デジタルに関するプロジェクトチーム提言(概要)

~ドローンと自動運転等の社会実装の加速化にむけて~

令和8年6月4日
自由民主党行政改革推進本部
デジタルに関するプロジェクトチーム

はじめに

デジタルに関するプロジェクトチームは、新体制(座長:稲田朋美、事務局長:牧島かれん、補佐:山本左近、大空幸星)のもと、我が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、直面する社会課題の解決、強い日本経済の実現や持続可能な地域経済社会の再構築の鍵となるデジタル技術の利活用、とりわけ、ドローン、自動運転等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、我が国が米国や中国等に大きく先行されていることに強い危機感をもって、2025年5月に取りまとめた規制改革等に関するプロジェクトチーム提言のフォローアップも兼ねて関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ねてきた。これらの議論を踏まえ、以下の提言を取りまとめる。

1 基本的考え方

  • 我が国において、「前例がない」などといった理由で、過度にリスクを回避する規制・制度を続ければ、新たなテクノロジーによる社会課題の解決がいわば「規制の壁」に阻まれ、国民や地域経済社会への恩恵が行きわたらないとともに、我が国がキャッチアップするどころか世界標準からも取り残されかねないと改めて強く認識。
  • 我が国が将来にわたって世界最高・最先端の技術立国を実現するため、また、人口減少・高齢化が進む地域の活力を維持するため、今こそ強い危機感をもって、「経済財政運営と改革の基本方針」において、AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方を含め、規制・制度改革の重要性とその方向性を示し、AIをはじめとするデジタル技術を活用したドローンや自動運転等の社会実装の加速化に必要な規制・制度改革等の各種施策を大胆かつ迅速に進めるべき。
  • 政府は、総理のリーダーシップのもと、規制改革推進会議を中心に、日本成長戦略本部・日本成長戦略会議、人工知能戦略本部・人工知能戦略会議、デジタル庁(事務局の機能・業務が内閣官房からデジタル庁に令和8年夏目途で移管される予定のデジタル行財政改革会議を含む。)等各種会議との連携をより一層強化し、AIをはじめとするデジタルの観点からの「横串」の規制改革等を進めるべき。

2 重点項目に係る提言

  • (1)AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方
    • 「経済財政運営と改革の基本方針2026」において、AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方を含め、規制・制度改革の重要性とその方向性を示し、民間投資と技術革新が促進され将来にわたって挑戦できる環境整備として、規制改革関連制度の見直し・連携強化等を速やかに行うべき。
  • (2)ドローンの社会実装の促進
    • 人手不足、国際競争など、我が国が抱える極めて大きなこれらの課題に対し、今こそ積極的にリスクをとって、多数機同時運航による目視外飛行(レベル4)の事業化を早期に実現する姿勢を明確に示し、規制・制度改革と予算等をパッケージで集中的に講じるべき。
    • 目視外飛行の事業化の鍵となる多数機同時運航の実現に向けた、自動化・自律化に向けたソフトウェア、機体・重要部品性能向上、運航管理システムなどの技術開発と実証、AIによる自動・自律機能の活用も含めた多数機同時運航の機数拡大、運航管理システムによる多様な機体の運航支援、VTOL(垂直離着陸)型無人航空機の社会実装の促進、円滑な電波利用の推進等のための制度整備、無人航空機の認証取得の促進のための認証規格の国際標準化の推進及び認証審査の更なる迅速化、ドローンに係る第三者賠償責任保険の義務づけの範囲の見直しの検討を行うべきである。
  • (3)自動運転の社会実装の促進
    • 国際競争、人手不足、移動の足不足、我が国が抱える極めて大きなこれらの課題に対し、今こそ積極的にリスクをとって、ドライバーが乗車せずドライバーによる手動介入のない無人自動運転(真のレベル4)及び完全自動運転(レベル5)の社会実装を早期に実現する姿勢を明確に示し、規制・制度改革と予算等をパッケージで集中的に講じるべき。
    • 自動運転の社会実装に向けた政府目標(2030年度における自動運転サービス車両数10,000台)について、バス、タクシー、トラック別の政府目標を設定すべき。あわせて、政府目標からバックキャストで、必要なマイルストーンを設定し、必要な取組をアクションプランとして官民一体で講じるべき。
    • レベル4の自動運転の国際基準・標準策定等を主導するため、期間限定で大規模な予算措置を集中的に講じ、国産の自動運転に対応した車両やE2E等の海外展開を後押しすべき。E2EによるL4自動運転の実装に向けた大きな課題である安全性評価手法を合理的な形で確立すべき。無人自動運転実現に向け、道路交通法及び道路運送車両法などの規制及びその運用を合理化するとともに、1:Nの遠隔監視や運賃収受等サービスモデルを確立すべき。
    • 自動運転車の供給者側に立った、型式認証など調達から生産までのサプライチェーンのみならず、自動運転車の利用者側に立った、免許・保険・整備・修理など販売・購入・導入からリサイクルまでの自動運転サービス・自動運転車のライフサイクルに応じて、必要なエコシステムを構築すべき。全国への水平展開に向けて段階的な実装を確実に進めるため、ODD拡張に応じた認証運用の推進(路線追加、地域拡大)、車両仕様変更への柔軟な対応、E2Eでの安全性評価手法や性能認定制度の早期確立、免許制度の見直し、保険制度の改定、通常運転と自動運転が混在した際の交通円滑及び安全性向上のための規制速度の在り方の見直しを行うとともに、初期導入費用に対する補助等を行うべき。
    • 全国の移動の足不足の解消に向けて、自動運転やライドシェアについて、骨太方針2024(「経済財政運営と改革の基本方針2024」)等を踏まえ、必要な取組を進めるべき。特に、地方の中小都市など(通院・介護、通勤・通学、買物等の異動の足確保が困難な住民が存在する地域など)、公共交通手段の利便性が低い地域における移動の足不足の解消に向けた適切な制度のあり方も含め議論を進めるべき。

