司法制度調査会2026提言

~新時代における司法・法務行政の責務と進化   ― 公正・秩序・信頼を次の世代へ~

令和8年6月18日
自由民主党政務調査会
司法制度調査会

提言にあたって

現在、わが国では、少子高齢化の進行による人口減少、家族の在り方の多様化、人口減少や人口偏在等に伴う地域の社会的基盤の縮小や担い手不足による地域コミュニティの脆弱化など、社会構造そのものが大きく変容するとともに、生成AIをはじめとするデジタル技術の急速な進展、国際秩序を巡る不確実性や安全保障環境の厳しさの増大など、わが国を取り巻く内外の情勢や社会構造の変化が複層的に同時並行で進行する事態に直面し、解決すべき新たな社会課題も顕在化してきている。また、こうした変化が多様で、かつその進行のスピードがますます加速する中で、司法・法務行政は、このような国際環境の不確実性の高まりや国内状況の変動、人口・経済・価値観等の構造的変容を念頭に置いて、中長期視点に立って、柔軟性をもって課題に力強く対処していかねばならない。

その一方で、司法・法務行政は、国民の基本的権利・利益を擁護し、国民の安全・安心、社会の公正と秩序を支える国家の基盤であることから、その公正性、透明性及び信頼性は、いかなる時代にあっても揺るがせにしてはならない法の支配が成熟したわが国の社会の根幹をなすものである。司法・法務行政は、こうした社会や国内外をめぐる環境の変化が相互に影響し合う状況の下で、これまでの取組を漫然と続けるのではなく、時代の変化に対応しその責務を的確に果たしながら、社会の公正・秩序・信頼を維持し、これらを次の世代へと着実につなげていくことが求められている。

当調査会では、こうしたわが国社会や司法・法務行政が置かれている現状を踏まえ、令和7年12月から令和8年6月にかけて、合計18回にわたり会議を開催し(法務部会又は金融調査会との合同会議を含む。)、「新時代における司法・法務行政の責務と進化」をテーマに、これからの時代の司法・法務行政の在るべき姿について大局的な見地から議論を行った。また、当調査会の下に置かれた「犯罪被害者等保護・支援体制の一層の推進を図るPT」(以下「被害者等支援PT」)では、5回にわたり会議(内閣第一部会との合同会議を含む。)を開催し、犯罪被害者等やその支援に当たる方々から精力的にヒアリングを行い、「地域における誰一人取り残さない犯罪被害者等支援」をテーマに、犯罪被害者等基本法の理念に立ち返り、第五次犯罪被害者等基本計画に基づき、犯罪被害者等施策をさらに充実・深化させるべく、議論を行った。

本提言では、これらの議論を踏まえ、当調査会で取り上げた「人口動態・社会構造変化の時代における持続可能で力強い成長を支える司法・法務行政の基盤強化」、「不確実性と分断の時代における法の支配に根ざした司法・法務行政の展開」、「AI・デジタル時代の未来を見据えた司法・法務行政の革新」、「複合的治安リスクの時代にあっても揺るがぬ価値を守る司法・法務行政のアップデート」の4つのテーマに加え、「再審制度を含む刑事手続の改善及び機能の強化に向けた取組」及び被害者等支援PTで取り上げた「地域における誰一人取り残さない犯罪被害者等支援の実現」のテーマごとに、政府において喫緊に取組むべき具体的施策を示した。

当調査会は、本提言が示した各種施策が速やかに実現されることを通じて、司法・法務行政が時代に即して進化し、より一層国民に支持・信頼されるわが国の基盤となることを強く期待するものである。

第1 人口動態・社会構造変化の時代における持続可能で力強い成長を支える司法・法務行政の基盤強化

1 はじめに

人口減少・少子高齢化の急速な進行、地域社会の縮小、在留外国人の増加といった人口動態・社会構造の変化により、法的ニーズは多様化し、法的困難に直面する人々に対する在るべき支援の姿は大きく変化している。法的困難を抱える方々への支援ニーズは高まり続け、国民にとってより身近で、切れ目のない支援が強く求められている。また、地震や大規模水害・火災等の自然災害が頻発化・激甚化するなど先行きの見通しの立てづらい状況に直面している今こそ、変化にしなやかに対応できるよう、戦略的に司法・法務行政の人的・物的基盤を整備する必要がある。

2 地域における司法アクセスの確保と持続可能な法的インフラの整備

  • ⑴ 現状と課題

    日本司法支援センター(法テラス)は、民事・刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要な情報や法的サービスを受けられるようにするための総合的な支援(総合法律支援)を担う中核的存在として、平成18年に司法制度改革を受けて設立され、本年4月10日で設立20年を迎えた。その間、法テラスは、資力の乏しい方にとっての弁護士費用の過負担や司法過疎等の当初想定された司法アクセス障害の改善を図るだけでなく、人口動態や社会経済情勢の変化に応じ、また、特に近時は政府の施策動向を踏まえ、被災者、認知機能が十分でない高齢者・障がい者、DV・ストーカー・児童虐待の被害者、ひとり親並びに旧統一教会問題及びこれと同種の問題を抱えた方などの様々な法的需要に応えるべく、その業務範囲を拡充してきた。さらに、本年1月からは、犯罪被害者等が、原則法テラスの費用負担で、早期の段階から弁護士による包括的かつ継続的な支援を受けることができる犯罪被害者等支援弁護士制度の運用も開始された。

    もっとも、当調査会のヒアリングにより、人口減少や少子高齢化、弁護士の偏在といった司法アクセスをとりまく社会環境の変化に起因して、大都市・司法過疎地域のそれぞれで司法アクセスに課題が生じていること、また、それに対応するための法テラスの人的・物的体制が逼迫しており、全国的な体制維持にも困難を抱えていることが明らかとなった。

    このような課題に対処するため、法テラスは、今後、様々な困難を抱える方が地域において適切な法的支援を受けられずに取り残されることがないよう、あまねく全国において持続的にその役割を果たせる体制を整備するべきであり、具体的には以下の施策に取組むべきである。

  • ⑵ 具体的施策
    • ア 地域における司法の「アクセス空白」につながり得る社会課題に対応する司法インフラとしての基盤強化

      法テラスでは、各都道府県に地方事務所を設置するとともに、司法過疎地域に司法過疎地域事務所を設置するなど、地方における司法アクセスの向上に努めてきた。

      しかし、人口減少や少子高齢化、弁護士の偏在といった社会の変化や業務の複雑困難化が進む中で、過疎地域における弁護士過少という課題のみならず、都市部においても弁護士の受任拒否等により「弁護士がいてもたどり着けない」という新たな課題も顕在化している。地域ごとに異なる理由から生じる司法の「アクセス空白」に対応するため、地域の担い手確保も含めた司法インフラとしての運営基盤強化を図る必要がある。

      具体的には、既存の取組に加え、各地の自治体等との連携を強化し、過疎地域においては、ウェブ会議等のデジタル技術の活用による効率的かつ広範囲における司法ネットワークの展開等を行い、都市部においては、福祉機関等の関係機関と連携した支援拠点・スキームを構築し、法的困難を抱える方へのアウトリーチ型での法的支援の提供を推進するなど、各地の限りある人的資源を有効に活用した持続可能な総合法律支援体制を全国的に整備・展開していくべきである。

      また、地域の担い手確保は重要かつ喫緊の課題であることに鑑み、法テラスの運営基盤強化のため、例えば、スタッフ弁護士の全県配置に向けた弁護士会との連携強化などの方策について、令和8年3月から開催されている「法テラスの在り方に関する有識者検討会」における検討を十分に踏まえた適切な対応が求められる。

      さらに、虐待・いじめ問題の解決や被災者支援などの公益的活動を担う法曹人材を将来にわたって育成・確保することが、中・長期的スパンでの抜本的な「アクセス空白」解消のために重要であるから、これからの時代において、こうした公益的活動を中核的に担っていくことが期待される、いわゆる谷間世代を含む若手・中堅弁護士に対する育成・支援についても、中長期的視点に立ち、積極的にその対応を検討する必要がある。

    • イ 多様なニーズに対応した民事法律扶助の充実強化

      民事法律扶助は、資力の乏しい方に対し、無料法律相談や民事事件手続における弁護士費用等の立替を行う法テラスの基幹業務であるが、近時の社会経済情勢の影響により、生活保護受給者の増加及び破産申立て事件の増加等を背景とした利用者当たりの費用単価の上昇や償還金収入の減少等が続いている。また、社会構造の変化に伴い法的ニーズの多様化が進み、ひとり親、未成年者、高齢者、障がい者、外国人等の様々な困難を抱えている方々に対する、それぞれの法的ニーズに応じた適切な法的支援の必要性が増している。

      法テラスの基幹業務である民事法律扶助において、利用者に必要かつ適切な法的支援を適時・迅速に届けられないという事態が生じることのないよう、体制や予算の面も踏まえて、持続可能な形で民事法律扶助を充実強化すべきである。

3 時代の変化に耐えうる司法・法務行政基盤の整備

  • ⑴ 法務省施設の防災・減災対策、老朽化対策の推進

    法務省が所管する施設は、検察庁、刑務所、保護観察所、法務局、出入国在留管理局、公安調査庁といった、国の治安維持に直結する機能を有し、国民の安全・安心な生活を実現する法務省の各種施策を遂行する上での重要なインフラとしての役割を担うとともに、不特定多数の一般来庁者が利用するという特徴を有している。

    それにもかかわらず、法務省施設の現状をみると、その約4割以上が現行の耐震基準制定前に建設された建物であり、今なお耐震性能が不足している施設が少なくない。中でも、被収容者を365日24時間にわたって安全かつ確実に収容することが求められる刑務所等の収容施設において耐震性能不足の建物が多く認められることは憂慮すべき問題である。また、法務省所管の職員宿舎においても、耐震基準を満たしていない建物が少なからず存在していることは、職員の安全のみならず、人材確保の観点からも改善すべき課題といえる。

    第1次国土強靭化実施中期計画(令和7年6月6日閣議決定)においても、法務省施設の老朽化対策と併せ、耐震化を着実に推進するとされているところ、今後講じるべき具体的な防災・減災対策や老朽化対策は、法務省の施策や業務がいついかなるときであっても不断に継続される必要があるといった観点や、国民の安全・安心に資する施設整備が行われるべきであるといった観点から検討されるべきである。

    具体的には、例えば巨大地震が発生したときであっても、法務省施設を利用している不特定多数の一般来庁者や職員、それに被収容者の生命・身体の安全を確保し、業務を継続することができるようにするため、現時点で耐震性能を満たしていない建物の建替え工事や耐震改修工事を早期かつ計画的に推進すべきである。

    また、平成28年熊本地震の際には刑務所が避難所として開放され、多くの地域住民の受け入れを行うなど、刑務所等の施設は災害発生時に地域の避難所として機能し得る。現在、100を超える矯正施設が地方自治体等との防災協定を締結していることにも鑑みると、災害時において地域住民の避難所を確保するという観点からも、刑務所を始めとする法務省施設の耐震化対策をより一層強力に推進する必要がある。

  • ⑵ 老朽した設備に対する予防保全を含めた効率的な対策

    法務省施設の電気設備、空気調和設備などのインフラ関係設備の老朽化により、突発的な停電によって長時間にわたり窓口業務を停止せざるを得なかった事案や、多くの法務省施設でエアコンが故障し動かなくなるなどの事案も発生している。このような事態は、法務省施設における利用者に対する行政サービスの低下や治安維持機能の低下を招くものであって、社会的な影響が非常に大きいため、故障等が発生してからではなく、日常点検結果や耐用年数の経過状況を踏まえて予防的に改修工事を実施することも含め、庁舎機能を適切に維持するための効果的・効率的な整備を推進する必要がある。

