外国人政策本部第2次提言
―あるべき秩序・ルールを確立し、
国土の適切な利用を図り、
誰もが安全・安心に暮らせる地域社会の実現に向けて―
令和8年6月9日
自由民主党
外国人政策本部
はじめに
- ○党外国人政策本部は、総裁直属の機関として、昨年11月の発足以来、「国民が安全・安心に暮らし、社会・経済の持続的発展により、誰もが元気になれる社会をつくること」を使命に掲げ、3つのPTを集中的に動かし、本年1月に「第1次提言」を取りまとめた。
- ○「第1次提言」は、出入国・在留管理等の厳格化・適正化、各種制度の適正化、安全保障と土地法制の三つの観点から、制度の抜け穴や運用上の曖昧さを放置せず、現場で生じている様々な課題について、政府に対して、厳格・厳正な対応を求めるものであり、政府として、1月23日に「総合的対応策」を決定した。
- ○政府においては現在、不法滞在者対策、「技術・人文知識・国際業務」の審査強化、「留学」の資格外活動の管理強化、電子渡航認証制度(JESTA)の導入に向けた法案成立、帰化要件の厳格化、医療費不払い対策、公営住宅入居時の国籍・在留資格確認、違法民泊対策、外国人による土地取得等や地下水利用のあり方を検討する有識者会議の立ち上げなど、各分野において政策が前進している。
- ○わが党として責任ある提言を行い、具体的な政策が動き始めていることは、大きな成果であることは言うまでもない。今後も社会の変化に応じて、関連する政策を不断に見直し、誰もが安心して暮らせる秩序ある地域社会を実現するための取組みを加速させていく。
- ○外国人政策は、出入国・在留管理にとどまるものではなく、地域社会の秩序、治安、教育、税、労働(雇用、賃金)、社会保障・福祉(医療、保健、介護、年金、生活保護等)、経済、住宅、さらには安全保障にも影響を及ぼす、国家の根幹に関わる課題である。
本提言では、まず、「第1次提言」を受けた政府の外国人政策全体の進捗状況をフォローアップするとともに、これらの進捗等を踏まえ今後の制度改正や運用改善、さらには予算措置の観点も含め、各施策において一層強化すべき事項を提言するものである。
第1 第1次提言を踏まえた取組状況のフォローアップ
- ○外国人政策本部では、「第1次提言」を踏まえた政府の総合的対応策について、現場で機能しているのか、各省庁・自治体・関係機関の間で情報共有と連携が進んでいるのか、国民がその効果を実感できているのかといった観点からフォローアップを行った。
1.国民の不安や不公平感に正面から応える
<出入国・在留管理の適正化関係>
【主な進捗状況(詳細は別紙参照。以下同じ。)】
- ・不法滞在・就労を目的とする外国人の入国を防ぐためのJESTA (電子渡航認証制度)の前倒し導入に向けた法案が成立
- ・在留資格本来の趣旨に照らして適切な運用が行われるよう、在留資格「経営・管理」の審査基準を、資本金500万円から3,000万円に引き上げた結果、申請数が月約1,700件から約70件へ、約96%減少(令和7年10月から)
- ・資格外活動時間や資格外活動先の把握を徹底し、制度の趣旨に反する資格外活動を防止するため、日本語教育機関と連携し、アルバイトなどの資格外活動のルール(週28時間以内等)を守っているかを3カ月ごとに厳格に確認する仕組みを導入するなど、「留学」の資格外活動の管理を強化(令和8年4月運用開始)
- ・永住許可の在留要件(10年以上)に対し、帰化の住所要件(5年以上)は不整合との指摘を踏まえ、帰化の要件を厳格化し、必要な在留期間を10年に引き上げ(令和8年4月運用開始)
- ・不法滞在者対策として、「国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプラン」を着実に推進し、護送官付き強制送還は対前年比28%増の318人と過去最多、国別で最も多く送還したのはトルコ国籍の71人(令和7年)
- ○国民の安全・安心を守るためには、「入り口」から「在留」まで一貫した管理体制を構築することが必要である。無制限に外国人を受け入れるのではなく、出入国管理と在留管理の厳格化を両輪として進め、主権国家として外国人を含めたあるべき秩序とルールを確立しなければならない。
- ○在留資格の審査や在留期間の更新においても、制度の趣旨に照らした厳正な運用が不可欠である。制度を正しく利用する人はしっかり支える一方、誤用・濫用・悪用には毅然と対応する。この線引きを曖昧にしないことが、結果として不安や不公平感を解消し、日本社会全体の納得感につながる。
- ○上記の進捗状況で確認したとおり、これらの取組は着実に推進されているが、在留許可手数料等の引き上げによる財源も活用し、入管庁等の人的・物的体制を抜本的に整備のうえ、出入国管理DX、不法滞在者ゼロプランを一層強力に推進していく必要がある。
<外国人制度の適正化関係>
【主な進捗状況】
- ・医療費不払いのある訪日外国人の次回入国時の審査の厳格化のため、医療費不払いのある訪日外国人の情報を共有する基準を「20 万円以上」から「1万円以上」に引き下げ(令和8年4月から)
- ・公営住宅等に多くの外国人が入居することで、特定の学校等に負荷がかかる等の指摘がある一方で、入居実態を把握していない事業主体が存在したため、公営住宅の新規入居者の国籍・在留資格等を把握すること、日本語で円滑なやり取りが可能な緊急連絡先の登録を求めることを自治体に通知(令和8年2月)
- ・無届民泊に対する厳正な取締り・抑止の推進のため、旅館業法に基づく命令・罰則などの事例の周知や、生活環境への悪影響を防止するための規制が可能であることを明確化する通知を自治体に発出した(令和8年1月)ほか、各種民泊データを一元的に管理し、仲介サイトから無届民泊の確実な削除を行うため、「民泊制度運営システム」の改修の具体的な設計等に着手
- ○税、社会保障・福祉(医療、保健、介護、年金、生活保護等)、教育、住宅、民泊といった、生活に密接にかかわる制度の多くは、今日のように多数の外国人の訪日や在留を必ずしも前提として設計されたものではなかった。上記の進捗状況で確認したとおり、国民の不安や不公平感に正面から応えるべく、関係省庁が横串を刺し、社会の変化に合わせた法や制度の見直しが既に始まっている。
- ○日本人・外国人を問わず、公正なルールの下で、ルール違反に対しては毅然と対応する姿勢を明確に示し、制度の信頼性を高めていくことは、ルールを遵守する外国人に対する信頼を守るためにも重要である。
- ○外国人政策全体を効率的、合理的に運用できる仕組みとするためには、引き続き、国や自治体等の関係機関が横断的に、デジタル技術も用いて情報を共有し、必要な時に在留外国人に関する情報を取得できる仕組みを整備していく必要がある。
- ○また、外国人に係る課題に最前線で対応しているのは自治体であり、外国人集住地域や特定の観光都市においては、特に負担が過大となっている旨の指摘もある。国は、自治体の現場が円滑かつ適切に対応できるよう、自治体との連携を強化するとともに、財政面、人材面の支援を充実させる必要がある。
2.国土の適切な利用を図り、国民の安全保障上の懸念を払拭する
【主な進捗状況】
- ・不動産登記、森林法をはじめとする土地関連制度において国籍把握を順次開始し、国土全域で土地所有者等の国籍を把握する仕組みを構築(令和8年4月から順次実施)
- ・土地等の取得・利用・管理ルールを検討するため、「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」、「地下水の適正な保全と利用に関する検討会」、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」を設置し、議論を開始(令和8年3月~)
- ・不動産取得に係るマネロン対策のため、個々の宅建業者が作成する「リスク評価書」のマニュアルを策定(令和8年2月)
- ・暗号資産を用いた不動産取引の実態把握や健全性を確保するよう、関係業界団体に要請(令和8年4月)
- ・無主の「国境離島以外の離島」の国有財産化、国籍を含めた土地所有等情報の一元的なデータベースとしての不動産ベース・レジストリの整備、取引がない不動産(ストック)所有者の国籍情報の把握等に順次着手
- ・大都市部における新築マンションの短期売買や国外からの取得に関する実態調査を継続して実施
