政策国会代表質問国会演説

第219回臨時国会における渡辺猛之参議院議員代表質問

代表質問を行う渡辺猛之参議院議員

自由民主党の渡辺 猛之です。
会派を代表し、高市総理大臣の所信表明演説に対して、質問いたします。

我が党の高市総裁が、女性として、日本初の内閣総理大臣に選出されました。
絶対にあきらめないという決意で前を向き続ける。
高市総理の就任が、性別や世代、学歴などで限界を決めつけられて、新たな挑戦の機会を失うといった「社会に潜む無意識の思い込み」を払しょくし、我が国と国民が持つ「底力」が発揮される。そんな未来につながっていくことを期待しています。

まずは、強い日本をつくる土台となる経済成長についてお伺いいたします。
昨年の国内総生産の名目速報値は初めて600兆円を超えました。
500兆円を超えてから30年超の年月を要しましたが、今や、日本経済は、デフレ下にあるとはいえないほどの状況となっています。
そこで、この上向きの経済軌道が、物価高や国外の要因等でデフレに戻ることがないようにするには、消費と投資という二つのエンジンを力強く回していく必要があります。
そのために、経済成長を牽引する物価高に負けない実質賃金の引上げと、生産性の向上につながる国内投資が欠かせません。
一方で、我が国の普通国債残高は、令和7年度末には1,129兆円に上ると見込まれており、金利上昇局面では利払い費が大幅に増える可能性があることに留意すべきとの見解もあります。
高市総理は、大胆な危機管理投資と成長投資で、暮らしの安全・安心の確保を図るとともに、雇用と所得を増やすことで消費マインドを改善し、税収を自然増に向かわせるという経済サイクルを主張されています。
一部で、財政赤字の増加を憂慮する見方がある中、金融市場が神経質な展開となることを避けつつ、どのように「責任ある積極財政」を推し進めていかれるお考えでしょうか。
総理にお伺いします。

物価高を超える賃上げを実現し、国民の皆様の消費意欲を盛り立てていくためには、我が国の雇用全体のうち七割を占め、特に地方では八割を超えている中小企業・小規模事業者の生産力向上が不可欠です。
しかし、現場の中小企業・小規模事業者の方々からお話を伺うと、人手不足が著しいことから、企業業績が伸びなくとも賃上げをしないと人が集まらず、本当に厳しいとの声を伺います。
また、従業員から「働きたいのでもっと仕事をさせてくれ」と言われても、厳しくなった労働時間規制があるために、働いてもらうわけにはいかず、結局、新規注文を断るという話も聞きました。
こうした状況の中、これまで講じられてきた賃上げ促進税制は、そもそも赤字の事業所では恩恵がないので、柔軟な制度にしてほしい、また、労働時間についても、従業員の健康が守られることを大前提として、その方々の同意があれば、規制をより柔軟にしてほしい、といった要望が数多く聞こえます。
高市総理は、初閣議で、新たな経済対策の策定を指示しましたが、中小企業・小規模事業者の生産性向上と賃上げ促進のために、これまで以上に、事業者に寄り添った支援策の拡充を対策に盛り込み、事業者の底力を後押しすべきと考えます。
また、働き方改革についても、従業員の健康と意思の双方を考慮した、より柔軟な制度の再構築により、企業も雇用者も恩恵を受けるかたちにしてはどうかと考えます。
総理のご所見をお伺いいたします。