デジタルに関するプロジェクトチーム提言

~ドローンと自動運転等の社会実装の加速化にむけて~

令和8年6月4日
自由民主党行政改革推進本部
デジタルに関するプロジェクトチーム

はじめに

デジタルに関するプロジェクトチームは、新体制(座長:稲田朋美、事務局長:牧島かれん、補佐:山本左近、大空幸星)のもと、我が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、直面する社会課題の解決、強い日本経済の実現や持続可能な地域経済社会の再構築の鍵となるデジタル技術の利活用、とりわけ、ドローン、自動運転等の社会実装を加速化するために、いかに規制改革をはじめとする各種施策を進めるべきかについて、我が国が米国や中国等に大きく先行されていることに強い危機感をもって、2025年5月に取りまとめた規制改革等に関するプロジェクトチーム提言(以下、前回提言)のフォローアップも兼ねて関係府省や事業者へのヒアリングも実施しながら、議論を重ねてきた(開催実績:別紙1参照)。これらの議論を踏まえ、以下の提言を取りまとめる。

1 基本的考え方

我が国が人口減少・少子高齢化に直面する中で、深刻化する人手不足等の社会課題を克服し、更なる経済成長を通じ、強い日本経済の実現につなげるため、また、どの地域に住んでいても、住民が安全で豊かな生活を営むことができる持続可能な地域経済社会の再構築につなげるため、国民生活や企業活動の前提となる規制・制度等の各種施策を不断に見直し、スピード感をもった大胆な改革を進めなければならない。

そして、我が国の社会課題の解決の鍵となるのが、AIをはじめとするデジタル技術の利活用である。

とりわけ、ドローン、自動運転等は、人口減少が著しい地方において、人手不足をはじめとする地域課題の解決、新たな生活必需サービスの創出による地域経済の活性化、さらに、我が国の経済成長の観点から、その社会実装の加速化が喫緊の課題である。

しかし、デジタル技術を活用したドローン、自動運転等の社会実装に取り組んでいる関係者からのヒアリング等を通じて、これらの分野をめぐる国際競争において、我が国が米国や中国等に大きく先行されている中で、「前例がない」などといった理由で、過度にリスクを回避する規制・制度を続ければ、新たなテクノロジーによる社会課題の解決がいわば「規制の壁」に阻まれ、国民や地域経済社会への恩恵が行きわたらないとともに、我が国がキャッチアップするどころか世界標準からも取り残されかねないと改めて強く認識したところである。

我が国が将来にわたって世界最高・最先端の技術立国を実現するため、また、人口減少・高齢化が進む地域の活力を維持するため、今こそ強い危機感をもって、「経済財政運営と改革の基本方針」において、AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方を含め、規制・制度改革の重要性とその方向性を示し、AIをはじめとするデジタル技術を活用したドローンや自動運転等の社会実装の加速化に必要な規制・制度改革等の各種施策を大胆かつ迅速に進めるべきである。