- ○土地取引は単に経済行為にとどまらず、わが国の安全保障や主権に直結することもある極めて重いテーマである。
実態が見えないままその取得や利用が進めば、国民の生命・財産、地域の安全に大きな懸念が生じる。このため、国土の適切な利用と管理をコントロールしていくこと、そしてその状況が国民に対して透明性をもって公開される仕組みを整えていくことが極めて重要である。
- ○このためには、まず実態把握を進めることが大前提となる。これまでは土地所有等情報が十分に把握できていなかったが、党の議論を踏まえ、令和3年に制定された重要土地等調査法をはじめ、農地法、国土利用計画法において国籍把握が進められ、本年4月からは森林法、10月からは不動産登記で国籍把握が開始されることとなった。
- ○これにより、国土全域で土地所有者等の国籍を把握する仕組みが整ったが、土地所有等情報の更なる透明性向上に向けて、必要な取組を継続していく必要がある。
- ○その上で、外国人による土地取得等をめぐって国民から多くの懸念や不安の声が寄せられていることを、外国人政策本部としても重く受け止めなければならない。
わが国としてどのような土地取得等のルールが必要なのか、取得段階だけでなく、その後の利用の在り方を含め実効性ある制度を整える必要がある。
3.誰もが安全・安心に生活し、活躍できる社会を創る
【主な進捗状況】
- ・日本語や日本の風土・文化、制度・ルール等を包括的に学習する日本初のプログラムの創設に向け、政府内のプロジェクトチームが作業を開始(令和8年3月)
- ・日本語教育ニーズの増加・多様化を踏まえ、各自治体の取組を後押しするよう、地域日本語教育の総合的な体制づくりへの財政支援(令和8年度:60団体)、日本語指導補助者等への財政支援(令和8年度:243自治体)、地域社会のルール等の習熟の場の設置等に要する経費への地方財政措置(令和8年度から)を実施
- ○日本語教育や制度理解、生活ルールの周知は、単なる支援策ではなく、制度の誤解を防ぎ、地域社会との摩擦を減らし、相互理解を高めるための重要な基盤となる。第1次提言を受け、政府は取組を進めているが、誰もが安心して暮らせる社会の実現のため、以下の取組を加速化させる必要がある。
- ○外国人が日本社会の中でルールを学び、働き、暮らしていけるよう、日本語やわが国の制度・ルール等を包括的に学習する日本初の学習プログラムの創設に向け、政府内でプロジェクトチームが作業を始めているが、省庁横断的な検討を加速化させる必要がある。
- ○来日前や来日後、就労者、生活者、こども等、ライフステージやライフサイクルに応じた日本語教育は、スピード感を持って進める必要がある。
特に、日本語指導が必要な外国人児童生徒数が急増している中、国籍を問わず、質の高い教育を受けられる環境を整備することが地域社会の安定につながる。学校現場に負担を集中させないよう、国が自治体と連携しながら、地域の実情に応じて支援措置を講じる必要がある。
- ○これらの環境整備に係る財源については、在留許可手数料等の引き上げによる財源の活用に加え、受入れ機関の責任の在り方を含めて利用者が必要な負担を適切に果たす仕組みを併せて検討する必要がある。
第2 第1次提言の進捗等を踏まえて強化すべき事項
- ○第1次提言を踏まえた取組状況のフォローアップや、政府から報告のあった現状等を踏まえ、今後の制度改正や運用改善、さらには予算措置の観点も含め、各施策において一層強化すべき事項は以下のとおりである。
1. 国民の不安や不公平感に正面から応える
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(1)不法滞在者ゼロプラン及び不法就労対策の強力な推進
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ア 「不法滞在者ゼロプラン」の更なる推進(不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~)等
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ⅰ現状
- ・第1次提言を踏まえ、政府は不法滞在者ゼロプランを強力に推進し、不法残留者数は前年に比べて6,375人減、難民認定申請未処理数は前年に比べて3,531人減となった。
- ・しかしながら、依然として不法残留者数は6万8,488人(令和8年1月1日現在)、難民認定申請未処理数は1万5,969人(令和7年末現在)となっている。
- ・また、令和7年中に退去強制手続等を執った外国人のうち、不法就労事実が認められた者が72.9%存在しており、不法就労が不法滞在者の生活手段となっている。
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ⅱ強化すべき事項
【不法滞在者・不法就労対策の更なる推進(入国管理等の適正化)】
- ・国民の安全・安心のため、護送官付き国費送還の促進など、不法滞在者ゼロプランに掲げられた施策を一層強力に推進することに加え、不法残留者の増減要因について現状を分析し、「入国管理」、「在留管理・難民審査」、「出国・送還」の各段階において今後重点的に取り組むべき施策が「不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~」(令和8年5月22日公表)として取りまとめられた。
これに基づき、厳格な査証審査のための入管庁及び外務省の情報連携の強化、難民認定申請の審査の更なる迅速化、要件を満たさなくなった被仮放免者等を収容した上での帰国説得、摘発の強化やサイバーパトロールの実現、入管法違反者に関する情報提供や通報の促進策等について検討すべきである。
- ・偽変造在留カード対策の強化、外国人雇用状況届出制度の厳格化など不法就労そのものの予防や、SNS等の情報を収集・分析するなどした摘発を推進する。
また、不法就労を助長する者の摘発強化や不適正ヤード(いわゆる法律等を遵守しない解体廃棄物保管ヤード、自動車ヤードやスクラップヤード等の総称)の対策強化(業者の国籍や資本関係に関する実態把握を含む)、各業法も踏まえた厳正な対応を行うべきである。
- ・不適正スクラップヤード(金属資源等の海外流出を含む)について、規制強化と関係機関間の連携を強化すべきである。
- ・不法就労を抜本的に縮減するためには、不法就労者を雇用する者への一層厳正な対応が必要であることから、不法就労を助長する者の摘発強化や各業法も踏まえた厳正な対応の状況を踏まえ、不法就労助長罪と各業法の欠格事由の在り方を検討すべきである。
- ・誤用・濫用的な難民認定申請の抑制に向けて、難民条約上の迫害に明らかに該当しない事情を主張している案件(B案件)の申請の類型化の拡充や更なる処理体制の整備を図るべきである。
- ・上記の不法就労・不法滞在の予防等や摘発等の強化を図るため、入管庁、警察庁、厚生労働省の人員、予算を増強し、さらに実効性のある体制の確立を図るべきである。
- ・令和10年1月1日現在の不法残留者数について、現行統計を開始した平成2年以降で過去最低であった令和4年7月1日の値(約5万8,000人)と比較し、これらの取組の成果について検証すべきである。
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ⅰ現状
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イ 外国人雇用状況届出制度の運用改善
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ⅰ現状
- ・事業主の中には、外国人を不法に就労させている実態があることを踏まえ、その防止を徹底するため、事業主による在留カードの確認の徹底等、更なる取組が必要である。
- ・第1次提言を踏まえ、在留カードの偽変造を在留カード等読取アプリにより事業主が確実に確認できるよう、届出提出時のチェックリストを作成し、厚生労働省ホームページに掲載し、その使用を事業主に勧奨した。
- ・第1次提言を踏まえ、届出の未届・虚偽届事案への対応を強化するため、都道府県労働局・ハローワークにおける助言・指導等から警察当局や入管当局への情報提供・告発までの具体的手順を記載したマニュアルを都道府県労働局等に通知した。