この夏の参議院選挙中も、「物価高で生活が苦しい」「給料が上がっても手取りが増えていかない」という国民の皆様の声をたくさん聞きました。
その中でも、食料品、特に日本人の主食である米の価格の上昇は家計を直撃します。
店頭での販売価格は、随意契約による政府備蓄米の販売が5月後半に始まり7月には一旦3500円台となりましたが、9月に入ると再度4200円台となりました。
一方、スーパーから消えていた米は、戻っており、米を買うのに長時間並ぶという状況は改善されています。
先ほども述べたように、米は我が国の生活、文化、思想にも深くかかわっている日本の主食です。
しかし、生産者の高齢化は進み、生産に関わる人口は減少傾向です。作付面積も減っています。
その上、農業生産に欠かせない資材や燃油価格の上昇は、農家の経営に大きな影響を与えています。
日々の生活に欠かせない食料品ですから、消費者の立場に立てば、米の値段の大きな上昇は、生活不安の増大につながります。
反面、需要と供給のバランスが崩れ、米価が急速に下落するようなことがあれば、米の生産にあたる現場の体力は損なわれ、中長期的には、米の安定供給を持続することは困難となります。
そこで、消費者と生産者双方の不安を払しょくさせる適切な情報発信に注力するとともに、根本的には、消費者に安定的に米を届けることができる需要に応じた生産体制を守り抜くことが絶対に不可欠であり、そのための制度設計を急がねばなりません。
その際、海外で、日本の米が高く評価され、外食を中心に、需要が大きく伸び、輸出は、昨年、対前年比で三割近く増加しているという現状も考慮する必要があるでしょう。
そこで、高市内閣においては、農家の皆様が安心して米作りに取り組める生産体制の堅持や、食料安全保障の強化、そして物価高に直面している国民の方々の生活安定等のために、どのような考え方で米政策を進めていくべきとの検討指示を出されたのでしょうか。
総理のご所見をお伺いします。

地球温暖化や自然災害の防止、水源の涵養や大気浄化、熊をはじめとする野生動植物生息の場、そして木材生産など、森林が果たす役割は、多様かつ極めて重要なものとなっています。
しかし、林業は小規模・零細な事業者の割合が高く、さらに、森林所有者の世代交代や山林所在地からの転出等により、所有者の特定が困難な森林は増えています。
森林資源の適正な管理には、担い手育成やデジタル化等を通じた森林管理の強化が不可欠です。
さらに、持続的な森林管理の維持のためには、より付加価値の高い製材への加工、さらには人口減による住宅需要の減少傾向が見られる中での中高層建築物への木材の活用など、国産材の需要拡大策が求められますが、どのようにお考えでしょうか。ブランド材・吉野杉の産地である奈良県出身の高市総理に、我が国の財産である森林を未来につないでいくというご決意とともにお伺いします。

長らく続く人口の東京一極集中と地方からの流出により、多彩な文化や風習を有し、食料やエネルギー生産等を担ってきた地方の衰退が止まりません。
このため、石破内閣では、地方創生2.0を決定し、地方を「強く」、「豊か」で、そして「新しい・楽しい」ものにしていく取組を打ち出し、特に、地方からの人口流出が著しい若者と女性に着目した地域づくりを掲げました。
今回、高市内閣では、「地域未来戦略」を掲げ、地域を超えたビジネス展開を図る中堅企業を支援し、大胆な投資促進策とインフラ整備を一体的に講じ、地域に大規模な投資を呼び込むことで、産業クラスターを戦略的に形成していくと打ち出しています。
そこで、「地域未来戦略」では、地方創生2.0に掲げた「若者や女性にも選ばれる地域づくり」をどのように取り込みながら、政策を推進していくお考えでしょうか。
総理にお伺いします。

