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国会

第198回国会における麻生財務大臣の財政演説

2019年1月28日

麻生財務大臣

平成三十一年度予算及び平成三十年度第二次補正予算の御審議に当たり、財政政策等の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明申し上げます。

(日本経済の現状等と財政政策等の基本的な考え方)

日本経済につきましては、企業部門の改善が家計部門に広がり、好循環が進展する中で、今回の景気回復期間は、昨年十二月時点で戦後最長に並んだとみられ、緩やかな回復を続けております。

このような状況の下、引き続き、経済再生と財政健全化に着実に取り組んでいく必要があり、その鍵となるのは、少子高齢化への対応です。その一環として、全世代型社会保障制度の確立とその持続可能性の確保が極めて重要です。この観点から、「新経済・財政再生計画」に沿った歳出改革等を行うとともに、本年十月の消費税率の引上げを実施することにより、安定的な財源を確保いたします。

消費税率の引上げに当たっては、需要変動を平準化するための十分な支援策を講じるなど、あらゆる施策を総動員し、経済の回復基調が持続するよう、全力で対応してまいります。

世界経済につきましては、緩やかな回復を続けている一方、下方リスクも存在します。その中で、本年、日本は、G20議長国として、G20財務大臣・中央銀行総裁会議を日本で初めて開催します。議長国としての機会を積極的に活用し、世界経済の持続可能で包摂的な成長の実現のための基盤づくりに向けて、活発で建設的な議論を主導していく所存です。

(平成三十一年度予算及び税制改正の大要)

続いて、平成三十一年度予算及び税制改正の大要を御説明申し上げます。

平成三十一年度予算は、現下の重要な課題に的確に対応しつつ、経済再生と財政健全化の両立を実現するものとしております。

具体的には、本年十月に予定される消費税の増収分を活用し、全世代型の社会保障制度への転換に向けて、幼児教育・保育の無償化をはじめ、社会保障の充実のため、約七千二百億円を計上しております。

次に、消費税率の引上げに伴う需要変動を平準化するため、通常分の予算に加え、「臨時・特別の措置」を講じることとし、中小小売業等に関するポイント還元や、低所得・子育て世帯向けのプレミアム付き商品券などの対策に合計約二兆三百億円を計上しております。

こうした「臨時・特別の措置」の一環として、防災や国民経済・生活を支える重要インフラの機能維持を図るための「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」のうち、平成三十一年度に行う事業に対し約一兆三千五百億円を計上しております。

一方で、「新経済・財政再生計画」の初年度として、その方針に沿って歳出改革の取組を継続するなど、歳出全般にわたり見直しを行い、新規国債発行額を約一兆三百億円減額しております。この結果、新規国債発行額は安倍内閣発足以来七年連続で縮減することとなり、平成二十四年度当初予算と比較して約十一兆五千八百億円の減額となっております。

歳出につきましては、通常分の予算と「臨時・特別の措置」との合計で、一般歳出が約六十一兆九千六百億円であり、これに地方交付税交付金等約十五兆九千九百億円及び国債費約二十三兆五千百億円を加えた一般会計総額は、約百一兆四千六百億円となっております。

一方、歳入につきましては、租税等の収入は、過去最高となる約六十二兆五千億円、その他収入は、約六兆三千億円を見込んでおります。また、公債金は、約三十二兆六千六百億円となっております。

次に、主要な経費について申し述べます。

社会保障関係費につきましては、「新経済・財政再生計画」に沿って、様々な歳出抑制努力を積み重ねた結果、実質的な伸びを「高齢化による増加分におさめる」という方針を達成しております。また、消費税増収分を活用し、幼児教育・保育の無償化のほか、低所得高齢者の介護保険料の更なる軽減強化、年金生活者支援給付金の支給などを行うこととしております。

文教及び科学振興費につきましては、教職員定数において効率化と必要な分野の充実を図るほか、幼児教育や高等教育の経済的負担の軽減、大学改革、安全・安心な学校の施設整備等を推進することとしております。また、若手研究者に重点的に資源配分を行うなど科学技術基盤を充実するとともに、イノベーションを促進することとしております。