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ⅱ強化すべき事項
【外国人雇用管理指針改正と手続改善による都道府県労働局の指導強化】
- ・外国人雇用管理指針の改正により、事業主は、秩序ある地域社会を実現するために適切な雇用管理を行うことが重要であることから、入管法に不法就労助長罪が規定されていることに加えて、未届や虚偽届には罰則の制裁があることを明示すべきである。
また、事業主による在留カードの券面情報の確認に当たっては、在留カード等読取アプリを使用することを徹底することとし、偽変造在留カード対策を推進すべきである。
- ・未届事業主に対する都道府県労働局の指導を更に迅速化するため、厚生労働省と入管庁それぞれにおけるシステム間の情報連携を一層強化し、未届事案共有開始までの期間(現行:上陸許可日等から180日後)の短縮を図り、手続の在り方を改善すべきである。
また、マイナンバーのより一層の利活用を図るため、雇用している外国人労働者が「特定在留カード」(在留カードとマイナンバーカードが一体となったもの)を取得するように都道府県労働局は事業主に助言・指導等をすべきである。
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ⅰ現状
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ア 「不法滞在者ゼロプラン」の更なる推進(不法滞在者ゼロプラン~強力推進パッケージ~)等
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(2)出入国在留管理行政のDXの推進
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ⅰ現状
- ・外国人施策の前提・基盤となる入管業務についてDXを実現し、公共サービスメッシュ等を利用した情報連携を関係機関が十分に活用できるようにすることが、時代に見合った適正な外国人施策を実現する上で不可欠である。
- ・第1次提言を踏まえ、電子渡航認証制度(JESTA)の導入等の出入国在留管理DXを進めている。
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ⅱ強化すべき事項
【電子情報の管理により、適正審査と入国後の実態把握の強化】
- ・入国から出国に至るまでの一連の情報を一体的に把握・管理する観点から、各種情報を電子的に取得し、処理・管理するシステムを構築するとともに、有機的かつ一体として高度な出入国在留管理行政を実現するため、制度・業務・システムを三位一体で見直す取組を推進し、あわせてDX推進を担う体制の整備や必要な物的整備を進めるべきである。
- ・出入国管理の厳格化と上陸審査手続の円滑化の両立のため、令和10年度中の電子渡航認証制度(JESTA)の導入に向け、引き続き確実なシステム開発を行い、安定的かつ効果的に運用が行われるよう準備に取り組むべきである。
- ・在留申請及び届出について、原則オンライン化を目指すとともに外国人の適正な在留管理を徹底するため、公共サービスメッシュを活用したマイナンバーによる情報連携や在留関連手続に伴う手数料の支払いについて、キャッシュレス決済の導入を進めるべきである。
- ・不法滞在者や退去強制事由への該当が疑われる者に関する情報について、AIを含むデジタル技術の活用等を通じて情報収集を強化するとともに、データの集約・分析能力を高め、効果的かつ優先度を踏まえた摘発を可能とすべきである。
- ・難民等認定申請について、各種申請書類及び受付業務のデジタル化、相談対応のオンライン化、審査プロセス(認定判断や出身国情報データベース構築)へのAI技術の活用等により、誤用・濫用的な難民等認定申請を抑制しつつ、難民認定等審査手続の抜本的な迅速化・効率化を推進すべきである。
【情報発信・相談対応の強化】
- ・在留支援について、スマートフォン用アプリ等を通じて、在留諸手続に関する簡易な案内やプッシュ型の情報発信を行うとともに、在留外国人からの相談に対応可能な双方向的なコミュニケーションの仕組みを構築すべきである。
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ⅰ現状
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(3)在留管理の一層の適正化
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ア 在留資格等の審査の適正な運用
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ⅰ現状
- ・第1次提言を踏まえ、「経営・管理」、「技術・人文知識・国際業務」、「留学」等の在留資格の審査について、許可基準、提出書類、審査手法の見直しや教育機関との連携等の措置を講じ、在留資格の趣旨に沿った形で運用されるように適正化が図られている。
- ・現状、例えば「経営・管理」の許可基準改正以降の在留資格認定証明書交付申請件数は、それまでの月約1,700件から月約70件となり約96%減少した。
許可基準を見直したことで、移住目的の方法として「経営・管理」が悪用される懸念は一定程度払拭され、我が国の経済・社会の活性化に資するという同在留資格の本来の目的に沿った形で運用されつつある。
- ・在留資格「特定技能」については、令和9年4月から支援業務の委託先を登録支援機関に限定し、また、登録要件を厳格化するなど制度の適正化を図っている。
- ・第1次提言のとおり、令和9年度から開始する育成就労制度については、本年4月15日から監理支援機関許可の施行日前申請の受付を開始し、9月1日から育成就労計画認定の施行日前申請の受付を開始する予定であり、着実に準備する必要がある。
- ・第1次提言のとおり、在留資格「永住者」については、公租公課の不払い等の取消事由を追加するなどした改正入管法が令和9年4月に施行されるため、その運用基準を定めるガイドラインを策定中である。
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ⅱ強化すべき事項
【実態調査の強化による適正審査の確保】
- ・引き続き、各在留資格や資格外活動の実態等を把握し、家族帯同を含めた審査の適正な運用、その在り方の検討が必要である。
例えば、疑義がある案件に適切に対応するためには、入管職員が実地に赴いて調査を行い、在留資格該当性の確認や資格外活動許可違反の有無を確認することが不可欠である。このため、人的・物的体制の強化を図るべきである。
【育成就労制度の円滑な運用開始に向けた体制整備】
- ・育成就労制度の円滑な運用開始(令和9年4月)に向け、育成就労実施者等の指導・監督や育成就労外国人等の支援・保護業務や相談援助業務を適切に行えるよう、外国人育成就労機構を含め必要な人的・物的体制を整備すべきである。
- ・また、育成就労制度において、監理支援機関や育成就労実施者による日本語講習が円滑に行われ、育成就労外国人が効果的に日本語を習得できるようモデルカリキュラムの開発・普及促進を図るべきである。
【永住許可の在り方の更なる検討】
- ・永住許可基準(令和9年4月開始)について、永住許可を行う趣旨を踏まえた独立生計要件や国益要件についての見直しを図るべきである。また、日本初の「日本語・生活学習プログラム(仮称)」を受講することを永住許可の条件とすることや、改正入管法の施行状況を踏まえた取消事由の範囲の拡大を含め、更なる検討を進めるべきである。
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ⅰ現状
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イ 在留カードとマイナンバーカードの原則一体化
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ⅰ現状
- ・在留カードとマイナンバーカードが一体となった「特定在留カード」については、地方出入国在留管理局又は市町村の窓口で交付申請が可能であるが、改正法施行時点では在留申請オンラインシステムには対応していない。