また、人口減少・少子高齢化等の課題を克服し、日本経済の成長と地方の活性化につなげるためには、絶え間ない規制改革の取組が重要であり、政府は、総理のリーダーシップのもと、規制改革推進会議を中心に、日本成長戦略本部・日本成長戦略会議、人工知能戦略本部・人工知能戦略会議、デジタル庁(事務局の機能・業務が内閣官房からデジタル庁に令和8年夏目途で移管される予定のデジタル行財政改革会議を含む。)等各種会議との連携をより一層強化し、AIをはじめとするデジタルの観点からの「横串」の規制改革等を進めるべきである。

2 重点項目に係る提言

  • (1)AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方
    • 人口減少・少子高齢化等の課題を克服し、日本経済の成長と地方の活性化につなげるため、国民生活に密着し社会・経済的に重要性が高い分野について、時代や環境の変化、テクノロジーの進化に合わせて、必要となる規制・制度改革を徹底することが重要である。
    • とりわけ、AIをはじめとするデジタルの進化は日進月歩である一方、法律をはじめとする規制・制度の見直し・新設には、ともすれば数年を要することもあり、スピードの差をいかにして埋めるか、乗り越えるかが厳しく問われている。
    • そのため、政府は、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すものである、今夏閣議決定を目指す「経済財政運営と改革の基本方針2026」において、AI時代に対応した規制・制度改革等の在り方を含め、規制・制度改革の重要性とその方向性を示し、民間投資と技術革新が促進され将来にわたって挑戦できる環境整備として、規制改革関連制度の見直し・連携強化等を速やかに行うべきである。
  • (2)ドローンの社会実装の促進
    • 人口減少、少子高齢化に伴い人手不足が深刻化する中で、ドローンは、既に多数の機体が航空法上の登録を行い、物流、点検、農業、土木・建築、警備、災害対応など多岐にわたる分野において社会実装が進みつつあり、我が国における新たなインフラとなることが期待されている。
    • また、ドローンによる物流輸送が社会実装されれば、物流業の省人化や買い物弱者支援につながり、離島や過疎地域等における生活関連サービスの確保や、地方における新たな産業創出が期待できる。
    • 本PTにおいて、前回提言のフォローアップを行った結果、エリア単位でレベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)が可能となる許可・承認手続の導入、多数機同時運航の実現(AIによる運航技術の進歩を加味したガイドラインの策定等)などについて、一定の進捗が見られる(進捗状況:別紙2参照)。一方で、レベル4飛行(有人地帯における目視外飛行)に必要な第一種型式認証審査の迅速化、多数機同時運航の実現(AIによる運航技術の進歩を加味したガイドラインの策定等)、ドローン運航に起因する民事責任制度のあり方や付保の在り方等の検討などについて、進捗が十分ではなく、更なる規制・制度改革や予算措置などの施策が必要である(進捗状況:別紙2参照)。
    • また、関係者からは、例えば、ドローンによる離島や過疎地域等における物流事業の現場では、事業の持続性の観点から、カメラを利用するものの、人の目による監視が前提の多数機同時運航の対応が困難であることや、特に同じエリアで複数機飛行する場合の通信環境(通信容量、電波品質、通信品質)などが課題として挙げられているほか、ユースケースの増加・充実の観点から、運航方法や飛行地域によってリスクレベルが異なるにもかかわらず、レベル3飛行とレベル4飛行の審査基準等のギャップが大きいことが挙げられている。
    • 今後の市場拡大には、操縦者の目の届く範囲での飛行だけでなく、ラストワンマイル配送や長距離・広域の自律巡回など目視外飛行(レベル3(無人地帯における目視外飛行)、レベル3.5飛行(補助者の配置等を必要としない無人地帯上空での目視外飛行))、レベル4飛行)、特にレベル4飛行での新たなビジネスモデルを実現させる必要がある。
    • その際、我が国において決定的に重要なのは、社会課題の解決のために必要なテクノロジーの社会実装を進める観点から、いかにして、安全性、経済性、社会受容性など、様々なリスクへの対応を行うかと、技術開発、実証、生産、飛行など各段階が円滑につながる、ドローンの目視外飛行(特にレベル4飛行)を持続的に行うためのバリューチェーンを構築するかである。