健全な代表制民主主義であるためには、国民の利害や意見を公正かつ効果的に政治に反映する選挙制度が求められますが、本年行われた参議院議員通常選挙を巡り、投票価値の平等に関する訴訟が提起され、現在、高裁で審議が続いています。
参議院では、平成27年に、鳥取・島根両県、徳島・高知両県でいわゆる「合区」が導入され、較差は3倍前後にまで縮小されました。
その一方、合区となった県では、投票率の低下、無効票の増加傾向が顕著なことなどから、全国知事会をはじめとする地方六団体は毎年、合区解消決議を行い、通常選挙ごとに全ての都道府県から少なくとも一名の参議院議員の選出を要望しています。
徳島県弁護士会も、都道府県制度が国民に浸透している現状を無視した合区制度の解消を求める意見書を、総理官邸や各党に提出しています。
今後、参議院においても、これまで行われてきた参議院議員選挙制度を巡る議論を引き継いだ検討が始まることを期待します。
さらに、選挙制度の改正や議員定数について検討する際には、参議院は定数が衆議院の半数強に過ぎず、さらに憲法により半数改選が規定されていることを十分に踏まえる必要があります。
また、合区解消の抜本的な解決には、現憲法における地方自治の規定の充実に向けた議論が必要という主張もあります。
そこで、合区解消と、各都道府県からの参議院議員選出を求める地域からの強い声、また憲法における地方自治の規定を充実させるべきという意見を、高市総理はどのように受け止めた上で、議論が進むことを期待されるのでしょうか。お伺いいたします。
先端技術製品に広く使われ、電気自動車や戦闘機等の兵器の製造に不可欠なレアアースの生産量は中国が世界の約7割を占めています。
その中国は、本年4月にトランプ政権の関税措置への対抗として、レアアースの輸出規制を強化する決定を行い、米国も、この中国の措置に対して、すぐに100%の追加関税をかける旨、公表しました。
米中間での貿易摩擦激化というべき事態は、先月30日に開催された米中首脳会談で、中国側がレアアースの輸出規制強化を延期したことで、ギリギリ回避されましたが、抜本的な解決というわけではありません。
我が国は、2010年の尖閣諸島沖の日本領海内での中国漁船による海保巡回船への衝突事件で、中国によるレアアースの輸出制限を経験したことから、その供給網の多角化や、レアアースに頼らない技術開発を進めてきましたが、これらの取組に更に力を入れていかなければなりません。
今回の日米首脳会談では、日米両政府が、電気自動車・EVなどに欠かせないレアアースなどの「重要鉱物」の確保について覚書を取り交わしましたが、経済安全保障の強化と関連産業の強化を掲げる高市総理としては、レアアースも含めて、どのように中国に頼らない経済安全保障政策を進めていかれるお考えでしょうか。
ご所見をお伺いします。

ドローン等の無人アセットを使用した新しい戦い方、宇宙空間やサイバー領域の最前線化、我が国を取り巻く中国、ロシア、北朝鮮における軍事力増強の動きと戦略的な連携の強化など、我が国の防衛力を整備する上で考えるべき状況は、著しく変化しています。
我が国は、令和4年12月に策定された、いわゆる「戦略三文書」に基づき、5年間の防衛費として43兆円の国費を投入し、防衛力の抜本的強化を実現していくこととしていますが、現下の厳しい安保環境に即して見直すべきは見直していかなければなりません。
本年9月には、防衛大臣の下で設置された「防衛力の抜本的強化に関する有識者会議」が報告書をまとめました。
敵基地攻撃能力を持つ長射程のミサイルを、隠密裏に行動できる潜水艦に搭載することが抑止力の大幅な強化につながると記載したことや、救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限られている武器輸出の対象について、価値観を共有する友好国には制限を設けない考え方も一案としています。
高市総理は、所信表明演説において、様々な安全保障環境の変化等から、主体的に防衛力の抜本的強化を進める必要があるとして、「対GDP比2%水準」の前倒し措置の実施と、来年中の「三文書」の改定に向けた検討について強い意志を示されました。
先月28日に行われた日米首脳会談や、その後の日米防衛相会談では、我が方から、自前の防衛力を強化する意志を伝えたことで、日米同盟の更なる強化につながったところです。
そこで、改めて、高市総理に、主体的な防衛力の抜本的強化と「三文書」の改定の意図について、国民の皆様にわかりやすくお話しいただいた上で、その決意をお伺いしたいと思います。

ASEAN、トランプ大統領の訪日、そしてAPECと一連の首脳外交日程を精力的にこなされた高市総理の姿勢にまずは敬意を表したいと思います。
先週、訪れた韓国では、李在明大統領、その翌日には中国の習近平国家主席との初会談が行われました。
日韓首脳会談では、立場の異なる諸課題に関して、双方のリーダーシップで管理し、「重要な隣国」である韓国と未来志向で安定的に発展させる方針や首相同士のシャトル外交、北朝鮮の核・ミサイル開発等を念頭に置いたと考えられる日米韓3か国の連携強化について一致を見た意義は大きいと考えます。
また、日中首脳会談で、高市総理は、戦略的互恵関係の推進と建設的・安定的な関係の構築を確認した上で、沖縄県・尖閣諸島などでの威圧的な活動や、レアアース等の経済的威圧、拘束中の邦人の早期解放と、在留邦人の安全確保、さらに日本産水産物・牛肉の輸入再開に前向きな対応を求めました。
香港や新疆ウイグル自治区の人権への懸念、台湾については、地域の安定安全には両岸関係が良好であることが重要である旨伝えています。極めて中身の濃い会談でありました。
総理自身がおっしゃっていたように、「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」を取り戻す力強い歩みを、誰もが感じることができた外交ウイークであったと思います。
そして、これからも懸案や意見の相違がある隣国であるからこそ、韓国、中国に対して言うべきことは言うが、協力を深めるべきところはしっかりと協力していくことで、我が国の国益を守るという高市外交を、貫き通してほしいと考えますが、今回の日韓、日中首脳会談の成果について、総理のご所見をお伺いします。