このため、同カードの交付を希望する場合は必ず窓口において申請する必要があり、普及率向上の妨げになるおそれがある。
- ・令和8年6月14日の改正入管法の施行を控え、特定在留カードに係る周知・広報を、出入国在留管理庁HPに制度案内の掲載、ソーシャルネットワークサービス等の活用及び地方出入国在留管理局窓口でのリーフレット配布等により行っているが、今後、在留カードの発行対象者である中長期在留者について、更なる周知・広報を検討する必要がある。
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ⅱ強化すべき事項
【原則取得のための更なる方策の推進】
- ・在留カードの発行対象者である中長期在留者が、原則として特定在留カードを取得するための措置を、受け入れ機関の役割を含め、検討すべきである。
更なる方策として、在留カードとマイナンバーカードを原則として一体化させていくために、在留期間更新などのオンライン申請において、特定在留カードの交付申請・取得を可能とするためのシステム改修を速やかに実施すべきである。
- ・併せて、特定在留カード(特定特別永住者証明書含む)を取得するための一層の周知・広報を行うべきである。
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ⅰ現状
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ア 在留資格等の審査の適正な運用
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(4)入管庁の人的・物的体制の大幅な増強
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ⅰ現状
- ・出入国管理、在留管理をはじめとする入管業務は、各省庁が行う外国人施策の前提・基盤となる業務であるにもかかわらず、外国人入国者数が 4,000万人を上回り、在留外国人数が400万人を上回るようになった現状に対し、出入国在留管理庁の職員はわずか6,680人程度であり、脆弱といわざるを得ない。
そのことが、在留諸申請の処理の遅れなどにも表れているところ、外国人入国者数や在留外国人数、そして、外国人施策の重要性に見合った抜本的な体制強化が不可欠である。
- ・在留許可手数料の大幅な引き上げは、外国人施策の確実な実施とその拡充のために行われるものであり、これに見合った外国人施策の飛躍的充実がなければ、納付者である外国人はもとより、この影響を受ける受入れ機関その他の理解は得られない。
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ⅱ強化すべき事項
【外国人施策実現のための基盤整備・出入国在留管理庁の人的・物的体制の大幅な増強】
- ・入管法改正法の成立を受け、令和8年度中のできる限り早期に在留許可手数料の引上げを実施し、外国人に関わる各種施策を強化・拡充すべきである。
- ・加えて、総合的対応策にも記載されている出入国在留管理の一層の適正化に向けた在留諸申請の適正かつ迅速な審査の実施や、秩序ある地域社会の実現に向けた不法滞在者ゼロプランの強力な推進等を実行していくため、入管庁職員の大幅かつ戦略的な増員及び職員の処遇改善を図るべきである。
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ⅰ現状
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(5)外国人の受入れの基本的な在り方の検討
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ⅰ現状
- ・入管庁における基礎的な調査・検討を受け、実施体制を強化した上で省庁横断的に、諸課題(社会保障や教育、文化・宗教などを含む。)を整理しつつ、更に具体的な調査・検討(外国人を受け入れることのメリット・デメリットを含む。)等を開始している。
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ⅱ強化すべき事項
【外国人受入れの基本方針の取りまとめ】
- ・有識者会議等も活用しながら、中長期的かつ多角的観点から受入れに関する基本的な考え方を検討し、令和8年度中を目途に、在留管理の適正化、「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の創設等を踏まえた基本方針を取りまとめるべきである。
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ⅰ現状
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(6)各種民泊の適切な運営確保
-
ⅰ現状
- ・法令手続が行われずに営業が行われている民泊(無届民泊)や、宿泊者による迷惑行為の発生に対して事業者による対応が適切に行われない民泊などが存在しており、不適切な事業者への厳正な対処などによって各種民泊の適切な運営の確保を図る必要がある。
- ・無届民泊に対する厳正な取締り・抑止の推進のため、旅館業法に基づく命令・罰則などの事例の周知のほか、生活環境への悪影響を防止するための規制が可能であることの明確化のための通知を今年1月に地方公共団体に発出した。
- ・民泊仲介サイトと国の民泊データベース(民泊制度運営システム)のデータを照合させることによる、無届民泊の確実な削除を実現するため、民泊制度運営システムにおいて、①各種民泊データの一元管理、②民泊仲介サイトとのデータ連携などを行うためのシステム改修の具体的な設計等に着手した。
- ・不適切な事業者に対する着実な処分と抑止力を確保するため、自治体で把握が難しい、夜間の処分事実の把握を行う手法の検討及び試行に向けた取組を進めている(自治体と連携)。
- ・閑静な住宅地や学校周辺など民泊に馴染まない地域への規制の実施や、騒音計やカメラなどを用いたICT管理の義務付けについて、考え方の整理を進めており、速やかに地方公共団体へ通知を行う。
-
ⅱ強化すべき事項
【仲介サイトからの無届民泊の削除の徹底】
- ・「民泊制度運営システム」に関し、仲介サイトとのデータ連携について本年秋からの一部運用を目指すとともに、更に、各自治体の法申請手続等をデジタル化して連携し(157自治体)、来年度以降、リアルタイム連携の対象を特区民泊や簡易宿所へ拡大するべきである。
【不適切な事業者に対する処分を着実に行うための環境整備】
- ・不適切な事業者に対する処分の着実な実施に向けた夜間の処分事実の把握を行う手法について、令和8年度中に自治体と連携した試行を開始すべきである。その上で、令和9年度以降、更に連携する自治体数を拡大し、実施方策の確立を図るべきである。
簡易宿所含め旅館業法の施設についても、同法を踏まえた厳正な対処などによって適切な運営の確保を図るべきである。
【処分歴の在留審査への反映】
- ・民泊事業者の国籍及び在留資格の把握や、処分歴を在留審査へ反映するための情報連携など、民泊事業所管省庁が出入国在留管理庁と連携し、必要な措置を講じるべきである。
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ⅰ現状
2.国土の適切な利用を図り、国民の安全保障上の懸念を払拭する
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(1)土地等の取得・利用・管理ルール
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ⅰ現状
- ・土地等の取得・利用・管理の各段階において、実効性ある制度を整備するため、政府においては、
- ①安全保障の観点から土地取得等のルールの検討を行う「外国人による土地取得等のルールの在り方検討会」
- ②全国統一的な視点のもと、実態把握と実効性ある保全・利用の仕組みについて検討を行う「地下水の適正な保全と利用に関する検討会」
