金融調査会 決済・イノベーション推進PT
提言
令和8年5月14日
金融調査会
決済・イノベーション推進PT
1.次の時代を見据えた決済アーキテクチャ構築の必要性と方向性
(1)見据えるべき新たな時代
世界経済がグローバルに繋がる中、商取引・金融取引がクロスボーダーで行われるのに合わせて、資金決済も国内だけでなくグローバルに行われてきた。こうした中、資金決済は、これまでも改良が重ねられてきたが、足元では、デジタル化の進展と相まって、企業・個人のいずれにおいても、より「早く」「安く」「便利に」決済を行いたいニーズが一層高まっている。特に、予め一定の条件を定め、これを満たすと自動実行される仕組みを組み込める「プログラマビリティ」の機能を、決済インフラが備えることには期待が大きい。
例えば、国際運送の場面や中小企業間取引において、モノの引き渡しと支払いを同時に履行する仕組みが考えられる。これは、取引及び支払の確実性を高めるだけでなく、特に中小企業にとっては、迅速な入金が行われることによって、資金繰りの安定にも資するほか、商取引と決済の管理事務が容易になり生産性向上が期待される。
また、給付行政の分野においても、特定の条件を満たす対象者を自動的に判別し、給付を実行することができれば、行政機関の事務負担を大幅に軽減することが可能となるほか、子育てや食料品といった特定の目的に給付金の使途を限定するが可能となることで給付行政への効果・信頼の向上にも繋がり得る。
そして現在、こうした迅速性やプログラマビリティの重要性を一段と高めているのが、加速度的に進化しているAIである。特に、エージェントAIの普及に伴い、人の意思決定を代替・補完する形でAIが経済活動を自律的に実行する「エージェンティック・コマース」が本格的に発展していく。
言語の壁もなくなるエージェンティック・コマースの時代には、従来以上に商取引はグローバルに行われていく。我が国経済の様々な製品・サービスが、「AIにより選ばれる」環境を整えることが、我が国経済・社会の成長において不可欠となる。決済インフラも、従来から進められてきた安全性・迅速性の確保はもとより、前述のプログラマビリティ、そして、各国の時差に関わらず、24時間365日取引できることが求められるようになる。
こうした多様化・高度化する決済ニーズに対応するため、民間部門では新たなサービスの提供や関連技術の進展が進んでいる。既に広く国民に受け入れられている○○ペイのようなプラットフォーマーによる決済アプリのほか、地域金融機関も地域独自の決済サービスを提供し、地元の加盟店が支払う決済手数料率を抑えたり、自治体の施策と連携したりするなどの動きも出てきている。また、我が国の中核的な決済インフラである全銀システムにおいても、環境変化を踏まえたアップデートの必要性を認識した上で、改良に向けた議論が進められている。
そのなかでも特に近年注目を集めているのが、ステーブルコインやトークン化預金といった、ブロックチェーン技術を用いた新たな決済手段である。これらは、迅速性や24時間365日の稼働といった高度な機能を備えており、前述した「エージェンティック・コマース」が求めるプログラマビリティへの需要とも親和性が高い。今後、こうした新技術の特性や利点、リスクを適切に評価しつつ既存の決済システムの中に取り込んでいくこと、すなわち「オンチェーン」と「オフチェーン」の最適な組み合わせにより決済システムから得られる便益を最大化していくことが間違いなく必要となる。
このように決済のグローバル化が進み、新しい技術が進展する状況において、仮に新たな時代に対応した決済システム構築において他国に後れをとった場合、我が国の企業・家計は他国の決済システムへの依存度を深めることとなる。より深刻な場合には、自国内の決済が他国通貨建てとなり、我が国の経済の存立が他国に委ねられることとなるおそれすらある。
他方、個々の決済サービスがそれぞれ独自に発展していった場合、サービス間の相互運用性が確保されず、全体としては非効率な決済エコシステムが形成されてしまうおそれに留意が必要である。これは、部分最適の積み重ねが全体最適を損なう、いわゆる「合成の誤謬」が生じる典型的なケースである。特に、国際的な取引が活発化する中において、他国の決済システムや国際的な共通基盤との相互運用性が確保されなければ、我が国独自の仕様に閉じた、いわば「ガラパゴス化」した決済システムとなり、国際競争力や利用者利便を損なう可能性がある。
また、決済は国民生活や経済活動を支える極めて公共性の高い分野であることから、高度なセキュリティと信頼性を確保することが不可欠である。その一方で、技術革新は急速に進展しており、その内容やリスクを的確に把握した上で、効率性と安全性のバランスを踏まえた適切な規制や制度設計を行っていくことが重要となる。
こうした観点からは、新たな決済手段だけでなく、全銀システムのような既存の決済インフラについても、時代の要請に応じたさらなるアップデートや高度化を検討し、新旧のシステムを含めた全体最適を追求していく必要がある。
