着実な道路整備・管理の推進に向けた決議

令和8年6月4日
自由民主党政務調査会
ITS推進・道路調査会

自然災害が激甚化・頻発化しており、能登半島地震をはじめとする大規模災害により連年、甚大な被害が生じている。また、高度成長期に整備された道路インフラの老朽化対策のみならず、昨年1月に埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故も踏まえ、道路空間の安全確保が必要となっている。これらの教訓も踏まえつつ、子孫の世代まで誰もが安心して暮らせる国土を創り、引き継ぐことは我々の責務である。そのため、災害に強い道路ネットワークの構築や老朽化対策をはじめとした「令和の国土強靱化」に、不退転の決意で取り組む。

社会資本整備は未来への投資であり、国民の安全・安心を確保しつつ、国内投資の拡大による「強い経済」を実現するため、「成長投資」として、生産性向上に資する道路整備を進める必要がある。

さらに、社会実装に向けた取組が進む自動運転や、カーボンニュートラルの実現に向けた道路分野の脱炭素化の推進や、物流の担い手不足等に対応する自動物流道路の構築など、変化する社会情勢への対応は喫緊の課題である。

国が地方の要望を受け取り組んできた道路整備事業について、政府は十分な道路予算を確保し、各種施策を更に加速し推進すべきである。これらの観点も含め、着実な道路整備・管理の推進に関し下記の通り決議し、政府に対し強く対応を求める。

【防災・減災、国土強靱化、インフラの老朽化対策】

  • 一 道路ネットワークは災害時の交通確保や迅速な復旧支援に大きな効果を発揮しており、「危機管理投資」による強い経済の実現の観点から、引き続き、高規格道路の未整備区間の解消やダブルネットワークの強化など、災害に強い道路の整備・機能強化を図ること
  • 一 急速に進展するインフラ老朽化は待ったなしの状況であり、道路利用者の安全・安心確保のため、橋梁、トンネル、舗装などの老朽化対策の取組を更に推進するとともに、八潮市の道路陥没事故を踏まえた道路地下空間マネジメントの実現に取り組むこと

【国内投資拡大に資する道路ネットワーク】

  • 一 力強い日本経済・地域経済の構築のため、国内産業の投資拡大や地方創生の実現につながる基盤整備として、生産性の向上に資する道路ネットワークの整備・機能強化を進めること

【自動運転】

  • 一 先般とりまとめられた自動運転小委員会の提言も十分に踏まえ、物流、地域交通の維持・確保などの社会課題を解決し、新たなサービス創出などにつながる自動運転の社会実装に向けた取組を強力に推進すること

【カーボンニュートラル】

  • 一 カーボンニュートラルの実現に向け、道路法に基づき策定された推進計画を踏まえ、GX投資を進め、脱炭素を成長につなげるため、次世代自動車の走行環境整備や再生可能エネルギーの活用など、道路分野の脱炭素化の取組を進めること

【物流支援】

  • 一 経済活動の根幹を担う物流事業者の担い手不足や労働環境改善への貢献として、生産性向上に資する道路ネットワーク整備や休憩施設の充実・機能強化、自動物流道路の構築に向けた検討等を推進すること

【道の駅の拠点機能の強化】

  • 一 地方創生・観光交流の拠点となる道の駅が、能登半島地震において防災機能を発揮したことをふまえ、平時・災害時問わず、道の駅の交流・防災拠点としての 機能強化を進めること

【安全・安心で快適な道路空間の創出】

  • 一 全ての人が安全・安心で快適に生活できる社会の実現に向けて、第3次無電柱化推進計画に基づく取組を加速するとともに、自転車通行空間の整備、生活道路等の交通安全対策等を推進すること

【事業評価】

  • 一 防災や地方創生など、B/Cだけでは測れない効果も踏まえ、交通量の多寡によらない多様な観点も含めて事業の必要性を評価する仕組みを構築すること

【整備局等の体制強化】

  • 一 大規模自然災害発生時の地方への支援を含めた政府の体制を一層強化するため、地方整備局等の組織・定員の拡充、TEC-FORCEやリエゾン等の被災 自治体の支援体制の強化、庁舎の防災機能強化、資機材の充実等を図ること

【持続可能な地域の担い手確保等】

  • 一 「地域の守り手」として最前線で災害対応を担う地域建設業が、その使命を果たすため、道路整備・管理においても、必要な事業量を安定的に確保する観点から、国及び地方自治体の発注時期の平準化に努めること
  • 一 道路整備・管理の現場における生産性向上の更なる推進のため、ICT活用やDXの推進等に加え、新技術開発・導入を促進すること
  • 一 道路整備に係る急激な資材価格の上昇などに対応した発注及び契約変更に、国・地方とも努めること

【道路予算・財源の確保】

  • 一 第1次国土強靱化実施中期計画の目標を着実に達成するため、国土強靱化予算については、必要な予算を確保し、通常の歳出とは別で措置すること
  • 一 労務単価や資材価格の上昇、インフラの老朽化への対応等により、今後も財政需要が増大することが見込まれる中、計画的かつ安定的な道路整備・管理が進められるよう、令和7年度補正予算と令和8年度当初予算を合わせた規模を上回る予算を継続的に確保すること
  • 一 国民の生命、財産を守るための国土強靱化の取組や、道路機能を維持するための老朽化対策、持続的かつ計画的な道路整備など、増大する財政需要に安定的に対応するため、新たな財源を確保すること
  • 一 このほか、高速道路の適切な維持管理・更新を図る観点から、必要な財源確保のための高速道路料金について検討すること