた運用整理により、参入障壁の低減を図るべきである。
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④ 円滑な廃業・再チャレンジを支える環境整備
特に小規模事業者は、地域に根差し、長年にわたって培ってきた技術や信用、取引関係など、かけがえのない経営資源を有している。その特性や強みを最大限尊重しつつ、地域の経営資源を散逸させない観点から、経営資源の次世代への引き継ぎや、やむを得ず廃業する場合を含めた円滑な新陳代謝を進めていくことが重要である。様々な選択肢が残されている段階で早めに決断することは、取引先や従業員への影響を最小限にとどめるとともに、経営者自身やその家族の人生に過度な負担を残さないことにもつながる前向きな決断であり、そうした意識を社会全体に醸成することが必要である。
このため、まずは経営者に寄り添いながら腹落ちを促す役割として、廃業に係る費用や経営者保証ガイドラインの活用等に関する周知を含めて、よろず支援拠点等での早期の廃業相談を進めるとともに、その後の債務処理を含めた専門的なサポートについて、中小企業活性化協議会による専門家紹介・費用補助等の廃業支援等の活用を進めるべきである。また、よろず支援拠点から中小企業活性化協議会への持ち込みも更に促進するべきである。
(10)成長投資を牽引する中小企業金融
「金利のある世界」においては、単に資金調達コストの上昇に対応するだけでなく、各事業者が自ら持つ資産をより有効活用することが求められる。
中小企業・小規模事業者はデフレ思考から脱却し、リスクを取って中長期的な成長・持続的発展に繋がる設備投資やAX/DX・省力化投資、賃上げを含めた人的投資を積極的に進めて「稼ぐ力」を付けていくことが重要である。
一方で、金融機関においては、金融慣行そのものを「PLの目先の安全性」から「BS・CFに基づく成長ストーリーとリスクテイク」を評価軸とするものへと転換することを求めている。こうした前提更新の下で、中小企業金融も、事業価値の向上とバランスシートの強靱化を通じてリスクとリターンを共有する「成長投資金融」へと、制度構造そのものを組み替えていく必要がある。
また、地域のキャッシュフロー創出の起点となって地域をリードする100億企業など成長志向型企業や、地域課題解決と収益性を両立する事業で地域の資金循環の起点となるローカル・ゼブラ企業等を生み出すメカニズムの構築が必要である。
こうした中で、地域金融機関が果たす役割は大きく、幅広い金融仲介機能を発揮しながら地域経済に貢献する力(いわゆる「地域金融力」)を強力に発揮していくことが、地域社会からも期待されている。中小企業経営者・金融機関等のマインドチェンジと行動変容を促すとともに、民間金融機関の補完・誘導として政策金融を活用しつつ、保全の有無ではなく事業性評価に基づく融資判断を促進するための制度設計を進めていく必要がある。
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① 成長加速化に向けた民間金融機関の投融資を促進する政策金融
中小企業がその事業規模に比して大きな額を必要とする成長投資の場面においては、金融機関の通常の融資可能額を超える場合や政策金融で対応できない規模の資金需要が発生する場合が存在する。こうした場面では、「担保に依存した融資」ではなく「事業性を評価した融資」の観点から、民間金融機関がプロパー融資により積極的に対応していくべきであるが、その補完として、責任共有制度における保証割合や信用保証枠の観点を含め民間金融機関と信用保証協会の追加的な選択肢となる仕組みについて制度設計を行うべきである。また、民間金融機関の呼び水の役割も含めた日本政策金融公庫や商工組合中央金庫による協調融資等を積極的に行っていくべきである。
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② 地域経済へのインパクトや事業性等を考慮した資金調達環境の整備【再掲】