このように、これからの時代において日本経済の競争力を最大化していくためには、新たな時代を見据えた「世界最高水準の決済アーキテクチャ」を構築することが重要な課題となる。
(2)「世界最高水準の決済アーキテクチャを構築」するための「7つの方向性」
我が国としては、政府・中央銀行・民間が一体となり、新たな時代におけるプログラマブルな決済が活用できる環境を戦略的に後押しし、世界最高水準の決済アーキテクチャを構築していくべきである。その実現のためには、以下の「7つの方向性」に沿ったビジョンある対策の実行が重要である。
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① 「競争」を通じた良質なサービス提供の最適配置
トークン化預金やステーブルコインなどのオンチェーン決済を含む新たな決済手段について、ユーザーとしては、利便性、コスト、信頼性等を総合的に勘案しながら、最適な決済手段を選択していくこととなる。国は安全性や利用者保護の観点からの適切な規制・監督や、新技術の実証・実装の後押しをしつつも、個々の場面においてどの決済手段が最終的に主流となるかについては、ユーザーによる取捨選択と、提供者による試行錯誤を通じて、徐々に定まっていくべきである。
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② 「協調」の強化―相互運用性ある全体構造への昇華
一方で、最適配置の積み重ねが各決済手段のサイロ化をもたらし、結果として全体最適が損なわれることは、我が国の社会・経済全体の利益最大化の観点から好ましくない。したがって、我が国の取組が個別事例の集合にとどまるのではなく、決済アーキテクチャの全体的な構造が、相互運用性が確保された形で、より広範な裨益が得られるものとなることが重要であり、関係者間の協調を通じた共通の枠組みや基盤の構築が推進されるべきである。
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③ プログラマビリティ・24/365のメリットを経済全体で享受
経済成長、経済全体の効率化といった「攻め」の観点からは、ブロックチェーンの中核的特性であるプログラマビリティや24時間365日取引を実行できることを活用し、複数の取引及び決済を一体的に設計・執行する「取引連携型決済モデル」を発展させることが有用と考えられる。そこで、ブロックチェーンの便益を最大化させるために、周辺のシステム等とのAPIを通じた接続についても勘案しつつ、ブロックチェーンの実装の加速に積極的に取り組むべきである。
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④ 安定的な金融システム・金融仲介機能・通貨代替リスクへの対応の維持・強化
ブロックチェーンのベネフィットを決済システムの中に取り込む必要がある一方で、「守り」の観点として、ブロックチェーン技術が持つ限界(パブリックチェーンにおける大量取引の迅速処理の限界や量子コンピュータによる危殆化リスク)にも十分に注意しなければならない。そこで既存の決済インフラもアップデートしながら、金融システムの安定、金融仲介機能及び通貨代替リスクへの対応の維持・強化を進めるべきである。
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⑤ 規制の点検・見直しを含むテクノロジーの進展への柔軟かつ迅速な対応
既存システムに対する利用者のニーズに配慮しつつ、オンチェーン・オフチェーン両面の便益を最大限享受していくために規制の点検や見直しを行うべきである。例えば、ステーブルコインといった新しい技術を用いた決済手段の国内における通用性をより高めるべく、ステーブルコインに金銭に準じた取扱いを認めてよいかが各法令において不明確であるといった課題など、障害と思われるものについては前倒しで検証・見直しを実施する。
また、ブロックチェーンそのものが将来的に陳腐化する可能性も排除できない中で、特定の技術・特定の決済手段に過度に依存することなく、戦略を柔軟かつ迅速に見直す姿勢を維持するべきである。例えば、量子コンピュータの登場により、ブロックチェーンに関してセキュリティ上の課題が生じる可能性について、技術の進展を踏まえつつ、柔軟に対応する。
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⑥ グローバルに開けた通用性とグローバルな発信
米国やアジアを念頭に、世界における円建てステーブルコイン・トークン化預金の通用性を確保するとともに、ユニバーサルな制度構築を目指し、積極的に国際発信・提案することを通じて、我が国が世界をリードしていくべきである。
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⑦ 国際的な決済システム間の相互運用性の確保
