機関紙「自由民主」2942号より
新型コロナワクチン国民目線で見通し説明を
2021年7月20日
接種ペースが政府想定超える
党新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・下村博文政務調査会長)と新型コロナウイルスに関するワクチン対策プロジェクトチーム(PT、座長・鴨下一郎衆院議員)は7月13日、新型コロナワクチンの接種状況について、政府で調整を担当する河野太郎大臣らから説明を受けた。ワクチン供給を巡る混乱について河野大臣は「ワクチンが不足しているわけではなく、目詰まりしているわけでもない」と強調。下村本部長は「国民目線の発信を心掛けていただきたい」と述べ、接種・供給の見通しを国民や自治体へ丁寧に説明するよう求めた。

ワクチンの接種・供給の現状について説明する河野太郎大臣
ワクチンを感染拡大防止の切り札と位置付ける菅義偉総理のもと、政府は「1日100万回」の接種目標を掲げて急ピッチで接種体制を整備してきた。わが党の後押しもあって6月上旬にこの目標を達成すると、その後も接種スピードは加速。7月12日公表の情報では累計接種回数が6000万回を超え、既に高齢者の約76%、全国民の約30%が1回目の接種を受けている。下村本部長は「1日100万回接種の実現に当初は懐疑的な見方をする向きもあったが、まさに驚異的なスピードで進行中だ」と評価した。
しかし、ここにきて「希望量のワクチンが届かない」との声が自治体から上がっており、接種予約の停止やキャンセルなどといった事態も生じている。
この原因について河野大臣は「1日120万回ペースでワクチンが弾切れしない想定だったが、実際はそれを優に超えて140万回くらい打っていただいている」と述べ、自治体の接種ペースや希望量が持続的に供給できる数量を大きく超えていることを指摘。中には全国換算すると1日200万回近いペースで打っている自治体や大きく遅れている自治体もあるとして、配布済みで未接種のワクチンと今後の供給量を踏まえた1日120万回のペースになるよう、調整や働き掛けを進める考えを表明した。
他方、全体としてワクチンの数量不足そのものは生じておらず、今月末までの希望する全ての65歳以上の高齢者に対する接種や、11月までの希望する全ての国民への接種は達成可能だとしたほか、既に申請されている職域接種も希望より遅れるものの実施できるとの見解を示した。
出席議員からは、ワクチン供給量などの情報をより早く丁寧に発信すべきとの意見が相次いだほか、接種データを入力する人材の確保や接種する優先順位の再検討を求める声なども上がった。
また、この日は国産ワクチンの開発状況についても説明があった。現在は特に臨床試験の在り方が課題として指摘されている。通常は開発中のワクチンと、ワクチンの成分が含まれない偽薬(プラセボ)とを数万人規模に接種して安全性や効果を比較するが、既に有効なワクチンの存在する新型コロナワクチンでは偽薬を使うことが倫理上問題となりかねない。政府は、開発中のワクチンによる反応を実用化されたワクチンと比較する方法などが国際的に検討されているとした。
ワクチンの国産化は、危機管理や安定的な供給の面だけでなく、国内で固有の変異株が流行した場合の対策などとしても重要になる。わが党は引き続き、既存のワクチンの安定的な供給とともに、国内開発の加速化へ政府を後押ししていく方針だ。
兵庫県知事選
わが党推薦の齋藤元彦氏が当選
県政刷新に支持
任期満了に伴う兵庫県知事選は7月18日、投開票が行われ、わが党などが推薦する元総務省都道府県税課理事官の齋藤元彦氏が元同県副知事の金沢和夫氏ら4候補を抑え、初当選を果たした。わが党は二階俊博幹事長や下村博文政務調査会長、野田聖子幹事長代行らが応援に駆け付けるなど、齋藤氏を全力で支援してきた。
選挙戦では5期20年務めた井戸敏三知事による県政への評価や、新型コロナウイルス対策、深刻化する人口減少への対応などが主な争点となった。齋藤氏は若さと行政経験をアピール。「県政の刷新」を掲げ、企業誘致によるベイエリアの再生や行財政改革などを訴え支持を広げた。
当確の報を受け、同氏は「県政を刷新し新しい兵庫県を若い世代でつくっていきたいという思いが、ご支持をいただいたと思う。県民の皆さんの命と暮らしを守る。そんな大きな温かい県政を必ず実現したい」と抱負を語った。
わが党は兵庫県知事選での勝利を弾みに、神戸市長選(10月10日告示、同24日投開票)での勝利に全力を挙げる。

当選確実の報を受け、支援者らとガンバローコールをする齋藤元彦氏(中央)
- ※ 機関紙「自由民主」は、雑誌のオンライン書店「Fujisan.co.jp」からもお買い求めいただけます。(クレジットカードでのお申込みが可能です)