ローカル・ゼブラ企業等が生み出す地域への正の外部性(社会課題解決、地域の事業者等の取引費用の削減等)や地域経済へのインパクト(関係人口の創出等)等が適切に評価される仕組みの構築が重要である。一方で、金融機関等の事業の評価軸との乖離、事業者側の事業計画の質やファイナンス設計能力の不足等の課題により円滑な資金調達が進んでいない。このため、地域の実情に合わせたファイナンスの仕組みの構築に向けたモデル地域の創出に取り組むとともに、その成果も踏まえて資金提供者・資金調達者での対話において各々踏まえるべき事項等を取りまとめたガイダンスの策定を進めるべきである。同時に、民間資金の呼び水効果も持つ政策金融の活用を促進するべきである。
(11)新たな対応課題に向けた取組
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① 中小企業における経済安全保障を支える環境整備
中小企業は様々な経済安全保障上のリスクに直面しており、1つは、紛争や他国の政策変更による調達・販売に関するリスクである。
これに加えて、特定国が個別の中小企業へアプローチし、サプライチェーンのチョークポイントや技術窃取を目的とした協業や買収等を行い、中小企業が持つ優れた技術が流出し、日本の経済安全保障を支える技術基盤が損なわれるリスクも存在するところである。
こうしたリスクの端緒を早期に発見し適切に対処するため、中小企業への啓発活動の強化に加え、金融機関や支援機関、及び100億宣言のネットワーク等を活用し、官民で連携して対応すべきである。
また、経済安全保障の確保と経済合理性が一致しない局面も想定される。経済安全保障政策と中小企業政策の連携を強化し、中小企業が経済安全保障対応を取りやすい環境整備が必要である。
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② 中小企業経営の変革に向けたAX推進
中小企業にとって、AIは活用するかどうかではなく、どう活用するかのフェーズに入った。中小企業には、現場で培われたノウハウや勘所等、AIが学習できる「現場の知見」が豊富に存在することや、意思決定が早く、現場の声をすぐに反映できる柔軟性・スピード感を有していることから、AI活用による成長のポテンシャルが大きい。比較的低廉な価格で導入できるAIサービスも登場しており、中小企業の経営陣が考え方をがらりと変えれば、労働投入量の効化における大幅な変革をもたらす可能性がある。この際、大企業のホワイトカラーの業務がAIに代替される可能性があるため、当該人材が地域の中小企業に円滑に移行できるような取組を促していくべきである。
さらに、AIは、自らを自律的・自動的に改善する能力を有しており、従来人間が優位性を有すると考えられていた価値創造領域においてもめざましい発展を遂げている。AIは中小企業における労働投入量の効率化のみならず、付加価値の向上にも寄与することが期待される。実際に、製造現場で時間あたりの生産量等のデータを収集しつつAIを活用する事例や、社内用のAIエージェントを複数作成し、属人化しがちな人間の暗黙知をAIに学習させ、社内の指揮系統や人間の仕事の仕方を変えるような事例、社内業務で生成AIをフル活用して人がすべき仕事を抜本的に改革する等の小規模事業者が生成AIのメリットをしっかり活かせている事例は徐々に出てきつつある。このような中小企業のAXを推し進めていくためには抜本的な意識改革が非常に重要。意識改革を後押しするため、AIの導入意欲のある中小企業とAIサービス提供者、支援者のネットワーク構築を地域ごとに実現できるよう支援する必要がある。
昨今の中東情勢のような事態をはじめとして、中小企業・小規模事業者を取り巻く課題はめまぐるしく変わっていくため、商工会・商工会議所をはじめとする支援現場でも、人員不足や支援ノウハウ・知見不足が顕在化しており、生成AIをナレッジ・ノウハウの共有等に役立てることによって、支援の質の向上や業務効率化等が期待される。このように、全国津々浦々の中小企業・小規模事業者にAXを浸透させていくためには、政府が主導したうえで、現場では商工会・商工会議所をはじめとする支援機関が政府と目線を合わせ、連携をとりながら中小企業のAXに取り組んでいくことが肝要である。
こういったことも踏まえ、支援機関等が中小企業の省力化・生産性向上等の経営相談に活用できる生成AIツールの開発・実装も進めることも必要である。
