補助金・基金の見直しの方向性に関する提言

令和8年6月23日
自由民主党政務調査会

少子高齢化、災害の激甚化・頻発化、急速な技術革新等の構造的変化に加え、国際情勢の不確実性の急速な高まりといった諸課題に直面する中において、国民生活の安全・安心の確保と持続的な経済成長、地域の活力向上を同時に実現していくことが不可欠である。このような状況の下、限られた財政資源を効率的かつ戦略的に活用し、政策効果を最大限発現させることが今まで以上に求められている。

こうした中、高市政権は、効果的な官民の投資拡大を進めつつ、政府の在り方を効率的なものに見直す一環として、政策効果の低い租税特別措置・補助金・基金の見直しを進めるため、「租税特別措置・補助金見直し」の取組を開始した。この中で実施された国民からの意見募集には、3万7千件を超える意見・提案が寄せられる結果となり、多くの国民が高い関心をもってこの取組を注視していることが明らかとなっている。現在は、片山租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された、国民からの意見・提案を踏まえた「効果検証の強化」「政策目的と手段の精査」「透明性・効率性の向上」等といった「点検の視点」に基づき、各府省庁において令和9年度予算要求に向けた自己点検が進められているところである。

自由民主党としても、こうした政府の動きを後押しし、高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」の下、政策効果を最大化しつつ市場の信認を確保するとの観点から、既存の補助金や基金等を聖域なく点検し、無駄の削減及び効果の向上に責任を持って取り組む必要がある。その際、政府の取組における国民からの見直し提案や、それに基づいた「点検の視点」も踏まえつつ、国民生活の現場に根ざした目線から、きめ細やかな見直しを提案していくことで、与党として求められている役割をしっかりと果たしていく覚悟であり、政府に対しては、本提言について、予算配分や制度設計の改善に適切に反映させるための取組を求める。

<基本的な考え方>

補助金・基金については、特に経済成長、地域活性化、安全・安心の確保等の政策課題に高い効果を持つ施策について、その効果が一層発揮されるよう、効率化・重点化を図るべきである。他方で、補助金・基金への過度な依存は是正すべきであり、これらによる支援の出口を明確化し、効果検証に不断に取り組むことが重要である。前述の提案募集においても、効果検証が不十分であるのにも関わらず継続されてきた事業について疑問視する声が多く寄せられており、特に、補正予算での措置が結果として長年続いてきた補助金については、高市政権として「補正予算」を前提とした予算編成と決別していく方針の中で、今回の取組を契機に、政策の効果や意義に改めて目を向け、真に必要なものを洗い出していくことが求められる。

また、執行面の見直しも重要である。国民からの、資金の流れが不透明で中抜きや不正が生じやすい構造となっている等の指摘を、しっかりと受け止める必要がある。下請け構造も含めて、資金の流れの全体像をしっかりと把握できるよう、行政事業レビュー見える化サイト(RSシステム)の運用改善を含め、透明化に資する取組を更に進めるべきである。特に、国民から厳しい指摘があったこども家庭庁において、デジタル技術を活用した予算の使い道等の「見える化」の取組を強力に推進していくとともに、内閣府男女共同参画局など、同様の指摘を受けている部局をはじめ広く横展開し、補助金・基金の委託先や補助先や政策効果などの「見える化」を進めていく必要がある。さらに、必要に応じて各省庁は関係者に立入検査を実施するなど、不正防止に万全を期す必要がある。併せて、地方公共団体や事業者の現場において、申請・報告手続の簡素化やデジタル化を進め、現場負担の軽減及び制度の効率性向上に取り組むとともに、補助金の審査など執行実務の効率化にも努めるべきである。

基金については、複数年度にわたる継続的な財政支出を可能とする仕組みとして、危機管理投資・成長投資を進める中で活用が見込まれる一方、金利上昇の中で基金残高の滞留の機会費用が高まっている状況もあり、より一層、財政資金としての効率的な活用と政策効果の向上を進める必要がある。国民の理解を得て基金を通じた大胆な戦略的投資を進めていくためにも、成果指標に基づく進捗管理の徹底をはじめ、基金全体としてメリハリある取組を着実に進めていくことが重要である。

<見直しの視点>

補助金・基金の見直しにあたっては、政府がこれまでも取り組んできたEBPMを更に活用し、適切な成果指標の設定等を通じ効果検証を強化するとの視点が、まず第一に重要である。

同時に、制度の運用状況や成果の「見える化」を進め、透明性を高めることで、国民への説明責任を果たすとの視点も重要である。

とりわけ基金については、事業の資金管理・執行が基金設置法人で行われるという特性に鑑み、国民から寄せられている提案内容も踏まえ、厳格なステージゲート[1]評価や事業成果を国へ還元する仕組みの導入、役割を終えた基金の廃止や未活用資金の国庫返納等による機会費用の軽減、基金の執行状況や事業成果等の透明性向上や運営・執行の効率化・適正化など、実効性あるガバナンスにより効果的・効率的な活用につなげる視点も不可欠である。

本提言においては、こうした基本的な視点を基とし、各分野において、補助金等の見直しを行っていく際の基本方針を掲げる。

その上で、見直しを通して政策効果を最大化するための具体的な判断基準について、政府が実施した国民からの提案募集やこれを踏まえて示された「自己点検の視点」を踏まえ、

  • ・ 効果検証が十分に行われているか、費用対効果が明確か
  • ・ 透明性・効率性の観点から、事業構造や執行面に改善の余地がないか
  • ・ 開始から長期間が経過し、社会情勢の変化で役割を終えていないか
  • ・ 租税特別措置と政策効果が重複しており、二重の支援となっていないか
  • ・ 交付実績が低迷している、または基金として死蔵されていないか

など、それぞれの分野の実情に合った形で定めた上で、見直すべき補助金等について具体的に提言する。

補助金・基金の見直しの方向性について提言【内閣第一部会】【内閣第二部会】

内閣第一・第二部会が担当する内閣官房・内閣府等の政策分野は、いずれも内閣の重要政策として位置付けられるものであり、今後とも一層強力に推進していく必要がある。

他方、政府においては、国民からの提案募集の結果を踏まえた「点検の視点」をもとに、補助金・基金の総点検を行うこととされている。

当合同部会としても、74件の補助金及び7件の基金について各府省が実施した自己点検の内容を踏まえ、効果検証が十分に行われているか、透明性・効率性の観点から事業構造や執行面の改善の余地がないか等の視点で、さらなる点検を行った。その結果、各補助金等について、成果目標の設定の義務付けやそれに基づく効果検証、第三者審査による事業採択・事業者選定の実施などを通じて、政策目的に即した事業の実施や事業の公平性・透明性・効率性等が一定程度確保されていることを確認した。

一方、高市内閣は、「強い経済」の構築のための成長戦略を強力に推進しているところであり、その実現に向けては、「責任ある積極財政」のもとで、政府・与党一体となり、財政資金の効率的な活用や効果の高い施策への重点化を大胆に進めることが必要となっている。今回の点検の中では、例えば自治体の自主性を重視した補助金には、こうした政府方針と必ずしも整合しておらず、国民からの提案募集においても、目的や使途の不明確さ、費用対効果の不十分さ等を指摘するご意見の寄せられているものがみられた。

上記を踏まえ、当合同部会としては、内閣府の主要政策分野における次の補助金3件について、政策目的と事業内容との関連の強化、執行改善、事業効果の向上等の観点から、以下のとおりさらなる見直しを求めることとする。

  • ・令和7年度から新たに地域未来交付金が創設されたところ、真に各地域の産業クラスター形成や地場産業の成長に資するような取組を支援できるように見直しを行うこと。また、沖縄振興特別推進交付金については、複数年度継続している事業で前年度の成果目標が未達成の事業について、要因分析や改善策の確認など、効果検証のプロセスをより徹底すること。
  • ・地域女性活躍推進交付金については、地方公共団体による成果目標の設定と効果検証の徹底、成長戦略や関係者の連携・協働の拠点の機能強化に係るメニューの重点化、NPO等に係る要件の見直しを行うこと。

その他の補助金についても、「点検の視点」等を踏まえて引き続き検証を行い、必要に応じて運用方法等の見直しを行うこと。

また、基金については、一定期間ごとの成果指標の検証をはじめ適切な進捗管理を徹底し、柔軟に資金配分を実施することで、効率的な執行となるよう努めること。また、基金の執行状況や事業成果等に関し、国民への説明責任を果たすため、積極的かつ分かりやすい情報公開を実施するなど、より一層透明性を高めるための見直しを不断に行うこと。さらに、基金設置法人等への必要に応じた立ち入り検査等を通じて不正防止に万全を期すなど、適切な運営・執行体制を引き続き確保すること。

消費者庁においては、政策効果を向上させるため、自己点検や外部有識者による点検等を通じて、効果検証の方法や体制、透明性・効率性等について改善の余地がないかを検証し、一層適切な事業運営を進めること。特に、地方消費者行政強化交付金について、党の提言を踏まえて、見守り活動・担い手確保支援等への重点化など仕組みを見直したところであり、交付金が効果的に活用され円滑に執行できるように、自治体にプッシュ型での説明等を行うとともに、見直し後の事業について、効果検証の方法の改善を図り、地方消費者行政の充実・強化という政策効果を高めること。

警察庁においては、都道府県警察に要する経費の一部について補助しているものの、これは、治安責任を国と地方で応分に負担する考えのもと、治安水準の均衡を図る趣旨で実施されているものであり、目的が明らかであることから、都道府県警察の裁量は存在しないことを確認した。