安全保障環境がかつてないほど厳しさを増す中、デジタル空間でも、我が国の安全保障を脅かしかねないサイバー犯罪・攻撃のリスクが高まり、また、外国勢力による情報工作・スパイ活動も活発化しています。
海外では、重要情報の保護やインテリジェンス活動の強化に向けた取組が進められており、日本を除くG7諸国など先進民主主義国では刑法や国家安全保障法の規定の中に、スパイ防止法が制定されています。
しかし、我が国では、このような法整備はなされていません。
このため、日本では、外国勢力によるスパイ活動に対抗しきれず、重要な情報が流出しやすいという危機的な状況にあります。
外国勢力から、我が国と国民の安全と利益を守るために、G7各国と同じレベルのスパイ防止法の制定を急ぐべきと考えますが、本年5月には我が党の治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会長として、「治安力」強化に関する提言を取りまとめられた高市総理の決意をお伺いします。
併せて、情報収集・分析能力の強化やインテリジェンス関係省庁の司令塔となる「国家情報局」の設置、情報部門の予算の拡充等に、政府としてどのように取り組んでいくのか、という方針についてもお聞かせください。

コロナ禍後の外国人観光客急増によるオーバーツーリズム問題、外国人の不動産取得問題などにより、現状への国民の鬱積した閉塞感が顕在化しています。
少子高齢化や人口減少が進む日本において、経済成長を確実なものとするために外国人の活力を取り込むことはとても重要です。
他方で、一部の外国人による犯罪や迷惑行為、いわゆる外免切替などの各種制度の不適切利用で、国民の皆様が不安や不公平感を抱いているという事実にもしっかりと向き合わなければなりません。
本年7月、政府に「外国人との秩序ある共生社会推進室」が設置され、検討事項として、出入国在留管理の一層の適正化、外免切替手続・社会保障制度等の適正化、国土の適切な利用及び管理、観光・短期滞在者への対応の強化が示されました。
すでに外免切替制度は、適正化が図られたものの、訪日外国人による医療費不払いへの対応の実効性は不十分と指摘する声が依然としてあります。
外国人への土地取得規制は、WTOでの無差別条項の適用により難しいとの説明を伺うことがありますが、日本人がその国の土地を取得することができないところもあります。
資産価値に着目した所有目的で日本の不動産を購入する海外からの需要増が、国内の超短期転売を狙った投資需要と相まって、分譲マンション等の価格の高騰の背景にあるとの分析もあります。
今回の組閣において、新たに外国人対策のための担当大臣を置いたことは、外国人対策に対する高市総理の強い意志と受けとめました。
排外主義の広がりを防ぎ、外国人との秩序ある共生社会を実現していくためにも、外国人による制度の悪用や濫用、それに対する国民の不安や不公平感をしっかりと受け止めて、対応していくことが大切だと考えます。
この点について高市総理のご所見をお伺いします。

トランプ大統領による相互関税や自動車関税の適用に対して、石破政権は粘り強く交渉し、関税率は、当初示された数字よりも大きく切り下げられました。
最前線で交渉にあたられた当時の赤澤経済再生担当大臣、現経産大臣はじめ関係者の皆様方に心から敬意を申し上げます。
日米合意の成果については、2024年度の輸出額から算出した国際貿易投資研究所の調査によりますと、2.1兆円の対米関税支払額が減少され、GDPの0.3%に相当するとされています。
先月開催された日銀の会議では、「企業の不安は一時より後退しており、関税の影響は大きくないと受け止めているところも少なくない」などの報告があったと報道されていますが、現時点では、関税引き上げに伴う駆け込み需要によるプラス効果があったからだ、とみることもできます。
他方、地元企業からお話を伺うと、「交渉妥結で不透明感は薄まったものの、依然として将来への不安は残る」という声も多いと感じます。
これから年末に向かうことから、関税を巡る動きに、突然の変化があったとしても、しっかりと対応できる備えとして、経済対策と補正予算案に十分な措置を盛り込むべきと考えますが、高市総理のご所見をお聞かせください。