5.働き手一人ひとりがやりがいをもって働き、活躍できる社会の実現
「働き方改革」は本来、限られた「時間」で「価値」を創出するための改革である。その一方で、コロナ禍の影響もあり、「一生懸命働くことすら否定するような風潮」が生まれ、「働きたい人が働けない状況」が生じているとの声もある。働き手がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる働き方改革を前提として、今こそ、「働くことの価値」を貴ぶ社会常識を取り戻す「真の働き方改革」への進化を後押しし、経営者と働き手との間のミスマッチの解消にチャレンジしていくべきである。
(1)「働くことの価値」を貴ぶ社会常識を取り戻す「真の働き方改革」への進化
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① 「働き方改革」が目指したもの
2019年から働き方改革関連法が順次施行されてきた。「働き方改革」とは、生産年齢人口の減少や働く方々のニーズの多様化などの課題に対応するため、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが必要として、実施されてきたものである。こうした観点から、残業時間の上限規制や健康確保のための措置などが定められた。
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② 今般の改革の根本的な問題意識
しかし現実には、「就業機会の拡大」や「働き手の意欲や能力を存分に発揮できる環境」といった当初目指された政策の大きな目的の実現よりむしろ、
「一生懸命働くことすら否定するような風潮が拡がったのではないか。」
「『働き方改革』ではなく『働かない改革』になってしまったのではないか。」
「日本人から働くことのスピリット自体が失われてしまったのではないか。」
「働きたい人の稼ぐ機会や、技術を修得したい人の未来を奪っているのではないか。」
「サプライチェーンを支える事業や伝統工芸などの技術の習熟には時間と経験が必要にもかかわらず、この日本の強みすら損なっているのではないか。」
「労働とは本来、働く「時間」と産み出す「価値」の二軸で捉えるべきところ、時間を減らすことだけが自己目的化しているのではないか。」
など、「働き方改革」に対する相当厳しい否定的な受け止めが、特に経営側の本音として拡がってしまっている。このままでは、ただでさえ厳しい環境での舵取りを余儀なくされている経営側のやる気は削がれ、その「諦めの気分」の蔓延は日本経済そのものに致命的なダメージを与えることになる。だからこそ我々は、こうした声に真摯に、真正面から向き合い、もう一度我が国最大の資産である「人材」の力を最大限に発揮できるような「働き方」を改めて徹底的に追求しなければならない。これは、個社の経営にとっても、日本経済全体にとっても、「今取り組まなければならない危機」そのものである。
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③ 当初目指したものと現実の受け止めのズレの要因
なぜこのようなミスマッチ・ギャップが生じてしまったのか。いくつかの要因があると考えられる。
- 労働基準監督署が、実際には法律上も認められているにもかかわらず、「残業=悪」、「残業時間はゼロであるべし」という前提に立って、経営者の経営上の悩みを顧みることなく、法令を超えて行き過ぎた指導を行っていたのではないか。
- 繁忙期等の例外措置や自己研鑽のための仕組みなど、業種毎の現場の実態に即した一定の仕組みは講じられているが、運用ルールが明確化されていないことが保守的な運用につながったのではないか。
- 報道や一部の専門家が、形式的な労働時間の短縮のみを強調した結果、働くことそのものに対する否定的な風潮や過度に勤務時間にのみ注目が集まる職場風土の助長につながったのではないか。
- 経営側においても、働き手のニーズの多様化などに適切に対応していくための更なる変化が求められている。現在の人手不足・人材不足の環境下において、従業員の採用や定着が以前より経営課題としてはるかに重要になっている中で、経営者は従業員の価値観や事情に向き合えているか。仮に長時間労働を認めたとしても、離職を誘発しては本末転倒である。