一方、治安課題が著しく専門化・高度化・広域化する中、警察を取り巻く環境は一層厳しいものとなっている。

このような情勢を踏まえ、引き続き、警察庁においては、自己点検や外部有識者による点検を通じて、政策の効果検証等を行い、リソースの集約及び業務の更なる高度化・効率化・合理化を推進するなどの見直しを行うこと。

なお、本提言は、補助金等の執行改善や事業効果の向上等の観点からの見直しを求めているが、引き続き不断に点検を行い、必要なものは予算に反映させること。

補助金・基金の見直しの提言【国防部会】

1.部会における見直しの基本方針(総論)

戦後最も厳しく、複雑さを増す安全保障環境の中、安全保障三文書の改定に向けた検討が1年前倒しで進められている。厳しさを増す安全保障環境のもと、更なる防衛力の抜本的な強化は不可欠であり、また、限られた財政資源を最大限政策効果に結び付けることが重要である。

こうした考えのもと、防衛省の補助金や基金事業においても、その目的や効果を明確にした上で、事業の進捗や政策効果を検証し、見直しに関係する地元の意見も伺いつつ、必要に応じて重点化や改善を図るなど、不断の見直しを行う必要がある。補助金・基金の見直しの結果については、予算編成及び執行段階において的確に反映させ、防衛政策の実効性と国民への説明責任を高めることとする。

2. 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」の提示

防衛省が所管する補助金・基金について、制度設計、規模、運用方法等について一定の裁量が認められる補助金・基金を対象とし、政府が実施した国民からの提案募集及びこれを踏まえて租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「自己点検の視点」も参考として、以下の観点から見直しの検討を行う。

  • ① 補助の実態と措置内容との均衡の観点から、創設から長期間継続している補助金について、環境の変化等を踏まえた改善の余地はないか。
  • ② 透明性・効率性の向上及び実態を踏まえた予算執行の確保の観点から、情報発信や執行面において更なる改善の余地はないか。
  • ③ 基金の運営、執行の適正化の観点から、基金設置法人が行う管理のあり方も含め、更なる改善の余地はないか。

3. 「見直し」を求める事業の具体例

  • ①-1 教育施設等騒音防止対策事業費補助金(住宅防音事業)

    施設周辺整備助成補助金(放送受信事業)

    対象区域の指定から長期間が経過していることから、配備機種、飛行運用等の変化により、騒音分布状況が実態と乖離している可能性がある。こうした状況を踏まえ、地元の意見も伺いつつ、真に騒音の被害を受けている方々に対して実効的な施策を講ずるべく、必要な見直しを行う。

  • ①-2障害防止対策事業費補助金

    自衛隊等の行為(機甲車両等の頻繁な使用、射撃、爆撃等)により生ずる障害(土地の荒廃に起因する降雨時の多量出水)を防止または軽減するため、地方公共団体等が行う河川改修等に対して助成をしているが、長期間にわたる事業においては、経年により防衛施設内外の形質が変化し、帰責割合が採択時から変遷している可能性がある。こうした状況を踏まえ、一定期間経過後に検証を行うなど必要な見直しを行う。

  • ② 退職予定自衛官等就職援護業務費補助金

    従来は紙媒体で行っていた、退職予定自衛官の雇用に関心を持つ企業主への就職援護広報について、近年のデジタル化の進展及び媒体の多様化を踏まえ、より効果的・効率的な手段について検討し必要な見直しを行う。

  • ③ 防衛装備移転円滑化事業費補助金(防衛装備移転円滑化基金)

    基金からの支出の適切性を確認するための方策(支出内訳の報告等)を講じるな ど、必要な見直しを行う。

補助金・基金の見直しの提言【総務部会】

1.見直しの基本方針(総論)

我が国は、少子高齢化や災害の激甚化、国際情勢の緊迫化など様々な課題に直面し、また、AIなど技術革新が急速に進展する状況等を踏まえると、本部会では、地方の大きな「伸び代」を活かし強い経済を実現するとともに、国民の「暮らし」と「安全」を守ることを目指して、必要な政策の効率的・効果的な推進を図ることが必要である。

本提言は、このような考えの下、高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」に基づき、数字合わせのための削減ではなく、政策効果をより一層高めるために財政資金の効率的な活用を図るとの方針で行うものである。

2. 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」

見直しに際しては、「見直し対象=不要の施策」ではなく、政策効果を最大限発現させるために見直しが必要との視点で取り組むことが重要である。この点、

  • ① 人口減少や少子高齢化に伴い、地域社会の担い手不足が深刻化している状況等を踏まえると、地域の担い手支援による地域経済の活性化や地域DXによる住民サービスの向上等を通じた「活力ある地域社会の実現」
  • ② 近年の災害の激甚化・頻発化等を踏まえると、消防防災力の充実強化等による「防災・減災・国土強靱化の推進による安心・安全なくらしの実現」
  • ③ 近年のデジタル赤字の拡大や国際情勢の緊迫化等を踏まえると、強い経済の実現や豊かで安心・安全な社会の実現を図るため、イノベーション創出の推進等による「国際競争力の強化・経済安全保障等の確保」

がその効果を最大化すべき政策目標であり、その効率的・効果的な実現を図るためには、以下の基準に該当する事業について政策効果をより一層向上させるための見直しが必要となるところである。

  • ・ 効果検証を強化し、成果に基づく制度運用へ転換すべきもの
  • ・ 政策目的と手段を精査し、公平で目的に即した政策設計・運用を徹底すべきもの
  • ・ 一定期間ごとに成果指標(KPI)等を検証し、資金配分に反映すべきもの 等

3. 「見直し」を求める事業例

【①活力ある地域社会の実現】

  • (1)地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)

    本事業は、産官学金の連携の下、地域の資源と資金を活用した地域密着型の新規事業の立上げを支援するものであり、制度の拡充・周知等により立上げ件数が大幅に増加するなど、これまで地域の経済循環の創出に寄与している。

    一方、人口減少が進む中で、「活力ある地域社会の実現」を図るためには、AIの進化等を踏まえて、その導入の促進を地域の中堅・中核企業に行い、生産性の向上を図ることが必要である。

    このため、本事業は、引き続き効果検証を適切に行い、活用実績の乏しい支援対象を見直しつつ、新たにAIを活用した生産性向上を図る地域密着型の新規事業の立上げについて支援策を検討すべきである。

【②防災・減災・国土強靱化の推進による安心・安全なくらしの実現】

  • (2)消防団設備整備費補助金

    本事業は、地域防災力の中核を担う消防団の消防活動の充実を図るため、消防団の活動に必要な救助用資機材等の整備を促進するものであり、岩手県大船渡市や大槌町の大規模林野火災、台風・大雨等での消防団活動など消防団の災害対応能力の向上に寄与している。

    一方、南海トラフ巨大地震や首都直下地震など大規模災害が懸念される中で「防災・減災・国土強靭化」を図るためには、計画的な整備が課題。また、大規模林野火災等の激甚化・頻発化する災害に有効な資機材、女性団員を含めて容易に扱える小型・軽量な資機材、活動の効率化等に資する新技術を活用した資機材等、既存の補助対象を含めて必要な資機材の見直しを行うなど、消防団の災害対応能力の更なる向上に資する事業としていくことが必要である。

    このため、本事業は、今後想定される大規模災害等に備え、危機管理投資として、必要な資機材の見直しを行うとともに、計画的な整備を促進できるよう、新技術の活用を含め、支援の在り方を検討すべきである。

【③国際競争力の強化・経済安全保障等の確保】

  • (3)宇宙戦略基金事業

    本事業は、企業・大学等が複数年度に渡って宇宙分野の研究開発に取り組めるよう、総務省など4府省が連携して支援するものであり、これまで総務省は、通信分野の技術開発・実証の推進に寄与している。

    一方、「国際競争力の強化等」を図るためには、厳格なステージゲート評価等により既存事業の加速・減速・中止等を行い、有望な技術等に集中投資するとともに、宇宙で流通するデータの増加などを踏まえた技術開発支援も重要となる。

    このため、本事業は、関係府省庁と緊密に連携しつつ、既存事業について、本年度より本格化するステージゲート評価を厳格に進めるとともに、スタートアップを含む民間企業等の成長促進を図るべく、今後の中核として期待される技術を中心に、戦略的に資金配分を行い、アンカーテナンシーの活用を含め、継続的かつ柔軟に技術開発を支援することを検討すべきである。

補助金等見直しに関する提言【法務部会】

1 法務部会における見直しの基本方針(総論)

法務省は、法秩序を維持すること、国民の権利を擁護すること、出入国及び外国人の在留の公正な管理を行うことなどの多様な役割を担っており、法の支配のもとで国民の安全・安心を確保するという重大な使命を与えられている。

現在の我が国は、在留外国人の増加等を踏まえた秩序ある共生社会の実現に向けた歩みを進めつつあるところ、外国人の受入れに当たっての環境整備を進めることが不可欠となっている。また、令和6年5月に発生した、保護観察対象者が自身を担当していた保護司を殺害した事案は社会に多大な影響を与えたところ、「世界一安全な日本」の実現に向け、再犯防止に関する取組を促進させるなど、更生保護に関する政策の実現を図ることも重要である。そのほかにも、犯罪対策の強化や総合法律支援の充実強化など、法務省は、与えられた「国民の安全・安心を確保する」という使命を全うするために様々な政策を実現する必要がある。その中で、補助金等の対象となる法務行政は広範囲に及ぶが、例えば、人権啓発活動事業のように、時代の変化に即したより効果的な活動を実現するためには、活動の効果を検証しつつ、絶え間ない改善が求められるものが少なくない。