円建てステーブルコイン・トークン化預金のみならず、既存インフラを用いた決済手段が「ガラパゴス化」することで、国際競争力や利用者利便を損なうことがないよう、新旧システムを含めた我が国の決済システム全体の国際的な相互運用性を確保していくべきである。
2.当面の取組み
「7つの方向性」を踏まえつつ、世界最高水準の決済アーキテクチャ構築に向けて、まずは、政府・民間事業者が一丸となって以下の対応を進めていく必要がある。
(1)政府においては、関連する民間事業者と連携しつつ、以下の点について対応を進めるべきである。
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① 金融庁
- 民間の資金決済の分野については、金融庁・日本銀行・全銀協が関与してきたが、これまでは必ずしも制度的な責任の所在が明確でなかったところ、オンチェーン対応等の新たな変革にも対応していく上で、司令塔は不可欠である。そこで、今後は、金融庁を資金決済の司令塔に位置づけ、日本銀行・財務省がこれに協力していく。このため、金融庁における体制についても必要な組織拡充を検討する。
- 金融庁が現在進めている決済高度化プロジェクト(PIP)に おいては、(i)国内決済に加えて、グローバル企業のアジアを含む海外のキャッシュマネジメント等での利用を見据えた、3メガバンク共同でのステーブルコイン発行に向けた検討、(ii)証券決済の効率化及び24時間365日対応化を見据えた、ブロックチェーン上での証券決済推進に係る検討、(iii)トークン化預金を民間ベースで複数の銀行間で移転する仕組みの構築に向けた検討など、オンチェーン決済に関する実証実験が進められている。金融庁は、こうしたオンチェーン決済の活用場面の貿易決済を含むその他の分野への拡大を含め、オンチェーン決済の社会実装について、上記「7つの方向性」に沿って、PIPを通じて全面的な支援を継続・拡大していく。
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AIとオンチェーン決済が技術的・社会的に進展する中にあっては、安定した金融システム、金融仲介機能の保持、通貨主権の確保、セキュリティの確保、利用者保護といった守りの面にも目を配りつつ、利用者利便の向上、資金効率及び金融仲介機能の向上といった攻めの面も同時に達成しなければならない。そこで、金融庁は、関係省庁・金融業界・有識者等からなる検討会議を立上げ、以下の論点を含むAI・オンチェーン時代の金融の在り方について、検討を進め、来年初までに中間整理をまとめる。
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AIの浸透に応じた市場・金融機関監督の在り方
今後、金融資本市場における取引の指示や判断におけるAIの活用が進むことも想定される。その際、例えば特定のAIに依存することで市場参加者が同様の決定を下す群集行動などにより市場が不安定化するリスクも懸念される。
また、金融機関における融資判断などにおけるAIの活用が進む中、特定の地域や業種において金融排除が生じることも回避すべきである。
以上のようなリスクを踏まえながら、AIの浸透に応じた市場・金融機関監督の在り方を検討していく必要がある。
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ステーブルコインの制度的枠組みの在り方
ステーブルコインの発行・仲介に関しては、国際的な規制の議論が進んでいるほか、米国をはじめ各国における制度整備も進んでいる。我が国は世界に先駆けてステーブルコインの制度整備を進めてきたが、今後も技術革新を迅速に新たな金融サービス提供につなげられるよう、ステーブルコインのユースケースの動向を踏まえながら、例えば、裏付け資産の在り方を始めとする制度的枠組みについて点検を行い、必要があれば金融審議会等での議論に繋げていく必要がある。
特に、ステーブルコインのレンディングは、資産の運用・管理の多様化の手段の1つとして期待され、我が国においてステーブルコイン普及の推進力になり得ると考えられる。他方、レンディング事業者等が破綻すると元本毀損の恐れがあるほか、預金からの振り替えが大きく進むと社会全体として金融仲介機能を損なう恐れがある。このため、暗号資産レンディングについては現在規制の導入が検討されていることなども踏まえながら、制度的枠組みを検討する必要がある。
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DEXを始めとするDeFi(分散型金融:DecentralizedFinance)への対応
AIの浸透により、必ずしも人間向けのユーザー・インターフェース(UI)が必要ではなくなることから、現在以上に、DEX(分散型取引所:Decentralized Exchange)を通じた暗号資産等の取引が進むとの指摘がある。また、将来的には様々な資産のトークン化が進むと、暗号資産に限られない資産がDEXで取り扱われるようになるとも指摘される。