- 36協定を締結していない・認識していないケースや、残業は法令上1か月45時間・1年360時間まで可能であるにもかかわらず上限未満で制限しているケースなど、制度に対する経営側の認識不足の面もあるのではないか。
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④ 改革の方向性
上記の要因に対処することで「働き方改革」を巡る認識のギャップを埋め、多様な働き方のもとで人材のもつ技術や能力が最大限活かされる企業経営と日本経済を創り上げるべきである。そのためには、規制当局のあり方、経営のあり方、支援機関のあり方を見直し、経営側の視点としては人材の力を活かし採用・定着の面からも企業経営の持続性を確保しながら業績を向上させる、労働側の視点としては個別最適な働き方が可能となる、「真の働き方改革」へと変革していくべきである。こうした取組は、人手不足に悩む現在の中小企業にとって有効な対策であることはもとより、結果として、未来の労働力の最大確保につながり、将来世代の負担を軽減することにもつながる。まさに、現在から将来世代にわたって日本社会が構造的に抱える連立方程式を解く鍵はここに帰着する。
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規制当局のあり方:規制監督範囲の明確化と適正な運用
法令で許容されている範囲内において、どのような人事・労務管理方針を採るかは、労働側との協議や合意を前提にしつつも、一義的には経営者が自ら判断し、その責任を負うものであることを改めて明確に示すべきである。例えば労働基準監督署においては、規制監督機能と経営相談機能の分離を徹底するとともに、前者の立場からの法令を超えた指導は厳に慎むようにすべきである。また、全国の労働基準監督官一人ひとりに至るまで、その方針を徹底すべきである。労働基準監督署の権限を背に、行き過ぎた指導で逆らえない経営者を追い込むようなことがあってはならない。
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経営のあり方:人材マネジメント力の向上と実践
経営側においては、人材の採用・定着・登用を改善する観点から、各経営者は人材が相当に希少な経営資源となってきたことを認識する必要がある。まずは経営者自身が、会社のビジョン、そして働き方へのビジョンを従業員やステークホルダーに提示し、一人ひとりが納得感を持って多様な働き方を実現できる職場作りに取り組んでいくことが必要である。自らの従業員と徹底的に向き合って、業務の見直しを通じて労働時間を短縮したことで、採用・定着両面で効果が上がるとともに、企業業績も向上し、更なる賃上げも可能となった事例もある。逆に、形式的に労働時間を減らすだけでは、従業員のモチベーションも下がり企業として収益機会を逸することとなりかねない。経営者や管理職がハラスメントへの認識不足から業務を依頼できないとの声もある。希少な経営資源としての人材を最大限有効に活かすためには何をすべきか、考え抜いた上で、自らの経営判断として働き方を決めるべきである。中小企業庁においては、こうした経営者の人材マネジメントに関する多様な取組が各地で拡がっていくための仕組みを検討し、各事業者が実践できるようにすべきである。
また、36協定未整備で、季節的繁閑など一定の長時間労働が必要となるのであれば、協定整備に向けた準備を進める必要がある。そのために必要な支援機関等を通じたサポートの体制を充実すべきである。変形労働時間制については、中小企業においてもその導入を検討しやすくするためのツールを整備するとともに、自己研鑽と労働時間のあり方を含め、政府において現場に即した一定の考え方を整理し、各事業者が実践できるようにすべきである。
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支援機関のあり方:経営と労務の一体的な支援の強化