これらを踏まえ、今回の補助金等の見直しに当たって、当部会は、単なる削減ではなく、「責任ある積極財政」に基づき、国民の理解を得つつ、これらの政策効果をより一層向上するため、財政資金をいかに効率的に活用するかの観点で、以下の基準に従って見直しを進めることとした。

2 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」

現下の法務行政における重要な政策目標は、安全・安心な社会の実現であり、これを達成するため、数字合わせのための補助金等の削減ではなく、前向きな姿勢で様々な政策を効果的かつ効率的に遂行していく必要がある。

これを踏まえ、当部会において実施した点検の主な基準は以下のとおりである。

  • ・効果検証が十分に行われていない補助金等はないか
  • ・透明性・効率性の観点から、事業構造や執行面に改善の余地はないか
  • ・支援対象・方法が政策目的に合致しているか
  • ・社会情勢の変化により、役割を終えた補助金等はないか

3 「見直し」を求める事業の具体例

上記2において定めた基準に基づき見直しを実施した結果、当部会は、以下のとおり提言する。

  • ・⑴外国人受入環境整備交付金

    多言語で情報提供等を行う地方公共団体の窓口設置支援を目的とした外国人受入環境整備交付金の交付に関しては、共生社会の実現の観点から重要な意義が認められる一方で、従前、一元的相談窓口の運営経費の多くを占める人件費が交付金所要額の増加の一因となっていること、効率的な一元的相談窓口の運営方式である「共同方式」を導入する地方公共団体にインセンティブを与えることができていないこと、などといった課題を抱えていた。

    これらの課題に対し、法務省は、事業を一層効率化させる観点から、人件費につき、外国人住民数・相談件数を考慮する方式に改める、共同方式を推進する地方公共団体に対して制度的なインセンティブを設けるなどといった改善を行ってきた。また、令和8年度には、一元的相談窓口におけるアウトリーチ型のオリエンテーションを試行するなど、適時、見直しを継続して実施していることが認められた。

    したがって、本交付金は、引き続き共同方式の推進に向けた取組を継続するほか、例えば、身近に一元的相談窓口のない地域の住民からの相談について都道府県が受け付けるなど、更なる効率的対応を進める方策を検討すべきである。さらに、外国人の受入環境整備に取り組む地方公共団体に対する支援の一層の充実を図るべく、地方公共団体からの意見・要望等も踏まえつつ、在留外国人が困りごとを抱いた場合に、適切な情報や相談場所に迅速に到達することができるよう、地方公共団体における一元的相談窓口の改善に向けた方策を検討すべきである。

  • ・⑵更生保護施設整備費補助金を含む保護観察対象者等の改善更生等事業に係る補助金等

    新たな被害者を生まない安全・安心な社会の実現には、再犯防止の支援が極めて重要である。こうした中、「第二次再犯防止推進計画」(令和5年3月17日閣議決定)において、法務省は、再犯の防止等に関する取組を切れ目なく実施するために必要な体制の整備に関する支援等を行うとされているところ、本事業のうち、更生保護施設整備事業への補助に関し、施設整備費用の拠出が困難な施設では、施設機能が著しく劣化・損傷した状態での施設運営を余儀なくされており、被保護者の衛生・安全面や処遇に悪影響が及んでいる状況にある。

    こうした状況を改善すべく、更生保護施設整備費補助金については、より円滑に整備事業が図られるための見直しを図っていくべきである。

    また、同補助金による補助を含めた「保護観察対象者等の改善更生等」事業全般については、外部有識者の意見等を踏まえ、透明性・効率性を高めながら、更生保護施設整備事業が着実に実施されるなど、再犯防止施策が全体として一層充実するよう、見直しを行うべきである。

    以 上

補助金・基金の見直しに係る提言【外交部会】

1 外交部会における見直しの基本方針(総論)

安全保障環境が厳しさを増す中、「強い外交・安全保障」を実現するとともに、「危機管理投資」により我が国の繁栄と国民の安全・安心を確保していくことは喫緊の課題。我が国に求められるのは、外交と防衛を車の両輪として、「平和と繁栄を創る『責任ある日本外交』」を推進することである。

そして、総合的な外交力を強化していくため、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を進化させ、日本列島を強く豊かにする経済外交を推進し、国際社会でのプレゼンスの強化、認知戦対応や情報力を強化していくことが求められている。

外交分野の補助金・基金の見直しに際しては、国際機関拠出金や二国間ODA等が中心であることを踏まえ、日本の国益と価値観を反映したルール形成と国際環境整備、安全保障・経済安全保障への貢献や日本企業の海外進出、国際社会での我が国のプレゼンス強化等に資する重要な取組を行うという役割があることを踏まえる必要がある。

このような認識の下、外交部会では、5月に国連機関(5機関)及びNGO(6団体)の代表者へのヒアリングも実施した。ヒアリングでは、拠出や支援の活用方法、日本人職員の現状、日本の国益への貢献のあり方等についても議論した。その結果、国民の理解が得られるような拠出の在り方につき、見直すべきものは見直し、日本のプレゼンスを高めることのできるものは強化すべきとの結論に達した。

2 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判断基準」

政府が実施した国民からの提案募集結果を踏まえ、「責任ある積極財政」に基づき、国益に効果的につながる事業への重点化や、支援先の自立性や透明性の確保等により、政策効果を向上させ、国民の理解を一層得られるようにするために、どのような取り組みが有益かを判断していく。

具体的には、

- 支援対象は、日本の外交政策の重点分野として妥当か。

- ODAの受け手としての外国/外国人に対する支援が、出し手としての日本の国益、さらには、国際公益に十分につながっているか。

- 国際機関拠出金については、「UN80イニシアティブ」をはじめとする国連改革の議論も踏まえて改善の余地はないか。

- 透明性・効率性の観点から、事業構造や執行面に改善の余地はないか。

3 「見直し」を求める事業の具体例

  • (1)地球規模課題への戦略的な取組
    • ・地球規模課題に対する「危機管理投資」として、国際機関をより効果的に活用していくことを目指し、併せて、国際機関の実績と評価、そして邦人職員数等も踏まえて検討していくべき。
    • ①国連改革の議論を踏まえること

      その際、国連機関への拠出については、国際連合プロジェクトサービス機関(UNOPS)拠出金や国際連合女性機関(UNWOMEN)拠出金等、「UN80イニシアティブ」をはじめとする国連改革の文脈において他の国連機関との合併が議論されていることも踏まえていくべき。

    • ②保健分野への効果的な支援
    • ・保健分野への支援は、二国間ODAと国際機関を通じたODAの連携を強化させ、両者の組み合わせで、適切な支援規模の検証を続けるべき。
    • ・その際、三大感染症を扱う世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)拠出金については、2026-2028のプレッジ期間後の日本の対応を含めて考えていく必要があり、今後、改めて世界のニーズを精査して、国際社会としての適切な支援規模を検討していくべき。
  • (2)連携するNGO団体の収支の透明性と広報
    • ・オールジャパンで効果的なODAを実施するためにNGO団体との連携を推進し、広報を強化していくべき。
    • ・その際、海外技術協力推進団体補助金(NGO事業補助金)については、対象団体の収支報告を通じた透明性の確保は必須である。対象団体の自助努力とともに、案件発掘調査を補助する際には、実際の案件形成につながるかどうかの検証を強化する。
  • (3)人材育成事業の重点分野の明確化
    • ・日本のODAの根幹ともいえる「人づくり」事業としての政策効果を向上させていくべき。
    • ・その際、SDGs達成に向け、研修先の国内大学で日本の開発協力の知見を学ぶSDGsグローバルリーダー(JICA開発大学院連携)は、他事業との重複が生じ得るため、重点分野の明確化等により、途上国における我が国との開発協力を推進する上での将来のキーパーソン育成に資する取組とするべき。
    • ・以上

補助金・基金の見直しの提言【財務金融部会】

1.部会における見直しの基本方針(総論)

酒類業については、農林水産物との連携や輸出拡大、インバウンド需要の喚起等を通じ、地域活性化に向けた波及効果が大きく、また、地域で継承されてきた伝統的な文化を含め、文化発信の観点からも重要な役割を果たしていることから、我が国の成長力強化や地域活性化の拠点として引き続き振興を図ることが重要である。

金融分野では、今後進められる政策によって、(1)金融システムの安定/金融仲介機能の発揮、(2)利用者保護/利用者利便、(3)市場の公正性・透明性/市場の活力のそれぞれを両立させることを通じて、国民の厚生の増大につながるよう、経済の成長や国民生活の向上に必要不可欠な金融機能の更なる発揮を目指すことが重要である。

財務金融部会においては、以上の方向性を追求する観点から、高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」に基づき、将来に希望が持てる日本を将来世代へ引き継ぐべく、政策効果をより一層向上するための効率的な財政資金の活用に向けて、補助金・基金の「見直し」を行う。

2. 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」の提示

財務金融分野における諸施策の政策目標は後述「3.」のとおり多岐に渡っているが、それらの政策効果の最大化に向けては、様々な経済情勢や事業対象者のニーズ等の変化も考慮しつつ、不断の見直しを行うことが重要である。