この点、DEXについては、プロトコルの開発・設置を行い、その後は特に関与しなければ、サービス提供における人為的要素は少ないという特徴がある。他方、プロトコルの不備により利用者が不測の損害を被るリスクや、マネーローンダリングに悪用されるリスクも指摘される。こうした点を踏まえ、金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告書では、DEXについて、明確な規制の手法が確立されていないものの、現在の暗号資産交換業者に対する規制とは異なる、技術的性質に合わせた過不足のない規制の在り方について、各国の規制や運用動向も注視しながら、継続して検討を行うことが適当とされており、速やかに議論を開始する必要があり、必要があれば金融審議会等での議論に繋げていく。
その際、DEXのプロトコルの開発・設置のほか、DEXに接続するアプリ等のユーザー・インターフェースや、複数の暗号資産等の交換だけでなく、レンディング等のその他の金融取引の仲介機能等を含め、広く議論することが求められる。
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ウォレット提供業者の位置づけ
暗号資産等の取引を行う際は、自身が署名鍵を管理する場合と、暗号資産交換業者等の金融機関に管理をゆだねる場合とがある。オンチェーン決済の社会実装が進む中、自身で管理を行うには紛失リスク等があるため、一般個人や多額の資産を扱う法人などを中心に、ステーブルコイン等の管理は金融機関(電子決済手段等取引業者)に委ねられるケースが多いと考えられる。
一方、様々な金融資産のトークン化も進むと、ワンストップで各種資産の管理を行えるウォレットサービスの利用が、個人向けはもとより、法人や機関投資家向けに登場することも予想される。こうしたサービスでは、自身で署名鍵を管理する方法(必ずしも自身単独ではなく、セキュリティの観点から分割して管理することも予想される)が用いられると考えられるが、利便性の観点からこうしたサービス提供業者が、トークン化資産に関するプラットフォーマーとなっていく可能性も考えられる。
こうしたサービスを提供するウォレット事業者については、現状日本を含め多くの国では規制はなされていない一方、将来多額の資産の管理をこうしたサービスを通じて行うこととなった際に、金融リテラシーの向上、ひいては利用者保護上、対策が必要となることも考えられる。同時に、仮に国内からこうした事業者が育たず、海外事業者に依存することになると、新たなデジタル赤字やデータ主権といった課題も引き起こしかねない。
こうした事態を見据えて、ウォレット事業者についても、技術的性質に合わせた過不足のない規制を含む対策の在り方について、各国の動向も注視しながら、検討を行う必要がある。
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ブロックチェーン技術を用いた決済システムの将来
ブロックチェーン技術の基盤となっている暗号技術については、量子コンピュータによる危殆化への対応が急がれている。特に、ブロックチェーン技術の金融業務における利用が進むと、その必要性は増していく。
こうした点を踏まえて、オンチェーン決済等を提供する金融機関等において、用いられているブロックチェーン技術についての量子コンピュータによる危殆化リスクの把握や代替手段の検討を進めるべきであり、必要があれば政策的対応策等を検討する。
そのうえで、オンチェーンとオフチェーンの双方の優位性とリスクを勘案したうえで、金融システムのどの部分をオンチェーン化し、一方でどの部分をオフチェーンのままとするべきであるのか、特にオンチェーン部分とオフチェーン部分の接続性をどのように確保するべきか、また全体としてAPI等を用いたシステム間の接続等を通じていかに相互運用性を高めていくか、といった次の時代の全体的な金融システムのあり方について、検討がなされるべきである。
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AIの浸透に応じた市場・金融機関監督の在り方
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②内閣官房デジタル行財政改革事務局
- ステーブルコインについては、出資金の支払い、債権の弁済、給与支払いや税金支払いなどにおいて、金銭に準じた利用ができるか必ずしも整理がなされていない。そこで、諸法令におけるステーブルコインの取扱いの整理・明確化を進めていく。具体的には、金融庁の情報提供を踏まえ、各制度を所管している府省庁において、利用者保護と利用者の選択肢が増えることによる利便性向上とを勘案しつつ、早期に結論を出すべく検討を進めるとともに、デジタル行財政改革会議等においてフォローアップを行うべきである。なお、その際、税務・会計上の取扱いに不明確な点があれば、併せて整理を進める。
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③デジタル庁