中小企業診断士を始めとする支援者・支援機関や経営コンサル、社会保険労務士など、経営支援に携わる者においては、経営者の経営方針や思いをまず正面から受け止め、寄り添うことを基本としつつ、例えばその人事・労務管理方針と採用や定着とのバランス、あるいは企業利益とのバランスについても、その蓋然性も含めしっかり議論し、経営者の合理的判断に資するようにすべきである。「真の働き方改革」には業務プロセスの見直しが不可欠であるため、そうした分野にも通じていることが重要である。すなわち、中小企業診断士を始めとする支援者・支援機関には労務管理・働き方改革に関する、社会保険労務士には経営に関する理解と相談・提案機能が求められることから、中小企業庁と厚生労働省が連携し、地方における支援体制の不足にも留意し各地でよろず支援拠点と働き方改革推進支援センターとの一体運用を進めるなど、現場で総合的に経営と人事・労務管理を俯瞰できる人材を育成する仕組みを構築すべきである。また、都道府県とも連携しプッシュ型で専門家が支援を行うなど、事業者の相談に積極的かつ丁寧に応じられる体制を構築すべきである。こうしたサポート体制の構築により、中小企業・小規模事業者においても、従業員の価値観や事情に応じた個別最適な働き方を実践できるようにすべきである。
まずはこうした取組を着実に進め、現場における諸課題の解消を図るべきである。また、労働時間に関係する公的制度についても、多様な働き方を選択できることを前提とすべきである。働き方改革に積極的な企業を認定する制度においては、従業員の残業時間の上限を法令上の1か月45時間よりも低く設定しているなど、個別最適な働き方が評価されるよう検討すべき事例もある。政府においては、現場の実態を引き続き注視し、経営者への支援や法令の運用・見直し等、必要に応じて更なる検討を行っていくべきである。
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規制当局のあり方:規制監督範囲の明確化と適正な運用
6.「変化の時代」に対応するための基盤的支援体制の強化
中小企業・小規模事業者が、環境変化に受け身で対応するのではなく、自ら課題を捉え、投資や事業転換、付加価値創出に主体的に踏み出せる状況を生み出すことが本提言の目的である。
その前提として、年度や制度の切れ目に左右されない、予見性の高い中小企業予算を安定的に確保することは当然のことながら、それを現場で確実に活かし切る支援体制の構築が必要である。とりわけ、経営資源に制約のある中小企業・小規模事業者に対しては、経営課題の整理から実行段階までを伴走的に支え、「稼ぐ力」の強化や成長・変革につなげていくべきである。
また、被災地の復興支援や事前防災の徹底などの取組も引き続き実施していく必要がある。
(1)「稼ぐ力」の強化に向けた中小企業予算の重要性
中小企業・小規模事業者は、我が国経済と地域雇用を支える基盤であり、その成長と持続的発展を実現するためには、安定的かつ十分な予算措置が不可欠である。特に、足元の物価高や人手不足への対応を踏まえれば、中小企業が中長期の視点で投資や人材育成に踏み出し、「稼ぐ力」を高めていくことが可能となる環境整備が求められる。
高市内閣が示す「補正予算が組まれることを前提とした予算編成との決別」という考え方は、こうした課題認識のもと、事業者が将来を見通しながら経営判断を行えるよう、予見性の高い施策体系へと転換すべきであるとの趣旨であり、中小企業関連予算としても、補正予算に依拠した歪な予算フレームの抜本的な見直しや強化が必要であり、必要な規模の予算を当初予算として確保すべき。
また、「2040年の名目GDP1,000兆円」目標の達成に向けては、中小企業・小規模事業者が積極的な設備投資を通じて、売上高や付加価値額を高め、持続的な賃上げを実現することで、個人消費の増大にも繋がるという好循環を生み出していくことが必要である。
こうした大きな「変化の時代」に中小企業政策として対応していくためには、これまで既存基金の活用等を含めて確保してきた支援水準を踏まえつつ、成長投資や生産性向上に向けた設備投資促進、資金繰り支援、伴走支援体制の強化など、必要な施策を積み上げた「1兆円規模の当初予算」を確保することが不可欠である。