    • 現在、ドローンの世界市場シェアは中国が7割以上を占め、バッテリなどの重要部品についても中国が大きなシェアを持つのに対し、我が国では、技術開発は進むものの、本格的な量産体制は整っていないなど、我が国は、中国等に競争力の点で大きく後れを取っていると言わざるを得ない。
    • 他方、我が国では、物流人手不足、インフラ老朽化、災害対応などの社会課題が多数発生し、中国等と比べても、目視外飛行が有効となる環境が身近にある。
    • 人手不足、国際競争など、我が国が抱える極めて大きなこれらの課題に対し、今こそ積極的にリスクをとって、多数機同時運航による目視外飛行(レベル4)の事業化を早期に実現する姿勢を明確に示し、規制・制度改革と予算等をパッケージで集中的に講じるべきである。
    • このため、目視外飛行(レベル3飛行、レベル3.5飛行、レベル4飛行)の事業化の鍵となる多数機同時運航の実現に向けた、自動化・自律化に向けたソフトウェア、機体・重要部品性能向上、運航管理システムなどの技術開発と実証を進めるべきである。
    • また、目視外飛行の事業化促進を図るべく、AIによる自動・自律機能の活用も含めた多数機同時運航の機数拡大(操縦者1人に対して数十機まで)、運航管理システムによる多様な機体の運航支援、VTOL(垂直離着陸)型無人航空機の社会実装の促進、円滑な電波利用の推進等のための制度整備を検討・実施を行うべきである。
    • さらに、無人航空機の認証取得を促進するため、認証に使用する規格の国際標準化を推進するとともに、認証審査の更なる迅速化を行うべきである。
    • あわせて、ドローンに係る第三者賠償責任保険の義務づけの範囲の見直しを検討すべきである。
  • (3)自動運転の社会実装の促進
    • 人口減少や人手不足により、全国各地で、通学や通院、買物など、免許返納をした高齢者や車を持てない若者を含め、地域住民の移動の足の確保が困難になっている中、地域住民の交通手段の確保、運輸業におけるドライバー不足の解消、我が国の国際競争力の強化、交通事故の削減、渋滞の緩和・解消の観点から、自動運転への期待が高まっており、近年、各国企業が自動運転の技術開発や実用化にしのぎを削るなど、自動運転の社会実装に向け、世界的な競争が行われている。
    • 海外では自動運転関連の巨額投資が進み、米国Waymo社等、多数のプレイヤーがモジュール型AIを実装し、レベル4の無人自動運転タクシーサービス、無人自動運転バスサービス等を開始している。一方、我が国の自動運転の多くは実証のフェーズで、レベル4の無人自動運転サービスの事業化に至っていない。また、自動運転車両の1:Nでの遠隔監視モデルの構築は実現できていない。
    • また、我が国では、自家用車については、2027年度にも「AIベース」の自動運転車が市販予定であるとともに、商用車については、レベル4の自動運転車の事業化に向けた開発が進められており、「ルールベース」の自動運転技術と「AIベース」の自動運転技術の組合せにより、自動運転車の実用化が目前に来ているといえる。一方、現行の政府目標は、「2030年度における自動運転サービス車両数1万台」(第3次交通政策基本計画(2026年1月16日閣議決定))であり、自動運転社会の実現に向けては、道のりは遠いといえる。
    • 本PTにおいて、前回提言のフォローアップを行った結果、レベル4(高度運転自動化)の自動運転バスの社会実装に向けた集中的な支援、外国人バス運転手の確保(N4レベルのバス運転手をサポートする代替措置の導入、多言語音声翻訳アプリの急速な普及状況等を踏まえた制度構築)などについて、一定の進捗が見られる(進捗状況:別紙3参照)。一方で、一つのシステムで多数の自動運転バスの運行を可能とする規制の合理化・簡素化、自動運転バスと親和性のあるEVバスの普及や完全キャッシュレス化(EVバスの普及に向けた予算や税制措置の拡充)などについて、進捗が十分ではなく、更なる規制・制度改革や予算措置などの施策が必要である(進捗状況:別紙3参照)。
