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記者会見

安全保障法制の整備についての閣議決定をうけて 石破幹事長会見

平成26年7月1日(火)17:40~17:52
於:党本部4階エレベーターホール

冒頭発言

(役員会の内容説明)

質疑応答

(代表質問)日本テレビの矢岡です。安全保障法制の整備についての閣議決定がなされました。特に、ここ1か月の与党協議で、当初思い描いていた安全保障法制についての議論ができたとお考えですか。
これは自民党と公明党の一致点を見出す連立与党ですから、総理が持っている強い危機意識を全部満たす形で、ギリギリの一致点が見い出せたと思います。
(代表質問)日本テレビの矢岡です。一方、集団安全保障については、最後うまく折り合えないような形に見えたのですが、この議論はどのように進めていくお考えですか。
これは今回の仕切りの中で、集団的自衛権について議論しました。もちろん他にも議論しましたが、集団安全保障というカテゴリーについては、まだ相当両党の議論に差があるということもあります。今回、大きな前進を遂げるために、集団安全保障のお話はあえてしませんでした。今日、高村座長が会議の一番最後で発言したように、「今度は集団安全保障を議論していかなければならない。今回の閣議決定においては、その議論はなかった」ということです。わが党においても、これから集団安全保障というものの国連憲章における位置付け、そして正規の国連軍、あるいはそれ以外の国連決議に基づく、いわゆる多国籍軍、その性格の違いも踏まえて、わが党ももう一度集団安全保障について、きちんと議論をし、理解を深めて、結論を得るということになります。ですから、今日の閣議決定を受けて、それぞれの党で、それぞれの議論が始まるということになります。
(代表質問)日本テレビの矢岡です。集団安全保障については、今後、議論を加速させていきたいとお考えですか。
各党でまず問題意識を整理して、理解を深めて、一定の考え方を出した後でなければ、与党協議というお話にはならないでしょう。ですから、今日の閣議決定までは、その議論を与党間で行うことはあえてしなかった。これからそれぞれの党で、問題意識を整理して、考え方を深める作業が行われることになるのであって、今回の閣議決定において、その議論を始めますと、なかなか収集がつかないこともあったのではないかと思います。
NHKの西井です。集団安全保障の議論ですが、党内では、どのような機関で、どのような形で行うお考えですか。また、その与党協議は、今回の与党協議の枠組みを残して再度議論するのか、ご所見をお聞かせください。
今の与党協議の枠組みは、これでおしまいということではありません。ただこれが副総裁、副代表、幹事長が入った、事柄が事柄であるだけに極めて重い協議体になっているわけで、これから先も、この協議体で行くかどうかは、今の時点は申し上げることはできません。わが党の中においても、これを総裁直属の機関でやるか、もう一度平常体制に戻して、国防部会、外交部会で議論するかということは、今の時点では決まっていません。協議する体制が整わないので、いたずらに時間が経過していくことは、ことが安全保障であるだけに、一刻の猶予も許されないので、どのような体制で議論するのかは、国防部会長や外交部会長と相談しながら、政調会長のご判断も頂きたいと思っています。
NHKの西井です。今日総理から必要な法整備の指示があったと思いますが、その検討と、集団安全保障の検討は、並行してやっていくイメージをお持ちなのですか。
そうではなくて、まず急ぐべきは個別の法制の整備だと思っています。閣議決定を受けて、その範囲内で、できる限りのことをやっていくのが優先順位から言えば、先に立つということです。集団安全保障のお話は、それに目途が付いた段階でやることになると思いますが、先程、申し上げましたように、平常の体制に戻すか、私が本部長を務める安全保障法制整備推進本部で行うかは、ちょっと相談しなければいけません。
テレビ朝日の水頭です。今回の閣議決定に関して、国民の中で、世論調査においても数字がまちまちだったり、理解が進んでいない部分があったり、今でもデモが行われていたりということがありますが、そういったことに関しては、今後どのように対応されるおつもりですか。
これは、何が理解の妨げになっているのかということをよく見ながら、それに対応する形でのご説明を考えなければいけないと思っています。ですから、世論調査で数字がまちまちになるのは、聞き方が世論調査によって違うからなのであって、「必要最小限」という言葉を入れると、ポンと賛成が増えるということです。「必要最小限」という言葉を除くと、ガタンと支持が下がるということですから、「必要最小限」という考え方は、閣議決定の前でも後でも全く変わるものではありません。他国まで出かけていって戦争をするのだということをおっしゃる方もいますが、それは国家の存立や国民の権利が覆されるような場合に限って「自衛権」として行使するのであって、自国の存立や国民の権利に何の関係もないところに自衛隊を派遣するということは、そもそもあり得ないということをご理解いただかなければなりません。そしてまた、やる場合においても、政府がその必要性をきちんと説明し、国会がそれを承認するという手続きをきちんと決められることであって、海外に行って戦争ができるとか、あるいは自国と関係ないところに行って自衛隊が活動する、そんなことは全くないということを丁寧にご説明するということだと思っています。その他にも、「憲法改正によらずして、何故これができるのか」ということのご説明もきちんとしなければなりませんし、そもそも何故今それをやらなければならないのかというご説明も丁寧にしていく。これから大変な努力が必要になるという認識は持っております。
読売新聞の工藤です。今後具体的な法整備を進めていくと思うのですが、一方で党として掲げていた安全保障基本法の取り扱いについては、今後、どのようにするのですか。
安全保障基本法の趣旨は、今回の閣議決定において相当に反映されたと思っております。しかし、憲法の改正と今回の集団的自衛権限定行使容認が、どうなるのだという疑問を呈される方もおられるわけで、やはり憲法改正の前に、いろいろな基本法がありますが、安全保障の基本法がないというのはどういうことなのか、ということもありますので、趣旨は今回の閣議決定にも生きているし、これから先個別法の作成過程においても、もちろん生きるものです。しかし、それを集大成する形での理念法、そしてまたこれから先、安全保障法制の整備は、これで終わりではありません。たくさんあります。プログラム法としての基本法を制定するのは、これはわが党の選挙公約でもありますので、今回の閣議決定とまったく矛盾するものではないと思っております。もう一度何が必要なのかということを党で議論する機会があれば、そこでそういう議論をしたいと思っております。
朝日新聞の三輪です。今日、高村副総裁は、与党協議後のブリーフで、「これ以上集団的自衛権を拡大的に解釈するのであれば憲法改正が必要だ」とおっしゃっていたので、安全保障基本法で集団的自衛権の行使を容認するという話と少し相容れないような気がするのですが。
なぜですか。
朝日新聞の三輪です。安全保障基本法は、基本的に集団的自衛権を全面的に行使容認ということを前提にした上で様々な歯止めをかけるというものだと思うのですが、今回の歯止めの話と限定容認論はイコールなのでしょうか。
今回の閣議決定は、我々与党が構成している政府ですから、そこでできた閣議決定と、これから議論される安全保障基本法との間に齟齬があることはありません。