また、サプライチェーンを縁の下で支える中小企業・小規模事業者の存在は、高市内閣が掲げる日本成長戦略(戦略17分野・横断8課題)の実現に向けても極めて重要であり、こうした事業者への支援が、年度や制度によって途切れることのないよう、切れ目ない支援策を強化していくべきである。
なお、中小企業・小規模事業者支援については、国と自治体において一定の役割分担がなされるべきであるが、制度設計や全国一律の支援といった基盤的な施策は、国が責任を持って措置すべきものである。そうした基盤の上で、自治体が地域の実情に応じたきめ細かな支援を展開していくことが、地域にとっても効率的かつ実効性がある支援であり、その前提として、国による安定的な中小企業予算の確保が不可欠である。
(2)事業環境変化に対応する伴走支援体制の強化
事業環境が大きく変化していく中で、中小企業・小規模事業者が主体的に変革を進め、「稼ぐ力」を高めていくためにも、創業から企業の成長といった経営者が直面する様々な局面に寄り添い、経営課題の整理から実行段階の支援を行う伴走支援が重要である。
そのため、国が各地域の支援機関等の体制強化を図るとともに、都道府県・市町村、商工会・商工会議所、金融機関等が一体となって中小企業・小規模事業者を継続的に支える伴走支援体制を構築するとともに、支援リソースの確保や支援ノウハウ・ナレッジの蓄積・共有等に向けた支援基盤のより一層の整備が必要である。
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① 支援をより広く的確に届けるためのプッシュ型の働きかけや支援機関間連携の強化
持続的発展又は成長の可能性がある小規模事業者に対して、「稼ぐ力」の獲得に向けたプロセスに繋げるためには、まず経営者自身に「気付き」を提供することが必要である。そのために従来から行われている経営指導員等による巡回指導を含め、プッシュ型の働きかけは非常に重要な取組である。
一方で、各地域の支援リソースが限られる中では、小規模事業者の抱える様々な経営課題に対して、各地域の事情を踏まえ、都道府県や市町村のリードのもとで、地域の商工会・商工会議所、よろず支援拠点等の支援機関、専門家、金融機関が連携し、それぞれの強みを活かして伴走支援を行うことが求められる。
令和7年度補正予算にて措置がなされた自治体連携型補助金の事業環境変化対応枠を活用し、都道府県や市町村によるプッシュ型伴走支援の取組が始まったところであるが、今後はこれらのモデル事業の創出・展開を通じて、全国での取組を一層推進すべきである。また、この自治体連携型補助金や専門家派遣等費用に係る支援策について必要な財源を確保すべきである。
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② 「地域の経営力向上」を担う地方公共団体の役割
「地域の経営力向上」を通じた地域経済の持続的成長の実現は、人手不足や少子化、所得格差といった課題が深刻化する中において、その地域の自然的経済的社会的な条件に通じている地方公共団体が「地域経済の司令塔」として、地域の産業構造、サプライチェーン、労働供給等の実態を踏まえ、10年後、20年後の地域経済の担い手や維持・向上すべき機能を具体的に想定した上で地域未来戦略を反映した産業ビジョンを策定し、真に事業者の「稼ぐ力」を高めることに繋がる支援策を講ずることが求められる。
都道府県は、国との定期的な連絡会議を通じて事例や知見を蓄積しつつ、小規模事業者支援法に基づいて、市町村と連携して、地域の経済実態に即した広域的な経営発達支援計画の策定を促進すること等を通じて、支援機関や金融機関との連携の促進や実力ある専門家の確保等による実効的な伴走支援体制の構築を進めるべきである。
また、中長期的な支援リソース確保の観点から、経営支援人材の確保・育成のための財源措置の充実を図るべきである。
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③ 小規模事業者支援の中核たる商工会・商工会議所の改革
小規模事業者の経営支援の領域では民間ビジネスが成り立ちにくいことから、小規模事業者支援法に基づき、公的支援として商工会・商工会議所の経営指導員等による伴走支援が必要である一方で、経営指導員等の業務は質・量ともに急増しており、支援リソースの確保や支援ノウハウ・ナレッジの蓄積・共有が急務となっている。