  • ⑶ 時代の変化に対応する施設整備

    令和7年6月、それまでの懲役及び禁錮が廃止され、新たに拘禁刑が導入されたことにより、受刑者に対する処遇の在り方が大きく変わることとなった。刑事手続のデジタル化をはじめとする司法・法務行政基盤のデジタル化も進展しつつある。法務省施設は、このような新たな行政需要に適切に対応できるよう、適切に整備されることが必要である。特に、現在、刑務所では高齢受刑者や外国人受刑者が増加しており、それまでの施設の構造や設備をそのまま維持したのでは、拘禁刑の目的である個々の受刑者の特性に応じた処遇が困難になる上、職員の負担も増加する。そこで、例えば、高齢受刑者の場合は医療や介護が必要となり、外国人受刑者の場合は宗教や生活様式が異なることへの配慮が必要となるなど、個々の受刑者の特性に合わせた適切な処遇が可能となるような施設整備を進めるべきである。

    加えて、施設整備に当たっては、地球温暖化対策計画をはじめとする各種政府計画等を踏まえ、LED照明や太陽光発電、木材の積極的な利用等も計画的に実施する必要がある。併せて、施設や設備のライフサイクルコストの低減に資するべく、新しい技術の導入についても検討すべきである。

第2 不確実性と分断の時代における法の支配に根ざした司法・法務行政の展開

1 はじめに

国際紛争の長期化や地政学的リスクの拡大、国際社会における対立と分断の深まりなど、国際政治・経済・安全保障を取り巻く環境が激動し、先行き不透明な形で急速に推移している状況において、法の支配が成熟した社会を有するわが国が、国際社会においてプレゼンスをさらに発揮し、激動する国際社会をリードしていく役割を果たしていく上では、法務行政は、法の支配を国際社会に行き渡らせるという明確なゴールをもって、諸外国との連携を強化するなどしながら戦略的に司法外交の施策を進めていく必要がある。また、インバウンド需要が増加し、中長期在留外国人数も伸び続け、400万人を突破した現下の国内情勢において、国民が安全・安心に暮らせるよう、秩序ある共生社会の実現に向けた出入国在留管理の取組を着実に進めるとともに、わが国が中心となって国際社会で「法の支配」をはじめとする普遍的価値を浸透させるなど、国際秩序の中で戦略的優位を確保する取組を進めることが強く求められる。

2 秩序ある共生社会の実現に向けた取組の強化

  • ⑴ 在留外国人等に対する支援と適正な在留管理の一体的な推進
    • ア 現状と課題

      当調査会では、2025年提言においても、「日本型多文化共生社会の実現に向けた取組みの強化」と題し、中長期的な視点で在留外国人の状況に応じた受入れ環境の整備を進めることを求め、在留外国人等に対する相談・支援体制や情報発信の充実強化、在留外国人との共生に係る啓発月間に関する取組の更なる強化等多岐にわたる施策を提言した。これを受けて、政府においては、令和8年1月に「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」を新たにとりまとめ、わが国の法やルールの中で、国民と外国人の双方が安全・安心に生活し、共に繁栄する社会の実現を目指すための取組を進めている。

      政府においては、秩序ある共生社会の実現に向けて、将来を見据え、在留外国人を取り巻く状況の変化も踏まえながら、地方公共団体や外国人支援団体等の関係団体と連携・協力しつつ、政府一体となって外国人の受入れ・秩序ある共生社会の実現に向けた取組みを更に進めていく必要がある。

      また、秩序ある共生社会の実現に当たっては、わが国に入国する外国人においても、日本語を始め、日本の風土・文化等を理解するよう努めていくこと、そして、日本のルールや制度を理解し、尊重し、これを守って生活することが大前提となるべきであり、政府は、外国人の受入れ環境整備にとどまらず、適正な在留管理の着実な推進にも留意し、これらを両輪とした施策を推進していかなければならない。

    • イ 具体的施策
      • (ア) 秩序ある共生社会実現のための在留外国人等に対する支援・情報発信等
        • ① わが国に在留する外国人を対象とした日本語等の学習プログラムの創設

          前述したように、わが国に在留する外国人(帯同家族を含む。)が、日本語をはじめ、日本の風土・文化等を理解するよう努めていくこと、そして、日本のルールや制度を理解し、責任ある行動をとることが必要とされている。他方、外国人が日本語や日本の風土・文化、ルール・制度等を分かりやすく学習するための機会が限られている。また、当該機会に参加するためのインセンティブが欠如していることが問題となっている。

          そこで、帯同家族を含め、わが国に在留する外国人が、日本語やわが国の制度・ルール等を学習するプログラムの創設を検討すべきである。プログラムの創設に当たっては、例えば入国前後や滞在年数等の各段階に応じた内容とすることや、プログラムの受講・内容の理解が在留審査上のインセンティブになるような実効性のある制度となるよう検討していくべきである。

        • ② 各地における相談・支援体制の充実強化等

          在留外国人が生活する上で抱える問題は複雑かつ複合的である上、近年の在留外国人の増加に伴い、相談窓口だけでは支援が行き届かない状況や言語によっては地方公共団体による通訳人の確保が困難となっている状況も見受けられる。

          そこで、窓口来訪を前提としないアウトリーチ型のオリエンテーション等による支援についても外国人受入環境整備交付金を活用して試行実施した上で、その実施状況等を踏まえ、地方公共団体における一元的相談窓口の機能強化や改善を図るとともに、引き続き、通訳支援事業等を実施し、在留外国人が地方公共団体の行政窓口で母国語による相談対応や情報提供を受けられる環境を整備することで、相談体制の充実・強化を図るべきである。

          また、在留外国人に関する課題について地方公共団体から国に相談できる体制の整備を含め、国と地方公共団体の連携を強化すべきである。その際、外国人在留支援センター(FRESC)において実施している関係機関との連携によるワンストップ型支援の仕組みを地方にも展開するなど、相談窓口等の体制強化を計画的に進めていくべきである。

          さらに、生活上の困りごとを抱える外国人を適切な支援につなげ、解決に導く上で、外国人支援コーディネーターの役割が重要となることから、引き続き、外国人支援コーディネーターの育成・認証を進めるとともに、外国人支援コーディネーターの活動状況及びその運用状況を踏まえ、専門性の高い支援人材の認証制度の在り方等を検討するなど、更なる制度の充実・強化を図るべきである。

        • ③ 在留外国人等に対する情報発信の充実強化等

          在留外国人の中には、言語能力やインターネット環境等の問題から、国や地方公共団体がホームページやSNS 等で提供する情報に自力でたどり着くことができず、あるいは、情報に接することができても自力で支援にたどり着けない方も少なくないと考えられる。そこで、こうした在留外国人に対して支援を実施している民間支援団体等のネットワークを利用した情報発信を含むアウトリーチ支援を強化するため、支援を実施する地域の拡大を検討すべきである。

          また、前述したとおり、秩序ある共生社会を実現する上で、外国人にわが国の風土・文化、ルール等を理解して尊重してもらうことも重要である。そこで、生活・就労ガイドブックや生活オリエンテーション動画といったオリエンテーションツールについて、定期的に更新するなど内容の充実を図りつつ、地方公共団体や外国人を雇用する企業等における積極的な活用を促進するとともに、在留外国人やわが国に在留しようとする外国人に対しても、各種の広報ツールを活用して周知を図り、その活用を促すことで、わが国のルール等の正しい理解と遵守に努めるべきである。また、外国人を雇用する企業がその従業員や家族に対して行っているオリエンテーション等の好事例を普及等することを通じても、秩序ある共生社会に向けた環境整備を図るべきである。

          さらに、入国前の外国人や在留外国人が、日本のルールや制度等を学習し、日本社会への円滑な適応を進めるため、日本の法令、マナー、各種制度、文化・習慣等に関する情報を体系的に提供するとともに、ニーズや疑問を丁寧に把握しつつ、質疑応答を通じた双方向の対話型オリエンテーションを拡充し、日本語学習への動機付けを図るとともに、日本での生活に必要な情報へ確実にアクセスできる環境の整備を目指すべきである。

        • ④ 在留外国人との共生に係る啓発月間に関する取組みの更なる強化

          在留外国人との秩序ある共生社会を実現するには、日本社会が、その実現について理解し協力するよう努めていくことも重要である。政府は、令和6年に創設した、毎年1月の「ライフ・イン・ハーモニー推進月間」における会場参加型イベントを含む各種啓発活動を着実に実施するとともに、わが国で生活する人々が共に社会を作っていくことの意義等について関心と理解を深められるよう、更なる内容の充実を図っていくべきである。

      • (イ) 難民等の適切な保護・支援の強化

        難民等の保護・支援に関しては、令和5年12月に開始した補完的保護対象者認定制度を適正に運用するとともに、長期化している難民認定申請の処理につき、誤用・濫用的な申請への対応や審査の効率化に努め、標準処理期間内での処理が実現できるように取り組むなど、制度全体として、難民及び補完的保護対象者に対する一層迅速かつ確実な保護及び支援を実現すべく、審査体制及び支援体制を整備する必要がある。

        そして、適正に認定された難民、補完的保護対象者及び第三国定住難民に対しては、わが国における定住・自立のため、原則として「定住者」の在留資格を付与し、日本語教育や生活ガイダンスを受講できる「定住支援プログラム」を提供するとともに、これらの者からの各種相談に対応するなど適切な支援を実施すべきである。

      • (ウ) 適正な在留管理の推進
        • ① 在留管理の一層の適正化

          前述のとおり、わが国における在留外国人数は増加傾向にあるところ、外国人との共生社会を実現していくためには、わが国の法令やルールを遵守することを前提としつつ、これを逸脱する行為に対しては、公正かつ厳正に対処すべきである。

          在留資格制度については、それぞれの在留資格が本来予定している活動内容や制度趣旨に沿って適切に運用されることが重要であり、制度の趣旨と実際の活動実態との間に乖離が生じている場合には、その実態を踏まえ、制度・運用の適正化に向けた見直しを不断に進めるべきである。

          そのため、必要に応じて実際に現地に赴くことを含め、実態調査の取組を一層強化すべきである。また、各在留資格に係る活動実態や資格外活動の状況、受入れ機関等における運用の実情を正確に把握し、関係機関とも連携しながら、制度の適正な運用を確保するための対応を講ずるべきである。

          在留資格「経営・管理」については、事業実態のない案件が散見されたことなどから、昨年10月に改正省令を公布・施行しているが、引き続き実態調査を行うなど制度趣旨に沿った受入れとなるよう適正な運用に努めるべきである。

          在留資格「技術・人文知識・国際業務」については、認められた活動内容に該当しない業務に従事するなど、資格該当性のない業務に従事することが疑われる事案などについて、関係機関とも連携しながら、不適切な就労の防止を図るべきである。

          在留資格「留学」については、本年4月から外国人雇用状況届出を活用し、複数の稼働先で資格外活動を行っている留学生を特定するなどして、教育機関と連携した実態把握や指導を開始したところ、令和9年から開始予定のマイナンバーカードを活用した情報連携に合わせ、留学生の所得情報を活用することで、より的確かつ厳正な審査を実施する方向で、資格外活動違反者の調査に係る運用の詳細を検討すべきである。

          在留資格「永住者」については、今後、永住許可基準について、永住許可を行う趣旨を踏まえた独立生計要件や国益要件の見直し、日本語やわが国の制度・ルール等を学習するプログラムを受講することを条件とすることを含めて検討すべきである。また、永住者の在留資格取消しの施行状況を踏まえつつ、取消事由の範囲の拡大を含め検討すべきである。

        • ② 不法滞在者ゼロプラン(不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~)及び不法就労対策の強力な推進

          秩序ある共生社会を実現するためには、わが国に適法に滞在する外国人に必要な支援を届ける一方で、不法に滞在する外国人に対する適切な対処も不可欠である。この点、不法滞在者等への対策強化に関しては、令和7年5月に公表された「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」により、不法滞在者ゼロを目指すことを理念として取組が行われてきた。