- ③取得段階から利用段階に至るまでの情報把握の拡充と、適正利用を確保するための制度整備・見直しを視野に入れた、「土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議」
を、それぞれ本年3月に設置し、検討を開始した。これらの有識者会議は、夏にとりまとめを予定している。
- ・国境離島と同様に無主の離島の国有財産化に向けて、全国の離島の位置や面積等の確認を行うとともに、本土から距離の離れたエリア(南西諸島、伊豆・小笠原諸島等)にプライオリティを付けて所有実態の把握に順次着手し、関係データの収集を開始した。
- ・マンション価格高騰の要因の一つとして、外国人による短期売買を指摘する声があることを踏まえ、大都市部における新築マンションの短期売買や国外からの取得に関する実態調査を引き続き実施している。
- ・実需を伴わないマンション等の投機的取引については、外国人、日本人によらず抑制すべきことであり、一般社団法人不動産協会において、「1物件あたりの購入戸数の制限」などの取組が講じられている。
-
ⅱ強化すべき事項
【安全保障の観点からの土地取得等のルール】
- ・世界においてドローンを活用した新たな戦い方が出現していることに対応して、我が国の安全保障の基盤をより効果的に守る必要性が高まっている。
- ・抑止効果にも留意し、安全保障上の懸念のある地域等における土地等が、外国人であるか否かを問わず懸念のある者に取得されないよう、強力かつ実効的な取得規制を検討し、令和8年夏に取りまとめるべきである。
- ・また、重要土地等調査法に基づき、安全保障上重要な施設等の機能を阻害する行為を規制する態勢を充実させるとともに、機能阻害行為への是正措置の命令等が行える対象施設の拡大を検討すべきである。
【地下水の適正な保全及び利用に向けたルール】
- ・水資源としての地下水の重要性が増大していることや、外国人による森林取得事例等を受け、水源地保全への国民の関心が高まっている。
- ・統一的な考え方による地下水採取の実態把握や地下水の適正な保全と利用に向けた実効性のある仕組みの構築を図るため、地下水の採取状況と採取による影響の把握、保全に向けた手法や情報提供の在り方について、法制度を含め検討し、令和8年夏にとりまとめるべきである。
【国土の適切な利用に向けたルール】
- ・不適切な土地利用に対し、事態が深刻化して手遅れになる前に歯止めをかけるため、土地利用に係る情報を広範かつ早期に把握し、利用目的の変更等について継続的なモニタリングを行うとともに、問題がある事案への効果的な対応を行う必要がある。
- ・そのための方策について、用途を問わず全国の土地取引を届出の対象としている国土利用計画法の見直しを含め検討し、令和8年夏にとりまとめるべきである。
【無主の「国境離島以外の離島」の国有財産化】
- ・本土から距離の離れたエリア(南西諸島、伊豆・小笠原諸島等)にプライオリティを付け、離島の実態把握を順次実施すべきである。実態を把握した結果、無主であることが判明した離島については、令和8年度中に国有財産台帳への登録を開始すべきである。
【マンションの取得規制等について】
- ・マンション価格高騰対策について、令和8年10月から把握可能な国籍情報を含むマンション取引実態調査や、実需を伴わない投機的取引抑制のための不動産協会による自主的な取組みの結果を踏まえるべきである。
併せて、海外における制度・施策の内容や効果の調査を行うなどにより、マンションの取得規制等の適切な対応策の検討を更に進めるべきである。
-
ⅰ現状
-
(2)土地所有等情報の更なる透明性向上
-
ⅰ現状
- ・安全保障と土地法制に関するPTでの議論を踏まえて土地関連制度における国籍把握の仕組みが整備され、政府の取組が大きく前進した。
- ・また、真の意味での「土地所有等情報の透明化」を実現するため、政府において更なる取組を進めている。
- ・まず、法人が土地等を所有しているケースについても透明性を確保するため、法人の実質的支配者情報の一元的、継続的、かつ正確な把握を可能とする枠組みの制度整備について、対応を検討している。
- ・次に、全国の不動産登記2.8億筆個の登記名義人情報を活用し、取引がない土地等(ストック)の所有者の国籍把握の代替措置に着手している。
- ・具体的には、国外居住者(日本人、日本法人を含む)による土地等の所有状況について本年4月より把握を開始した。
- ・併せて、国内に居住する外国人等による所有を含めた土地等の所有実態を把握するため、重要施設周辺等や森林の調査と同様に登記名義人情報から外国人等であると類推される者による所有状況についても本年度早期に把握を予定している。
- ・加えて、多額の現金による不動産取得の事例が指摘される中、犯罪収益移転防止法の枠組みを活用した外国人を含む不動産取得に係るマネー・ローンダリング等対策を的確に進める必要がある。
- ・このため、多額の現金による不動産取得といった疑わしい取引の届出に関する「チェックリスト」項目に1つでも該当すれば届け出ることを宣言させること等を含む「リスク評価書」の作成についてのマニュアルを策定したほか、全ての宅建業者が令和8年度中に作成を完了するよう要請したところである。
- ・併せて、本年4月には、関係業界団体に対し、「暗号資産を用いた不動産取引に対する犯収法に基づく取引時確認や疑わしい取引の届出等の徹底」、「海外から3,000万円相当額を超える暗号資産を取得した場合の外為法に基づく報告の徹底」等を内容とする、暗号資産を用いた不動産取引の実態把握や健全性を確保するための要請も実施している。
- ・さらに、土地所有等情報を集約したデータベースとしての不動産ベース・レジストリについて、令和8年3月に「ベース・レジストリ推進有識者会合」を開催し、国籍を含む土地所有等情報の実態把握・公開化の枠組み等今後の方針について検討を開始したところである。
-
ⅱ強化すべき事項
【マネー・ローンダリング等対策】
- ・昨今問題となっているマネー・ローンダリングの事例や国際的な動向を踏まえ、疑わしい取引の届出に関する「チェックリスト」を令和8年10月中に改訂し、暗号資産を用いた不動産取引を疑わしい取引として新たに提示する等、見直し・整理した考え方を宅建業者に周知徹底すべきである。
- ・令和10年夏頃に予定されているFATF(金融活動作業部会)第5次対日相互審査に向け、FATF基準を踏まえ、法人の実質的支配者情報の把握・登録等についての法制度を整備し、土地等の実質的所有者の把握にも活用できるよう検討すべきである。
- ・ストック情報把握の代替措置として、①国外居住者による土地等の所有状況、②不動産登記の登記名義人情報から外国人等であると類推される者による土地等の所有状況について、令和8年度早期に把握し、適切な形で公表するべきである。
【不動産ベース・レジストリの整備】
- ・令和11年度を目指し、国籍を含めた土地所有等情報の一元的なデータベースとして不動産ベース・レジストリが機能するよう、令和8年夏に公的基礎情報データベース整備改善計画を改訂し、政府としての整備方針を速やかに決定すべきである。
-
ⅰ現状
3.誰もが安全・安心に生活し、活躍できる社会を創る
-
(1)日本語やわが国の制度・ルール等を学習するプログラムの検討
-
ⅰ現状
- ・第1次提言を踏まえ、日本語やわが国の制度・ルール等を包括的に学習する日本初のプログラムの創設に向け、政府において、諸外国の制度等に関する調査のほか、プロジェクトチームを設置し、有識者や地方自治体からのヒアリングを行うなど、具体的な制度設計に関する検討を進めている。
-
ⅱ強化すべき事項
【日本初の日本語・生活学習プログラム(仮称)の創設】
- ・省庁横断的な取組として、わが国に在留する外国人(帯同家族を含む)を対象とした、国による日本初の「日本語・生活学習プログラム(仮称)」[1]の創設、令和10年度からの試行実施に向けて、教材・要領を作成するとともに、入国前からのオンデマンド受講、受講履歴等の一元的把握が可能なシステムを開発すべきである。
- ・このうち、日本語学習については、入国前・入国後初期に実施する基礎的な日本語学習プログラムと併せて、入国後の中長期の間に実施する発展的な日本語学習プログラムを開発すべきである。