そのため、経営指導員の人件費や事業費については、三位一体の改革等の流れを受け、平成18年度に都道府県の一般財源化が完了してから20年が経過した現在は都道府県が地域の実情を踏まえながら措置する仕組みになっている。地方財政が厳しさを増す中で、商工会・商工会議所への補助金交付額は伸び悩むとともに、地域間でバラつきがある状況にあるため、商工会・商工会議所による小規模事業者支援の基盤の再構築を検討すべきである。
それとともに、国と都道府県とが緊密に連携し、経営指導員等のなり手を確保するために必要な水準の処遇改善、増加する業務に対応するための支援体制の整備、広域経営指導員を含む経営指導員等の人件費や商工会館の施設整備費(修繕費・建替費用)等の事業費の確保に向けて、地財計画や地方交付税措置の不断の見直しを行う必要がある。
また、それら財源確保のため、小規模事業者支援法に基づく経営発達支援計画の実施状況報告の枠組み等を活用して、商工会・商工会議所による支援効果を把握・評価(スコアリング)し、商工会・商工会議所への予算措置を担う都道府県等に示していく仕組みを構築すべきである。これを受けて、都道府県や市町村においては、地域未来戦略と連動し、商工会・商工会議所の体制整備に努める必要がある。
さらに、商工会・商工会議所は、広域経営指導員を核とした経営指導員等の指導力向上、広域的な連携による事業・事務の集約、中小企業大学校や商工会・商工会議所の内部研修の拡充、有用なデジタルツールやサービスに係る知見や導入例等を学習するための民間オンライン学習サービス活用、生成AI活用による業務効率化や支援ノウハウ・ナレッジの蓄積・共有の仕組みの構築、既存業務の見直し・取捨選択、経営指導員等をサポートする専門家の活用促進、といった取組を積極的に進めるとともに、国は小規模事業対策推進等事業や専門家派遣等費用に係る支援策などにおいて必要な財源を確保しつつ、促進すべきである。
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④ 事業者の思いに寄り添う伴走者としての地域金融機関の役割
事業者の「稼ぐ力」の強化に向けて、中小企業経営者のマインドチェンジを促すとともに、その思いを具体化・ブラッシュアップし行動変容を促していく上で、事業者との経営課題に関する共通理解や信頼関係の醸成に基づく顧客企業への深い理解を最大の強みとする地域金融機関の果たす役割は大きい。地域金融機関が、個別の事業者の持続可能性を高めることに加え、地域経営的な視点を持って、関係機関との連携等を通じた地域モニタリング体制構築(事業者の成長余力管理等)を進めるとともに、地域にとって重要な産業分野やサプライチェーン等に係る事業者への重点的な伴走支援の実施など、「育てる金融」を実践していくために地域金融力の更なる発揮を促していくべきである。
(3)被災企業の復旧支援、防災・減災に向けた事前対策の促進
中小企業政策にとって、能登半島を含め、被災地の復興を支えることは最重要課題である。被災地の復旧・復興やなりわい再建に対しては、なりわい再建支援補助金、金融支援等を着実に実施するとともに、昨年は線状降水帯による広範な被害を踏まえ自治体連携型補助金における局激災害に対する支援の大幅な拡充を行う等により支えてきた。
今後、能登半島地震においては、特に奥能登地域で復旧・復興が本格化すること、近年では線状降水帯により広範な被害が生じていることなどを踏まえ、引き続き、なりわい再建支援補助金や自治体連携型補助金、金融支援等に関して充分な財源を確保した上で、被災中小企業に寄り添った支援を、関係自治体や支援機関とともにしっかり進めていく必要がある。
なお、被災企業の復旧対応が長期化する傾向があり、例えば、中小企業庁に加え、復興庁や、今後設置される防災庁、他省庁、地方公共団体など、現場の安心を最優先したうえで、役割の分担を行い、それに必要な体制強化を進めるべきである。
また、中小企業・小規模事業者の事業活動への影響を抑えるためにも、防災・減災に向けた事前対策に加え、昨今の中東情勢のような事態が生じた場合であってもサプライチェーンを維持する観点からも事業継続計画(BCP)の策定は重要であり、小規模事業者支援法の「事業継続力強化支援計画」に基づく、地方公共団体の施策との連携や商工会・商工会議所の経営指導員による小規模事業者への伴走支援により「事業継続力強化計画」の策定を促進すべきである。