そのため、各施策が以下の基準に照らして、政策効果の最大化に向けた取組を進めているかを判定する。

  • ・Ÿ事業利用者を含む関係者等の声を広く集めるなど、事業の見直しに向けた検討がこれまで進められているか
  • ・Ÿ事業の枠組みあるいは運用面での改善が図られているか
  • ・Ÿ社会情勢の変化を踏まえてもなお、継続すべき意義や価値が認められる事業と評価可能か
  • ・Ÿ施策を活用した事業者の自立や成長を促すことができるか

3.「見直し」を求める事業の具体例

  • 〇 酒類業振興支援事業費補助金

    酒類業振興支援事業費補助金は、酒類事業者による①日本産酒類の海外展開に向けた取組、②経営改革・構造転換を図る取組を支援することによって、酒類業の健全な発達を促進する事業である。

    同事業は、近年では酒米の不足・価格高騰や米国関税措置といった足元の課題を踏まえた優先採択や、複数事業者の連携による海外展開への支援など、喫緊の課題を踏まえた適時の運用改善に取り組んでいる。

    2025年に日本産酒類の輸出額は過去最高となったところであるが、農林水産物・食品の輸出額を2030年に5兆円にする政府目標の達成に向けては、関係省庁とも連携しつつ、更なる輸出拡大に向けた取組を推進することが必要である。また、国内の酒類消費が減少する中、更なる事業者の構造転換を図る観点から、他の酒類事業者の参考となる優良事例をさらに積極的に横展開することで、業界全体への波及効果を高めるよう努めるべきである。

  • 〇 地域企業経営人材マッチング促進事業

    本事業は、大企業から地域の中堅・中小企業への人の流れを創出し、地域企業の経営人材確保を後押しするため、地域金融機関等による検索が可能な人材プラットフォーム(REVICareer)の整備・運用に必要な経費の補助を実施する事業である。

    事業開始から5年が経過する中、関係省庁・団体との連携強化や給付金要件の見直しなど、制度面・運用面での改善を継続した結果、大企業人材登録者数1万人という目標到達が見えてきた中、徐々にマッチング成約件数の積み上がりも見られるところであるが、更なる事業効果の最大化を目指し、引き続き、政府は効果的な周知広報を推進するとともに、地域の成約実績等も踏まえ、地域企業の更なる成長を促すよう活用促進に注力すべきである。

    また、補助制度が無くとも地域金融機関が人材紹介業務を自走化できるよう地域金融機関におけるノウハウ蓄積の観点から、民間人材データベースとの連携を促すべきである。

  • 〇 金融経済教育推進事業

    本事業は、金融経済教育推進機構(J-FLEC)に対する補助事業である。J-FLECでは、全国の企業や学校等への金融経済に関する講師派遣事業や、イベント・セミナー事業、認定アドバイザーによる個別相談事業などを展開している。

    設立から2年が経過する中で、実績も積み上がりつつあるが、金融経済教育を受けたと認識している人の割合を20%に引き上げるという2028年度までの政府目標の達成には、金融経済教育を推進する中核的存在であるJ-FLECの認知度向上を図り、KPIについて更に意欲的な目標を持って、更なる実績の積み上げが必要である。

    設立当初の今こそ、政府・金融庁としてJ-FLECの事業の更なる推進のために、J-FLECの認知度向上に向けた広報の強化等を図るべきである。

補助金・基金の見直しの提言【文部科学部会】

1.文部科学部会が目指す姿と補助金・基金の見直しの基本方針

【当部会が目指す姿】

日本列島を強く豊かにする「人材力」の強化、「新技術立国」の実現

  • 〇見直しの基本方針

    人材力と技術力は国の礎である。

    我が国の総合的な国力の強化には未来に向けた成長投資が必要であり、公教育の再生、科学技術・イノベーションの推進、及び文化・スポーツの振興を図ることが必要不可欠である。「責任ある積極財政」に基づき、当部会所管事項に係る補助金・基金については、単なる数字合わせのための補助金等の削減ではなく、その政策効果の一層の向上に結び付くよう、令和9年度予算に向けて、効果的な予算・執行とするための点検・見直しを行うとともに、必要な額の確保を図っていくものとする。

2.判定基準

  • 〇考え方

    補助金・基金の見直しにあたっての具体的な判定基準は、国民の声を踏まえて設定された租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「点検の視点」も参考に、以下のとおりとする。

<補助金について>

  • ①効果検証を強化し、成果に基づく制度運用となっているか
  • ②政策目的と手段を精査し、公平で目的に即した政策設計・運用となっているか
  • ③事業構造や執行面の改善により、透明性・効率性を高め、不正・中抜きを防止しているか
  • ④補助金依存体質を改め、自治体・事業者の自立や成長につながる仕組みとなっているか
  • ⑤申請・報告等の事務負担を軽減し、現場が本来業務に専念できるようになっているか

<基金について>

  • ①一定期間ごとに成果指標等を検証し、資金配分に反映されているか
  • ②公費負担に応じ、事業成果を国へ還元させているか
  • ③重複・休眠等の状態にある基金を整理・統廃合し、不要な資金を国庫返納されているか
  • ④基金活用に付随する機会費用を軽減しているか
  • ⑤基金を「見える化」し、透明性を確保しているか
  • ⑥基金設置法人等の運営、執行を適正化しているか

3.見直しに向けた提言

  • 〇当部会としては、令和9年度予算に向けた対応として以下を求める。
  • (1)判定基準に照らして、対応が必要となるものについては、制度の見直し・改善を図ること。
  • (2)判定基準に照らして、一定の対応が行われているものについても、判定基準以外の多様な観点も含めた不断の見直しを図ること。
  • (3)見直しを求める具体例

【私立大学等経常費補助金】

  • ・将来の社会情勢の変化や大学の地域等における役割を踏まえ、大学の規模の適正化に向け、理工農系人材育成を行う大学や地域の医療、福祉、産業、インフラ等を支える人材の育成等を行う地方中小規模大学、特色や強みを活かして改革に取り組む大学等への私学助成の充実・重点支援を一層進めるとともに、教育の質に応じた配分を強化する方向へ見直し、その目的が真に達成されるよう、必要かつ十分な予算の確保に努めること。

【国費外国人留学生制度】

  • ・本制度は、厳格な審査を経て外国人留学生のトップ層を採用・支援しているもので、本制度の修了者は、日本と各国を結ぶ架け橋として有用な人材となっているが、元国費外国人留学生アンケート及び在外公館・大学等へのヒアリングを実施するなどにより改めて効果検証を強化し、本事業がより効果的なものとなるよう、制度の改善を図るとともに、政策目的の達成に必要かつ十分な予算の確保に努めること。

【地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業】

  • ・外国人が増加する中、本事業については、各地域での日本語教育支援体制の整備や日本語教育の機会提供に係る関係機関との連携強化等の成果が一層求められるものであり、自治体と連携をして外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策を踏まえつつ、施策の効果を適切に検証し、制度の改善を図ること。また、現場が一層事業に専念できるよう、申請手続書類の見直しを進めるとともに、政策目的の達成に必要かつ十分な予算の確保に努めること。

以上

補助金・基金の見直しに関する提言【厚生労働部会】

Ⅰ.基本的な方針(総論)

厚生労働分野は、国民の生活を生涯にわたって支える使命を担っており、国民の安全・安心の確保に万全を期すことにより、社会・経済活動の安定に資するものである。

国民一人ひとりが、その夢や希望の実現を諦めることなく、安心して働き、暮らしていけるよう、すべての世代が安心できる持続可能な社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくため、今後は特に以下の事項に重点的に取り組むことが必要である。

  • ・高齢者人口がピークを迎える2040年頃に向けて、生産年齢人口が減少する中でも、地域に不可欠な質の高い医療・介護・福祉サービスが限られた人員・人材で持続的に提供されるよう、医療・介護・福祉等の地域ニーズの実態に応じた実効的な担い手確保を図る。
  • ・データヘルスや保険者機能の強化、がん検診・歯科健診の推進等を通じた「攻めの予防医療」を推進し、健康寿命の延伸を図ることで、皆が元気に活躍し、社会保障制度を含めた社会の支え手を確保する。

また、人手不足など労働供給制約下にある中でも「強い経済」を実現するため、労働生産性の向上や雇用者の希望に応じた形での労働移動の円滑化を図るとともに、心身の健康の維持を前提に、労働供給量を確保することが必要である。

加えて、本年夏の成長戦略の策定に向け、戦略分野に位置づけられている「創薬・先端医療」など関連する「成長投資」や「危機管理投資」を最大限に促進することが必要である。

Ⅱ.政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判断基準」

Ⅰに掲げた政策を実現するための手段の一つとして補助金・基金が果たす役割は大きいところであるが、今般の国民からのご提案・ご意見や租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「点検の視点」を踏まえつつ、「責任ある積極財政」に基づき、政策効果をより一層向上するためにいかに財政資金を効率的に活用するかとの方針で補助金・基金の見直しを行い、概算要求に反映する。

特に、EBPMの観点から適切なアウトカムの設定など効果検証を強化するとともに、透明性・効率性の観点から執行面を改善することに取り組む。

Ⅲ.見直しを求める事業の具体例

これまでの行政事業レビューの取組に加え、当部会としては、以下の取組を求める。また、透明性を確保する観点から、補助金や委託費については、補助先や委託先の情報開示が重要であり、先行的に取組を進めている省庁の取組状況を踏まえ、厚生労働分野でも取組を検討すべきである。

