2024年6月3日(月)17:47~18:04
於:党本部平河クラブ会見場

茂木幹事長

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【冒頭発言】

本日の役員会の概要を報告いたします。
岸田総裁からは、政治資金規正法改正について、従来、与野党のできる限り幅広い合意のもと、今国会で実現すると申し上げてきた。このため、先週金曜日に、公明党 山口代表、日本維新の会 馬場代表とそれぞれ会談を行い、特別委員会現場での各党との協議の状況も踏まえ、自民党として踏み込んだ案を提示する決断をした。引き続き、与党を超えた幅広い合意形成を目指しつつ、今国会での成立に向け全力をあげる。役員各位のご理解とご協力をお願いする。
先週、約4年半ぶりに日中韓サミットを行った。未来志向の日中韓FTAのあり方の議論をはじめ幅広い協力を推進することを確認した。
李強総理との日中首脳会談では、戦略的互恵関係の包括的な推進と、建設的かつ安定的な関係の構築という大きな方向性に沿って、課題や懸案について進展を図ることを確認した。
尹大統領との日韓首脳会談では、シャトル外交の継続と、来年の日韓国交正常化60周年に向けて、準備を進めていくことで一致した。
6月に入り重要政策の取りまとめに向けた議論を加速している。自民党の各調査会・本部から、多くの提言や申し入れをいただいており感謝する。党の議論も踏まえ、しっかりと仕上げていく。
能登震災復興については、石川県の復興基金に対して、520億円を措置し、液状化被害を受けている新潟県・富山県について、新たに特別交付税措置を講じることなどを決定した。今朝も地震が発生しており、気を引き締めて復興にあたっていく。
今月から定額減税が開始された。経済ステージの30年ぶりの移行を必ず成し遂げるため、賃上げ定着、稼ぐ力の強化、スタートアップ支援、人手不足対策はじめ経済構造の変革を加速する骨太方針としたい。
国会も終盤を迎えている。政治資金規正法はじめ全法案を会期内に確実に成立させるため役員各位の引き続きのご協力をお願いする。
私からは、能登半島地震について、今朝も震度5強の強い揺れがあった。先週、党の「対策本部」として、人口減少地域における新たなまちづくりのモデルなどを示した「第2次提言」を取りまとめました。復旧・復興に向けた歩みは、道半ば。地元自治体、政府とも緊密に連携し、被災地の復旧・復興を加速するとともに、防災・減災、国土強靭化の取組みをしっかりと進めていきたい。
今週から、「骨太の方針」の策定に向けた議論が始まります。新たな経済ステージへの移行と社会課題の解決に向け、デジタル、グリーンなどの成長分野、さらにはディープテックといった戦略分野への投資拡大など、重点政策の議論をしっかりと進めていきたい。
「政治資金規正法改正案」について、自民党は、先週金曜日、各党の提案の中でも、取り入れられるものは出来る限り取り入れた修正案を提示した。明日の「政治改革特別委員会」で採決が行われる予定で、出来るだけ多くの賛同を得て、速やかに衆議院を通過させ、この国会での改正案の成立に万全を期したい。
国会会期も残り3週間を切った。国対の現場や参議院の皆さんにはご苦労をおかけするが、全ての政府提出法案や政治資金規正法の成立に向けて、全力で取り組みたい。よろしくお願いする。