- オンチェーン決済においては、そのプログラマビリティの機能を活かして、例えば子育てや食料品などの特定の目的のために支払いに資金使途を制限することも可能となる。こうした性質はきめ細かな給付を可能とするものであり、給付行政の信頼性向上及び効率化に繋がるものであるから、ステーブルコインやトークン化預金の公金給付への活用可能性について検討を進めていく。
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④財務省・総務省(地方自治体)
- 今後、従来取引されてきた金融商品はもとより、財産的価値を有するあらゆる資産が、トークン化され、市場で取引されるようになる可能性がある。こうした環境では、従来から市場で活発に取引されていた資産も、熾烈な競争にさらされることとなるため、今後も、国債や地方債が引き続き幅広い投資家から選好されるよう、国債・地方債のトークン化対応について検討を進める。
- 併せて、国債・地方債の元利払いについても、投資家のニーズに併せてオンチェーン決済を可能とすることも検討を進めることが求められる。
(2)民間事業者等においては、以下の対応を進めるべきである。
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①日本銀行
- トークン化預金の普及にあたっては、銀行をまたがるトークン化預金の移転のファイナリティを確保するため、日銀当座預金のオンチェーン対応も求められる。具体的には、ブロックチェーン上の決済手段と日銀当座預金とのスムーズな交換を可能とするため、(i)日銀当座預金そのもののトークン化、ないしは(ii)ブロックチェーン上の取引システムと日銀ネットとの連結、が考えられる。
最終的にいかなる手段が選ばれるにせよ、我が国が新たな決済アーキテクチャ構築において後れを取ることがないよう、日本銀行においては、いずれの方法をとる場合においても遅滞なく実装を進める観点から、それぞれの実装に向けた論点整理及び実現に向けた道筋を含めて、速やかに検討を行い、取組を着実に進めるべきである。まずは、年内に実装に向けた論点整理と実現に向けた道筋に関する検討状況について取りまとめ、公表すべきである。
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② 全国銀行協会
- 全銀協は、上記1(1)の「早く」「安く」「便利に」決済を行いたいとのニーズに応え、またブロックチェーンのプログラマビリティを備えた競争力のあるアーキテクチャを構築するために、上記「7つの方向性」に沿って、オンチェーン及びオフチェーンを含む決済システム全体のあり方について検討を進めるべきである。その際は、日本銀行の協力を得つつ、金融庁も資金決済の司令塔として、リーダーシップをとって検討を後押しすべきである。
- 具体的には、レガシーアーキテクチャーとなっている全銀システムの抜本的なアップデートが急務であり、決済取引のリアルタイム化、低リスク化、国際化、ブロックチェーン技術の取り込み等の時代の要請に応える「新たな決済システム」としての全銀システムの構築が、上記「7つの方向性」に沿って目指されるべきである。そこで、現在検討が進められている「新たな決済システム」を構築するとの判断を早急に下したうえで、遅くとも2030年の稼働を目指すべきである。この検討に際しては、2030年までの間も技術が日進月歩であることを踏まえた拡張可能性を具備することに配慮することも不可欠である。
- また、既にトークン化預金に取り組む金融機関は現れているが、社会全体がオンチェーン決済に対応し、ブロックチェーン技術のプログラマビリティを活かせるようにしていくためには、日銀・全銀ネットからなる決済インフラそのものが、オンチェーンに対応していくことが必要である。
これを欠くと、トークン化預金を導入した金融機関から他の金融機関に送金する際、最終的にはオフチェーンに切り替えて処理する必要がある。そうなると、低コスト・稼働時間の長さといったブロックチェーンの利点が必ずしも活用できない。
この点、現状の決済システムでは、全銀システムが(イ)送金元から送金先への決済情報(送金額、送金人情報、受取人情報など)の伝達機能(メッセージング機能)、(ロ)1億円未満の送金は金融機関間では生じる債権債務関係を束ねて日次で相殺する機能(ネッティング機能)を担い、日銀ネットが(ハ)銀行間の資金の最終決済機能(ファイナリティ機能)を担っている。
(ハ)は前述のとおり最終的には日本銀行において当座預金のオンチェーン対応を進めることが期待されるが、オンチェーン時代における(イ)・(ロ)の機能分担の在り方について、全銀協・日銀は、金融庁と連携の下、検討を進める必要がある[1]。その際、以下のA~Dの対応が考えられるが、こうした選択肢も念頭に、世界に先んじたオンチェーン対応した銀行決済インフラの確立を急ぐべきである。