  • (1)医療DX関連

    (医療DX関連補助金)

    医療DXは、国民に質の高い医療を効率的に提供し、また、医療現場の業務効率化・勤務環境の改善を進めていくためにも重要である。現在、廉価で導入しやすく、また、データ連携が行いやすい「クラウド型」システムへの移行を推進しているほか、病院の業務効率化ツールの導入等を積極的に支援していくなど、より現場で医療DXのメリットを実感できるよう対策を進めているが、各事業の政策効果については、その事業の目的や内容等に応じて、医療機関のシステムコストの負担軽減や医療現場の業務負担の軽減等の観点を踏まえた検証を行い、医療現場・国民に医療DXのメリットを示しつつ、各事業のあり方について検討を行っていくべきである。

    (マイナ保険証関連補助金)

    マイナ保険証は、医療DXの基盤として国民が健康・医療情報に基づくよりよい医療を受けることを可能とするものであり、利用率の向上に取り組むことが重要である。今後さらなる利用促進に向けて、利便性が向上した次期顔認証付きカードリーダーの導入支援等による利用環境の整備・向上、マイナ保険証のメリットや受診方法等の丁寧な周知広報を行う必要があり、効果検証しつつ、効果的な支援を実現すべきである。

  • (2)特定健康診査・特定保健指導に係る財政支援

    令和6年度から、特定保健指導に成果が出たことを評価する方式(アウトカム評価)を導入するなど見直しを行ったところであるが、施行状況等を踏まえつつ、生活習慣病の予防や健康の保持・改善につながる見直しの方向性について検討していくべきである。

  • (3)障害者自立支援給付費負担金

    給付が本来の目的に沿っておらず、障害者にとって就労機会が失われているといった国民からのご意見も踏まえつつ、令和9年度の報酬改定に向け、障害福祉サービスの質の確保等について、必要な対応を検討していくべきである。

  • (4)困難な問題を抱える女性支援推進等事業費/女性自立支援事業費補助金/女性保護事業費負担金

    女性であることにより日常生活等を営むに当たり様々な困難な問題に直面することが多いことなどを踏まえ女性支援新法が制定されたことを受けて、困難な問題を抱える女性を支援する施策を推進するものであり、目的に即した取組であることから、引き続き取り組んでいく必要があるものの、不適切な執行が認められた場合には、地方自治体と連携して適正に対処するべきである。また、国民からのご意見も踏まえつつ、属性を問わず困難な状況にいる方々に対しては、自殺対策や生活困窮者支援等、個別の課題に応じた取組を引き続き推進していくべきである。

  • (5)人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

    政策効果や必要性が不明確であるといった国民からのご意見も踏まえて、事業目的に即した効果検証の検討を行い、制度の適正かつ効果的な運用を実現するための見直しを行うとともに、引き続き、申請手続の効率化・簡素化を検討すべきである。

  • (6)外国人労働者関連(外国人技能実習機構交付金等)

    外国人労働者への対応については、外国人技能実習機構において技能実習生受入企業等に対する適正な指導・検査、実習生に対する母国語相談により失踪に繋がらないよう取り組んできたところであるが、外国人労働者受入への不安、失踪者への適切な対応などについての国民からのご意見も踏まえ、令和9年度から施行する育成就労制度の適正な運用を確保するため、監理支援機関や受入企業への実地検査や、育成就労外国人への相談・援助を行う外国人育成就労機構の体制を整備すべきである。

  • (7)ワクチン生産体制等緊急整備基金

    活用されていない基金については一定期間で縮減・返納させる仕組みを整えることが必要といった国民からのご提案については、「基金の点検・見直しの横断的な方針」(令和5年12月20日行政改革推進会議)に基づき、これまでも事業見込みの不断の見直しを行い、基金残高を国庫返納してきたところであるが、令和8年度で当該基金が終了することも踏まえつつ、引き続き執行額の精査に努め、一層の適正化を図るべきである。その上で、感染症危機対応医薬品等の備蓄・製造体制強化等のための枠組みの構築に向けて、別途、検討を進めるべきである。

補助金・基金の見直しに関する提言【農林部会】

1.部会における見直しの基本方針(総論)

農林政策の目指すべき方向として、人口減少や気候変動など我が国農林業を取り巻く環境が厳しさを増す中において、食料安全保障の強化、人口減少下における農業の持続的発展・農村の振興、環境と調和のとれた食料システムの確立や、森林資源の循環利用、多様で健全な森林づくりの実現を図る必要がある。このため、農林部会として、引き続き現場に寄り添いつつ、これらの実現のための将来への責任を果たしていく。

こうしたことを前提として、今般の「補助金・基金の見直し」に当たっては、政策効果をより一層向上させるため、いかに財政資金を効率的に活用するかという観点から対応していくことが重要である。具体的には、農林業をめぐる情勢の変化や政策上の必要性を踏まえ、補助金・基金の目的や効果を明確にした上で、客観的な情勢やデータに基づくPDCAを推進し、それに基づき重点化や改善などを図る等、施策の不断の見直しを行うべきである。また、その結果については、予算編成及び執行段階において的確に反映させるべきである。

2.政策効果を最大化するための重点化・効率化の視点(判定基準)

見直しに際しては、「見直し対象=不要の施策」ではなく、食料安全保障の強化をはじめ政策効果を最大限発現させるために見直しが必要との視点で取り組むことが重要であり、政府が実施した国民からの提案募集やこれを踏まえて租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「自己点検の視点」も参考としながら対応するべきである。また、国民の皆様から実際の農林政策や生産の現場に関する理解を適確に得られるよう、より丁寧な説明に努めるべきである。

1に記した基本方針の下、各般の施策の効果をより一層向上させていくべく、

  • ・ 適切なアウトカムの設定等により効果検証を的確に行う
  • ・ 目的や効果を明確にした上で、社会情勢の変化を見通し、更に効果が適切に発揮されるよう改善を行うとともに、役割を終えたものは適時に廃止する
  • ・ 効率性・透明性の観点から、手続の簡素化等を含め執行面の改善を行う

といった視点に基づき、不断の見直しを図っていく必要がある。

このため、食料・農業・農村基本法に基づくKPIの検証等によるモニタリング体制を整備し、現場の状況や客観的な情勢・データを踏まえ、施策の強化・改善を図っていく必要がある。その際、フードテックへの投資促進など新たな取組についても、支援対象の明確化などにより効果の高い施策を検討することが重要である。

3.「見直し」の具体例

  • ○農業者の急減が見込まれる中にあっても食料の安定供給を確保するためには、単収の向上等を図る必要があることから、水田政策の見直しにおける収量に応じた支払への転換等、より生産性向上・付加価値向上に資する取組の後押しや地域の営農活動の継続に向けた投資を進めるための積極的かつ前向きな見直しを行っていくこと。

    (水田活用の直接支払交付金 等)

  • ○多くの森林資源が利用期に入っているにもかかわらず、国産材の供給が伸び悩み、林業適地における再造林が十分に進んでいない現状に対応するため、持続可能な林業に繋がるよう事業内容の整理を行い、森林の集積・集約化の着実な促進、林業の基盤整備など、必要な施策に重点化を図ること。

    (森林・林業・木材産業グリーン成長総合対策 等)

  • ○補助金申請等の事務手続について、より効率的なものとなるよう、手続の簡素化、デジタル技術の活用等を図ること。

    (農山漁村振興交付金 等)

  • ○コロナ対応を機に導入され役割を終えた基金など情勢の変化に即して不用となった補助金・基金は廃止し、限られた財政資金の効率的な活用を図ること。

    (中堅外食事業者資金融通円滑化基金 等)

補助金・基金の見直しに関する提言(案)【水産部会】

1.部会における見直しの基本方針(総論)

水産資源の持続的な利用の確保は食料安全保障、特にタンパク質の供給源の観点から極めて重要であり、海洋環境の激変や人口減少・高齢化、近年の物価高騰といった危機を乗り越え、持続的に発展できる強靱な水産業としていくため、

  • ・ 海洋環境の変化への対応
  • ・ 経営環境の変化にも対応できる経営体の育成
  • ・ 生産・流通・加工機能の拠点化やインフラの確保
  • ・ 輸出の拡大に向けた海外市場のマーケットメイク等
  • ・ 漁村の多角経営化

の5つの視点を基に対応を進めていくこととしている。こうした対応の方向性は、政府が現在検討を進めている新たな水産基本計画で具体化されていく。

今般の「補助金・基金の見直し」に当たっては、政策効果をより一層向上するため、いかに財政資金を効率的に活用するかという観点から対応していくことが重要である。

その際、これまでの提言※、水産業をめぐる情勢の変化や政策上の必要性を踏まえ、補助金・基金の目的や効果を明確にした上で、客観的な情勢やデータに基づくPDCAを推進し、それに基づき重点化や改善などを図る等、総合的に点検を行い、施策の不断の見直しを行うべきである。そうした取組を進めつつ、水産業を強靭性のある産業とすべく、既存施策の改善・充実や新規施策の立案に真摯に取り組むべきである。

こうした見直しの結果については、予算編成及び執行段階において的確に反映させるべきである。

※「水産政策の新たな展開に関する提言~豊かな浜と強い水産業を未来につないでいくための水産業強靭化計画の策定に向けて~」、「水産政策の新たな展開に関する提言~豊かな浜と強い水産業を未来につないでいくための水産業強靭化計画~【養殖・水産加工編】」