          しかしながら、令和8年1月1日時点において、なお、不法残留者数は約6万8千人に上っている。

          そこで、不法残留者数の増加要因と減少要因の現状分析により、増加要因を減少させる施策及び減少要因を増加させる施策を網羅的に検討の上、今後重点的に取り組むべき施策を取りまとめた「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」に基づき、例えば、

          • ・ 増加要因を減少させる施策である、JESTAの導入や厳格な査証審査に活用するための出入国在留管理庁及び外務省の情報連携の強化
          • ・ 減少要因を増加させる施策である、護送官付き国費送還の更なる強力な推進、摘発の強化、さらには不法就労を助長する者の摘発強化や各業法による厳正な対応を行った状況を踏まえた不法就労助長罪と各業法の欠格事由の在り方の検討
          • ・ 双方に効果のある施策である、難民認定申請の審査の迅速化や出入国在留管理のDX

            を着実かつ効果的に実施していくべきである。

            さらに、強力推進パッケージにおいて、関係機関と連携して取り組む「不法就労対策パッケージ」が盛り込まれており、同パッケージについても強力に推進するべきである。

            具体的には、在留カード等読取アプリケーション及び在留カード等番号失効情報照会の普及を促進するとともに、これらの連携を含めた機能の充実を図るなど偽変造在留カード対策を強化するとともに、外国人雇用状況届出制度の厳格な運用を図るなどの不法就労そのものの予防や、SNS等の情報を収集・分析するなどした摘発を推進するべきである。

            また、不法就労者を雇用する者への一層厳正な対応が必要であることから、不法就労助長を行った外国人が刑事処分を受けなかった場合であっても積極的に退去強制手続を執るべきである。

  • ⑵ 外国人の受入れの基本的な在り方の検討の推進
    • ア 現状と課題

      人口減少及び在留外国人数の増加が加速度的に進む中で、外国人比率が一定程度増加することを想定し、これを見据えた対策を講じておくことで、国民の安全・安心を守り、秩序ある外国人との共生を実現しながら活力ある日本社会の実現を図る必要がある。もっとも、将来的な人口減少を見据えて経済社会を支えるために外国人の受入れの必要性・許容性に関する戦略的検討や、外国人比率が一定程度上昇した場合を想定した社会への影響等の観点から諸制度の適正化の枠組みに関する議論がされてこなかった。これらの課題を踏まえ、令和7年8月に鈴木法務大臣(当時)が公表した「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のための論点整理」において示したとおり、①経済成長の観点、②産業政策の観点、③労働政策の観点、④税・社会保障等の観点、⑤地域の生活者としての観点、⑥治安の観点、⑦出入国及び在留管理の観点という7つの観点から中長期的かつ多角的に外国人の受入れの基本的な在り方の検討を進めることが非常に重要である。

    • イ 具体的施策

      同論点整理の公表と同時に出入国在留管理庁内に設置した「外国人の受入れの基本的な在り方の検討のためのPT」において基礎的な調査・検討を実施し、省庁横断的な更に具体的な調査・検討、将来推計等に有用な既存の将来推計やこれに関連する資料等の収集、関係各所からのヒアリング、関係省庁からの関連情報の収集を実施したことは評価する。

      また、出入国在留管理庁が実施した基礎的な調査・検討を受け、本年4月以降、「内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室」を中心として、省庁横断的に、更に具体的な調査・検討等を開始し、そのために必要な体制の強化を行ったことは前進である。

      引き続き、同論点整理の内容も踏まえつつ、関係省庁で連携し、社会保障や教育等を含む外国人に係る諸課題を整理し、将来推計等も行いながら、外国人の受入れの基本的な在り方についての検討を着実に進めていくべきであり、法務省としても、出入国及び在留管理の観点からの検討を含め、求められる役割を十分に果たしていくべきである。

      その際、上記検討の前提として、「在留管理の適正化」・「在留資格の在り方の検討」の一層の推進や、多くの外国人が在留することを前提としていなかった諸制度の見直し状況・成果等も踏まえることが必要であり、例えば、①経済成長、②産業政策及び③労働政策の観点に関する取組としては、育成就労制度の運用に当たり、人手不足の地域で人材確保が適切に行われ、地域経済の活性化等に資するよう、地域協議会の設置及び活用等の受入れ環境の整備等を進めていく必要があり、④税・社会保障等の観点に関する取組としては、出入国在留管理庁・関係機関間の情報連携の在り方について検討する必要がある。

      さらに、⑤地域の生活者としての観点に関する取組としては、いまだ日本語教室空白地域等に在住し、日本語教室に定期的に通うことが困難な外国人等を含めた「生活者としての外国人」に対して、適切な内容の日本語学習機会を確保することが必要である。

      最後に、⑥治安の観点及び⑦出入国及び在留管理の観点に関する取組としては、前述のとおり、不法滞在者ゼロプラン、不法就労対策の強力な推進及び在留管理の一層の適正化が求められる。

      以上のような取組を確実に行い、党の「外国人政策本部」における総合的かつ横断的な外国人政策の見直しに関する議論が進み、施策を強力に推進することが求められていることを十分に踏まえ、政府において実効性のある外国人の受入れの在り方の検討がなされるものと期待する。

  • ⑶ 外国人被収容者特有のニーズ等を踏まえた対応・処遇の充実強化

    わが国に入国する外国人の急増に伴い、刑事施設における外国人被収容者特有のニーズ等を踏まえた対応・処遇の重要性が一層高まっている。具体的には、外国人被収容者の多くが、日本人とは言語、生活習慣、宗教等を異にしており、その処遇を適切に行うためには、所内生活上の規則や処遇等に関する通訳・翻訳、各人の宗教や生活習慣に配慮した食事・環境の提供といった対応・処遇が必要になることを踏まえ、その充実を図るための人的・物的体制の強化を図るとともに、国際受刑者移送制度に基づく円滑かつ着実な送出移送を推進すべきである。

  • ⑷ 不動産登記における国籍情報の把握

    土地は所有者のものである一方で、国家の三要素の一つである領土を構成するものとして、国の主権と不可分に結びつくものである。外国人がわが国の土地を取得することについての国民の不安は外国人による不動産保有の実態が良く分からないことにも起因しており、厳しさを増す安全保障環境から国民生活を守り抜き、国民の安全・安心及びわが国の健全な発展につなげていくためには、国土全域における土地等に関する情報の透明化を図った上で、新たな土地取得等のルールの在り方を検討する必要がある。

    法務省では、不動産登記において外国人による不動産所有の実態を把握するため、所有権の移転の登記等の際に所有者となる者の国籍情報の提供を義務付ける省令改正がされ、令和8年10月にその施行が予定されているところであるが、今後、その安定的かつ着実な実施に向けて、例えば、パンフレットやリーフレットを全国の法務局や関係団体に配布するなどして改正内容の適切な周知広報を行うとともに、システム整備を始めとする運用体制の整備等を進めるべきである。また、新たな土地取得等のルールの在り方については、政府全体でその検討を進めるべきである。

3 「法の支配」を基軸とした司法外交の戦略的推進

  • ⑴ 激動する国際情勢の下での司法外交の戦略的推進~地域間連携、世代間連携のハブを目指して~

    中国による東シナ海・南シナ海での力や威圧による一方的な現状変更の試みの強化やわが国周辺での軍事活動の拡大・活発化、北朝鮮による核・ミサイル能力の向上の追求、4年以上にも及ぶロシアによるウクライナへの侵略など、現在、国際社会では、力による現状変更の試みや威圧が見られ、「法の支配」に基づく自由で開かれた国際秩序は危機的な状況にある。

    このような激動する国際情勢の中で、「法の支配」や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際社会に浸透させる司法外交の重要性は、より一層高まっており、わが国としても、「法の支配」等の基本的価値を共有するパートナー国との結束をより一層強固なものとして、司法外交を強力に推進する必要がある。特に、東シナ海、台湾海峡、南シナ海をはじめとするわが国周辺における中国による軍事的圧力の高まりを踏まえれば、わが国にとって重要なアジア太平洋地域の秩序の安定が欠かせない。

    そのためには、これまで大臣会合を通じて連携を強化してきたASEAN諸国、G7諸国に加え、地政学的要衝となる中央アジア諸国、太平洋島しょ国等との間で、マルチ、バイといった様々な枠組みを戦略的に活用し、司法・法務分野における連携を一層強化する必要がある。

    同時に、経済成長の基盤としての法制度の安定性が極めて重要であることを考えれば、わが国としても、要請に応じ、積極的に各種法制度整備支援を行っていくべきである。そして、わが国が中心となって地域間連携を促進し、グローバルサウスを含む世界の多くの国々との間で、「法の支配」等の基本的価値の共有を進めるとともに、次世代を担う若者のエンパワーメントを推進し、若者を含めた多くの世代間でも「法の支配」等の基本的価値の共有を進めることで、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化に積極的に貢献することが期待される。

    わが国は、このような地域間連携、世代間連携の双方のハブとしての役割を担い、司法外交を戦略的に推進することを目指すべきである。

  • ⑵ 国際会議の開催等を通じたマルチの枠組み及びパートナー国とのバイの枠組みでの連携を通じた「法の支配」の推進
    • ア 日ASEAN法務大臣会合の定期開催等

      令和5年に開催された「日ASEAN特別法務大臣会合」を契機に、わが国とASEANとの協力関係はより一層強固なものとなり、令和7年11月に第1回の「日ASEAN法務大臣会合」が開催され、今後、同会合が定期開催されることとなった。このようなわが国とASEAN諸国の閣僚レベルの対話を継続して行うことで、ASEАN地域における「法の支配」の推進に一層貢献するとともに、ASEANと連携し「法の支配」等の価値を国際社会に浸透させる取組を進めるべきである。

      また、第1回日ASEAN法務大臣会合においてわが国が提案した「日ASEAN再犯防止協力対話」は、わが国が誇るべき再犯防止施策に関する知見をASEAN地域に普及し、同地域の再犯防止施策の充実に貢献する画期的な取組である。令和7年12月に国連総会で採択された「再犯防止国連準則」(京都モデル戦略)においても、わが国の保護司制度が取り上げられるなど、わが国の再犯防止施策に対する注目が高まっており、極めて時宜を得た取組であることから、早期にこの対話の実現に向けて取り組むべきである。

    • イ 中央アジア+日本法務大臣会合の開催

      アジアの中心に位置し、中国やロシア、イランと接するなど地政学的要衝となる中央アジア諸国との間で、「法の支配」等の基本的価値を共有すること、また、法制度整備における協力を進めていくことは国際社会にとって非常に重要な意義を有する。

      わが国は、これまで、法制度整備支援等を通じ司法・法務分野においても中央アジア諸国との連携を図ってきた。この連携をより一層強固なものとし、中央アジア諸国との間で「法の支配」の重要性の認識を共有するために、マルチ及びバイの枠組みでの連携を図るべきである。

      令和7年12月に開催された「中央アジア+日本」対話・首脳会合の成果文書である東京宣言においても、「中央アジア+日本」法務大臣会合の開催に関する事項が明記された。令和8年中に、閣僚レベルで中央アジア諸国とマルチの対話を行う「中央アジア+日本」法務大臣会合の開催を実現し、閣僚レベルで「法の支配」の重要性の認識を共有し、中央アジア諸国の「法の支配」推進に貢献すべきである。

    • ウ 次世代を担う世界各国の若者や、ASEAN・G7の次世代のリーダーとの間の連携の促進

      令和3年開催の京都コングレスの成果として、わが国は、世界各国の次世代を担う若者が議論する「グローバルユースフォーラム」を継続的に開催してきた。

      また、令和5年開催の「ASEAN・G7法務大臣特別対話」の成果として、わが国は、ASEAN・G7各国の若手法務省職員等が集い、ネットワーク構築等を図る「ネクスト・リーダーズ・フォーラム」を継続的に開催してきた。

      これらのフォーラムは、マルチの枠組みで世界各国の若者も含めた世代間連携、地域間連携を推進し、「法の支配」等の基本的価値を共有するための極めて重要な枠組みである。引き続き、このようなフォーラムを継続的に開催し、わが国が次世代を担う世界の若者や、ASEAN・G7の次世代のリーダーとの間の連携のハブとなるべきである。