    • また、関係者からは、供給側・需要側の中長期的な投資判断やインフラ整備等の関連投資判断のための自動運転の用途ごとの社会実装時期・水準の見通しの提示が重要であることに加え、無人自動運転の実現には、実走行による膨大なデータ取得、安全性検証等を可能とする巨額の資金、起こり得る全シナリオへの対応(例えば、隘路(車両一台分程度の幅員)でのすれ違い、豪雨・雪などのレアケース)、E2Eでの安全性評価手法や性能認定制度が課題であることや、自動運転の普及には、自動運転車の量産化による車両価格の低廉化、量産・低廉化でもなお高い初期導入費用、サービスの維持が困難な高い運航費用、車両認証の整備・運用、免許制度や保険制度が課題であることが挙げられているほか、自動運転バスの社会実装に向けては、路線バス特有の課題として、市街地・乗客対応のために要求される高い安全性、運行コストは少数台数や立席運行でなければ成立しない事業性などが挙げられている。
    • 自動運転の社会実装に向けて、真のレベル4、つまりドライバーが乗車せずドライバーによる手動介入のない無人自動運転及び完全自動運転(レベル5)に向けてはAIの活用が不可欠であるが、我が国ではその技術の確立が米国や中国と比べて著しく遅れていることに加え、我が国において決定的に重要なのは、社会課題の解決のために必要なテクノロジーの社会実装を進める観点から、いかにして、安全性、経済性、社会受容性など、様々なリスクへの対応を行うかと、技術開発、実証、生産、飛行など各段階が円滑につながる、無人自動運転を持続的に成立させるためのバリューチェーン及びサプライチェーンを構築するかである。
    • このため、国際競争、人手不足、移動の足不足、我が国が抱える極めて大きなこれらの課題に対し、今こそ積極的にリスクをとって、真のレベル4と完全自動運転(レベル5)の社会実装を早期に実現する姿勢を明確に示し、規制・制度改革と予算等をパッケージで集中的に講じるべきである。
    • また、自動運転の社会実装に向けた政府目標(2030年度における自動運転サービス車両数10,000台)については、バス、タクシー、トラック別の政府目標を設定すべき。あわせて、政府目標からバックキャストで、必要なマイルストーンを設定し、必要な取組をアクションプランとして官民一体で講じるべきである。
    • 具体的には、レベル4の自動運転の国際基準・標準策定等を主導するため、期間限定で大規模な予算措置を集中的に講じ、国産の自動運転に対応した車両やE2E等の海外展開を後押しすべきである。
    • また、E2EによるL4自動運転の実装に向けた大きな課題である安全性評価手法を合理的な形で確立すべきである。
    • さらに、無人自動運転実現に向け遠隔での監視を達成しなければならないことから、道路交通法及び道路運送車両法などの規制及びその運用を合理化するとともに、1:Nの遠隔監視や運賃収受等サービスモデルを確立すべきである。
    • また、自動運転車の供給者側に立った、型式認証など調達から生産までのサプライチェーンのみならず、自動運転車の利用者側に立った、免許・保険・整備・修理など販売・購入・導入からリサイクルまでの自動運転サービス・自動運転車のライフサイクルに応じて、必要なエコシステムを構築すべきである。
    • 具体的には、全国への水平展開に向けて段階的な実装を確実に進めるため、ODD拡張に応じた認証運用の推進(路線追加、地域拡大)、車両仕様変更への柔軟な対応、E2Eでの安全性評価手法や性能認定制度の早期確立、免許制度の見直し、保険制度の改定、通常運転と自動運転が混在した際の交通円滑及び安全性向上のための規制速度の在り方の見直しを行うべきである。
    • また、量産・低コスト化でもなお高い初期導入費用に対する(購入)補助等(高額な車両の導入、システム構築)を行うべきである。
    • さらに、高い運用費用により、サービスの維持が難しい一方、デジタルシステムとして提供される要素も大きいことから、システム共通化や関連事業者のネットワーク化などを促していくべきである。
    • そのほか、全国の移動の足不足の解消に向けて、自動運転やライドシェアについて、骨太方針2024(「経済財政運営と改革の基本方針2024」)等を踏まえ、必要な取組を進めるべきである。特に、地方の中小都市など(通院・介護、通勤・通学、買物等の移動の足確保が困難な住民が存在する地域など)、公共交通手段の利便性が低い地域における移動の足不足の解消に向けた適切な制度のあり方も含め議論を進めるべきである。

