記者会見人事

四役共同記者会見

2023年9月13日(水) 10:53~11:21
於:党本部平河クラブ会見場

四役共同記者会見

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【冒頭発言】

(茂木幹事長)

引き続き、幹事長を務めることになりました。平河クラブの皆様にもこれまでお世話になってきましたが、引き続きよろしくお願い申し上げます。
わが国は、少子化、物価高、さらには厳しさを増す安全保障環境など、大きな課題に直面しています。先送りできない課題だと考えています。本日発足しました新執行部の下、内外の諸課題の解決に全力で取り組み、一つ一つ結果を出すことによって、国民の負託に応えてまいりたいと思います。まずは、物価高から国民生活を守り、賃上げや投資拡大の流れを力強いものとするための経済対策の策定に全力を挙げたいと思います。
また、来月行われる衆議院長崎4区、参議院徳島・高知選挙区の補欠選挙の必勝を期すとともに、まもなく任期の折り返しを迎える次期衆院選に向けても、準備を着実に進めていきたいと思っています。
党改革についても、国政における党の女性議員比率を今後10年間で30%まで引き上げる野心的な目標を掲げた「基本計画」の実行など、様々な取組みを前に進めていきたいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

(森山総務会長)

先ほど岸田総裁から総務にご推挙いただき、先ほど行われました総務会で総務の皆さんの互選により総務会長に就任いたしました、衆議院議員の森山裕です。皆さんご承知の通り、総務会というのは、自民党にとりましては常設の最高の意思決定機関でありますので、そのことをしっかり心しながら、スピーディな意思決定ができるように努力させていただきたいと思っています。侃々諤々の議論を重ねるということは大変大事なことだと思っています。出された結論には皆がしっかり従っていくということが自民党の伝統であろうと思いますので、その伝統をしっかり守り抜いていけるように、総務会長として、幹事長はじめ役員の皆様のご理解・ご指導をいただきながら、真摯に努めて参りたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

(萩生田政調会長)

引き続き、政務調査会長を拝命いたしました、萩生田光一です。よろしくお願いします。政調としては、先月来、総理が表明されている経済対策が新体制での初めての取組みとなります。エネルギーや食料品をはじめとする物価高から国民生活と産業を守るとともに、持続的・構造的な賃上げと、投資の拡大につながる経済対策となるよう、党政調としてもしっかり対応して参りたいと思います。総理自ら陣頭指揮を執るとのことなので、正式な総理指示を踏まえ、速やかに議論に入れるよう、政調内の人事・体制整備も加速していきたいと思います。
経済対策策定後は、来年度税制改正・予算編成に向けた取組みが中心となります。友好団体のご意見も聞きながら、年末に向け、各部会・調査会等を動かし、意見集約に努めて参りたいと思います。特に、先月の概算要求で事項要求となっている事柄について、議論を掘り下げていく必要があり、また、こども政策・少子化対策の財源についても、着地点を見出していかなくてはなりません。年末まで時間があるようで、実際には非常にタイトなスケジュールになりますが、丁寧に議論を重ねつつ、決めるべき時には決めるというのが自民党の文化なので、常に全体の政治日程を念頭に、気を引き締めて臨みたいと思います。
なお、私自身の今期の取組みとしては、まずは、先月からスタートさせたNTT法の在り方に関する議論を加速させ、年内にも一定の方向性を見定めていきたいと思います。
また、今後の日本外交を考える上で、いわゆるグローバルサウスとの政治・経済両面での関係強化が極めて重要であるとの見地から、政調内に政調会長を本部長とする「日・グローバルサウス連携本部」を新たに設置し、ASEAN ・インド・アフリカ・中南米・島嶼国等との貿易投資関係の強化や、重要鉱物等のサプライチェーン構築による経済安全保障の強化などについて精力的に議論し、わが国としてとるべき道筋について、政府に提言して参りたいと思います。
常々、岸田総理がおっしゃっている通り、内外には先送りできない課題が山積しています。自民党政調としても、これらの課題を乗り越えて、わが国の安全と豊かさを未来に引き継いでいけるよう、政府と一体となって取り組んで参りたいと思います。

(小渕選対委員長)