地方財政につきましては、地方の一般財源総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行を大幅に縮減するなど、地方財政の健全化に資する内容となっております。

防衛関係費につきましては、新たに策定された防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を踏まえ、現下の厳しさを増す安全保障環境に対応するための防衛力の充実・強化を図るとともに、防衛力整備の一層の効率化・合理化を徹底することとしております。

公共事業関係費につきましては、地方公共団体に対して計画的・集中的な支援を行うための個別補助化や、老朽化対策のほか、生産性向上のためのインフラ整備への重点化を推進することとしております。

経済協力費につきましては、戦略的外交を後押しする観点から、「自由で開かれたインド太平洋」の具体化に重点化しつつ、ODAは予算・事業量ともに必要な額を確保しております。

中小企業対策費につきましては、生産性向上のための設備投資等への支援や、事業承継支援を充実するほか、資金繰り対策にも万全を期すこととしております。

エネルギー対策費につきましては、水素社会の実現に向けたイノベーションを促進するほか、電力インフラや燃料供給インフラの強靱化に取り組むこととしております。

農林水産関係予算につきましては、水産資源管理の強化と成長産業化を推進するために必要な支援を充実するほか、農林水産業の輸出力強化に取り組むこととしております。

東日本大震災からの復興につきましては、復興のステージに応じた課題に対応するため、平成三十一年度東日本大震災復興特別会計の総額を約二兆千三百億円としております。

平成三十一年度財政投融資計画につきましては、成長力強化に向けて、低金利を活用した高速道路整備と関西国際空港の防災機能強化の加速、産業投資を呼び水とした民間からのリスクマネー供給強化等、真に必要な資金需要に適切に対応するため、総額約十三兆千二百億円としております。

国債管理政策につきましては、借換債等を含む国債発行総額が約百四十九兆円と、依然として極めて高い水準にある中で、引き続き市場との緊密な対話に基づき適切に運営してまいります。

平成三十一年度税制改正につきましては、消費税率の引上げに際し、需要変動の平準化等の観点から、住宅と自動車に対する支援策を講じるとともに、デフレ脱却と経済再生を確実なものとするため、研究開発税制の見直し等を行うこととしております。
このほか、国際的な租税回避に効果的に対応するための国際課税制度の見直し、経済取引の多様化を踏まえた納税環境の整備等を行うこととしております。

(平成三十年度第二次補正予算の大要)

次に、平成三十年度第二次補正予算の大要について申し述べます。

一般会計につきましては、「防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策」のうち初年度の対策として速やかに着手すべきものをはじめ、喫緊の課題に対応するための追加的な財政需要について、約三兆四百億円の歳出の追加を行うこととしております。また、国債整理基金特別会計や交付税及び譲与税配付金特別会計への繰入を行っております。

その財源面につきましては、歳出において、既定経費を約一兆二千九百億円減額しております。また、歳入において、税収約八千五百億円及び税外収入約千四百億円の増収のほか、前年度剰余金約七千百億円を計上し、建設公債約一兆三千百億円を発行するとともに、特例公債金三千億円を減額することとしています。

この結果、平成三十年度一般会計第二次補正後予算の総額は、一般会計第一次補正後予算に対して歳入歳出ともに約二兆七千百億円増加し、約百一兆三千六百億円となります。

また、特別会計予算につきましても、所要の補正を行っております。

(むすび)

以上、財政政策等の基本的な考え方と、平成三十一年度予算及び平成三十年度第二次補正予算の大要について御説明申し上げました。

新しい時代に向かって、経済再生と財政健全化の両立を実現するとともに、世界経済の動向などの先行きに十分に目配りし、経済の回復基調を持続させる必要があります。こうした状況を踏まえると、本予算及び関連法案の一刻も早い成立が必要であります。

何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただくとともに、財政政策等について、国民の皆様及び議員各位の御理解と御協力を切にお願い申し上げます。

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