別紙1 デジタルに関するプロジェクトチーム 開催実績

【第1回】2026年4月1日(水)16:00~@101号室 テーマ:①「規制・制度改革の今後の検討課題と中間答申」
(説明)内閣府(規制改革推進室)
②「ドローンの目視外飛行の事業化促進について」
(説明)国土交通省
(ヒアリング)日本航空(JAL)(多数機同時運航について)
(質疑対応)内閣官房(デジタル行財政改革推進事務局)、デジタル庁
【第2回】4月8日(水)16:00~@リバティ2・3号室 テーマ:「自動運転の実装実用化について」
(説明)国土交通省(国土交通省自動運転社会実現本部、自動運転社会実装推進事業関係)
(ヒアリング)いすゞ自動車(自動運転車)
日産自動車(自動運転車)
神奈川中央交通(バス)
日本交通(タクシー)
(質疑対応)内閣官房(デジタル行財政改革事務局)、内閣府(規制改革推進室)、警察庁、デジタル庁、総務省、経済産業省

別紙2 2025年規制改革等に関するPT提言(ドローン部分)の進捗状況

提言項目 進捗状況(2026年5月現在) 残る課題
レベル4(有人地帯における目視外飛行)に必要な第一種型式認証審査の迅速化(海外当局の型式認証や特例承認を取得している機体について、重複する試験項目の省略等) ・国土交通省において、レベル4(有人地帯における目視外飛行)に必要な第一種型式認証審査の迅速化を検討中。 ・レベル4(有人地帯における目視外飛行)に必要な第一種型式認証審査の更なる迅速化
エリア単位でレベル4飛行が可能となる許可・承認手続の導入 ・2025年6月の規制改革実施計画(閣議決定)に基づき、同年3月に国土交通省が公表した「エリア単位でのレベル4飛行における留意事項等」を踏まえて、同年11月及び12月並びに2026年2月、福島県・長崎県(連携”絆”特区)においてエリア単位での初のレベル4飛行を実施。
・2026年4月、国土交通省が「エリア単位でのレベル4飛行における留意事項、事例集等(第2版)」を作成・公表。
・エリア単位でのレベル4飛行に関する事例集の周知
多数機同時運航の実現(AIによる運航技術の進歩を加味したガイドラインの策定等) ・国土交通省は、2024年12月の規制改革推進に関する中間答申(規制改革推進会議決定)を踏まえ、2025年3月、レベル3又はレベル3.5飛行における安全に多数機同時運航(操縦者1人に対して最大5機)を行うことを可能とする「多数機同時運航を安全に行うためのガイドライン第一版」をとりまとめ・公表。あわせて、航空法の無人航空機関係解釈通達を改正。
・国土交通省は、2025年6月の規制改革実施計画(閣議決定)に基づき、ドローン・AIの開発状況や多数機同時運航に係る実証結果等に応じて、対象範囲や機体数上限拡大に向けて、ガイドライン等の見直しを検討中。
・ドローン・AIの開発状況や多数機同時運航に係る実証結果等を踏まえた、ガイドライン等の見直しによる、①レベル4飛行への対象範囲の拡大②レベル3、レベル3.5又はレベル4飛行における同時運航機体数上限の拡大
・安全に多数機同時運航を行うことに必要な自動・自律機能、重要部品、運航管理システム等の技術開発及び実証・国際標準化の推進
我が国ドローン関連産業の育成に向けた、ドローンの活用分野の一層拡大 ・物流、点検、農業、土木・建築、警備、災害対応など多岐にわたる分野において社会実装が進み、我が国における新たなインフラとなることが期待。
・ドローンの市場規模は、世界市場で2024年約1兆円から2030年約1.5兆円へ、日本市場で2024年約1,100億円から2030年約2,700億円へ、世界・国内ともに高い成長率で拡大していく見通し。
・ドローン関連企業の予見可能性の確保にもつながる防衛調達の拡大
ドローン運航に起因する民事責任制度のあり方や付保のあり方等の検討 ・2025年10月、国土交通省は、レベル3.5のドローンを飛行させる場合(第三者の上空を飛行しない場合(目視外を含む。)に加え、総重量25kg以上のドローンを飛行させる場合(第三者の上空を飛行しない場合に限る。)に提出する飛行許可・承認申請において、第三者賠償責任保険の加入を義務付け。
・今後、国土交通省は、レベル4のドローンを飛行させる場合(第三者の上空を飛行する場合)に提出する飛行許可・承認申請において、第三者賠償責任保険の加入の義務付けを検討予定。
・AIによるドローン運航の技術進展を阻害しない、技術進展に応じた第三者賠償責任保険の加入の義務付けの対象範囲の見直しの検討
・ドローン運航に起因する民事責任制度のあり方の検討