国民の知る権利に奉仕するものである報道の自由は、議会制民主主義が健全に機能するために不可欠であることは言うまでもありません。
しかし、大変残念なことに、昨今マスメディアやSNS上で、意図的に偏った情報が発信されることが散見されます。
高市総理が自民党総裁に就任した折にも、「支持率を下げる写真しか出さない」という趣旨に聞こえる報道関係者の声が生配信され、それがSNSで拡散されました。
メディアやSNSの発信者が意図的に、切り抜きや偏った一方的な意見、時には事実が確認できないような情報を発信し、それが瞬く間に拡散されたり、外国勢力によるSNSの悪用で、国家の安全保障が脅かされるリスクも顕在化しています。
このような時代だからこそ、総理ご自身が発信された情報が国民の皆様に正しく伝わるということが非常に重要だと考えます。そこで、高市総理としては、どのように情報発信のやり方を工夫していかれるのか、総理のご所見をお伺いします。

頻発し、激甚化する自然災害から国民の皆様の命と生活、なりわいを守り抜く、そして災害に見舞われた方々に迅速に救いの手を差し伸べることは国の最も重要な役割の一つです。
その司令塔となる防災庁については、令和8年度中の設置に向けて、準備を進めていくこととなっていますが、内閣直下での新設や専任大臣の配置、他省庁に防災対策の実施を促すことのできる「勧告権」の付与などが検討されているほか、多くの自治体からは拠点の設置に関する要望が寄せられています。
今回の高市内閣で、復興大臣に加え、防災庁設置準備担当として就任された牧野大臣は、国土交通副大臣就任時に、災害現場に寄り添った対応を重んじ、被災地で直接、関係機関の間の情報連絡や作業調整等に当たっておられたと伺っております。
また、東日本大震災の時は、当時野党であった自民党本部に立ち上げられた災害対策本部において、被災地になかなか救援物資が届かないという現地の苦悩を受けて設置された「物資支援本部」の次長として、関係する各方面に働きかけ、救援物資の調達や、現地搬入のためのトラックの手配と調整に昼夜を問わず取り組んでおられた姿を私も間近で拝見しておりました。
そんな牧野大臣がこの度東日本大震災からの復興を担うトップに就任されたことを大変心強く思っております。
災害が起きた時にどういう対応が一番ふさわしいのか、現地の状況に応じて、速やかに判断し、各方面と調整を図り、実行に移すという経験は、まさに防災庁立ち上げにおいて、最大限、活かされるべきであると考えます。
そこで、牧野大臣は、これまで培ってきた災害現場第一、被災地最優先の考えの下、災害状況に応じて、臨機応変に機能できる防災庁の設置に向けて、どのように取り組んでいくお考えでしょうか。
また、地方拠点の設置については、防災庁の地方設置も含めて、どのような考えで、検討していかれますか。
併せて、福島の本格的な復興・再生、東北の復興を果たしていく牧野大臣の強いご決意をお聞かせいただきたいと思います。

さて、少子高齢化や人口減少、相次ぐ自然災害への対応など、我が国はもはや今までの延長線上での対応や小手先の改革では早晩立ち行かなくなるのでは、と危惧しております。
それが先の見えない不安とともに我が国全体を取り巻く閉塞感につながっているのではないでしょうか。
高市総理は、自民党総裁選出馬にあたり、幕末の志士・坂本龍馬が姉の乙女に送った手紙の中から「日本をいま一度せんたくいたし申候」の部分を引用し、決意を述べられました。
まさに今、日本には洗濯が必要という想いは私も全く同じであります。高市総理には、この国のトップリーダーとして、躊躇することなく日本の洗濯をし、新しい希望あふれる国を創っていただくことを期待し、われわれ参議院自民党も全力でお支えすることをお約束して、私の質問を終わります。
ご静聴ありがとうございました。