この度、選挙対策委員長を拝命いたしました、小渕優子でございます。私の使命は、選挙の必勝のために、日頃からしっかりとした基盤を作っていくということであると思います。組織運動本部長を務めておりましたので、そうした経験も活かしながら、態勢強化に努めて参りたいと考えております。特に10月に衆議院議員の任期が折り返しを迎えます。執行部に調整いただきました10増10減をしっかり引き継ぎ、岸田文雄総裁の下、党一丸となって勝てる態勢を作って参りたいと考えております。まずは、来月予定されている2つの国政補欠選挙、衆議院長崎4区、そして参議院合区の徳島・高知の選挙区の必勝を期していきたいと考えております。党執行部をはじめとした役員各位のご協力・ご指導をいただきながら、一生懸命職責を果たせますように頑張って参ります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

質疑応答

Question
時事通信です。党四役の皆様にそれぞれ伺います。党四役の新たな体制について、どのような評価、受け止めをされているか教えてください。また、今回の役職に就かれるに当たって、総理からどのような指示があったかについても併せて伺います。
Answer

(茂木幹事長): 冒頭の発言でも申し上げましたが、わが国は現在、少子化、物価高、厳しさを増す安全保障環境など、内外の大きな課題に直面しています。先送りできない課題だと考えています。これらの課題に党四役を中心に、一丸となり、政府ともしっかり連携して、一つ一つ結果を出すことで国民の負託に応えていきたい。新体制の評価というお話でありましたが、新体制の評価は自分たちでするのではなく、国民の皆さんにしていただくものだと、このように考えているところです。

(森山総務会長): 党四役の体制についてのお尋ねでございますが、これは総裁の人選でございますから、私からコメントすることは差し控えたいと思います。また、総理からご指示のありましたことは、先ほど幹事長が述べられた通り、内外ともに大きな課題を抱えているので、一致団結してしっかりやっていこうというご指示であったと思います。

(萩生田政調会長): 自身を含む四役の体制について評価をというのは、私もちょっと僭越だと思っておりますが、あえて客観的に物を申せと言えば、収まりのよい体制ではないかなと、安定感のある体制ではないかなと思っております。私もその安定感の一人に頑張っていかなければいけないなと思っております。総裁からは、冒頭申し上げた経済対策、特に本日の党役員人事・内閣改造を踏まえて、然るべきタイミングで政府側から経済対策の大枠が示されることになりますが、せっかく継続をしたので、それは待たずに、やれることは全てやるということで、早速始動して参りたいと思います。党としてはそれに沿った形で対応していくことになりますけれども、燃料油の価格対策について議論した際に、党内、すでに電気、ガス、あるいは食料価格などの高騰への懸念や、継続的な賃上げにも取り組むべきという声もありましたので、このことも取り組んで参りたいと思います。岸田総理も物価高から国民生活を守り、賃上げ、投資の拡大の流れをより力強いものにする、必要な予算にしっかりと裏打ちされた思い切った内容の経済対策を実行したいとの意向を示されており、こうした認識の下、政府・与党呼吸を合わせて取り組んで参りたいと思います。

(小渕選対委員長): 党四役に期待する評価ということでありますが、幹事長、政調会長、総務会長におかれましては、大変経験も豊富で、頼りになる先生方だと思っております。ご指導をいただく中で、私自身もしっかりその職責を全うして参りたいと考えております。岸田総裁からは、これから始まる各級選挙において党一丸となってしっかり勝利をつかむべく頑張っていくようにということでありますので、しっかり体制を整えて参りたいと考えています。

Question
読売新聞です。まず、茂木幹事長に伺います。幹事長は派閥の会長も務められていて、派内からは来年の総裁選への出馬待望論も出ています。ポスト岸田の呼び声も高いですが、来年の総裁選の対応についてお聞かせください。加えて、他の3人の先生方も、首相が再選を目指された場合の対応について教えてください。
Answer

(茂木幹事長): 今日改めて幹事長に就任をすることになりました。今、内外の課題が山積をする、それらの課題にしっかり応えていかなければならない。そのために、岸田政権、しっかり支えていきたい、それに尽きると思っております。

(森山総務会長): 来年の総裁選挙につきましては、今、岸田総理が大変な努力をしておられますので、しっかりとその努力を支え、そしてまた結果を見極めて参りたいと考えています。