2.政策効果を最大化するための重点化・効率化の視点(判定基準)

見直しに際しては、「見直し対象=不要の施策」ではなく、政策効果を最大限発現させるために見直しが必要との視点で取り組むことが重要である。政府が実施した国民からの提案募集やこれを踏まえて租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「自己点検の視点」も参考としながら、客観的データや費用対効果を踏まえた見直しを行い、種々の政策課題に対して適切に対応するべきである。

  • ・1に記した基本方針の下、各般の施策の政策効果をより一層向上させていくべく、
  • ・ 創設から長期間経過している事業について、水産業をめぐる情勢の変化等を踏まえた改善の余地はないか
  • ・ 透明性・効率性の観点から、事業構造や執行面において更なる改善の余地はないか
  • ・ 基金について、交付実績等を踏まえ、運営や執行の適正化の観点から、更なる改善の余地はないか

といった視点に基づき、不断の見直しを図っていく必要がある。

このため、次期水産基本計画において、適切なKPIを設定し、PDCAサイクルを回して、現場の状況や客観的なデータ・情勢を踏まえ、施策の強化・改善を図っていく必要がある。その際、フードテックの投資促進など新たな取組についても、支援対象の明確化などにより効果の高い施策を検討することが重要である。

3.「見直し」の具体例

<補助金>

  • ○ 人口減少・高齢化による漁業者の急減が見込まれる状況の中で、海洋環境の変化により漁業経営の難易度が上昇している。

    この危機を乗り越えていくためには、新たな操業形態、新たな漁法などに果敢に挑戦していかなければならないが、そのためには、こうした挑戦に投資ができる足腰の強い漁業経営体を作っていくことが必要。

    あわせて、各浜の漁業者が大きく減少している中では、支援対象・内容を整理し、従来の浜の各漁業者が共同で行うような取組も一定程度継続しつつ、さらに協業化等により経営基盤の強固な企業経営体の創出に向け、経営体の新たな挑戦を後押しするとともに、施設の再編・統合等による合理化を進めていくこと。

    (浜の活力再生・成長促進交付金 等)

  • ○ 水中グライダー等の導入により、既存の調査の効率化に取り組んでいるが、効果・効率性の低い調査手法の更なる見直しも行いつつ、漁業者の情報の活用等に取り組み、資源評価の精度向上を図ること。

    (水産資源調査・評価推進事業)

  • ○ 政策目的に沿った効果が適切に発現するよう、予算の執行状況について適切にフォローアップすること。

    (漁場生産力・水産多面的機能強化対策事業 等)

<基金>

  • ○ 基金は、元来、複数年度にわたっての支出が必要な場合において措置してきたものであるが、限られた予算を効率的に活用できるよう、漁業構造改革総合対策事業など、これまでも効率的な基金の執行に向けて見直しを行っているところであり、基金管理団体の管理も含めて引き続き効率的な基金執行に向けて取り組んでいくこと。

補助金・基金の見直しの提言【経済産業部会】

1.経済産業部会における見直しの基本方針(総論)

我が国経済の成長に向けて、物価高を超える賃上げを促進し、家計の向上により消費の拡大を図るとともに、AI・半導体やGXをはじめとする成長分野への投資や危機管理投資、省エネや再エネの導入拡大等によるエネルギー・資源安全保障の強化を力強く後押しすることで、需要と供給の両サイドからの経済政策を通じて企業の供給力・競争力を向上させ、「強い経済」を実現していくことが重要。

足下の中東情勢に対して、我が国のエネルギー安全保障の確保に万全を期し、国民生活や経済活動への影響を最小限に抑えた上で、これらの重点分野に取り組むためにも、今後、国民からの提案・意見を踏まえ、国民生活の現場に根ざした目線から、国民生活の下支えや経済成長に資する効果が乏しい補助金や基金の不断の見直しを行った上で、財政資金を効率的に活用するため、予算措置の選択と集中の実施を通じて、効果の高い施策への重点化を行うことで、政策効果の最大化を図る。

2. 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」

上記の方針の下、各事業において、適正化を図るとともに、政策効果を最大限発現させるため、以下の考え方に沿って、見直しを行っていく。

  • ・補助金のみならず、税制や融資等の支援策を適切に組み合わせ、政策効果を最大化させる在り方を検討。
  • ・執行方法、事業制度等の改善、事業の整理・統合の余地が大きいと考えられるものについて、継続的に実施している事業も含め、効率的で透明性の高い事業の在り方を検討。
  • ・限られた政策資源を有効活用するため、EBPM(Evidence-Based Policy Making)の観点から、事業成果の達成状況や費用対効果を評価するとともに、その評価を踏まえた、政策の重点化・効率化を推進。
  • ・賃上げの実現に向けて、生産性向上等に取り組む成長志向企業の支援を重点化。

3. 「見直し」を求める事業の具体例

【基金事業の執行効率化】

文化芸術活動基盤強化基金において、公募説明等の合理化や審査基準の明確化等により、事務局経費の合理化を実施。この取組を他の基金事業にも展開し、事務局が民間事業者となる場合の役割分担や責任範囲に関する規律を強化し、管理費用の削減・合理化や基金設置法人等の指導管理等を徹底することで、適切な執行を促進する。

【中小企業の課題解決に向けた支援策】

補助金に偏重することなく、税制や融資等の支援策を適切に組み合わせることで、総合的な支援体制の構築を図る。

税務データ等のデータを活用した最も効果的な施策論議をする。

また、これまで以上に補助事業の整理・統合を進めることで、補助金制度の実効性の向上を図り、より効率的な施策となるよう、見直しを行う。

さらに、モラルハザードの発生を防止する観点とともに政策的に望ましい方向へと企業活動を誘導していく観点から、厳格な賃上げ要件の設定や、公益性の高い活動(健康経営など)をしている事業者への加点などを通じて、実効性のある審査により規律を働かせ、安易な補助金依存の排除を徹底する。

【我が国の成長に向けた国際連携支援策】

17の戦略分野における危機管理投資・成長投資の加速に向けて、グローバルサウス未来志向型共創等事業において、個別成果で得られた海外事業の成果要因等を分析・公表し、更なる成果に繋げるだけでなく、グローバルサウスの中でも日本の経済外交上の重要性を考慮し、重要分野(GX・DX・経済安全保障)を支援することで、日本のイノベーション強化や、雇用増加やサプライチェーンの強靱化を促進する。また、最新の国際情勢等も踏まえつつ、政策効果の高い事業への更なる重点化を図り、制度設計にも反映する。

補助金・基金に関する提言【国土交通部会】

1. 国土交通部会における基本方針(総論)

我が国は、頻発する自然災害や甚大な被害が想定される大規模地震、老朽化したインフラの保全、絶えず変化する国際情勢を受けた対応、地域活力の発現等の課題に直面している。こうした中、暮らしの安全・安心を確保するとともに、強い経済を実現するためには、「危機管理投資」と「成長投資」を強力に進めていくことが必要である。

このためには、

  • ①国民の安全・安心の確保

    防災・減災、国土強靱化の着実な推進、交通の安全・安心の確保、海上保安能力の強化等により、「危機管理投資」等を進めながら、国民の生命・財産・暮らしを守り抜く必要がある。

  • ②持続的な経済成長の実現

    成長分野への国内投資の持続的な拡大、賃上げにつながる人への投資、生産性の向上等に寄与する戦略的な社会資本整備、観光立国・物流革新・造船能力の抜本的強化に向けた取組、DX・GXを推進。

  • ③個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり

    地方創生や国土計画の実現に資する地域活性化・まちづくりの推進、「交通空白」の解消等に向けた地域交通のリ・デザインの全面展開等に取り組む必要がある。

    を3本柱に、取組を進める必要がある。

    このようなビジョンの下、「責任ある積極財政」に基づき、政策効果を一層向上させるためにどのように財政資金を活用するかとの方針で検討を行う。

2. 政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」

政府が実施した国民からの提案募集や租税特別措置・補助金見直し担当大臣から示された「自己点検の視点」等を踏まえ、

  • ・支援対象が政策目的に照らして妥当なものとなっているか。
  • ・透明性・効率性の観点から、執行面に改善の余地はないか。
  • ・EBPMの観点から、適切なアウトカムの設定等効果検証を強化すべきではないか。
  • ・自治体・事業者の自立や成長につながる仕組みへと改善すべきではないか。

との観点から、国民にとって必要な政策をより効果的・効率的に実現するという前向きな姿勢で検討すべきである。

3. 検討を求める事業の具体例

頻発する自然災害、インフラ老朽化、激変する国際情勢等待ったなしの様々な課題への対応が求められ、自治体、事業者等からも切実な要望の声が上がる中、近年の資材価格や労務費の上昇などを考慮し、国土交通政策の推進に必要な予算を確保していくことが不可欠である。これを踏まえ、「成長投資」、「危機管理投資」を着実に実行し、国土交通政策に熱心に取り組む自治体を支援する観点から、必要な検討を行うべきである。併せて、公共事業において費用対効果だけでなく多様な効果を総合的に評価する手法を検討すべきである。

  • ①国民の安全・安心の確保

    必要な「危機管理投資」を着実に実行し、国民の安全・安心を確保すべき。その際、事業の的確な執行、手続の改善等の検討も併せて行うべき。

    (事業例:社会資本整備総合交付金、防災・安全交付金、災害時拠点強靭化緊急促進事業、建築物耐震対策緊急促進事業)