発展的なプログラムを実施するに当たっては、認定日本語教育機関や登録日本語教員の活用を見据えた制度設計を行うとともに、登録日本語教員の処遇改善や登録日本語教員の質の確保のための研修の実施、量の確保のための日本語教員試験のコンピューターテストへの移行による受験機会の拡大に取り組むべきである。
併せて、国内外の日本語試験の受験機会の拡充を進めるべきである。
- ・その上で、プログラムの効果的な周知方法について、在外公館等における入国前の周知や入管庁における入国時の周知、自治体における周知を検討すべきである。また、当該プログラムを受講の上、内容を理解していることを在留審査における考慮要素とすることを検討すべきである。
- ・「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の円滑な実施に向けては、自治体との協力・連携が必須である。自治体の声も聞きながら、プログラムの実施やそれに伴う環境整備に必要な支援を行うべきである。
-
ⅰ現状
-
(2)外国人に対する日本語教育の推進
-
ⅰ現状
- ・わが国に在留する外国人数の増加に伴い、日本語教育ニーズが増加している。「生活者」の日本語学習については自治体の役割が大きいが、国としてのガイドラインはなく、自治体では各地域に応じて様々な取組を行っているものの、取組の水準が一定ではない。
加えて、日本語教室の空白地域(日本語教室が無い市区町村)は依然存在している。
- ・第1次提言も踏まえ、国では、「地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業」により自治体による地域の体制整備を支援しているが、自治体からは予算を上回る規模の要望が出ている。
- ・日本語を外国人が習得することは、秩序ある地域社会の土台となるものであり、取り組むべき重要な課題である。
そのため、全国的な取組の水準向上に向け、国が主導的な役割を果たすべきである。
-
ⅱ強化すべき事項
【標準化による地域の日本語教育の質の確保】
- ・各地域で実施する地域の日本語教育の質を確保する観点から、国として、自治体などの参考となる地域の日本語教育に関するガイドラインを作成すべきである。
【日本語教育の空白地域の解消】
- ・日本語教育の空白地域を解消するため、地域日本語教育の機会拡充に向けた体制整備(地域日本語教育コーディネーターの配置や日本語教室の設置運営、複数の自治体による連携やオンラインの活用による広域的な日本語教育の実施など)を更に推進し、地域日本語教育の総合的な体制づくりへの支援を拡充すべきである。
-
ⅰ現状
-
(3)日本語指導が必要な外国人児童生徒等への教育
-
ⅰ現状
- ・わが国に在留する外国人の増加に伴い、学校に在籍する外国人児童生徒も急激に増加しており、公立学校に在籍する外国人児童生徒は10年間で約2倍となり、約15.1万人(令和7年)となっている。
- ・併せて、日本語指導が必要な児童生徒も増加しており、文部科学省が実施した「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和7年度)」では、84,759人となった。
- ・加えて、文部科学省の「外国人の子供の就学状況等調査(令和7年度)」によると、9,153人が就学していない可能性がある、又は就学状況が確認できていない状況にある。
- ・国は、第1次提言も踏まえ、外国人児童生徒等の教育について、日本語指導補助者等の配置やICTの活用への財政支援を実施しているが、自治体からの要望を大幅に下回っており、支援が行き届いていない。
- ・全ての地域において子供たちに質の高い日本語教育を提供するとともに、持続可能で教職員の負担を軽減した学校の指導体制を整備していくことは、秩序ある地域社会の土台となるものであり、取り組むべき重要な課題である。そのため、全国的な取組の水準向上に向け、国が主導的な役割を果たすべきである。
-
ⅱ強化すべき事項
【プレクラス・プレスクール(初期日本語指導教室)の全国展開】
- ・プレクラス(小中学生等)やプレスクール(学齢期以前)について、国として、令和9年度から、指導体制や指導方法、内容、実施期間、対象者、教材、ICTの効果的な活用、評価方法、通学方法、昼食、保護者への支援等の論点に関する基本モデルを構築し、広域的に展開する仕組みとした上で、できる限り早期に全国展開をすべきである。
【日本語指導体制の構築等】
- ・集住地域の学校では外国人児童生徒数の急激な増加により学校の支援体制が逼迫し、散在地域では、外国人児童生徒等がいるにもかかわらず、受入れ経験が少ないことや指導できる人材が十分ではないことによる課題が顕在化している。また、自治体間での教育支援の格差も指摘されている。
- ・そこで、国が学校・自治体における日本語指導体制の構築に関する基本モデルを示した上で、日本語指導補助者等及び日本語指導を担う教員の配置を含めた指導体制並びに就学促進等に関する財政支援を抜本的に拡充すべきである。
その際、ICTの活用も含め、広域的に学校や市町村を支える取組を進めるべきである。
- ・また、国は、全国において一定水準以上の日本語指導が実施されるよう、日本語指導のガイドラインの策定をはじめ、具体的な指導内容・方法や多様な言語・食事・文化等への対応などを示していくべきである。
- ・さらに、指導体制の充実に当たっては、日本語指導の専門性を有する人材を確保しなくてはならない。このため、国家資格である登録日本語教員、母語支援員等の外部人材や特別非常勤講師の学校における積極的な活用を推進すべきである。
【就学の促進】
- ・外国人の子供が日本における生活の基礎を身に付けその能力を伸ばすためには、学校における適切な教育機会の確保が必要である。
就学状況が確認できていない子供については、電話・訪問等による個別確認、在留外国人出入国記録の確認等による居住実態の把握を教育委員会に促すとともに継続的な就学の促進に取り組むべきである。
- ・加えて、文部科学省とこども家庭庁等が連携し、自治体内の関係部局間の連携強化を図るべきである。
-
ⅰ現状
-
(4)秩序ある地域社会を構築するための環境整備
-
ⅰ現状
- ・わが国に滞在・在留する外国人数の増加に伴い、制度・ルールの理解不足や文化の違いが、地域住民とのトラブルの要因になっているほか、コミュニケーション不足による摩擦も生じている。外国人集住地域や特定の観光都市では、それらの課題が特に顕著であり、住民サービスの最前線にある自治体は対応に追われている。
- ・マイナンバーによる情報連携により令和9年3月以降、国(入管庁)が保有する外国人の出入国、国籍、在留資格等の情報を自治体が取得し、各種事務に活用が可能となる。
- ・入管庁が把握する被仮放免者等の情報の市区町村に対するプッシュ型での提供の実施方法の検討を進めつつ、早ければ令和8年7月頃の提供開始に向けて、全対象者の身分事項、住居等のデータの確認作業を実施している。
- ・国籍の把握にあたり、重国籍の扱いについて検討のための対応が必要である。
-
ⅱ強化すべき事項
【国が自治体から相談等を受け、対応する仕組みの整備】
- ・国と自治体の連携・相談体制の更なる強化が必要であるとの指摘を踏まえ、外国人に関する課題等について、入管庁と総務省など関係省庁が緊密に連携して支援できるよう、自治体から国への相談・要望等を受け止める総合窓口を設け、案件の性質に応じて関係機関が連携し対応する仕組みを検討し、速やかに実施すべきである。
【外国人を含む住民等が安心して生活できる環境整備】
- ・外国人に関わる課題について、国・自治体(都道府県・市町村)の役割を明確化した上で、国及び自治体が連携して、外国人を含む市民の相談等に迅速かつ効果的に対応する体制等の整備を検討すべきである。
- ・JESTAやVisitJapan Webとの連携などによる訪日外国人向けの災害時の情報提供の新たな仕組みの構築など、情報提供の更なる強化に向けた対策を関係省庁で検討すべきである。
- ・入国前の民間医療保険への加入について、訪日外国人は公的医療保険に加入していないため、医療費不払いの発生抑止には民間医療保険への加入が効果的であると考えられるところ、更なる加入率引上げのために、入国前から加入を求めるための制度的な取組を検討すべきである。
【集住地域を含む自治体への財政支援】
- ・国、自治体、受入れ機関等との適切な役割分担のもと、自治体や受入れ機関の枠を超えて対応すべき課題については、国が主体となって制度設計や運用を行うべきである。