- A) (イ)・(ロ)について、現状と同様に全銀システムが対応する。全銀ネットは、オンチェーン対応した日銀当座預金と、各金融機関のトークン化預金の中継機能を担うこととなる。
- B) (イ)~(ハ)の全ての機能を日銀がブロックチェーンベースで担う。日本銀行が、各銀行のトークン化預金と日銀当座預金をスマートコントラクトで連携するとともに、メッセージング機能やネッティング機能も提供することとなる。
- C) (イ)については全銀システムまたは別の民間事業者が、(ロ)についてはいずれかの金融機関が幹事となり、同様にトークン化預金を発行している各金融機関が当該幹事金融機関に口座を開設し、その口座間で資金の移動を実現する。なお、決済インフラ全体の可用性確保の観点からは幹事行は複数存在することが求められる。
- D) (イ)・(ロ)について、日本銀行や全銀システムではない民間事業者が担う。当該民間事業者は、ネッティングの有無・方法によっては、現在の全銀システムと同様、資金清算機関として免許取得が求められる。
<各選択肢の概要と各機能を担う主体一覧>
- A オンチェーン決済においても、既存のシステムにおける機能分担を維持
- B オンチェーン決済では、日本銀行がすべての機能を担う。
- C オンチェーン決済では、いずれかの民間事業者がメッセージング機能を担うとともに、いずれかの金融機関(複数可)が「幹事行」としてネッティング機能を担う。
- D オンチェーン決済では、全銀システムはいずれの機能も担わず、全銀システムに替わる他の民間事業者が機能を担う。但し、当該事業者は資金清算業者として免許を取得。
(イ)メッセージング機能 (ロ)ネッティング機能 (ハ)銀行間ファイナリティ A 全銀システム 全銀システム 日本銀行 B 日本銀行 日本銀行 日本銀行 C 全銀システム または
他の民間事業者いずれかの金融機関
(幹事行方式)日本銀行 D 他の民間事業者 他の民間事業者 日本銀行
【コラム:日本における決済システムの歴史と現状】
1.決済システムの進化
決済を支える技術は、経済活動の拡大・複雑化とともに、「紙」→「電子」→「オンライン」へと段階的に進化。手形・小切手といった伝統的手段は、紙の証票に基づく仕組みとして整備され、簡便で確実な決済を担ってきた。他方、「紙」による決済は、物理的な作成・搬送・保管・照合作業を伴うため、事務コストと時間コストの削減効果を取り込むべく、決済の「電子化」が開始された。具体的には、民間金融機関における手作業を効率化すべく、小口決済を含めて膨大な決済件数を処理するための全銀システムが1973年に稼働し、そのようなインフラを前提とした上で最終決済を電子的に行う日銀ネットが1988年に稼働している。
次に、コンピュータと通信回線の普及により、決済のオンライン化が加速。銀行振替は高速化し、インターネットバンキングの普及で利用者の利便性も飛躍的に向上した。銀行システムを中核とする現在の決済システムは、後述のとおり、この「オンラインの口座振替」を中核に動いている。そして、オンライン化が進むほど、システム障害・サイバーセキュリティに関する対応の重要性が増した。
他方、決済を担う者として、銀行のみならず、資金移動業者、前払式支払手段、クレジットカードなどがその存在感を増しており、いわゆる「4コーナーメカニズム」のように、送金人⇒送金人側金融機関⇒受取人側金融機関⇒受取人(銀行送金であれば、送金人⇒送金人側A銀行⇒受取人側B銀行⇒受取人)という決済フローにおける4主体が役割分担することを前提に、銀行法、資金決済法、割賦販売法等の法制も整備された。
また、決済は、単一のモデルによって遂行されるものではなく、ホールセール/リテールの別や、内国/クロスボーダーの別などの用途別に最適化された多様な決済手段・インフラが併存する構造へと進化した。結果として、ユーザーに多くの選択肢があることにより利便性は向上したものの、全体構造は複雑になり、相互運用性確保の重要性が向上することとなった。
2.現行の決済システムの基本構造
現代の決済システムにおいては、紙幣を物理的に運ぶのではなく、口座の残高を帳簿上で付け替える(振替する)ことで成立する。銀行間決済では、最終的な決済は、中央銀行に各金融機関が保有する当座預金口座の残高を振り替える形で実施されている。
日本国内の銀行間送金(振込)は、大きく言えば ①全銀システムが送金データを処理・集計し、②日銀ネット上の日本銀行当座預金で最終決済する二層構造で運用されている。
うち1件1億円以上の内国為替取引については、支払指図ごとに必要情報が全銀システムから日銀ネットへ送信され、日本銀行当座預金上で1件ごとに即時に決済が完了する仕組みである(即時グロス決済)。
他方、1件1億円未満の内国為替取引は、全銀システム側で個々の支払指図を集計し、金融機関ごとの受払差額(ネット額)を算出したうえで、その結果を日本銀行へオンライン送信し、日本銀行当座預金の入金・引落しによって最終に決済している。このようにネットで決済する方式だと、即時性は失われる反面、膨大な件数の小口振込を効率的に処理できるという利点がある。