  • ②持続的な経済成長の実現
    • ・必要な「成長投資」を着実に実行し、持続的な経済成長を実現すべき。その際、効果検証等を踏まえ、支援の重点化等の検討も併せて行うべき。

    (事業例:みらいエコ住宅2026事業、独立行政法人国際観光振興機構運営費交付金、オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の受入環境整備の促進)

  • ③個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり
    • ・個性を生かした地域づくり等を推進するため、自治体・事業者の自立や成長を促す観点から、支援対象の明確化等を併せて検討すべき。

    (事業例:都市構造再編集中支援事業、地域公共交通確保維持改善事業)

補助金・基金等の見直しについて【環境部会】

(基本的な考え方)

環境省のコア・ミッションである、炭素中立・循環経済・自然再興、国民の安心安全・豊かな暮らしに向けた取組や、東日本大震災・能登半島地震など災害への対応、原子力規制の厳格かつ適切な実施、原子力防災体制の充実・強化は、いずれも引き続き強力に進めていく必要がある。

他方、環境省の補助金・基金については、補助金・基金の適正化に向けた国民からの提案募集において、再エネ関連の補助金等が「国内産業への恩恵が限定的」、「費用対効果が不透明」など、厳しい指摘を受けている。(出典:内閣官房租税特別措置・補助金見直し担当室、財務省、総務省「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果について」)

環境省においては、国民に対するより丁寧で分かりやすい説明・情報発信を行いつつ、公平で目的に即した政策設計・運用を徹底するとともに、自治体・事業者の自立や成長につながる仕組みに改めるよう、思い切った事業の見直しを図るべきである。とりわけ基金については、一定期間ごとに成果指標(KPI)等を検証し、不要な資金は速やかに国庫返納を行うなど、「見える化」と効率性の向上を進めるべきである。その際、不要な資金がある場合は速やかに国庫返納を行い、国費の効率性も高める取り組みを行うなど、見直しを進めるべきである。

見直しにあたっては、国民からの主な提案・意見に基づく見直しのポイント・視点に立って、行政事業レビューにおける検証を踏まえ、検討結果を令和9年度概算要求等に確実に反映させるべきである。

(主なポイント・視点等)

1.太陽光発電設備や電気自動車の導入支援に対する補助金の重点化

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ ソーラーパネルへの支援は、製造が特定国への依存が高く、公費によって海外産業を支える構造に問題。国内産業への恩恵は限定的。
  • ・ 森林伐採や地形改変で環境破壊・生態系への影響が懸念される。廃棄パネルのリサイクル技術も確立されていない。
  • ・ 再エネ設備の導入にかかる支援制度が並立しており、重複の懸念があるほか、費用対効果が不透明。

太陽光発電設備の導入支援に対する国の補助金については、環境配慮や地域共生、産業競争力強化の観点から重点化を行うとともに、類似制度間の重複排除・整理を行い、政策効果と効率性を強化。

  • ● 地域脱炭素推進交付金
  • ● 太陽光発電関連の技術開発事業 等

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ 経済安全保障の観点からも、外国車を対象とすべきではなく、国産車を重視すべき。環境性能だけではなく、国内生産比率を重点的に評価してはどうか。
  • ・充電器については、設置数だけでなく、設置後の稼働状況を踏まえた効果検証をすべき。

電気自動車に関する国の補助金については、効果検証も行いながら、環境性能だけでなく、産業競争力強化の観点からの重点化などの見直しを行う。

  • ● 商用車等の電動化促進事業 等

2.循環経済への移行に向けた支援手法の見直し

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ 補助金が事業の前提となり、補助金依存の構造を生む例がある。民間金融の規律の中で成長を促す仕組みへ改めるべき。
  • ・ 公金の流れや事業選定の妥当性が見えにくい。

循環経済への移行は、環境・温暖化対策調査会、環境部会、経済産業部会の政策提言(~循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに~)や政府の循環経済行動計画を踏まえ、重点的に支援していくべき分野。設備投資への補助金のみならず、官民ファンドや民間金融機関の投融資の促進などの金融的手法についても検討し、事業者の自立や成長につながる仕組みへと見直す。

  • ● 循環経済関連の設備投資補助金
  • ● 官民ファンド・民間金融機関を通じた投融資の促進 等

3.一般廃棄物処理施設の整備における広域化・官民連携の推進

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ 自治体の現場で、必要書類の多さや紙文化・多段階の処理が負担となり、本来業務が圧迫されている。
  • ・ 自治体・事業者の自立や成長につながる仕組みに改めるべき。

一般廃棄物処理施設の整備に関しては、過去にダイオキシン類対策のため集中的に実施した施設整備に伴う更新需要等を背景とした自治体からの要望を踏まえて適切に財源を確保しつつ、各自治体の連携による広域化・集約化や、PPPの活用などの官民連携の取組を進める。あわせて、申請・報告等の事務負担を軽減し、現場が本来業務に専念できるようにする。

  • ● 循環型社会形成推進交付金(一般廃棄物処理施設整備関連) 等

4.技術開発関連基金の成果検証と「見える化」

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ グリーンイノベーション基金等の技術開発への補助について、多額の財政支出を伴っているにもかかわらず、十分な成果に結びついていないのではないか。
  • ・ 基金化により、国会や国民によるチェックが弱まっていないか。基金の保有残高や執行状況、詳細な使途等を定期的に公表すべき。
  • ・ プロジェクトの成功時に利益の一部を国に返還することを義務付けるべき。成果連動型の支払いとすべき。

環境省が関係する技術開発関連基金については、厳格なステージゲートを適用し、一定期間ごとに成果指標(KPI)等を検証して資金配分に反映。あわせて、保有残高・執行状況・使途等を「見える化」し透明性を確保するとともに、公費負担に応じて事業成果を国へ還元させる仕組み(成功時の利益返還、成果連動型支払い等)を導入。

  • ● グリーンイノベーション基金(環境省関連分) 等

5.基金事業の進捗状況を踏まえた不要資金の国庫返納

<国民からの主な提案・意見>

  • ・ 基金残高の滞留は、必要性の高い政策分野への資源配分を遅らせる機会費用につながる可能性がある。
  • ・ 長期間活用されていない基金は、サンセット条項など、一定期間で縮減・返納させる仕組みを整えることが必要。
  • ・ 過去の事業において不正や不適切な会計、著しく低い成果しか上げられなかった団体への厳しい対応を考えるべき。

環境省が所管する基金事業は、産業廃棄物・不法投棄対策や健康被害対策など法律に基づき造成されたものが多く、引き続き制度趣旨を踏まえて適切に実施していく必要がある。その上で、基金を造成してから長期にわたって行ってきている基金事業も多いことから、対象事業の進捗状況を踏まえ、不要な資金は速やかに国庫返納を行う。また、基金設置法人等の善管注意義務や説明責任を明確化し、運営・執行を適正化することで、基金活用に付随する機会費用を軽減し、国費の効率性を高める。

  • ● 環境省所管の各種基金

以 上

補助金・基金の見直しの提言【デジタル社会推進本部】

1.部会における見直しの基本方針(総論)

高市内閣が掲げる「責任ある積極財政」に基づき、政策効果をより一層向上するとともに、財政資金を効率的に活用すべく、デジタル社会推進本部の主要幹部において、デジタル庁から説明を聴取し、前向きな見直し・点検を行った。

2.政策効果を最大化するための重点化・効率化の「判定基準」の提示

マイナンバーカードは国民の保有枚数が1億枚を超え、今後、官民のデジタル公共インフラとしてさらに利活用を進めていくことが必要。政府は、予算の執行について必要な改善をしながら、カードの利便性向上を更にはかっていくことが重要である。【効果の検証、執行面の改善等の観点】

また、地方公共団体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行は法律上の義務ないし努力義務としているものであり、デジタル庁において、地方自治体における円滑な運用を支援するとともに、政策の所期の効果が発揮されているか把握を行っていくべきである。【効果の検証、地方自治体の自立につながる仕組み等の観点】

3.「見直し」を求める事業の具体例

  • ・(ア)マイナンバーカード関係システム事業費補助金(J-LIS補助金)

    本補助金はマイナンバーカードの発行、開発、運用等に必要な経費を措置するもの。これまでも、予算の執行状況を踏まえて、計上や執行など必要な見直しを行ってきているところ。

    今後も、重点計画で閣議決定されたカード利便性向上策について、機構の中期目標を定め、機構及びデジタル庁において、自己点検・改善を行っていく。

    また、次期マイナカードの導入のため、体制強化チームを編成し、調達の透明化及びコストの削減に資する取組を行うほか、外部有識者による契約監視委員会での入札・契約についての点検等を行っていく。

  • ・(イ)地方公共団体情報システム運用最適化支援事業費補助金(標準化補助金)

    本事業は、地方公共団体情報システムの標準化・ガバメントクラウド移行に伴い、運用経費が増加しているという地方自治体の声を受けて、運用経費の抑制・適正化を目指して支援を行うもの。

    R7年度補正予算で措置をしたばかりであり、本事業の運用最適化には複数年の実績が必要であるため、今後各年度の抑制・適正化の達成状況を踏まえながら、単年度ごとに適宜見直しを行っていく。

    本見直しによって、政策効果をより一層向上するため、当本部としては、引き続きフォローを実施していく。

補助金等の見直しについて提言【「こども・若者」輝く未来創造本部】

(基本的な考え方)

こども政策は、こどもの心身の状況や置かれている環境等に関わらず、次代の社会を担う「全ての」こどものウェルビーイングの実現を図ることがその原点であり、最終目標である。