    • エ 国際会議等のレガシーの継承と持続的発展
      • (ア) 再犯防止国連準則

        令和3年開催の京都コングレスの成果としてわが国が策定を主導してきた「再犯防止国連準則」(京都モデル戦略)が令和7年12月に国連総会において採択された。

        京都コングレス後初めて開催されるアブダビ・コングレスにおいては、こうした成果を踏まえた取組を紹介するなどして京都コングレスのレガシーを継承するとともに、今後もわが国が各国における再犯防止施策の充実に向け、リーダーシップを発揮すべきである。

        また、京都モデル戦略の理念を踏まえ、令和9年度に日本で開催予定のアジア太平洋矯正局長等会議(APCCA)において、わが国における矯正行政の先進的な知見を各国に共有するなどして、同地域における再犯防止に向けた取組の推進を主導することにより、同地域におけるわが国のプレゼンスを向上させるとともに、安定的な経済活動の前提となる「法の支配」を基軸とした良好な治安を確保すべきである。

      • (イ) ウクライナ汚職対策タスクフォース

        令和5年開催の「G7司法大臣会合」の成果としてわが国が事務局を務めてきた「ウクライナ汚職対策タスクフォース」の活動は、ウクライナや諸外国から高い評価を得ており、今後も、この活動を踏まえた支援を推進し、ウクライナにおける「法の支配」の推進に貢献していくべきである。

    • オ パートナー国とのバイの枠組みでの連携を通じた法の支配の推進

      これまでわが国は、ASEAN、G7、中央アジア諸国、太平洋島しょ国等との間で、バイの枠組みで様々な対話を重ね、パートナー国との連携を図ってきた。

      現下の国際情勢で、「法の支配」等の基本的価値を世界に浸透させ、「法の支配」に基づく国際秩序を維持・強化するためには、これらの価値の重要性を共有するパートナー国との連携、協力関係をより一層強化することが極めて重要である。

      そのため、より多くのパートナー国と、これまで構築した信頼関係を基盤として、あらゆる機会をとらえて、閣僚、高級実務者を含む様々なレベルで戦略的に対話を推進すべきである。

  • ⑶ 法制度整備支援の戦略的推進とそのネットワークの活用を通じた法の支配の促進
    • ア 法制度整備支援の戦略的推進

      平成6年からベトナムを皮切りにASEAN地域を中心に実施してきたわが国の法制度整備支援は、その国のニーズに応じたオーダーメイドな寄り添い型の支援として、世界各国から高い評価を得ている。

      法制度整備支援は、正に、相手国における「法の支配」が浸透した社会の実現に直接貢献する取組であるから、引き続き、国際情勢や世界各国のニーズを踏まえ、ASEAN地域にとどまらず、中央アジア諸国、南西アジア諸国、太平洋島しょ国、アフリカ諸国等への法制度整備支援を戦略的に推進すべきである。

      また、4年余りにも及ぶロシアによる侵略下にあるウクライナへの法制度整備支援は、「法の支配」の浸透した社会の実現のために不可欠な課題である。国連アジア極東犯罪防止研修所(UNAFEI)や法務総合研究所国際協力部(ICD)を通じ、汚職対策や司法改革等の分野におけるウクライナ支援を強力に推進すべきである。

    • イ アラムナイネットワークや人的アセットの活用

      わが国がこれまで長きにわたり実施してきた法制度整備支援や国際研修等の国際協力の取組で得た人的な繋がりや法的知見、わが国に対する信頼は、わが国の貴重な財産である。各種国際研修等のアラムナイネットワークや法制度整備支援による人的アセットの活用等により、この貴重な財産を今後の司法外交を展開する上での新たな原動力として取り込むべきである。

  • ⑷ 民商事法分野の国際ルールの形成・普及の主導や国際仲裁の活性化を通じた「法の支配」の推進
    • ア 民商事法分野の国際ルールの形成・普及の主導等

      国際社会における民商事法分野の国際ルール形成は、国際的な商取引を活性化するとともに、同分野における「法の支配」の推進につながる重要な課題である。

      国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)等の国際機関とも連携しながら、民商事法分野の国際ルール形成に向けた議論をリードするとともに、形成されたルールの普及に当たり、わが国がリーダーシップを発揮し、国際社会における「法の支配」の維持・強化を図るべきである。また、このような目的を達成するために、UNCITRAL等への国際機関への法務省職員の派遣を継続・強化すべきである。

    • イ 国際仲裁の活性化

      いかなる国・地域で国際取引に関する法的紛争が生じた場合であっても、「法の支配」の概念に基づき公平・公正に解決されることが確保されるよう、わが国が国際仲裁の活性化をリードするべきである。一昨年にとりまとめられた「国際仲裁の活性化に向けて考えられる施策」(令和6年指針)に基づき、官民が緊密に連携し、日本国際仲裁ウィークの開催を始めとする国際仲裁の国内外への周知啓発活動を推進するとともに、仲裁人・仲裁代理人としてグローバルに活躍する人材の育成を強力に推進すべきである。

  • ⑸ 司法外交の推進の基盤となる国際法務人材の育成と国際機関等との連携強化

    これまで述べた司法外交の更なる推進のためには、国際会議や二国間対話を円滑に遂行することができる法的思考力、語学力及び実践力を兼ね備えた国際法務人材の確保が不可欠である。

    そのためには、日々の業務や研鑽を通じた法的知見の習得のみならず、様々な層の職員に、語学研修等を活用して国際会議や交渉等の実務に耐え得る高度の語学力を定着させるとともに、国際会議への出席や国際交渉の対応等の業務に関与させるなど、戦略的に国際法務人材を育成する必要がある。

    また、グローバルユースフォーラムやネクスト・リーダーズ・フォーラムなどのフォーラム等を継続的に企画・実施し、わが国の若手法務省職員をこれらのフォーラム等に参画させることにより、国際関係業務の実践力を身に着けさせるとともに、わが国の職員と世界各国の政府職員等とのネットワークを構築すべきである。

    さらに、国際法務人材のキャリア形成も見据えながら、国際機関等に戦略的に法務省職員を派遣することにより、法務・司法分野におけるわが国と国際機関等との連携を強化しながら、わが国がリードして「法の支配」の価値を国際社会に浸透させるべきである。

    また、国際刑事裁判所(ICC)の活動は、「法の支配」に基づく国際秩序の維持・強化のために極めて重要な役割を果たしている。わが国としても、ICCが独立性、安全性を確保しながら業務を継続できるようにするため、ICCの活動を支える職員の派遣、連携強化に資する共同プロジェクトや、ICC非加盟国に対するその加盟に向けた機運醸成に資する研修等の実施、ICCの地域拠点設置やジェノサイド条約締結を見据えた検討をはじめ、あらゆる選択肢を視野に入れながら支援を実施・検討しなければならない。

4 諸外国とのイコールフッティングを図る観点等からの会社法制の必要な見直しの検討

短期主義に陥らず中長期的な企業価値向上に向けた企業と株主の建設的な対話を促進する観点や、諸外国とのイコールフッティングを図り、企業の果敢な経営判断を後押しする観点から、会社法制の見直しとして、株主提案権の見直し(議決権数要件(300個以上)の廃止や業務執行事項に関する提案(定款変更)の制限)、臨時株主総会招集請求権の見直し(議決権割合要件(3%以上)の引上げ)、会社が実質株主を確認する制度の創設(実効性確保としての違反者への議決権停止を含む。)など必要な見直しを検討するべきである。

当調査会においても、いわゆるアクティビスト対応の在り方を中心に、課題解決に向けた検討を継続的に進めていく。

第3 AI・デジタル時代の未来を見据えた司法・法務行政の革新

1 はじめに

人工知能(AI)を含むデジタル技術の急速な進展は、産業競争力や安全保障のみならず、社会のあらゆる分野において、業務の高度化・効率化を通じて生産性の向上をもたらすとともに、新たな価値やサービスの創出を可能とし、経済活動を始め国民生活を活性化させ、社会・経済の持続的な発展や社会課題の解決に寄与する重要な技術的基盤として、社会及びビジネスの在り方に大きな変革をもたらす一方で、ハルシネーション等の技術的リスク、倫理的配慮の確保などの社会的リスクへの対応等の制度的・運用的課題も指摘されているところである。

政府は、令和7年12月に閣議決定された「人工知能基本計画」において、「信頼できるAI」を軸に、政府・自治体におけるAIの徹底活用と、制度・ガバナンス整備を一体的に進め、「世界で最もAIを開発・活用しやすい国」を目指すことを明確にしている。また、わが党としてもこれまで、「AIの安全性確保と活用促進に関する緊急提言」や「AIホワイトペーパー2.0」等において、わが国のAI開発力の強化とAIの利活用促進の重要性やそのために必要な予算確保等について、一貫して訴えてきた。

当調査会においても、これまでも司法・法務行政のデジタル化の一層の推進を求めてきたところであるが、引き続き、AI技術を計画的かつ適切に導入することも含めたデジタル化の取組を一層加速化する必要がある。一方で、このような取り組みに潜むリスクを適切に管理・検証しながら、デジタル技術の導入による業務効率化を通じて、限られた人的資源を真に必要な業務に重点的に配分するなど、人的資源の効果的な活用も含めた制度全体としての高度化と利便性向上が図られなければならない。AIが十分に利活用される社会とは、人だから持つ能力や価値がいかんなく発揮され、それらが改めて自覚される社会であって、人とAIが適切に役割を分け合い、共鳴する社会である。こうした基本的視座にたって、AI・デジタル技術の進展と調和した、時代に即した司法・法務行政機能の強化を積極的に進めることが求められる。

2 司法・法務分野におけるAI利活用の推進

  • ⑴ 司法インフラにおけるAI利活用に関する総合的な取組の推進

    司法・法務分野は、国民の権利義務に直接関わる極めて公共性の高い重要な分野であり、国民の司法アクセス向上、業務の高度化・複雑化への対応、企業法務人材の不足といった課題解決が強く要請されている。こうした状況下にあって、司法・法務分野におけるAI利活用は、もはや避けて通れない国家的課題であり、法務省においては、司法・法務分野におけるAI導入を個別・断片的な実証にとどめることなく、司法インフラ全体を俯瞰した総合的・戦略的な取組として位置づけ、計画的に推進すべきである。

    特に、近年、司法インフラの重要な構成要素の一翼を担いつつあるリーガルテックは、業務の効率化・高度化のみならず、国民の司法アクセスの向上、法務サービスの質の底上げ、ひいてはわが国の法務分野の国際競争力強化に資するものである。特に、リーガルテックの分野は、その提供者、ユーザーの双方の立場において、スタートアップ・ベンチャー企業が重要なアクターとして想定されるところ、スタートアップ企業等の育成がわが国の成長戦略の柱の一つとして位置づけられていることからも、政府として、特に重点的にこの分野の成長を支援していくべきである。一方で、生成AI等を利用したリーガルテックの利活用に当たっては、ガバナンスの観点、すなわち、判断の透明性・説明責任の確保、個人情報・機微情報の適切な取扱い、AIによる判断の限界やバイアスへの対応など、慎重な検討を要する課題も多い。

    したがって、今後のAIリーガルテックの開発進展とその適切な利活用を実現するためには、弁護士法72条の趣旨やAI利用による技術的・社会的課題も十分に踏まえたガバナンスの視点も取り入れながら、「AIが何に使えるか」の観点に留まることなく、「人にしかできないこと・人だからできることは何か」にまで視座を拡げ、AIリーガルテックを使うことによる社会的メリットを前提に、わが国社会にとって、AIによって代替することができない、人である弁護士が引き続き担うべき業務や役割とはどのようなものかを見極めつつ、弁護士とリーガルテックのシナジーをいかに発揮させ、わが国の司法法務サービスの質や国際競争力をいかに高めていくかという観点に立った検討を進めていく必要がある。