日本初の「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の実施に係る支援をはじめ、自治体(都道府県・市町村)の役割を明確化した上で、外国人が集住する地域を含む自治体への交付金等の整備を検討すべきである。
-
ⅰ現状
第3 外国人政策の強力な推進に向けて
外国人政策は、地域社会の秩序、治安、教育、税、労働(雇用、賃金)、社会保障・福祉(医療、保健、介護、年金、生活保護等)、経済、住宅、さらには安全保障にも影響を及ぼす、国家の根幹にかかわる課題である。そして、訪日外国人、在留外国人はいずれも過去最多となり、課題解決を求める国民の声は、従来とは異なる次元まで高まっており、これに応えることは国の責務である。そのため、外国人政策を総合的かつ横断的に推進するための体制強化を、更に加速させるべきである。
〇今般の第2次提言で取り上げた外国人政策の推進にあたって強化すべき事項については、政府において順次強化されている司令塔機能を十分に発揮させ、自治体等と連携しつつ関係省庁が一体となって実効的に取り組むことができるよう、体制強化を図ることが重要である。
〇本提言に掲げる施策の強力な推進に向け、従来の考え方にとらわれず、大胆・集中的に、必要かつ強力な予算措置を講じるべきである。
訪日・在留外国人の増加等を受け、その課題解決のため、在留許可手数料等の改革が進んでおり、こうした改革に見合った政策を実施すべきである。すなわち、入管DX、不法滞在者ゼロプラン強力推進パッケージなどの出入国在留管理施策、外国人への日本語教育、秩序ある地域社会を構築するための環境整備の強化・拡充などの外国人政策を推し進めることにより、国民の声に正面から応えることを強く求める。
第4 おわりに
1.第1次提言の着実な実行
外国人政策は、日本社会の将来の在り方に関わる国家的テーマである。わが党は、国民の安全と安心を守り、誰もが元気になれる社会を作るため、本年1月、第1次提言を取りまとめ、政府に申入れを行った。
第1次提言は、①国民の不安と不公平感に正面から応える、②国民の安全保障上の懸念を払拭する、③誰もが安全・安心に生活し、活躍できる社会を創るという3つの観点から政府に対応を求めるものである。フォローアップで確認したとおり、政府の取組が進んでいることは大きな成果であり、引き続き、政府には第1次提言の着実な実行を求める。
その上で、本提言では、第1次提言の進捗等を踏まえ、以下のとおり3つの観点から、それぞれ施策において強化すべき事項を提言している。
2.国民の不安や不公平感に正面から応える
日本人であれ外国人であれ、わが国で暮らす以上、日本の法律や制度、社会のルールを守ることは当然である。その前提に立ち、公正なルールの下で制度を適正に運用し、地域社会の一員として誰もが安心して生活し、働き、学び、活躍できる環境を整えることが重要である。
同時に、各種制度の誤用、濫用、悪用に対しては毅然として対応しなければならない。この線引きを曖昧にしないことこそが、国民の納得感を高め、制度の信頼を守り、結果として社会全体の安定につながる。
以上の観点から、本提言では政府に対し、以下の事項等を求めている。
-
○不法滞在者ゼロプラン及び不法就労対策の強力な推進
- 不法滞在者ゼロプランに掲げられた施策を一層強力に推進すること
- 不法就労の予防のため、偽変造在留カードへの対策強化(事業主に在留カード等読取アプリの使用を徹底させるための外国人雇用管理指針の改正を含む)や、外国人雇用状況届出制度の厳格化を進めること
- 不適正ヤード(いわゆる法律等を遵守しない解体廃棄物保管ヤード、自動車ヤードやスクラップヤード等)について、対策を強化(業者の国籍や資本関係に関する実態把握を含む)すること
-
○出入国在留管理行政のDXの推進
- 外国人施策の前提・基盤となる入管業務のDXを実現し、公共サービスメッシュ等を利用した情報連携を関係機関が十分に活用できるようにすることが、時代に見合った適正な外国人施策を実現する上で不可欠であること
- 在留外国人数の増加等を踏まえ、審査体制の強化を図るとともに、より適正な対応を目指して審査迅速化のため、入管行政全体について制度・業務・システムの三位一体でDXを推進すること
- 令和10年度中のJESTA導入に向け、確実なシステム開発等を行うこと
- 公共サービスメッシュを活用したマイナンバー等による情報連携を進めること
- SNS等を活用した情報収集、データ分析による摘発を行うこと
- 難民等認定申請のデジタル化を進めること
-
○在留管理の一層の適正化
- 永住許可を行う趣旨を踏まえて、永住許可基準の見直し(令和9年4月開始)や、「永住者」の取消事由の拡大などについて更なる検討を進めること
- 特定在留カードの原則取得のための措置を検討し、更なる方策として在留期間更新などのオンライン申請において、特定在留カードの交付申請・取得を可能とするためのシステム改修に速やかに取り組むこと
-
○出入国在留管理庁の体制整備
- 出入国在留管理の着実な実施に向け、必要な人的・物的体制を整備すること
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○各種民泊の適切な運営確保
- 仲介サイトからの無届民泊の確実な削除を実現するため、各種民泊データを一元的に管理し、仲介サイトとのデータ連携を可能とする、国の民泊データベースの改修等を進めること
- 不適切事業者への処分を着実に行うため、夜間の処分事実の把握を行える手法を検討し、自治体と連携して試行を進めること
- 民泊事業者の国籍及び在留資格の把握や、処分歴の在留審査への反映など、民泊事業所管省庁が出入国在留管理庁と連携し、必要な措置を講じること
3.国土の適切な利用を図り、国民の安全保障上の懸念を払拭する
土地は単なる経済取引の対象にとどまらず、高い公共性を有しており、国民の生命・財産、地域社会の安全、国家の主権と安全保障にも関わる重要な基盤である。
外国人による土地取得等に対して国民から多くの懸念や不安の声が寄せられる中、国土を適切に利用し、管理することの重要性はますます大きくなっている。
特に離島や重要施設周辺の土地、そして地下水などの資源の取得ルールは、安全保障や主権にも直結する極めて重いテーマである。国民の不安や懸念を正面から受け止めるためにも、本提言では政府に対し、以下の事項等を求めている。
-
○土地等の取得・利用・管理ルールについて
- 世界においてドローンを活用した新たな戦い方が出現していることに対応して、我が国の安全保障の基盤をより効果的に守る必要性が高まっている
- 抑止効果にも留意し、安全保障上の懸念のある地域等における土地等が、外国人であるか否かを問わず懸念のある者に取得されないよう、強力かつ実効的な取得規制を検討すること(令和8年夏にとりまとめ)
- 重要土地等調査法に基づき、安全保障上重要な施設等の機能を阻害する行為を規制する態勢を充実させるとともに、機能阻害行為への是正措置の命令等が行える対象施設拡大を検討すること
- 水資源としての地下水の重要性が増大していることや、外国人による森林取得事例等を受け、水源地保全への国民の関心が高まっている
- 統一的な考え方による地下水採取の実態把握や地下水の適正な保全と利用に向けた実効性のある仕組みの構築を図るため、地下水の採取状況と採取による影響の把握、保全に向けた手法や情報提供の在り方について、法制度を含め検討すること(令和8年夏にとりまとめ)
- 不適切な土地利用に対し、事態が深刻化して手遅れになる前に歯止めをかけるため、土地利用に係る情報を広範かつ早期に把握し、利用目的の変更等について継続的なモニタリングを行うとともに、問題がある事案への効果的な対応を行う必要がある
- そのための方策について、用途を問わず全国の土地取引を届出の対象としている国土利用計画法の見直しを含め検討すること(令和8年夏にとりまとめ)
- 本土から距離の離れたエリア(南西諸島、伊豆・小笠原諸島等)にプライオリティを付け、離島の実態把握を順次実施。無主であることが判明した離島については、令和8年度中に国有財産台帳への登録を開始すること