他方、こども家庭庁の予算については、補助金等の適正化に向けた国民からの提案募集において、「こども家庭庁予算全体の抜本的見直しが必要」など、極めて厳しい指摘を受けている。

この際、こども家庭庁においては、国民に対するより丁寧で分かりやすい説明・情報発信を行いつつ、全てのこどものウェルビーイングの実現を図るとの最終目標に向けて、持続的かつ構造的な政策効果を持つ施策へと果断に重点化を図り、「こども・子育てを取り巻く環境が変わった」との実感をより多くの国民に持っていただけるよう、思い切った事業の見直しを図るべきである。

見直しにあたっては、国民からの主な提案・意見に基づく見直しのポイント・視点に立って、行政事業レビューにおける検証を踏まえ、検討結果を令和9年度概算要求等に確実に反映させるべきである。

(主なポイント・視点等)

1.単発のイベント・広報啓発に係る委託費の抜本的見直し

国民からの主な提案・意見

  • ● 啓発やイベント等の委託事業について政策効果が不透明であり、縮減すべき。持続的かつ構造的な効果を持つ施策に転換すべき。
  • ● 認知度向上・魅力発信など定性的な事業が多く、シンポジウム開催など“やってる感”の演出に終始している。

  • 〇 単発のイベント・広報啓発の委託費は、持続的かつ構造的な政策効果が確保される施策への転換や民間の取組への後援等の別途の手段での対応等へと抜本的見直しを行い、政策効果と効率性を強化。
    • ・こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
    • ・若い世代に向けたライフデザインに関する情報発信等
    • ・こども若者の意見のこども施策への意見反映(いけんぷらす)
    • ・こどもまんなか社会実現プラットフォーム運営等事業
    • ・こどもの権利擁護体制整備促進事業
    • ・不妊症・不育症に関する広報・啓発促進事業

2.効果検証が十分にできていない少子化対策事業の抜本的見直し

国民からの主な提案・意見

  • ●出生数が減少を続ける中で、成果指標や政策効果の検証が示されず、予算が先行している。抜本的見直しが必要。
  • ●現金給付から持続的かつ構造的な効果を持つ支援に転換すべき。

  • 〇 地域少子化対策重点推進交付金については、政策効果を高めるため、一時的な現金給付は見直し、特に財政力の厳しい地域における今を生きるこどもへの支援と少子化対策を車の両輪として、地域のこども政策推進を幅広く支援できる事業へと抜本的に見直し。
    • ・地域少子化対策強化事業

3.各種相談支援の総合化・一元化

国民からの主な提案・意見

  • ● こども・子育て支援事業については、類似の施策が並立して企画・実施されており、補助等の制度が過度に複雑化している。

  • 〇 真に「こどもまんなか」な支援とする観点から、課題や悩みが複雑化する中で利用者が相談支援をスムーズに受けられるよう、様々な相談事業が縦割り化し、それぞれの事業において相談員設置等を支援している現状を改め、体制・予算措置も含め、「こども家庭センター」で一元的に対応できるように見直す。

4.こども予算の「全部見える化」と自治体の負担軽減

国民からの主な提案・意見

  • ●こども・子育て支援に関する情報開示が不足している。複雑な事業構造の中で事業が委託・再委託されることもあり、委託先による中抜きが疑われる。公金の流れなどが見えにくい。
  • ●自治体の現場で、必要書類の多さや紙文化・多段階の処理が負担となり、本来業務が圧迫されている。

  • 〇 こども家庭庁予算の全事業の委託先や補助先(再委託等も含む)をネット上で事業ごとに、自治体・事業者名、交付額等を公開する「全部見える化」の取組を令和8年度から着手、令和9年度を目途に実現。同時に、自治体の負担軽減に向け、こども家庭庁予算の補助金や調査等を効率的に行う国・地方間の総合的なシステムを導入。

補助金・基金の見直しの提言【東日本大震災復興加速化本部】

1 基本方針(総論)

東日本大震災は、自然災害と原子力災害の複合災害であり、その復興は、これまで原子力政策を推進してきた国の社会的な責任を踏まえて行われるべきものであって、息の長い取組が必要となる。この未曽有の災害からの復興のため、復興特別所得税の負担を国民の皆様にお願いするとともに、復興特会を設置して取組むなど、特別の枠組みで対応している。

東日本大震災からの復興に当たっては、党の東日本大震災復興加速化本部において14次にわたる提言を出してきたほか、その提言を踏まえ政府においてもこれまで5年間の期間毎に、復興の「基本方針」を閣議決定し、それぞれの期間に集中して対応すべき課題を設定して取り組んできた。

昨年(令和7年)の6月には、次の5年間(令和8~12年度)にむけて、党において第14次提言を示し、それを受けて政府において「基本方針」を決定しており、この考え方に沿って復興に向けた様々な課題を、この5年間で何としても解決していくべく総力を挙げていく必要がある。

2 見直しに当たっての考え方

前の5年間(令和3~7年度)において、岩手・宮城等の地震津波の被災地域に対する施策は大幅に見直しを行ったところ。

  • ○ハード整備

    →岩手・宮城向けの復興特会におけるハード整備(社会資本整備総合交付金等)は概ね終了。(R2予算:2,287億円→R8予算:116億円)

  • ○産業・生業の再生

    →グループ補助金(中小事業者の再建)は令和7年度で原則として終了。(R2予算:82億円→R8予算:5億円)

    津波立地補助金(企業立地促進)について、令和2年度の支出額は115億円だったものが、令和5年度末で公募を終了。

  • ○被災者支援

    →被災者支援総合交付金(心のケアや相談・見守り等)は、福島県以外は減額。(R7:16億円→R8:4億円)

    一方で、福島の原子力災害の被災地域は、避難指示解除から数年しか経っていない地域もあり、ただちに大幅に予算を減額する段階にはないが、その中にあっても、効果的な予算となるよう見直しを行ってきている。

  • ①農林水産業

    (これまでの見直し)

    • ・農業について、令和8年度予算において営農再開関連3事業を統合し、福島県に設置した基金を通じて支援を行う「福島県営農再開・高付加価値産地展開支援事業」を創設し、一体的・機動的に事業実施できるよう措置。

    (今後の方向性[政策目標])

    • ・農業について、営農再開目標(R12年度末:11,000ha)の達成に向け取組を進め、それを上回る営農再開を目指す。
    • ・林業について、今後帰還困難区域における本格的な森林整備が開始されることを踏まえ、R8年度中に具体的な森林整備目標を策定し、取組を進める。
  • ②産業

    (これまでの見直し)

    • ・自立立地補助金(企業立地促進)では、令和6年度予算において、補助率の見直しを行った。

    (参考)補助率の見直し

    区分 補助率 区分 補助率
    1.大熊町・双葉町全域、特定復興再生拠点 大企業 2/3以内 1.大熊町・双葉町全域、特定復興再生拠点 大企業 2/3以内
    中小企業 3/4以内 中小企業 3/4以内
    2.南相馬市、富岡町、浪江町、葛尾村 大企業 1/2以内 2.南相馬市、富岡町、浪江町、葛尾村 大企業 2/5以内
    中小企業 2/3以内 中小企業 3/5以内
    3.田村市、川俣町、広野町、楢葉町、川内村、飯舘村 大企業 2/5以内 3.田村市、川俣町、広野町、楢葉町、川内村、飯舘村 大企業 3/10以内
    中小企業 3/5以内 中小企業 1/2以内

    (今後の方向性[政策目標])

    • ・産業復興を加速し自立・帰還を促すため、工場等の新増設を支援し企業立地を促進することにより、雇用の創出及び産業集積を図るとともに、住民生活を支える商業機能の回復を進めることを目指す。
  • ③住宅

    (これまでの取組)

    • ・住宅不足の問題に対し、移住者も入居することができる福島再生賃貸住宅について、民間事業者建設型の供給を促進するため、令和8年度から民間事業者建設型の場合の建設費補助を1/5から2/5に拡充している。

    (今後の方向性[政策目標])

    • ・福島第一原子力発電所周辺における住宅不足を解消するため、上記の施策をアピールして活用を促す。
  • ④F-REI(福島国際研究教育機構)

    (これまでの見直し)

    • ・復興特会と一般会計等の役割分担の観点から、F-REIの持続的・恒久的な研究体制を確保できるよう令和8~12年度において研究開発費の予算を段階的・計画的に復興特会以外へ移行している。令和8年度予算においては、研究費105億円のうち11億円は一般会計で確保。

    (今後の方向性[政策目標])

    • ・F-REIが一大研究・実証拠点となるよう必要な予算措置を講じていく。

3 見直しを求める事業について

「基本方針」では復興施策の進捗状況や効果検証等も行ったうえで、3年後を目途に必要な見直しを行うとしている。今回頂いた補助金に関する国民からのご提案・ご意見も参考としつつ、復興の進捗状況を踏まえながら、基本方針の見直しの中で、通常の国土施策・産業施策・福祉施策等と復興施策の役割分担や優先的に取り組むべき施策を明らかにして、令和11年度・令和12年度の予算に反映しつつ、併せて令和13年度以降のあり方も明確にしていくように求める。

また、毎年度の予算要求に当たっても、各施策の効果や関連施策とのすみ分け等を確認しつつ、見直しに努めるべきである。

[1]事業の進捗や成果を定期的に評価し、その後の支援に反映する仕組み。