以 上
中小企業・小規模事業者政策調査会の開催実績
中小企業・小規模事業者政策調査会
| 3月 3日(火) | 第1回 | ① 事業再生支援について ② 省力化を含む生産性向上について ③ 有識者ヒアリング ・加藤 寛史 阿部・井窪・片山法律事務所パートナー弁護士 ・木村 哲也 旭鉄工株式会社代表取締役社長 i Smart Technologies 株式会社 代表取締役社長 |
| 3月24日(火) | 第2回 | ① 中小企業政策の新たなKPIの設定について ② 中堅・中小企業の「稼ぐ力」強化戦略について ③ 価格転嫁・取引適正化について |
| 4月14日(火) | 第3回 | ① 事業承継・M&Aについて ② 中小企業における経済安全保障について ③ 有識者ヒアリング ・池田 淳一 株式会社日警保安 代表取締役 |
| 5月20日(水) | 第4回 | ① 調査会提言案について |
中小企業・小規模事業者政策調査会 地方の経営力向上小委員会
| 3月10日(火) | 第1回 | ① 100 億企業・10 億企業について ② 成長投資における政府金融の役割について ③ 中小企業M&A市場改革について ④ 有識者ヒアリング ・三宅 大功 株式会社女将塾代表取締役 ・松中 学 名古屋大学大学院教授 |
| 4月 7日(火) | 第2回 | ① 小規模事業者支援について ② ローカル・ゼブラについて ③ 創業支援について ④ 有識者ヒアリング ・立石 裕明 株式会社アテーナソリューション代表取締役 ・本田 勝之助 本田屋本店有限会社代表取締役 |
| 4月21日(火) | 第3回 | ① 経営者の意識改革・経営力向上支援について ② 有識者ヒアリング ・松本 めぐみ 松本興産株式会社取締役 ・山本 健太郎 株式会社SoVa代表取締役CEO |
| 5月 8日(金) | 第4回 | ① 10億企業 ② 有識者ヒアリング ・保田 英太 藍熊染料株式会社代表取締役 ・大山 智章 東京商工会議所中小企業相談部担当部長 中小企業相談センター所長 ・渡辺 孝 ビジネスサポートデスク(BSD)東京東 コーディネータ/中小企業診断士 |
中小企業・小規模事業者政策調査会 人材活用小委員会
| 3月31日(火) | 第1回 | ① 中小企業における働き方改革の現状について ② 有識者ヒアリング ・加藤 遼 株式会社パソナJOB HUB執行役員 ・川嶋 大樹 栃木精工株式会社代表取締役社長 ・川原 徹也 栃木精工株式会社取締役 |
| 4月17日(金) | 第2回 | ① 中小企業における人材マネジメント・働き方改革の現状について ② 有識者ヒアリング ・薗田 直子 株式会社リンクス人事コンサルティング 特定社会保険労務士/キャリアコンサルタント ・津曲 慎哉 えびの電子工業株式会社代表取締役CEO |
| 4月23日(木) | 第3回 | ① 中小企業における働き方改革の現状について ② 有識者ヒアリング ・大西 利佳子 株式会社コトラ代表取締役 ・藤原 加奈 株式会社フジワラテクノアート代表取締役副社長 ・藤原 由佳 株式会社フジワラテクノアート取締役 |
| 5月11日(月) | 第4回 | ① 中小企業の賃上げにおける社会保険料負担について ② 関係団体ヒアリング ・日本商工会議所 ・全国商工会連合会 ・全国中小企業団体中央会 |
金融調査会、中小企業・小規模事業者政策調査会 合同会議
| 3月17日(火) | 第1回 | ① 地域金融機関の在り方 ② 有識者ヒアリング ・田川 欣哉 Takram Japan株式会社 代表 ・櫻井 稔 Takram Japan株式会社 デザインエンジニア/ ディレクター |
経済産業部会、中小企業・小規模事業者政策調査会 合同会議
| 3月25日(水) | 第1回 | ① 「2026年版中小企業白書・小規模企業白書(案)」について |
日本成長戦略本部、中小企業・小規模事業者政策調査会 合同会議
| 4月16日(木) | 第1回 | ① 企業の稼ぐ力(中小企業)について |