別紙3 2025年規制改革等に関するPT提言(自動運転部分)の進捗状況

提言項目 進捗状況(2026年5月現在) 残る課題
レベル4(高度運転自動化)の自動運転バスの社会実装に向けた集中的な支援 ・「モビリティ・ロードマップ2025」(2025年6月13日デジタル社会推進会議/モビリティワーキンググループ取りまとめ)等に基づき、2026年3月、レベル4の自動運転バス・タクシーについて、単なる実証にとどまらず、広く地域で事業として継続可能となるビジネスモデルを構築するため、各府省庁の施策を集中させる「先行的事業化地域」(2027年度を目途に先行的に事業化を実現する取組を行う地域)として3パターン・13地域を選定・公表。関係府省庁による集中的な支援等を順次開始。
・地方公共団体による、レベル4自動運転移動サービス実装に係る初期投資を支援する自動運転社会実装推進事業【2026年度予算20,600百万円の内数】
・無人自動運転サービス実装推進事業【2026年度予算1,000百万円】(自動運転バスと自動運転トラックの早期社会実装に向けた、車内無人の遠隔監視型自動運転の手法等の実証)
・選定された先行的事業化地域13地域に対し、自動運転サービスの事業化と、事業化モデルの横展開による全国的な普及に向け、関係府省庁と連携した伴走支援と集中的な支援の実施。
・レベル4のみならず、AIの活用など高度な自動運転システムを搭載したレベル2++の運転支援機能を活用した自動運転サービスの社会実装に向けた取組について、優良事例として横展開できる事業をより強力に支援。
・1:Nの遠隔監視等、無人での自動運転を実現するための事業モデルの構築
・AIの安全性評価手法の確立
・通常運転と自動運転が混在した際の交通円滑及び安全性向上のための規制速度の在り方の見直し
一つのシステムで多数の自動運転バスの運行を可能とする規制の合理化・簡素化 ・2025年7月、自動運転移動サービスの社会実装・事業化を加速するため、自動運転車両の調達にかかる投資額などの事業採算性等の検討の参考となる情報を取りまとめた手引き(自動運転移動サービス社会実装・事業化の手引き)を経済産業省及び警察庁とともに作成し、第2版を公表。今後、第3版を作成・公表予定。 ・自動運転(レベル4)の運行管理・遠隔監視について、さらなる具体化・明確化
自動運転バスと親和性のあるEVバスの普及や完全キャッシュレス化(EVバスの普及に向けた予算や税制措置の拡充) ・商用車等の電動化促進事業【2025年度補正予算30,000百万円】(商用の電動車等及び当該車両に必要となる充電設備等の導入補助)
・商用電動車の性能評価・導入促進事業【2025年度補正予算618百万円】(商用電動車の導入ガイドラインの策定及び電動車の性能等の公表制度創設に向けた調査、運送事業者(トラック・バス・タクシー)、地方公共団体、再生可能エネルギー発電事業者等の連携の下での電気自動車、再生可能エネルギー、蓄電池を組み合わせたモデルの実証)
・電気バス等に係る特例措置の創設の検討【2026年度税制改正:自動車重量税・自動車税(種別割)(バス事業における温室効果ガスの排出量を削減し、「2050年カーボンニュートラル」社会の実現に貢献するため、今後の電気バス等の普及状況を見据えながら、2027年度以降の税制改正で具体化の結論)
・バス運送業における生産性向上のための取組(事業者によるキャッシュレス決済や乗務日報自動作成システム、運行管理支援システムの導入等DX化の推進)に対する支援【2025年度補正予算35,200百万円の内数】
・EVバスの更なる普及に向けた予算や税制措置の拡充
・業界から「利用者への周知」や「現金以外の決済手段を持たない利用者への対応」などの課題があるとの声を踏まえ、これらの課題への対応を整理した上で、普及のための取組を検討。(キャッシュレス関連)
外国人バス運転手の確保(N4レベルのバス運転手をサポートする代替措置の導入、多言語音声翻訳アプリの急速な普及状況等を踏まえた制度構築) ・自動車運送業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(2026年1月23日閣議決定)により、外国人バス運転手の日本語能力要件として、日本語サポーター同乗を条件としてN4レベルも設定。 ・外国人バス運転士の日本語能力がN4レベルでも、日本語サポーターの同乗を不要とするなど、更なる運用の適正化に向けて検討。