(萩生田政調会長): 党四役として、岸田政権を支えていくことが今の仕事でありますので、その延長で判断をするということになると思います。

(小渕選対委員長): 本日、選対委員長という大事なお役目をいただきましたので、岸田総理・総裁をしっかり支え、自分の職責を全うして参りたいと考えています。

Question
朝日新聞です。萩生田政調会長、小渕選対委員長にそれぞれお伺いします。萩生田政調会長は、昨年、旧統一教会との接点が明らかになり、自民党の点検結果でも、教団主催の会合への出席など4項目にわたって接点が明らかになりました。当時、記者団のぶら下がりには応じられていますが、その後、会見などで説明はされておりません。現状、ご自身として説明責任を果たされているとお考えかということと、今後改めて、これまでの経緯あるいは現状について会見などで説明されるお考えがあるかということを伺います。
小渕選対委員長は、2014年、ご自身の政治団体の不明朗な会計処理が発覚し、当時、経済産業大臣を辞任され、その後、元秘書が政治資金規正法違反で有罪判決を受けました。判決後、ご地元で会見は開かれましたが、今もその説明責任を果たしていないという声は根強くあります。現状ご自身として、こうした声をどのように認識されているかということ、それから、これまでの説明で国民、さらには有権者の理解、納得は得られたとお考えでしょうか。
Answer

(萩生田政調会長): ご指摘の旧統一教会の件に関しては、今までも機会あるごとに説明を続けてきたと思っております。記者の皆さんのぶら下がりや、あるいは各社の取材にも求めに応じて、全てお断りなく対応して参りましたので、詳細の説明はしてきたと思っております。加えて、調査結果の内容についても党にも報告をし、そしてそれ以来、関係を断って今日に至っておりますので、現段階で何か説明不足だというご指摘は当たらないのではないかと思います。与責の後は、時間制限なしで、その与責の課題以外の質問にも全て答えていますので、記者会見のスタイルというのは政治家それぞれいろいろあると思います。党本部では、幹事長が役員会の後にワンボイスで発信をしていこうということで今日までやってきましたので、今後も不備があれば、求めに応じて参りたいと思っております。

(小渕選対委員長): ただ今ご質問いただいた件につきましては、当時、地元の皆様をはじめ、関係者の皆様方に大変なご迷惑やご心配をおかけをいたしました。改めてこの場をお借りして、本当にご心配をいただいた、ご迷惑をおかけした皆様に対して、心からお詫びを申し上げたいと思います。その上で、ご質問にお答えをしたいと思います。
説明責任というお話でありますが、先ほどご指摘をいただきましたように、2014年、私自身、その中身、どのようなことがあったのかということを説明できる状況にありませんでした。ですので、当時、経産大臣を辞任をしたところであります。そしてその際に、説明を後ほどさせていただきたいということは申し上げました。 翌年、2015年の10月19日、私自身が調査を委託していました第三者委員会の結論が出ましたので、その報告書の記者会見を第三者委員会の方でさせていただき、報告書についてもお配りをさせていただいて、質疑応答にもお答えをしました。その翌日、2015年の10月20日になりますけれども、私自身、記者会見を開かせていただきました。改めてお詫びと説明をさせていただき、質疑応答も、時間なく全ての質問に答えをさせていただいて、できる限り誠意を持ってお答えをさせていただいたところであります。その後も、有権者に対してということでありますので、地元に戻りまして、700の支部がありますので、2年以上かけて一通り回らせていただきました。私自身は誠意を持ってご説明をさせていただいて参りました。しかし、もし十分に伝わっていない部分があるのであれば、それは私自身の不徳の致すところだと考えています。あの時に起こったことは、政治家として私がこれから歩みを進めていく中で、心に反省を持ち、決して忘れることない傷として、その歩みを進めて参りたいと思います。私自身の今後の歩みを見ていただいて、今後もご判断をいただきたいと考えています。

