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機関紙「自由民主」2957号より

岸田総理
就任後初の対面外交で存在感

2021年11月09日

 岸田文雄総理は11月2日、気候変動問題を議論する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合に出席するため、英国グラスゴーを訪問した。演説では、わが国の「2050年カーボンニュートラル」の方針をあらためて表明するとともに、途上国の温室効果ガス削減を後押しする支援策を相次いで打ち出し、各国から高い評価を獲得。世界の脱炭素化へリーダーシップを発揮する決意を示した岸田総理は、就任後初の対面外交で大きな存在感を残した。

COP26首脳級会合で演説する岸田文雄総理。「気候変動という人類共通の課題に、日本は総力を挙げて取り組む」と力強く訴えた

COP26首脳級会合で演説する岸田文雄総理。「気候変動という人類共通の課題に、日本は総力を挙げて取り組む」と力強く訴えた

世界の脱炭素化リードへ決意

 COPは、197の国と地域が締結・参加する「国連気候変動枠組み条約」に基づき、1995年からほぼ毎年開かれている国際会議。首脳級会合が開かれるのは2015年のCOP21以来6年ぶりで、その際には産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑え、1・5度以下を目指すなどとした「パリ協定」が採択されている。

 衆院総選挙直後の厳しい日程ながら訪英・出席した岸田総理は、演説で「気候変動という人類共通の課題に、日本は総力を挙げて取り組む。その決意を伝えるために駆け付けた」と強調。2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「2050年カーボンニュートラル」の実現と、その中間目標として2030年度の排出量を2013年度比で46%削減し、さらに50%減の達成に努めるとの方針を説明した。

10月30日、イタリアで開催されたG20ローマ・サミットに、官邸からリモートで出席する岸田総理

10月30日、イタリアで開催されたG20ローマ・サミットに、官邸からリモートで出席する岸田総理

 アジアの脱炭素化をリードする新たな取り組みとして「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ」を強調した。岸田総理は、再生可能エネルギーの中心が太陽光発電になると見込まれるアジアにおいて、安定的な電力供給には火力発電の活用も必要になると指摘。従来の化石火力から、二酸化炭素が排出されないアンモニアや水素を使った「ゼロエミッション火力」への転換を目指し、1億ドル規模の先導的事業を展開するとした。

 併せて、6月に表明した5年間で官民合計600億ドル規模の支援に加え、新たに最大100億ドルを追加支援する用意があるとしたほか、気候変動に伴う災害などの対策に約148億ドル、森林分野に約2・4億ドルを支援する方針も表明。「気候変動に向き合う時、誰一人取り残されてはならない。日本は対策に全力で取り組み、人類の未来に貢献していく」と力強く訴え、世界の気候変動対策にリーダーシップを発揮する姿勢を鮮明にした。

日英首脳会談なども実施

外務大臣時代から親交のあるボリス・ジョンソン英首相と会談する岸田総理。日英のさらなる連携を確認し、旧交を温めた

外務大臣時代から親交のあるボリス・ジョンソン英首相と会談する岸田総理。日英のさらなる連携を確認し、旧交を温めた

 途上国の脱炭素化を巡っては、2009年のCOP15において、先進国全体で途上国に対して年間1000億ドルの支援を行うとの目標が合意されている。しかし、経済協力開発機構(OECD)によれば、2019年の支援は796億ドルにとどまるという。岸田総理が率先して新たな支援を打ち出したことは、「事態を大きく変える」(ジョンソン英首相)などと各国から高い評価を受けた。

 今回の訪英で岸田総理は、バイデン米大統領との懇談を行ったほか、ジョンソン英首相をはじめとする各国首脳やグテーレス国連事務総長らと個別の会談も実施。「対面での首脳外交を非常に良いかたちでスタートできた」と手応えを語った。

 岸田総理は、就任直後から各国首脳との電話・テレビ会談を重ねるなど、コロナ禍や原油価格高騰で不透明さが高まる世界情勢に対応してきた。総選挙期間中もG20ローマ・サミット(10月30日)などにリモートで出席し、精力的に日本の立場や取り組みを発信した。

 外務大臣を戦後最長の4年8カ月にわたり務める中で培った経験や人脈、手腕も生かしながら、岸田総理は今後も国際社会における存在感・発言力を確保し、国際社会をリードしていく決意だ。わが党は岸田総理・総裁の外交を全力で支え、国益を守り抜いていく。

茂木敏充幹事長が就任
「国民の期待にしっかり応える」

「国民の皆さまの期待にしっかりと応えていかなければならない」。就任に当たって抱負を語る茂木敏充幹事長

「国民の皆さまの期待にしっかりと応えていかなければならない」。就任に当たって抱負を語る茂木敏充幹事長

 わが党は11月4日、臨時の総務会を開き、幹事長に茂木敏充衆院議員の就任を決定した。

 前任の甘利明衆院議員は、衆院総選挙における小選挙区での敗北を受け、幹事長辞任の意向を示していた。

 茂木幹事長は同日、就任に当たって記者会見に臨み、「衆院選で国民の皆さまから大きなご信任を頂いた。その期待にしっかりと応えていかなければならない」と決意を表明した。優先的に取り組む課題としては①コロナからの回復に向けた経済対策の取りまとめや補正予算の早期成立・執行②国民との距離を縮め、信頼をさらに高める党改革の推進③来夏の参院選勝利に向けた体制整備――を挙げた。

 茂木幹事長は岸田内閣で外務大臣に任命されており、幹事長就任に伴って離任した。岸田文雄総理・総裁は、第2次岸田内閣が発足して後任が決まるまで、総理自身が外務大臣を兼任するとした。

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