    現在、法務省においては、法務副大臣の下にタスクフォースを立ち上げ、企業法務分野におけるAIリーガルテックの活用の在り方に関して、ガバナンスの観点も踏まえつつ、本年夏頃を目途に、課題解決に向けたロードマップの策定等、一定の結論を出すべく検討を進めているとのことである。そこで得られた結論を踏まえ、引き続き、司法・法務分野におけるAIの利活用について、有識者等からなる検討会における検討を含め、中長期的なスパンで、AIリーガルテックに関する新たな技術の進展や国内外の動向等を見据えた適切な利活用・ルールメイキングの在り方のみならず、AIリーガルテック時代において必要とされる法曹としての能力とは何かといった点も含めて、将来にわたる想定される課題について必要に応じて外部的知見も取り入れた積極的かつ継続的な検討を行っていくことが求められる。

  • ⑵ 裁判事務におけるAIの利活用に向けた取組の推進

    裁判事務にAI技術を適切に導入することで、事務の合理化・効率化、迅速化を図り得る。その一方で、AIの利活用に当たっては、要機密情報等の流出を防止することが大前提となるほか、AIの利活用に伴うリスクや課題についても分析を行うことで、人間による最終的な意思決定(ヒューマンインザループ)を確保しつつ、より適正迅速な裁判の実現を図り、もって裁判に対する国民の信頼に応えていく必要がある。

    最高裁においては、今年、民事訴訟における争点整理の補助として生成AIを利活用することについて研究会を開催し、初歩的な検証を行ったとのことであり、更なる検証やそのための環境構築などを含め、引き続き、段階的な検討を進めていくことが期待される。

  • ⑶ 訟務事務等におけるAIの利活用等に向けた取組の推進

    民事裁判手続の全面デジタル化や民事裁判情報の活用の促進に関する法律の施行により、法律実務におけるAI活用は一層加速することが見込まれる。このような状況の下、政府においても、従来の人手と経験に依存した対応から脱却し、AI・デジタル技術を活用したDXを一層推進する必要がある。

    具体的には、AIを活用した網羅的な先例・裁判例等の分析を通じて、訴訟における主張・立証の高度化・的確化を図るとともに、予防司法支援機能を強化し、法的紛争を未然に防止するのみならず、政府全体としての法適合性の向上につなげる必要がある。政府においては、このために必要な環境整備を引き続き強力に推進すべきである。

  • ⑷ 刑事手続におけるAIの利活用に向けた取組の推進

    刑事手続においても、情報通信技術の進展等に伴う犯罪事象に適切に対処するために、例えば、証拠資料の分析や類似事件の参照等に生成AIを利活用することが考えられる。

    生成AIの利活用については、情報漏えいや不正確な情報の生成などのリスクも指摘されているところであり、刑事手続の特性に配慮しつつ、リスク管理を適切に行った上で、その利活用を検討すべきである。

3 司法・法務行政基盤を支える業務のデジタル化・高度化

  • ⑴ 司法分野における業務のデジタル化・高度化の推進
    • ア 刑事司法手続のデジタル化

      令和7年5月、第217回通常国会において、「情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」が可決・成立し、令和9年3月までに、刑事手続において取り扱う書類の電子化など、主要な規定が施行されることとなっている。

      現在、警察庁・法務省・最高裁判所等が連携し、デジタル化に対応した新たなシステムの設計開発を進めているが、新たなシステムでは、機微な情報を取り扱い、犯罪事象に常時対応することが求められる刑事手続の特性に鑑み、高い情報セキュリティの確保を大前提としつつ、各種捜査機関・犯則調査機関や被害者・弁護人等を含めた関係機関・個人との間で円滑かつ安全に電子データのやり取りを行うことができる機能を実装する必要がある。

      政府においては、刑事手続に関与する国民の負担を軽減し、手続の円滑化・迅速化を実現すると共に、先進的なデジタル技術を駆使した捜査活動等により日々高度化する犯罪手法に適切に対応できるよう、新システムの設計開発をはじめ、デジタル化に向けた環境整備を引き続き強力に推進すべきである。

      また、身体の拘束を受けている被疑者又は被告人にとって弁護人又は弁護人となろうとする者の援助を受ける権利が重要であることに鑑み、引き続き、映像と音声の送受信によるいわゆるアクセスポイント方式によるオンライン接見についての環境整備を進めるべきである。

    • イ 司法分野のデジタル化に伴う法テラスにおけるDXの推進

      民事裁判手続及び刑事手続のデジタル化が進む中、法テラスにおいても、これに的確に対応したデジタル基盤の整備・強化は喫緊の課題であり、各種手続・支援のオンライン化・ペーパーレス化を進め、利用者の利便性の一層の向上を図るとともに、業務全体の効率化を確実に実現する必要がある。

      また、限られた人的資源を真に必要な相談・支援業務に重点的に配分するため、AI技術をはじめとする先進的なデジタル技術を積極的に取り入れつつ、受付・照会対応や事務処理等の業務の高度化・効率化を進めることが不可欠である。

      その上で、令和10年度に予定されている全国的な業務統合管理システムの再構築については、単に中長期の予定として漫然と進めるのではなく、司法手続のデジタル化の進展やAI技術の進化を踏まえ、工程管理を厳格に行い、必要に応じて前倒しも含めた見直しを行うなど、実効性あるDXとして確実に実現するとともに、これを支えるデジタル人材の確保を含め、法テラスの人的・物的体制の更なる整備・強化を図るべきである。

  • ⑵ 出入国在留管理行政のデジタル化・高度化の推進
    • ア 出入国在留管理行政のDXの現状と課題

      在留資格の変更や在留期間の更新といった各種申請手続等の利便性を向上させることや、在留外国人の公租公課の未納状況等を含む在留状況及び受入環境等を把握した上で様々な情報を分析し、これを活用して各種申請につき適正かつ迅速な処理を行い、不法滞在者を迅速に摘発することなどが不可欠である。加えて、難民等認定申請者数の増加等により難民認定申請の処理期間が長期化している状況を踏まえ、誤用・濫用的申請を抑制しつつ、迅速に審査手続を進める必要がある。

      このように、出入国在留管理行政においては、近時の社会情勢や政府全体の施策動向を踏まえた各種手続等の迅速化・効率化・厳格化が強く求められているところ、現状においては情報が紙媒体を中心として管理されるとともに、出入国管理業務、在留管理業務、在留支援業務、退去強制業務、難民認定業務といった分野ごとに分散して管理されており、情報が点として把握されるにとどまり、分野横断的な連携が十分とは言えない状況にある。このため、入国から出国に至るまでの一連の情報を一体的に把握・管理する観点から、各種情報を電子的に取得し、処理・管理する共通のシステムを構築することにより、有機的かつ一体として高度な出入国在留管理行政を実現することが重要であるため、以下の具体的施策を積極的に推進し、より適切かつ効率的で厳格な出入国管理行政を実現すべきである。

    • イ 具体的施策
      • (ア) 出入国在留管理の厳格化と上陸審査手続の円滑化

        出入国在留管理の厳格化と正当な渡航者に対する上陸審査手続の円滑化の両立のため、令和10年度中の電子渡航認証制度(JESTA)の導入に向け、引き続き確実なシステム開発に取り組む必要がある。特に、制度開始時から安定的かつ効果的に運用が行われるよう、関係機関との情報共有・連携を密にしながらシステム開発を着実に進めるべきである。

        また、JESTA導入後を見据え、外国人入国者に関する各種情報について、事前審査段階から入国・上陸審査、在留管理、出国に至るまで、一貫したデジタル管理を一層推進することでリスク情報の早期把握と適切な審査判断を可能とし、出入国在留管理の実効性及び信頼性の向上を図るべきである。

        併せて、空港においては、共同キオスクやウォークスルーゲートの導入を促進し、円滑な上陸審査体制の構築を目指すべきである。

      • (イ) 在留審査の迅速化と在留管理の高度化

        在留外国人数の増加に伴い在留申請数も増加していくものと想定されるところ、在留申請について、原則オンライン化を目指し、申請者の利便性向上と業務運営の効率化を図る観点から、在留オンラインシステムの機能強化を進めるとともに、申請窓口業務の抜本的な改善を推進し、申請・審査プロセス全体の迅速化と標準化を実現する必要がある。

        また、外国人の適正な在留管理を徹底するため、公共サービスメッシュを用いた情報連携や、マイナンバーカードと在留カードの一体化に向けた取組等、政府全体で進められている各種デジタル施策との連携を引き続き実施し、中長期在留者等に係る在留状況をデジタル管理することで、在留管理の高度化を図るべきである。

        さらに、在留関連手続に伴う手数料の支払いについて、キャッシュレス決済の全面的導入を進め、窓口業務の効率化と利用者利便性の向上を図るとともに、在留管理行政全体のデジタル化を更に推進すべきである。

      • (ウ) 外国人支援業務の拡充

        在留外国人数の増加や在留態様の多様化を踏まえ、外国人がわが国において適法かつ安定的に生活・活動できる環境を整備することは、適正な在留管理の確保の観点からも重要であり、デジタル技術を活用した外国人支援業務の拡充を図るべきである。

        スマートフォン用アプリ等を通じて、在留諸手続に関する簡易な案内やプッシュ型の情報発信を行うとともに在留外国人からの相談に対応可能な双方向型のコミュニケーションの仕組みを構築することで、制度に対する理解不足に起因する手続遅延やトラブル等を未然に防止し、在留外国人の利便性向上と、適正な手続の履行を促進するべきである。

        また、外国人支援施策の実効性を高めるためには、地方公共団体との連携が不可欠である。このため、入管庁と地方公共団体との間で在留関連情報や支援施策に関する情報共有を進めるとともに、役割分担を明確化し、抜本的な連携強化を図り、国と地方が一体となった切れ目のない外国人支援体制を構築することにより、在留外国人の円滑な受入れと地域社会との共生を推進すべきである。

      • (エ) 難民等認定手続の高度化

        近年の難民等認定申請者数が高い水準で推移し、申立内容の多様化により平均処理期間が伸び続けることで、真に保護を必要としている方の迅速な保護に支障を来しているとの指摘を踏まえ、通訳・翻訳業務をはじめとする各種手続の最適化の実施、難民等認定申請に係る各種申請書類等や受付業務のデジタル化及び相談対応のオンライン化並びに審査プロセスにおける認定判断や出身国情報データベース構築へのAI技術の活用等、誤用・濫用的な難民等認定申請を抑制しつつ、難民認定等審査手続の抜本的な迅速化・効率化を推進すべきである。

      • (オ) 退去強制業務の高度化

        不法滞在者ゼロを目指し、外国人と安心して暮らせる共生社会を実現するため、不法滞在者や退去強制事由への該当が疑われる者に関する情報について、AIを含むデジタル技術の活用等を通じて情報収集を強化するとともに、データの集約・分析能力を高め、効果的かつ優先度を踏まえた摘発を可能とし、限られた人的・物的資源の有効活用を行い、不法滞在者ゼロプランの推進等を図るべきである。

        また、上記を含む退去強制に関する業務について、被収容者の情報管理の在り方を含め、そのデジタル化を前提として、送還業務についても、関係機関との連携を含めた業務プロセスの見直し及び高度化を進め、円滑かつ安全な送還体制を確立すべきである。これにより、送還の実効性を高め、不法滞在者の着実な縮減に繋げるべきである。

  • ⑶ その他法務行政分野におけるデジタル化・高度化の推進
    • ア デジタル技術を活用した新たな遺言の方式の創設

      遺産に関する権利義務を早期に確定させ、相続登記の促進を含む相続手続の円滑化を図るため、デジタル社会の進展等を踏まえ、遺言を国民にとってより一層利用しやすいものとすべきである。第221回国会に提出された「民法等の一部を改正する法律案」は、パソコン等で作成した遺言書を本人に口述させることで遺言者の真意に基づくものであることを確保した上で、法務局が審査して保管する「保管証書遺言」を創設するものであり、これによって、デジタル技術を活用して遺言書を作成することが可能となり、相続登記の促進が図られる。改正法が成立した際には、法務省は、国民に積極的に周知広報を行うとともに、法務局において、この新しい制度を円滑かつ確実に運用することができるよう、万全な審査・保管体制の整備を着実に進めるべきである。