なお、全銀ネットは、送金人の取引銀行が持つ債務を引き受け、また、受取人の取引銀行が持つ債権を取得することにより、銀行間の複雑な資金決済の関係を、全銀ネットと各加盟銀行の間における決済の関係に整理。このような業務が安定的に行われることは、金融安定の根幹であり、適切なリスク管理が求められることから、全銀ネットは資金決済法上の「資金清算機関」として規制(免許制)・監督に服している。
外国送金(クロスボーダー決済)は、国内送金とは異なり、当事者の銀行が共通に利用する単一の中央銀行決済基盤が存在しないため、典型的にはコルレス銀行(国際的に展開する銀行)を介した「口座間振替」の連鎖で実現している。具体的には、送金元銀行と送金先銀行が、グローバル銀行(コルレス銀行)にそれぞれ口座を開設し、その口座間の振替により資金移転を成立させている。そして、口座間の振替を間違いなく安全に行うべく、送金指示、受取人情報、送金金額及び通貨などの情報を標準化されたフォーマットで送受信する機能を提供している基盤が必要であり、これを担っているのがSWIFTである。SWIFTを通じたメッセージの送受信は、クロスボーダー送金の実施にとって事実上必須であるため、金融制裁実施において、制裁対象のSWIFTからの排除が行われる。
なお、コルレス銀行モデルの実務上、中継銀行が複数連なることが多く、各段階で照合等の事務処理、マネロン対応などが行われている。これに加えて、時差による営業時間のズレがあることで、送金を完了するには日をまたぐことになるなど、決済の即時性・安価性が確保されないケースがある、との指摘がある。
3.ブロックチェーンの登場
このような中で、約10年前からブロックチェーンへの注目が高まっている。ブロックチェーンとは、「取引記録をブロック単位で過去から1本の鎖のようにつなげ、暗号技術によって改ざんを防止し正確な取引履歴を維持しようとする技術」とされており、過去の記録を変更すると連鎖的に整合性が崩れ、改ざんを可視化するものである。そして、ブロックチェーンの特徴は、取引台帳管理を単一主体が独占せず、ネットワーク参加者による合意によって、各参加者の記録の同一性を同期的に確定していく点にあるため、改ざんされにくい形で記録を残せるほか、関係者が記録を参照できるといった利点がある。
ブロックチェーンの利点として、特に重視されているのは、ブロックチェーンがもつ「プログラマビリティ」である。すなわち、取引や決済のルールをプログラムとして定義し、条件を満たされた場合に自動的に処理する仕組み(スマートコントラクト)を利用して、複数の取引及び決済を一体として同時に自動実行し得る点は、個々の経済活動のみならず、広く経済の効率化を導きうるものとして注目を集めている。例えば、小売・輸送・貿易分野において、「納品された」「検品が完了した」「必要書類が揃った」といったイベントをトリガーに支払いを自動実行できれば、支払いのための期間短縮や照合等の事務コストの削減につながる。多くの分野で既にブロックチェーンの利用が広がっており、今後、商流・物流・決済の自動化が進むことが期待されている。
なお、ブロックチェーンにおいても、特定の管理主体がおらず、誰でも参加可能なパブリックチェーンと、管理主体がおり、参加者が限定されるプライベートチェーンが存在する。パブリックチェーンについては、悪意ある者を含む不特定多数の参加者がいるため、重厚な合意アルゴリズムを必要とする結果、処理の確定スピードが失われる傾向がある。また、取引や処理実行も重くなる結果、そのための費用を利用者が多く支払う必要があるため、コストも高くなる傾向にある。そして、通常は取引履歴が公開されるため、透明性は高まる反面、プライバシー確保とは相反する。プライベートチェーンについては、一般的にその反対の特徴を保有している。
そして、ブロックチェーン上で使える新しい決済手段としては、トークン化預金とステーブルコインが挙げられる。この点、トークン化預金とは、預金者及び残高のデータをブロックチェーン上で管理するものであり、ステーブルコインとは、法定通貨を対価としてブロックチェーン上にて発行されるコインを指す。設計者において、決済手段を設計する段において、パブリックチェーン・プライベートチェーンの特徴の差異等も踏まえて、採用ブロックチェーンを決定している。
4.トークン化預金及びステーブルコインの現況
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(1)国際的な動向
2019年6月にFacebookがリブラ構想を発表以後、G20/FSB(金融安定理事会)を中心にステーブルコインを巡る国際的な議論が進展している。FSBは、G20の指示の下、2023年7月にステーブルコインに関する国際的な規制監督枠組みに係るハイレベル勧告を最終化している。その後、各国で当該ハイレベル勧告の実施が進められたところ、その実施状況をモニタリングする観点から、2025年10月に規制実施に関するピアレビュー報告書が公表された。