- マンション価格高騰対策について、令和8年10月から把握可能な国籍情報を含むマンション取引実態調査や、実需を伴わない投機的取引抑制のための不動産協会による自主的な取組みの結果を踏まえること
併せて、海外における制度・施策の内容や効果の調査を行うなどにより、マンションの取得規制等の適切な対応策の検討を更に進めること
-
○土地所有等情報の更なる透明性向上について
- 昨今問題となっているマネー・ローンダリングの事例や国際的な動向を踏まえ、疑わしい取引の届出に関する「チェックリスト」を令和8年10月中に改訂し、暗号資産を用いた不動産取引を疑わしい取引として新たに提示する等、見直し・整理した考え方を宅建業者に周知徹底すること
- 令和10年夏頃に予定されているFATF第5次対日相互審査に向け、FATF基準を踏まえ、法人の実質的支配者情報の把握・登録等についての法制度を整備し、土地等の実質的所有者の把握にも活用できるよう検討すること
- ストック情報把握の代替措置として、①国外居住者による土地等の所有状況、②不動産登記の登記名義人情報から外国人等であると類推される者による土地等の所有状況について、令和8年度早期に把握し、適切な形で公表すること
- 令和11年度を目指し、国籍を含めた土地所有等情報の一元的なデータベースとして不動産ベース・レジストリが機能するよう、令和8年夏に公的基礎情報データベース整備改善計画を改訂し、政府としての整備方針を速やかに決定すること
なお、安全保障の観点からの土地取得等のルールついては、更なる検討を進めて具体案を得る必要があり、改めて提言をとりまとめる。
4.誰もが安全・安心に生活し、活躍できる社会を創る
秩序ある地域社会をつくるためには、厳格なルールと必要な支援を両立させることが必要である。外国人が日本社会の中でルールを学び、働き、暮らしていける基盤を整えることが、結果として地域の安定にもつながる。
以上の観点から、本提言では政府に対し、以下の事項等を求めている。
-
○日本語やわが国の制度・ルール等を学習するプログラムの検討
- 日本初の「日本語・生活学習プログラム(仮称)」の創設と、その試行実施に向けて、教材・要領の作成、オンデマンド受講、受講履歴等の一元的把握が可能なシステムの開発を進めること
- 認定日本語教育機関や登録日本語教員の活用を見据え、登録日本語教員の処遇改善、研修実施、受験機会拡大に向けた日本語教員試験のコンピューターテストへの移行を進めること
-
○外国人に対する日本語教育の推進
- 標準化による地域日本語教育の質の確保に向けたガイドラインを作成すること
- 日本語教育の空白地域を解消するため、地域日本語教育の機会拡充に向けた体制整備(地域日本語教育コーディネーターの配置等)を行うこと
-
○日本語指導が必要な外国人児童生徒等への教育
- プレクラス・プレスクール(初期日本語指導教室)の基本モデルを構築し、早期に全国展開を図ること
- 日本語指導体制の構築に関する基本モデルを国が提示し、日本語指導補助者等の配置を含め支援を拡充すること
-
○秩序ある地域社会を構成するための環境整備
- 公共サービスメッシュを活用したマイナンバーによる情報連携により国(入管庁)が保有する外国人の情報の各種事務への活用を更に推進すること
- 外国人に関する課題について、市民の相談等に迅速に対応する体制、 国が自治体から相談等を受け対応する仕組みを検討すること
- 自治体(都道府県・市町村)の役割を明確化した上で、外国人の集住地域を含む自治体への交付金等の整備を検討すること
5.秩序ある地域社会の実現に向けて
- ○外国人政策本部と各PTにおいては、幅広い意見をすべて議論のテーブルに乗せ、課題解決に向けた検討を進めてきた。
今般の第2次提言において取りまとめた、「強化すべき事項」に含まれる施策については、強力に実行していく必要があり、これら施策については、骨太方針に反映させるよう政府に強く求める。加えて、外国人政策本部や各PTにおいて挙げられた意見については、引き続き検討を進める。
- ○わが党は、今後も現場の声に耳を傾け、制度改正、運用改善、さらには予算措置も含め、実効性ある政策を前に進めていく。
国民が安全・安心に暮らし、社会・経済の持続的発展により、誰もが元気になる社会の実現に向けて、引き続き全力で取り組んでいく。
開催概要
■外国人政策本部
①令和8年3月12日(木)12時
- 外国人政策本部提言を受けた政府の取組み状況について
②令和8年5月28日(木)16時
- 「出入国・在留管理等の適正化・外国人受入れに関する PT・外国人制度の適正化等に関する PT 報告案」について
- 「安全保障と土地法制に関する PT 報告案」について
③令和8年6月4日(木)16時
- 外国人政策本部第2次提言(案)について
■出入国・在留管理等の適正化・外国人受入れに関するPT、外国人制度の適正化等に関するPT合同会議
①令和8年4月14日(火)15時30分
- 有識者ヒアリング
②令和8年4月28日(火)12時
- 「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の進捗状況について①
③令和8年5月14日(木)16時
- 「外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策」の進捗状況について②(不法滞在者ゼロプラン、日本語教育、民泊の適切な運用確保等)
④令和8年5月19日(火)15時
- 自治体からのヒアリング(静岡県、鈴鹿市)
⑤令和8年5月26日(火)8時
- 外国人の子供に対する日本語教育について
- 不適正なスクラップヤード対策について
- 「出入国・在留管理等の適正化・外国人受入れに関するPT・外国人制度の適正化等に関するPT報告案」について
■安全保障と土地法制に関するPT
①令和8年3月27日(金)8時
- 外国人政策本部提言後の取組みについて
②令和8年4月9日(木)8時
- 土地取得ルールについての有識者ヒアリング
- 土地の取得・利用等の在り方に関する有識者会議について
③令和8年5月20日(水)8時
- 政府有識者会議(①安全保障の観点からの土地取得等のルール、②地下水の適正な利用及び保全に向けたルール、③国土の適切な利用に向けたルール)の議論の状況について
- 「安全保障と土地法制に関するPT報告案」について
外国人政策本部(党則79条機関)
令和8年2月26日現在
| 本部長 | 新 藤 義 孝 |
| 顧問 | 有 村 治 子 総務会長 |
| 小 林 鷹 之 政務調査会長 | |
| 古 屋 圭 司 | |
| 小野寺五典 安全保障調査会長 | |
| 本部長代理 | 中 谷 元 田 村 憲 久 石 田 真 敏 |
| 柴 山 昌 彦 稲 田 朋 美 永 岡 桂 子 | |
| 葉 梨 康 弘 鈴 木 馨 祐 齋 藤 健 | |
| 鶴 保 庸 介 | |
| 副本部長 | 笹 川 博 義 外国人制度の適正化等に関するPT座長 |
| 山 下 貴 司 出入国・在留管理等の適正化・外国人受入れに関するPT座長 | |
| 北 村 経 夫 安全保障と土地法制に関するPT座長 | |
| 自見 はなこ 外国人制度の適正化等に関するPT事務局長 | |
| 常任幹事 | 井 出 庸 生 國 場 幸之助 宮 内 秀 樹 |
| 穂 坂 泰 | |
| 上 月 良 祐 滝 波 宏 文 進藤金日子 | |
| 幹事 | 長谷川淳二 内閣第一部会長 松 川 る い 内閣第二部会長 |
| 本 田 太 郎 国防部会長 鈴 木 英 敬 総務部会長 | |
| 藤原 祟 法務部会長 高 木 啓 外交部会長 | |
| こやり隆史 財務金融部会長 深 澤 陽 一 文部科学部会長 | |
| 鬼 木 誠 厚生労働部会長 野 中 厚 農林部会長 | |
| 船 橋 利 実 水産部会長 小 林 史 明 経済産業部会長 | |
| 加 藤 鮎 子 国土交通部会長 山 田 太 郎 環境部会長 | |
| 事務局長 | 鈴 木 英 敬(兼) |
| 事務局長代理 | 勝 目 康 神 田 潤 一 |
| 事務局次長 | 小林孝一郎 若 井 敦 子 |
[1]我が国に在留する外国人(帯同家族を含む。)が、日本語や我が国の制度・ルール等を学習するプログラムであり、来日前、来日後初期、中期、長期の各段階やライフステージ、出身国・地域に応じて必要な内容を政府において検討している。