    • イ ベース・レジストリ等による行政機関間での登記関係情報連携

      わが国では、都市開発、税務調査、各種許認可事務等の多様な行政事務において、不動産及び会社・法人に関する登記情報が行政機関によって広く利用されており、その利用件数は年間3,000万件以上に及んでいる。これらの登記情報の取得に当たっては、行政機関の職員が取得のために法務局に赴く事務的・時間的負担を軽減する観点から、これまで、国の行政機関(省庁)を中心に、職場にいながら登記情報を事務端末上で直接かつ直ちに確認することを可能とする「登記情報連携」の仕組みが整備されてきた。今後は、地方創生及び地方DXの一層の推進の観点から、国のみならず地方公共団体を含めた行政全体のデジタル化を強力に進め、地方行政サービスの効率化及び国民の負担軽減を図るため、行政機関間における更なる情報連携を図ることが重要である。

      法務省においては、能登半島地震の被災地を含む一部の地方公共団体を対象とした試行的運用を経て、令和7年度には、「登記情報連携」の取組が全国の地方公共団体に拡充され、500以上の地方公共団体において利用可能とされたところである。令和8年度は、「登記情報連携」の取組を更に推進するとともに、その後継としてデジタル庁が整備・運用を進める公的基礎情報データベースである「ベース・レジストリ」において、登記情報のほかに関連情報を付加するなど機能の拡充を図り、行政機関間での登記関係情報の連携について、スピード感を持って強力に推進していくべきである。

    • ウ 矯正行政のデジタル化の推進

      令和7年6月に導入された拘禁刑においては、個々の受刑者の特性に応じた処遇が求められるところ、専門性を有する多職種の職員が被収容者個々の情報を共有し、当該情報を蓄積するとともに、効果検証にも活用しながら再犯防止につなげていく必要があることから、矯正処遇・再犯防止業務支援システムの利用を推進していくべきである。

      また、わが国においては、医療DXの推進により医療情報システムの導入等が進められているところ、矯正施設においても、医療情報システムの導入により、医療関係職員の業務負担を改善し、被収容者に対する効率的な医療提供体制を構築し、再犯防止の基盤たる健康の保持・回復の更なる強化を進めていく必要がある。

      さらに、デジタル・リハビリテーション(デジタル・テクノロジーを活用して、被収容者の改善更生や社会復帰を支援する取組)の実現を目指すとともに、司法手続のIT化に対応するための環境整備を着実に進める観点から、被収容者の教育・処遇支援機能や司法手続へのアクセス機能等を含むデジタル環境の構築を推し進めていくべきである。

    • エ 更生保護行政のデジタル化の推進

      刑事手続のデジタル化に対応するとともに、保護司の負担軽減を図るためには、保護観察所と関係機関等との情報の発受のオンライン化等の取組が不可欠である。そこで、ガバメントソリューションサービス(GSS)・ガバメントクラウドへのシステム移行を着実に行うとともに、保護司専用ホームページH@(はあと)を発展させたポータルサイト設置に必要なシステム構築等を着実に進めるべきである。

      また、保護観察等の業務への資源集中や関係機関との一層積極的な連携のため、GSSへの移行等により利用可能となる新たな機能等を活用した業務の効率化・高度化の検討を加速させるべきである。

    • オ 司法試験及び司法試験予備試験のデジタル化の推進

      一層高度化・複雑化する法的需要に的確に対応し、身近で頼りがいのある司法・法務行政を実現するためには、より多くの有為な人材が法曹を志望するよう環境整備を推進する必要がある。

      その一環として、プロセスとしての法曹養成の要の一つを担う司法試験及び司法試験予備試験において、受験者の負担軽減・利便性向上等を図る観点から、令和8年から実施するオンライン出願及びCBT(Computer Based Testing)方式による試験等を円滑かつ適正に推進すべきである。

第4 複合的治安リスクの時代にあっても揺るがぬ価値を守る司法・法務行政のアップデート

1 はじめに

国際秩序の不安定化、社会の分断や価値観の多様化、急速な技術革新の進展など、わが国を取り巻く内外の環境は、戦後経験したことのないほど複雑かつ重層的な様相を呈している。従来型の犯罪や治安課題に加え、国家安全や経済安全に直結するリスク、サイバー空間や情報空間を舞台とした新たな脅威、さらにはSNS上での偽情報の拡散や社会的弱者を狙った巧妙な犯罪手法の拡散など、治安を巡る課題は質・量の両面で大きく変化している。

このような「複合的治安リスク」の時代にあって、司法・法務行政に求められる役割は、単に犯罪を取り締まり、紛争を処理することにとどまらない。国民一人ひとりの生命・身体・財産、そして尊厳を守る最後の砦として、社会の公正と秩序への信頼に支えられるものではなくてはならない。法の支配の下、内外の環境の変化の中でも揺るぎない平和と公正を守り、全ての人が安全で安心して暮らすことができる社会を実現するためには、司法・法務行政が社会の変化に取り残されることなく、業務の体制基盤等をアップデートし、直面する課題に迅速かつ的確に対処していくことが必要となる。

その一方で、治安対策の強化は、法の支配や基本的人権の尊重という普遍的価値との緊張関係を常に内包する。治安維持の迅速性や実効性を重視するあまり、適正手続や個人の権利保障が損なわれることは絶対にあってはならない。司法・法務行政は、社会の安全確保という時代の要請に答えていくことが求められるが、それ以上に、個人の自由・人権の保障という揺るがぬ価値を守り続けていく重要な責務を負っていることを改めて肝に銘じる必要がある。

2 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境におけるインテリジェンスの重要性と課題

  • ⑴ 現状認識と課題

    戦後最も厳しく複雑な安全保障環境において、国家情報会議及び国家情報局が創設される中、情報の質・量の向上を含むインテリジェンスの重要性はより一層高まっている。

    第一に、国家的関与や支援が指摘されるサイバー攻撃が国内外で常態化するとともに、技術の進展や社会構造の変化によりサイバー空間の現実社会への浸透が進み、攻撃の手口が複雑化・巧妙化する中、その予兆把握や主体の解明には、技術的手段に加えて人的情報収集が不可欠である。

    第二に、厳しさを増す安全保障環境下で経済安全保障の重要性が高まる中、各国は、重要技術・データ・製品等の獲得に向けた取組を推進している。こうした中、わが国においても、軍事転用可能な機微技術・製品の流出を未然に防止するため、機微技術等を狙う懸念主体の実態解明に向けた情報収集・分析能力の強化が喫緊の課題であるほか、国際的な協調や、民間企業・大学・研究機関等との連携を含めた経済インテリジェンスの抜本的強化が不可欠である。 

    第三に、懸念国による偽情報の拡散を含む影響工作とみられる事例が発生しているほか、ロシアによるウクライナ侵略や北方領土への投資・企業誘致の推進、中国による台湾や、尖閣諸島を含むわが国周辺における諸活動の活発化や、北朝鮮による度重なる弾道ミサイル等発射・露朝間協力など、わが国周辺国情勢が厳しさを増す中、懸念国による複雑かつ巧妙な影響工作の実態解明、ロシア・ウクライナ関連情勢や対露経済制裁関連、中国の対日・対台湾など各種動向、北朝鮮の核・ミサイル開発関連動向や対北朝鮮制裁関連など、高まる情報ニーズへの対応が求められる。

    第四に、世界各地で「イラク・レバントのイスラム国」(ISIL)や「アルカイダ」等に関連したテロが発生しており、ISIL等がわが国を攻撃の対象として位置付ける中、わが国ではテロの標的となり得る大規模国際行事が開催予定であり、主催国として、安全かつ円滑な開催の確保という国内的・国際的責務を果たすため、関連するインテリジェンスの強化が求められる。

    第五に、わが国に在留する外国人等の増加に伴い、国内各地において、出身国における各種対立に起因するトラブルが生じているほか、文化・風土等の違いなどから地域社会と軋轢が生じる事案などが確認されており、国民に不安感を与えている。また、こうした状況をとらえ、排外主義的な言動を行う勢力のほか、自勢力の主義主張拡散のために外国人の取り込みを図る勢力の活動も顕在化している。このような、外国人の受入れ拡大に伴い変化する社会情勢を受け、外国人との秩序ある共生社会実現に資するインテリジェンスの強化が求められる。

  • ⑵ 具体的施策

    偽情報の拡散を含む影響工作、国際テロ、サイバー空間や経済安全保障上の脅威のほか、厳しさを増すわが国周辺国情勢や外国人の受入れ拡大に伴い変化する社会情勢に対応できるよう、特に、相手方の意図や秘匿された背景事情等、深奥に迫り核となるインテリジェンスの把握に有益なヒューミント(人的情報)の収集・分析機能を強化すべく、人的情報源の更なる拡充や研修の強化も含め、公安調査庁のヒューミント能力の向上を積極的に進めるべきである。

    また、公安調査庁において、偽情報の早期把握に加え、発信・拡散主体の意図・背後関係の解明、サイバー関連動向、経済安全保障上の懸念動向、国際テロ関連動向、わが国周辺国情勢や在留外国人をめぐって社会に軋轢を生じさせる事態等の把握・解明を進めるとともに、多様な情報空間における脅威に対応すべく、新技術の活用を含む情報収集等に係る手法の拡充等を通じて、ヒューミントを補完するオシント(公開情報収集)能力の向上を図るとともに、専門人材を安定的に確保すべきである。

    これらを通じて、公安調査庁が、わが国インテリジェンス・コミュニティのコアメンバーとして、国家情報会議及び国家情報局の創設による司令塔機能の強化に伴い高度化・多様化する情報ニーズに迅速かつ的確に対応し、インテリジェンス・スパイ防止関連法制等、今後議論が進められる各種インテリジェンス政策に十分に対応できるよう、情報収集・分析能力・体制をより一層強化すべきである。

3 近時の社会情勢等を踏まえた売買春に係る規制の在り方の検討

わが国においては、かねて、関係府省庁間で連携しながら、売買春への対策を推進してきたが、近年、路上等における売買春の勧誘行為等が社会的な問題として指摘され、これに対する適切な対処を求める声も上がっているところである。

令和8年3月、法務省は、近時の社会情勢等を踏まえた売買春に係る規制の在り方について、法曹実務家や学識経験者等の有識者の幅広い知見等に基づき検討するため、「売買春に係る規制の在り方検討会」を立ち上げた。

当調査会としては、今後、同検討会において、多角的な観点から充実した議論が行われること、及びその検討結果を踏まえ、政府として適切に対処することを期待する。

4 再犯防止施策の一層の推進

  • ⑴ 拘禁刑下における矯正処遇・社会復帰支援の一層の充実

    令和7年6月に導入された拘禁刑に基づく新たな処遇の推進のため、刑事施設においては、個々の受刑者の特性等を的確に把握できるよう処遇調査の一層の充実を図る必要がある。その上で、これらの特性等に応じて設定される新たな矯正処遇課程に基づき、作業及び指導を柔軟に組み合わせた効果的な処遇を一層充実させるべきである。

    併せて、地方公共団体、民間団体等との連携を強化することも重要であり、刑務作業を通じた地方創生に資する取組や、保護犬の育成をはじめとする改善指導などについても充実させるべきである。

    また、刑事施設出所者は、社会的孤立、住居の不安定、職業技能の不足等、複合的要因により就労に至ることが困難な状況に置かれている場合が少なくないため、受入先となる企業等との連携を含む就労支援体制を強化するべきである。

    こうした新たな処遇に対応できる人材を確保・育成するため、職員の専門性及び実務能力向上を図る研修の一層の充実をはじめ、必要な人的・物的体制の強化を着実に推進すべきである。