日本は、他の国に先駆けてステーブルコインに係る法制を整備し、上記報告書上も高い評価を受けている。EUが日本に続いて規制を整備したほか、米国・英国は、現在規制の最終化に向けた取り組みを進行中である。特に、米国ではステーブルコインに対して、発行者以外の者がインセンティブを付す事例や、ステーブルコイン・レンディングによる運用事例が見られ、規制の最終化に向けた議論の中では、ステーブルコインへの直接・間接の付利が大きな論点となっている。
このような規制の動きを踏まえ、いずれの国においてもステーブルコインの発行又は発行のための検討も進んでいる。米国では、非銀行の新興企業であるサークル社が米ドル建てのステーブルコインであるUSDCを発行しており、同じく米ドル建てのUSDTと併せて、世界のステーブルコイン取引の大半を占めている。EUでは、大手金融機関グループがユーロ建てステーブルコインを発行。英国では、選定事業者が金融当局(英FCA)の規制サンドボックス下で英ポンド建てステーブルコインの発行を検討している。その他、主要国の大手銀行で構成されるコンソーシアムがG7通貨に連動するステーブルコインの発行を検討している。
これに対して、同じくブロックチェーンを用いた決済手段の代表例でもあるトークン化預金については、法的な性格は既存の預金と変わらないことから、各国ともに既存の銀行規制の枠内に位置づけられている。したがって、各国とも、少なくとも大きな法制上の整備は必要ないものと思われる。しかし、金融機関がこれを実装するにあたっては、現行の基幹系システムの発展の程度に応じて、投資の積み重ねが不可欠とされる。現状、米系銀行の取組みが先行しており、日系企業では円建てステーブルコインによるキャッシュマネジメントの研究を進める一方、ドル建てでは米系銀行のサービスを検討する例も見られる。他にも、EUでは、大手金融機関がトークン化預金の発行を検討しているほか、英国でも大手金融機関が共同でトークン化預金の実証実験(GBTD)を開始した。また、国際決済銀行(BIS)主導で、日本銀行を含む主要中央銀行のほか、邦銀を含む大手金融機関がトークン化された中銀当座預金・民間銀行預金を用いたクロスボーダー決済について検証を進めており(Project Agora)、取組みは着実に進んでいる。
ただ、邦銀を含め、トークン化預金に係る取組みにおいて既に後れを取っている金融機関が挽回するには時間がかかるため、経済的には同等の機能を有するものの、トークン化預金と比して投資の必要性が小さいとされるステーブルコインの発行に注力している。
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(2)国内の動向
前述のとおり、日銀ネットや全銀システムが既存の決済インフラとして、相応の利便性・安全性あるサービスを提供してきており、インフラとしての高い信頼を勝ち得てきた。他方で、その高度化のための検討も進められてきたところであり、本年3月に、全銀協は決済取引のリアルタイム化、低リスク化などを内容とする新たな決済システムの構想を発表している。
他方、我が国は、ブロックチェーン上の決済手段についても取り組みを進めてきたところであり、前述の通り、2023年には、世界に先駆けてステーブルコイン法制を整備している。これを受けて、国内でもステーブルコイン発行に関する取り組みは進められており、具体的には、JPYCが第2種資金移動業登録を受け、円建てステーブルコインの国内で発行した。また、3メガバンクは、国内決済に加えて、グローバル企業のキャッシュマネジメントや貿易取引等のクロスボーダー法人決済での利用を見据えて、共同でステーブルコインを発行するべく、金融庁の決済高度化プロジェクト(PIP)の枠組みも用いながら検討を進行中であり、来年3月の実運用を目指している。SBI新生信託銀行も早期の実発行に向けた取組みを進行中である。
トークン化預金については、そもそも預金は従来からの取引・業務において既に馴染みがあることから、国内・国外、そして金融機関・顧客ともに、ステーブルコインに比して活用における心理的ハードルが低い傾向にある。国内のトークン化預金に関する状況としては、一部金融機関がすでに実装しているものの、銀行間接続や日本銀行の取組みに係る検討はまだ初期段階である。この点、ディーカレット社・GMOあおぞら銀行・アビーム社が、銀行間接続に係る実証実験をPIPの枠組みを用いて行っているほか、日本銀行において、日銀当座預金のトークン化及びその活用に関するサンドボックスプロジェクトが内部で進行中である。
なお、中央銀行デジタル通貨(CBDC)については、必ずしもブロックチェーンを用いるものではないものの、財務省・日本銀行において、将来の可能性を見据えた研究が進行中である。
(以上)
[1]なお、(ロ)の機能がないと、各金融機関が送金依頼に即時に対応するべく多額の流動性を常時手元に準備する必要が生じ、社会全体の資金効率が悪くなるとされているが、こうした課題の克服可能性を含め、オンチェーン時代のネッティングの在り方については併せて検討する必要がある。