Question
TBSです。関連して小渕選対委員長に伺います。今ご説明いただいた中で、ご地元の群馬限定では会見されましたが、今回、党四役になられたタイミングで、改めて公の場で記者会見など説明するお考えは現時点でありますでしょうか。
Answer
(小渕選対委員長): ただ今、貴重なこのような機会をいただきまして、説明責任ということでありますので、お話をさせていただいているところであります。もし皆様方から、何か私に必要なお話があるということであれば、おっしゃっていただければと思っています。
Question
NHKです。茂木幹事長に伺います。国民民主党との連携について、今回の内閣改造にあたって、自民党が国民民主側と連立を模索していたというような報道も出ていました。代表選に再選した玉木代表は、引き続き与党との連携に意欲を見せていますが、今後、国民民主党が参加する形での連立政権の樹立というのは幹事長の視野に入っているのでしょうか。
Answer
(茂木幹事長): これまで申し上げてきたことですが、国民民主党とは賃上げ、経済対策、エネルギー政策、憲法問題、安全保障等々で、政策の方向性が一致するものも多い、こんなふうに考えております。ですから、昨年の当初予算にも、国民民主党、賛成をしていただいたということがあります。その後、幾つかの問題で、自民、公明、国民民主の間の、3党の協議というのも進めて参りました。国民民主党、玉木代表、再任をされまして、非常に前向きな発言をしていただいてると、このように考えておりまして、今後も、前向きな政策提言については誠実に受け止め、政策を前に進めていければと、こんなふうに考えております。
Question
産経新聞です。小渕選対委員長に伺います。小渕選対委員長について、先ほどの政治とカネの問題はある一方で、党内には女性初の総理大臣にと期待する声もあります。こうした声をご自身はどう受け取られているか、またご自身は将来的に総理大臣を目指す考えはあるのか、その点について伺います。
Answer
(小渕選対委員長): 質問の件にお答えしたいと思います。本日、選挙対策委員長という大変大事なお役目を頂戴いたしました。私たち政治家にとりまして、選挙というものは全ての根幹であるものと考えております。今は、いただきました重責をしっかり果たしていくこと、一つ一つの課題に向き合い、自分自身汗をかきながら、一生懸命、自民党のため、また日本国のために頑張っていくということ、それに尽きるのではないかと思っております。
Question
読売新聞です。総務会長に、党四役の最年長として伺います。この国を、また自民党を長らく見てこられたと思いますが、国民は今、自民党に対して何を求めているとお考えですか。また、そのためにご自身に課された役割についてどのようにお考えですか。
Answer
(森山総務会長): 国民の皆さんが一番求めておられるのは、自民党が国民政党であるという原点を一番求めておられると思います。国民政党であることに誇りを持ち、先輩たちが築き上げてこられた歴史を回顧しながら、守るべき伝統をしっかり守っていく。改めるべきものは勇気をもって改めるということが、今後の自民党にとって大事なことではないか、そう思っています。
Question
NHKです。政調会長に伺います。経済対策について、岸田総理は「思い切った内容にする」との考えを示しています。現時点で政調会長の規模感に関するお考え、またかねてよりおっしゃっていたスピード感についてのお考えをお聞かせください。併せて、グローバルサウスに関する本部についての言及がありましたが、これは12月に控える「日・ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」の文脈でのことなのか、狙いをお聞かせください。
Answer
(萩生田政調会長): まず経済対策の規模については、規模ありきで物事を進めるつもりは全くありません。現下の状況をしっかり見極めて、必要なことをしっかりと積み上げていくことを対応したいと思います。併せて、これは永田町だけの議論だけではなくて、全国の自治体、我々自由民主党は県議会、市町村議会に多くの同志がいます。まさに市井の中での現場感覚というものをしっかりと政調会としてはくみ上げて、地方に目配りができる経済対策も併せて行なっていかなくてはならないと考えています。
スピード感は、昨年、せっかく作った補正予算が、各都道府県議会から12月議会に間に合わなかったという実態も一部ではありましたので、そういったスケジュール感もしっかり横目で見ながら、年末年始に効果が発揮できるような対策にしていきたいと思っています。
グローバルサウスにつきましては、政治・経済関係の強化はハイレベルを含めた人的交流の不足、政情不安、経済協力の縮小、インフラの未整備、リスクを踏まえた日本企業の現地展開不足などの課題があります。他方、中国など諸外国は、グローバルサウスとの緊密な関係を着々と構築しており、日本は後塵を拝している状況ではないかと心配しています。このままでは、本年12月の「日・ASEAN友好協力50周年特別首脳会議」の成功や、グローバルサウスのリーダーたるインド、歴史的に関係の深いブラジルをはじめとした中南米、新たな市場であるアフリカ諸国、中東の資源国等との間で日本の国益を確保することが困難になりかねないと思います。こうした意識の下で、地域ごとの課題やポテンシャルを踏まえた戦略を立て、日本とグローバルサウス国との関係強化策を大胆に展開していくことが必要だと思っておりますので、このような問題意識を踏まえて、党としても戦略の策定と実行に積極的に関わるべきだと考えたところでございます。