  • ⑵ 犯罪をした者等への息の長い支援体制の充実
    • ア 犯罪をした者等を地域全体で息長く支えるための連携体制の拡充

      犯罪をした者等が必要な支援を息長く受けることができるよう、国と地方公共団体、民間協力者が相互に連携した取組を推進する必要がある。取り分け、地方公共団体においては、令和7年12月に成立した改正保護司法等により地域における更生保護の諸活動に対する協力規定が整備されたことを踏まえ、より主体的に再犯防止に取り組むことが期待される。そこで、国は、地方公共団体に対して「地域再犯防止推進事業」の一層の充実に向けた支援を行うとともに、地域における既存のネットワーク等も活用し、地方公共団体とより一層緊密に連携して、犯罪をした者等を地域全体で息長く支える取組を推進するべきである。

      また、行き場のない刑務所出所者等を保護する更生保護施設等については、近時、高齢、障害、疾病、依存症など複合的な支援ニーズを有し、自立までに手厚い支援や期間を要する者が増加傾向にある。そのため、更生保護施設等が必要な支援を必要な期間実施するために必要な更生保護委託費を確保するとともに、施設退所後の息の長い支援を確保できるよう、訪問支援事業の全国展開を加速させるべきである。

      さらに、刑務所出所者等の適切な就労先や居場所を確保するため、官民協働による、就労支援などの寄り添い型の支援の推進を図るべきである。

    • イ 成長しつづける保護司制度を目指す取組の推進

      犯罪や非行をした人の立ち直りを支える保護司は、安全・安心な地域社会の構築に必要不可欠な存在である。改正保護司法が令和8年12月までに施行されることを見据え、その改正趣旨も踏まえて、成長しつづける保護司制度を目指す取組を推進するべきである。

      具体的には、担当保護司の複数指名の更なる積極化、利便性の高い面接場所の確保、保護観察官による直接関与の強化等の安全確保策を引き続き推進する必要がある。さらに、現役世代を含む幅広い世代の多様な保護司が活躍できる活動環境を整備する観点から、例えば、実費弁償金の充実やその請求・支給手続の簡素化といった保護司活動に伴う経済的・事務的負担の軽減、保護司に関する広報の充実、保護司活動に協力する民間事業者に対する支援等を図る必要がある。

第5 再審制度を含む刑事手続の改善及び機能の強化に向けた取組

1 再審制度に関する取組

再審制度は、誤判救済のための最後の砦として極めて重要である。こうした認識のもと、当調査会は、法務部会との合同会議を開催し、再審制度に関する「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について、精力的な議論を行い、その結果、本法律案が今国会に提出され、現在審議中となっている。

本法案においては、過去の反省を踏まえ、同制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、再審請求審における証拠の提出命令制度、再審開始決定に対する検察官抗告の原則禁止、再審請求審の手続保障の充実化などが盛り込まれているが、誤判からの速やかな救済と再審手続の円滑・迅速化という改正の趣旨を実現するには、合同会議で示された様々な意見も踏まえ、まずは、適正な運用に努めることが不可欠であり、当調査会としては、引き続き、その運用状況を注視していく。

また、再審制度については、残された課題も少なくないことから、政府においては、施行後5年ごとの見直しの機会を含め、不断の検討を行うべきであり、当調査会においては、こうした検討状況についても、引き続き、しっかりと注視していく。

2 その他刑事手続全体に関する取組

罪を犯していない人が処罰されることはあってはならないのは当然のことであり、そのためには、何より捜査・公判段階において誤判が生じないような仕組みを構築し、これを徹底していくことこそが重要である。合同会議においても、再審制度はあくまで有罪判決確定後の非常救済手続であり、捜査や通常審の段階で誤判を生まない措置を講じることが何より重要であるとの認識が共有された。

刑事手続については、身体拘束の長期化や不適切な取調べ等の問題が指摘・批判されており、取り分け捜査機関に対して、世間から相当厳しい目が向けられている。合同会議においても、再審無罪事件に加えて、これらの問題により低下した刑事司法に対する国民の信頼の回復が急務とされた。政府において、これらの指摘・批判を真摯に受け止め、刑事手続の改善及び機能の強化に向けて検討を行い、捜査・公判段階における刑事手続の適正確保に向けた取組を進めていくべきである。

他方で、犯罪の組織化・国際化、情報通信技術の高度化、国民の権利意識の向上等により、取調べによる供述証拠の獲得をはじめとする犯罪捜査による事案の解明が困難となってきているところ、このまま何の手当ても講じなければ、犯人の適切な処罰ができなくなり、ひいては安全、安心な日本を維持することが困難になってしまうおそれがある。そのような事態を防ぐためにも、客観的な証拠の収集手段の拡充など、諸外国の刑事手続も参考にしながら、時代に即した捜査手法の導入を積極的に検討し、刑事手続のアップデートを図るべきである。

当調査会としては、政府がこれらの事項について不断の検討を行い、刑事手続の適正確保を徹底するとともに、より安心、安全な日本を作り上げていくことに期待し、引き続きこれらの取組を注視していく。

第6 地域における誰一人取り残さない犯罪被害者等支援の実現

1 出発点となる問題意識

犯罪被害者等基本法(平成16年法律第161号)においては、「犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」(第3条第1項)ことを定め、「被害を受けたときから再び平穏な生活を営むことができるようになるまでの間、必要な支援等を途切れることなく受けることができるよう」(同条第3項)施策を講じていくことを基本理念としている。この基本理念にのっとり、犯罪被害者等基本計画等に基づき、国や地方公共団体において犯罪被害者等施策が推進され、また、民間団体の尽力もあり、犯罪被害者等のための施策は大きく進展してきた。

他方で、例えば、犯給法、女性支援法、自賠責法、オウム真理教犯罪被害者救済法等、犯罪被害の類型等に応じて様々な法制度等が順次、整備・拡充され、各施策がそれぞれ講じられてきたものの、各施策間の連携等が必ずしも十分ではなかったことにより、その実施主体となる各地域の支援現場には、人口減少・地域社会のリソース不足もあいまって、業務負担の増大や、関係機関・団体間の相互連携の難しさ等のしわ寄せが生じていることが危惧されている。また、支援を必要としているにもかかわらず、いずれの制度による支援も届いていない方がいるのではないか、地域によって受けられる支援に大きな差が生じているのではないかという犯罪被害者等の目線からの検証も必要であると考えられる。

そこで、当調査会の下に置かれた犯罪被害者等保護・支援体制の一層の推進を図るPTでは、基本法の基本理念を実現すべく、犯罪被害者等支援の現場の第一線で支援に携わり、わが国の犯罪被害者等支援を支えてこられた方々の生のお声をいただいて、支援現場の実情や抱えている課題に肉薄しなければならないとの考え方の下、その具体的対応策について検討することとした。

2 現状の課題と今後の目指すべき姿(包括的支援拠点の構築)

  • ⑴ 現状の課題

    本PTでは、本年4月以降、支援現場の実情を解明すべく、様々な類型の犯罪被害者の方、そうした方を支援する支援者の方の双方から精力的にヒアリングを行った。その中では、各地域のリソースに応じ、罪種にかかわらず犯罪被害者等本位で必要な支援を調整・提供する仕組みづくりが模索されている現状が明らかにされたほか、民間支援団体において犯罪被害者等の支援に携わる支援者の高齢化、人材不足等により、早晩、支援の現場が立ちゆかなくなることに対する切実な危機感が示された。

  • ⑵ 今後の目指すべき姿(包括的支援拠点の構築)

    こうした現状や課題を踏まえると、残された時間は少ないという危機意識の下、これまでの取組からギアチェンジして、社会の変化にも柔軟に対応できる、しなやかで強靱な犯罪被害者等支援の体制を構築することが必要である。そのためには、どのような犯罪被害であっても、犯罪被害者等の立場を考慮して最初の相談から中長期の支援までがシームレスに届けられ、かつ、地域のリソースを効果的・効率的に活用できる柔軟な仕組みとして、犯罪被害者等支援のための包括的支援拠点を国・地方・民間が一体となって構築することが必要である。

    以下、そのための具体的対応策を提言する。

3 包括的支援拠点の構築に向けた具体的対応策

  • ⑴ 基本的な考え方

    先に述べた包括的支援拠点には、犯罪被害者等の相談を受け、そのニーズを的確に把握し、地域の支援提供主体と連携して必要な支援内容を調整した上、これを犯罪被害者等にワンストップで提供する機能(中核機能)が備わることが必要である。この中核機能については、犯罪被害者等支援コーディネーター、犯罪被害者等早期援助団体(被害者支援センター)及び性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが主として担っているところ、地域の実情も踏まえつつ、同一団体への機能集約又は各団体の連携強化によって、犯罪被害者等から見て一つの拠点として機能を果たすようにすることが求められる。

    また、包括的支援拠点が有効に機能するには、犯罪被害者等からの相談を受け、支援を提供する様々な関係機関・団体との有機的連携を確保し、犯罪被害者等支援のための社会資源を余すことなく活用し、支援につなげていくことが必要である。

    そこで、「地域における誰一人取り残さない犯罪被害者等支援の実現」に向けた具体的対応策として、①包括的支援拠点におけるワンストップ機能(中核機能)の定着・深化及び②各支援機関との有機的連携の強化に関する施策について提言する。

  • ⑵ 包括的支援拠点におけるワンストップ機能(中核機能)の定着・深化

    包括的支援拠点の中心的役割を担う犯罪被害者等支援コーディネーターについては、令和7年度に新たに補助金が創設されるなど、その取組はいまだ途上の段階にあり、各地域において、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを含めた関係機関・団体との協働・連携の在り方を含め、体制整備に向けた取組が進められている。

    ヒアリングでは、犯罪被害者等支援コーディネーターや性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの担い手の立場から、支援の担い手の知識・経験や人材確保、関係機関・団体との意識共有を含めた連携の在り方、犯罪被害者等支援に関する体制整備等に関する課題が指摘されたところである。

    包括的支援拠点を構築する上では、こうした地域における課題と丁寧に向き合いながら中核機能の定着・深化を図ることが必要であり、そのためには、包括的支援拠点の構築に向けた2つの方向性(同一団体等への中核機能の一元化ないし複数団体等の連携強化による中核機能の発揮)も踏まえ、各地域の実情に応じて、次の取組が講じられるべきである。

    • ア 犯罪被害者等支援コーディネーターの下での包括的支援拠点化の推進

      罪種にかかわらず、犯罪被害者等本位で支援内容の調整・提供を行うべく、犯罪被害者等が犯罪被害によって受ける影響等についての実態把握を行った上、犯罪被害者等支援コーディネーターをはじめとする地域の支援体制の構築状況や運用状況の実態把握・分析を行い、その結果や中核機能の担い手の違い等を踏まえ、その地域の特性に応じた体制・運用の充実のためのオーダーメイド型のサポートを提供するべきである。

      また、犯罪被害者等支援コーディネーター業務の担い手でもあり、また、支援の重要な実施主体でもある民間の支援団体に対しては、持続可能、かつ、充実した支援が行われるよう、その体制の強化に向けて取り組むべきである。