質疑応答

TBSです。弊社最新の世論調査について伺います。政治資金規正法改正案をめぐり、公明、維新などの主張を盛りこんだ自民党の修正案について、「評価しない」と答えた人が7割にのぼりました。国民の理解が中々広がっていない状況だと思いますが、この結果について、幹事長の受け止めと、改めて修正案についての評価、維新と協議中の部分もまだあるかもしれませんが、十分な内容だと考えるか、幹事長の認識を伺います。
改正案の考え方であったり、内容については、今、協議が進んで最終的な案が出来て参りますので、その案について国民の皆さんに引き続き丁寧に説明していくことが大切だと思っております。
今回の改正案、欧米各国と比較してみても、政治資金の高い透明性を確保するものになっていると思います。政治資金の公開について申し上げますと、米国では個別企業ではないPACが活用され、PACから多額の選挙資金が流れる仕組みになっています。ドイツやフランスなどでは、パーティー収入は事業収益などの扱いで、購入者の名前、これは公開する必要がありません。また、イギリスの場合は、パーティーでかかった食費を差し引いた部分、例えばパーティー券が2万円で食費が5千円であったら、1万5千円ということになるのだと思いますけれど、この差額分が寄付とみなされるのですが、この寄付者の公開基準は日本円にすると大体45万円、45万円を超えると公開ということになっています。
各国にはそれぞれの事情があるにしても、今回、わが党が提案している公開基準、各国よりも公開の度合いというものが高いものになっています。こうした点も含め、国民の皆さんに丁寧に説明していきたいと思っております。
共同通信です。政治改革特別委員会の質疑で維新の青柳衆議院議員が政策活動費の公開について50万円以下などの条件は付けずに全面公開するように求めました。金曜日に各党に提示した案への指摘ですが、維新とは既に党首同士でも合意をしておりまして、今後、条文化にあたり最終案の修正はありうるのか、今後どのように進めていくかお考えを伺います。
先週金曜日、岸田総裁と維新の馬場代表による党首会談で、政治資金制度改革に向けて3項目の取組みについて合意したところでありまして、合意内容の具体的法案化については、今、現場で協議が進んでいると、このように理解しております。
朝日新聞です。政治資金規制改正について、今回、首相が公明や維新との合意に至りました。ただ一方で、それまでの協議が、ある種、断ち切られたという側面は否定できないもので、党内からは、やはり不満の声なども上がっております。こうした今回のトップダウンでの総理の手法についてどのように評価されていますか。
手法についてというか、先ほど申し上げたように、わが党として各党の提案の中でも、取り入れられるものについては、順次、出来る限り取り入れてきたということでありまして、できるだけ多くの賛同を得て、この国会での改正案、これを実現したいと思っております。
時事通信です。港区長選について伺います。昨日投開票された区長選では、無所属新人候補が当選し、自公が推薦した現職の武井氏が破れました。都内23区の選挙では目黒区長選に続く敗北となりましたが、幹事長の受け止めと要因をどのように考えていらっしゃるか教えてください。
国政選挙とは違う、地方自治体の首長選挙ということで、当然、争点も含めて国政選挙とは違った側面もありますので、まずは都連において、今回の選挙の争点であったり構図も含めて、分析を進めてもらいたいと思っております。 その上で、来月には知事選、そして8つの選挙区で予定されている都議補選に向け、都連と党本部、しっかり連携して対応していきたいと思っております。
テレビ東京です。経済政策についてお伺いします。先月31日のテレビ東京の番組で茂木幹事長は、骨太の方針で盛り込みたい経済政策として、AIや量子コンピュータなどの「ディープテック」を挙げて、地方の課題解決型の事業を作ったり国際競争に勝つために「戦略分野に大胆に資金と人材を投入していきたい」と考えを述べられました。今後、どのような資金面や人材面で、日本のディープテック分野への投資を進めていくお考えでしょうか。
おそらく骨太の方針の中には課題解決、それに向けた取組み、こういった言葉が出てくると思うのですが、ディープテックなどの戦略分野、これはまさに社会課題の解決に向けて必要な技術であると考えておりまして、そこへの投資拡大というのは、極めて重要でありまして、これは予算、税制含めて様々な手段があると思っています。
例えば、同じ戦略分野で、グリーントランスフォーメーション、この分野につきまして、まずは、GX経済移行債、これを発行して政府が20兆円の資金を調達して、この20兆円を呼水にして、これから10年間で官民で150兆円の投資をめざしていくと、こういうことも具体的な仕組みとして、既にスタートしているところであります。6月の骨太方針には、成長分野、そして戦略分野に資金と人材が回る仕組みを出来るだけ盛り込みたいと思っております。そして、骨太方針とは必ずしもそのままマッチするかどうかは別にして、個人的な考えとしては日本にはお金がある。個人の金融資産は2000兆円を超えているわけであります。この2000兆円の半分以上がタンス預金、銀行預金という形で眠っていると、これは企業収益であったりとか、また経済成長、これに連動した株式とかさらには投資信託に資金を回していくと、こういう仕組み作りというのが極めて重要であると私は考えておりまして、あるのですから、無ければ使えないですけれども、あるものを使って成長させていくということは、国民にとっても、企業にとっても、日本経済全体にとっても良いことなのだと思います。
テレビ東京です。もう1点、個人の副業についてお伺いします。シェアリングエコノミーの市場の成長性についても述べられていましたが、ライドシェアとともに個人の副業についても全面解禁の考えを示されました。個人の副業についてはなぜ全面解禁を進めるべきとお考えなのでしょうか。
実感を伴う日本経済の本格的再生、これは所得、賃金がどうなっていくかプラス、生産性がどうなっていくか、これで実際の所得の上下が決まっていくわけでありますから、まずは生産性を上げる。そして上がった生産性というのが一人ひとりの所得にきちんと反映されることが重要だと考えております。そこで生産性向上の鍵となってくるのが、成長分野への投資と人材の移動ということ、その促進ということになってくると思っております。このためにも、個人が仕事については多様な選択肢を持てるということが重要だと考えておりまして、この観点から副業の全面解禁を進めるべきだと考えています。副業が出来るようになるということは、時間の有効活用になり、そしてそれによって副業からも収入が得られて所得が増えていく。同時に、副業することによって、場合によってはそれが本業になっていくかもしれない。さらには、転職のきっかけになるということもあると思いますし、その副業で培った色んなスキルというのが本業で活きていく。経験というのが本業で活きていく。様々なメリットがあると考えております。今、大きな企業で言いますと8割が副業を認めると、こういう形に現状でもなっているわけでありますから、これを日本経済全体に広げていく。これは十分出来ることだと思っております。
東京MXです。下村議員が安倍派のキックバック再開に関与したという報道について下村議員が否定されましたが、その受け止めについてお聞かせ下さい。
報道について、本人が否定したことも含め、承知しています。それ以上のコメントはありません。