    • イ 犯罪被害者等支援コーディネーターや犯罪被害者等支援に携わる人材の教育・養成と若い世代の参画の確保
      • ・ 地域における途切れない支援の実施に当たっては、ソーシャルワークの知見・技術が必要であるところ、包括的支援拠点の中心的役割を担う犯罪被害者等支援コーディネーターには、これらの知見等が求められる一方で、約六割の都道府県において社会福祉士や精神保健福祉士の資格を有する者が配置されていないことから、上記知見等の習得に向けたスキルアップのためのケーススタディ型の研修を強化するとともに、先行都道府県の犯罪被害者等支援コーディネーターのノウハウの共有を図るべきである。
      • ・ 犯罪被害者等の置かれた状況について理解を深め、犯罪被害者等本位の支援を可能とするため、犯罪被害者等による講演など犯罪被害者等の生の声を聞く機会を設けるべきである。
      • ・ 支援者の高齢化が進む中で、若い世代の犯罪被害者等支援分野への参画を新たに得るべく、社会福祉等の領域の養成課程における犯罪被害者等に関する教育等を推進するべきである。。
    • ウ 支援の基盤インフラの整備
      • ・ 犯罪被害者等の負担軽減に資するよう、「被害者手帳」の有効活用を図るとともに、犯罪被害者等の被害状況や支援経過に関して、標準化された情報を保存・蓄積することで、支援の一貫性・継続性を確保すべく、支援経過の「カルテ化」を進めるべきである。
      • ・ 犯罪被害者等が受けられる支援や相談窓口に対する情報アクセスを向上させるとともに、犯罪被害者等施策に関する情報発信を強化するため、犯罪被害者等施策に関するポータルサイトの充実を図るべきである。
    • エ 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターとの効果的協働
      • ・ 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが、多様化・複雑化する性犯罪・性暴力被害者の相談・支援ニーズに十分対応することができるよう、その支援体制の強化を図るべきである。
      • ・ 犯罪被害者等支援コーディネーターの業務と性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの業務を異なる機関・団体が担っている場合には、地域の実情に応じて両者の効果的協働を推進するべきである。
      • ・ 犯罪被害者等支援コーディネーターに関する補助金は警察庁、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに関する交付金は内閣府が所管しているところ、これらの業務を同一の団体が受託している場合には、補助金等の活用状況に係る実績報告のために事務処理上のコストが生じているとの指摘があることから、バックオフィス業務の合理化・効率化を図るべきである。
  • ⑶ 各支援機関との有機的連携の強化

    犯罪被害者等が最初に相談に訪れる機関は、警察、行政機関、民間団体等様々であり、犯罪被害者等の置かれた状況に応じて相談しやすい環境を確保するためにも、相談機関を複数設け、入口のハードルを下げることが必要である。

    また、犯罪被害者等が必要とする支援は、生活支援、医療・心理支援、法的支援等多様であり、これらのニーズに応える支援を提供する機関・団体も多様である。

    そのため、犯罪被害者等支援のための包括的支援拠点が有効に機能するためには、相談の入口となり得る各関係機関・団体及び支援を提供する各関係機関・団体との有機的連携を強化することが必要不可欠である。

    この認識の下、次の取組が講じられるべきである。

    • ア 「窓口」となった機関からの確実な「橋渡し」

      いかなる機関が相談の「窓口」となったとしても、包括的支援拠点の中心的役割を担う犯罪被害者等支援コーディネーターへの確実な「橋渡し」が行われるよう、「引継ぎ」の意識を強化するべきである。

      特に、多くの場合で警察、その中でも捜査員が犯罪被害者等と最初に接し、その後も関わりを持つこととなることから、生活上の様々な困りごとに関するニーズを抱えていることを知ることができる立場にある。そこで、捜査員から犯罪被害者等支援部門に対してそうした状況の報告・相談がなされ、支援を必要としている方が確実に犯罪被害者等支援コーディネーター等につながるよう、捜査員に対する研修を強化するべきである。

    • イ 法テラスによる犯罪被害者等支援弁護士制度等の充実運用

      令和6年の第213回通常国会において成立した総合法律支援法の改正により創設された犯罪被害者等支援弁護士制度については、令和8年1月13日からその運用が開始されているところ、法務省及び法テラスにおいては、日本弁護士連合会等の関係機関並びに地方公共団体及び被害者支援団体等の支援機関と連携の上、犯罪被害者等が弁護士による包括的かつ継続的支援及びこれに対する経済的援助を受けることができるようにするとの本制度の目的に照らし、各地域において適切な運用が確実に行われるよう万全を期す必要がある。

      本制度に対しては、支援対象範囲を拡大すべきではないかといった指摘があるほか、ニーズの高い女性の契約弁護士の数や、次世代を担う若手弁護士の地域偏在といった担い手に関する課題、地域によっては、他の支援機関等との連携が不十分であるといった課題等があるところ、まずは運用状況を注視・把握の上、各地域における法的支援の状況も踏まえながら、犯罪被害者等基本法や本制度の所期の目的が達成できるよう、必要に応じて制度や運用の見直しを検討していく姿勢が重要である。

      その上で、法テラスにおいては、現在法務省に設置されている「法テラスの在り方に関する有識者検討会」の議論等をも踏まえ、本制度を含む犯罪被害者等支援を充実させるのみならず、各地域における支援機関等との連携を更に強化しながら、その役割を十分に発揮し、地域の実情に応じた犯罪被害者等への途切れない支援を提供できるよう、より一層の努力を続けていくべきである。

    • ウ 教育委員会、児童相談所その他の関係機関との連携強化

      ヒアリングにおいては、犯罪被害者等支援コーディネーター及び性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの業務を担う民間団体から、警察との連携には評価の声があった一方で、教育委員会や児童相談所との連携に課題を抱えているとの指摘があったことから、時代に即した内容・方法により、これら各関係機関が参画する被害者支援連絡協議会等の活性化に取り組むとともに、その周知、参加に向けた働き掛けを関係府省庁が連携して行うべきである。

4 将来的に破綻しかねない支援現場の危機的状況と持続可能な体制の再構築に向けて

様々な犯罪等が後を絶たず、国民の誰もがいつどこで犯罪等に巻き込まれるか分からない中で、犯罪被害者等に対する支援体制は、今、重大な岐路に立たされている。ヒアリングで述べられたように、支援者の高齢化、人材不足等により、支援の現場は破綻しかねない危機的状況にある。今後ますます社会全体でのリソース不足が進む中、今を逃せば、地域の支援体制は先細りの一途をたどるであろう。今後、いかに制度を充実させたとしても、実際の支援を犯罪被害者等に届けるすべがなければ、犯罪被害者等に対する支援は成り立たなくなってしまう。

今こそ前述の具体的対応策を実効性をもって講じることにより、これまでの犯罪被害者等に対する支援体制を抜本的に強化、再構築する必要があり、そのためには予算の確保が必要不可欠である。加えて、加害者からの損害賠償責任が全うされないことなどに起因する経済的支援の充実を求める声が今なおあるなど、検討すべき課題は残されている。こうした課題に応えていく上でも、犯罪被害者等支援に関する財源の在り方についての不断の検討を続けていかなければならない。

結びに

当調査会は、多数の関係者・専門家の意見を聴取するとともに活発な意見交換を重ねて、本提言を取りまとめた。

社会情勢や社会構造が大きく変容している新しい時代の転換点にあって、司法・法務行政もまた、こうした変化に取り残されることなく、その責務を果たして国民の負託に応え、社会を支え、また社会に支えられる存在としてあり続けるためにはたゆまず進化し続けなければならない。わが国の司法・法務行政が、来たるべき時代や社会の方向性をしっかり見据えながら、現在直面している諸課題を乗り越え、必要な役割を十全に果たせるよう、当調査会としても、本提言に盛り込まれた諸施策の速やかな実行に力を尽くしていく所存である。

司法制度調査会2026活動状況

R7.12.24 司法制度調査会 ○ 司法制度調査会提言2025のフォローアップ
・ 法務省、警察庁
R8.1.22 司法制度調査会 ○ 再審法案に関する法制審議会における議論の状況について
・ 法務省
R8.2.25 司法制度調査会 ○ 刑事再審制度の在り方に関する法制審議会の答申の報告
・ 法務省、最高裁判所
R8.3.4 内閣第一部会、司法制度調査会 犯罪被害者等支援PT合同会議 ○ 「第5次犯罪被害者等基本計画」(案)について
・ 警察庁、内閣官房、内閣府、人事院、金融庁、こども家庭庁、総務省、法務省、外務省、国税庁、文部科学省、厚生労働省、国土交通省、海上保安庁
R8.3.11 司法制度調査会 ○ 人口動態・社会構造変化の時代における持続可能で力強い成長を支える司法・法務行政の基盤強化について
・ 丸島 俊介 日本司法支援センター(法テラス)理事長
・ 高橋 太郎 日本司法支援センター(法テラス)事務局長
・ 法務省
R8.3.24 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 法務省で検討中の「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」(刑事再審制度の改正)の概要について
・ 法務省
R8.3.25 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 刑事再審制度についてヒアリング
・ 椎橋 隆幸 中央大学名誉教授
・ 袴田 ひで子 氏
・ 法務省、最高裁判所
R8.3.30 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 刑事再審制度についてヒアリング
・ 吉開 多一 国士舘大学教授
・ 青木 惠子 氏
・ 井出 庸生 衆議院議員
・ 法務省、最高裁判所、衆議院法制局
R8.4.3 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
論点① 検察官の抗告禁止について
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.6 司法制度調査会 犯罪被害者等支援PT ○ 犯罪被害者等の相談・支援体制について
・ 警察庁、法務省、厚生労働省、内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、こども家庭庁
R8.4.6 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
論点② いわゆる証拠開示に関する規定の新設について
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.7 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
論点③ 調査手続(スクリーニング)に関する規定について
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.9 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
論点④ その他の論点について
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.13 司法制度調査会 犯罪被害者等支援PT ○ 犯罪被害者等からのヒアリング
・ 假谷 実 新全国犯罪被害者の会(新あすの会)副代表幹事
・ 高橋 シズヱ 氏(地下鉄サリン事件御遺族)
・ 警察庁、法務省、厚生労働省、内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、こども家庭庁
R8.4.13 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 刑事再審制度についてヒアリング
・ 中川 博之 元裁判官
・ 鴨志田 祐美 弁護士
・ 村山 浩昭 弁護士
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.15 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
・ 法務省、最高裁判所
R8.4.20 司法制度調査会 犯罪被害者等支援PT ○ 犯罪被害者等の支援者からのヒアリング
・ 浦 尚子 公益社団法人福岡犯罪被害者支援センター理事長
・ 和氣 みち子 公益社団法人被害者支援センターとちぎ理事
公益社団法人全国被害者支援ネットワーク理事
・ 警察庁、法務省、厚生労働省、内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、こども家庭庁
R8.5.7 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について【条文審査】
・ 法務省、最高裁判所
R8.5.11 司法制度調査会 犯罪被害者等支援PT ○ 犯罪被害者等の支援業務に携わる方々からのヒアリング
・ 工藤 美貴子 あおもり被害者支援センター支援局長
・ 原 晋也 三重県環境生活部くらし・交通安全課長
○ 提言骨子案について
・ 警察庁、法務省、厚生労働省、内閣府、総務省、文部科学省、国土交通省、こども家庭庁
R8.5.13 法務部会・司法制度調査会合同会議 ○ 「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」について
・ 法務省、最高裁判所
R8.5.26 司法制度調査会・金融調査会合同会議 ○ 会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案について
○ いわゆるアクティビスト等に係る金融商品取引法令上の対応について
○ 有識者からのヒアリング
・ 太田 洋 弁護士
・ 法務省、金融庁、財務省、経済産業省
R8.6.2 司法制度調査会 ○ 有識者からのヒアリング
・ 結城 恵 群馬大学教授
・ 春日 舞 弁護士
○ グローバル・ボーダレス時代をリードする法の支配に根ざした司法・法務行政の展開のうち「秩序ある共生社会の実現に向けた取組の強化」について
○ AI・デジタル時代の未来を見据えた司法・法務行政の革新について
・ 法務省、最高裁判所
R8.6.8 司法制度調査会 ○ 有識者からのヒアリング
・ 横尾 洋一 元公安調査庁次長
○ グローバル・ボーダレス時代をリードする法の支配に根ざした司法・法務行政の展開
・「法の支配を基軸とした司法外交の戦略的推進」について
○ 複合的治安リスクの時代にあっても揺るがぬ価値を守る司法・法務行政のアップデート
・ 「戦後最も厳しく複雑な安全保障環境におけるインテリジェンスの重要性と課題」
・ 「再犯防止施策の一層の推進」
・ 「売春防止法規制の在り方の見直し」
・ 法務省、最高裁判所