機関紙「自由民主」第2925号より
生き心地の良い社会へ
現場に向き合う、参院「不安勉強会」
参院自民党の「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」。一昨年秋からこれまでに提言を3度とりまとめ、政策にしっかり反映させるなど精力的に活動中だ。医療過疎の現状を東北に探るほか、ネット調査や全自治体からのヒアリングも実施。国民の不安を広範囲に探り、現実的な解決策を探る勉強会について、座長の世耕弘成参院幹事長と3氏にその狙いなどを聞いた。
〈司会は三宅伸吾・党新聞出版局長〉
参院自民党「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」について語り合った世耕弘成参院幹事長(中央)と上月良祐議員(左)、太田房江議員(中央左)、本田顕子議員(中央右)、司会の三宅伸吾党新聞出版局長(右)
※座談会は記念撮影時を除き、マスクを着用するなど感染対策を徹底して行いました
『党の基盤、揺らぐ』危機感から
司会 令和元年7月の厳しい参院選が終わって間もなく、世耕幹事長から「不安に寄り添う政治のあり方勉強会」の提案がありました。どのような思い入れがあったのですか。
世耕弘成参院幹事長 参院選の全国遊説で痛感したのは、わが党の政策が国民の皆さまに「刺さっていない」ことでした。有権者から、「自民党は地方を見ていない」「自分たちはほっとかれている」という反応がありました。このままでは党の基盤が揺らぐとの危機感が募りました。地方の不安にスポットライトを当てるべきだと考え、参院幹事長の就任直後に、勉強会を立ち上げました。
勉強会の座長を務める世耕弘成参院幹事長
NPOに学ぶ
単なる政策の勉強会ではありません。われわれが地方の皆さまにきちんと向き合う「政治運動」です。
多くの学識経験者だけでなく、現場でさまざまな不安に寄り添い、日々活動されているNPOの方々のお話に耳を傾け、われわれに見えていなかった部分を教えられています。
司会 これまでの活動の状況と提言の内容を詳しく教えてください。
上月良祐参院議員 まず、地域の医師不足、独居高齢者の孤独死、限界集落の3つのテーマから取り組みました。青森県の視察なども踏まえ、一昨年暮れに中間報告をまとめ、政府の全世代型社会保障改革の中間報告に、不安に寄り添うことが明記されました。
また、われわれの提言を受け、内閣府が世論調査を実施しましたが、政府は不安の中身をきちんと把握する必要があり、勉強会の大きな成果だと思います。
司会の三宅伸吾参院議員
上月良祐参院議員
政策に具体化、継続的に
次に、一昨年の年末から昨年の年始にかけ、党の参院議員に地元をしっかりと歩いていただきました。地方だけではなく都市部の若者や女性にも不安が大きいと分かり、2回目の中間提言を行いました。これも昨年の政府「骨太の方針」にきちんと反映されました。
今年2月にはコロナ禍での若者や女性の不安に対応する緊急提言をまとめ、政府でも孤独・孤立担当大臣を設置しました。
提言するだけではなく、政策に具体化していく。これが大切です。現場に思いを持って、現場の方から見て「意味がある」と受け止めていただける政策を、一過性ではなく継続的に打ち出していきます。
党本部の「孤独・孤立対策特命委員会」にも、これまでの成果を活かしていきたいですね。
「現場に向き合う」が勉強会のモットー。世耕弘成参院幹事長(左から2人目)は視察活動の復活、充実にも意欲を見せる(写真は令和元年11月、青森県五所川原市七和地区活性化協議会視察の模様)
保護者への給付金、運用見直し
司会 党女性局長をされた太田房江議員はどのような思いで勉強会に参加を。
太田房江参院議員
太田房江参院議員 経済的困窮にあえぎながら、子育てしている女性が数多くいらっしゃいます。こういった方々に自民党の政策が十分伝わっていないことがコロナ禍で浮き彫りになりました。
例えば、子どもの学校が休校になり仕事を休まざるを得なくなった保護者が受け取れる給付金があります。これには事業者の申請が必要でしたが、企業が申請しないため、もらえないケースが相次いでいました。そこで、個人の申請で受け取れるよう、厚生労働省に運用を見直してもらいました。これも勉強会の成果です。
女性の問題についてはジェンダーギャップの議論が今、注目されています。この問題も女性の不安に寄り添うという意味で、引き続き勉強会などでも検討していくべきです。
司会 本田顕子議員は勉強会で自殺対策や学生について積極的に発言していましたね。
出会いの場、保障を
本田顕子参院議員 初当選した直後に勉強会が始まりました。政治家は国民の皆さまに希望を持っていただくことが仕事です。そのためには、まず皆さまの不安の中身を理解することが大切だと学びました。
自殺対策についてのヒアリング。「生き心地の良い社会を作る」という言葉がとても印象に残っています。自殺防止対策は地域・社会づくりと関係しています。地方創生や地域包括ケアといった医療政策にも通底する理念です。
また、学生の方の声を聴くと、まさに孤独・孤立を感じています。「出会いの場を保障してほしい」という若者の切実な声を受け止め、実感を持っていただける政策を届けていきたいです。
本田顕子参院議員
不安に寄り添う参院自民党
司会 大きな一石を投じた勉強会ですが、活動はまだまだ道半ばです。
世耕 これがきっかけとなって参院自民党に「現場に向き合う」という精神が浸透しました。ワクチン接種についても大変なスピード感で、議員が手分けをして全ての市区町村長に電話をかけ、要望を聞き取り、現場の声を政府に届けました。
参院議員は任期が6年とはっきりしています。地道に現場の声を拾い上げる取り組みを続ける。これが参院自民党の足腰を強くします。
司会 勉強会の今後の進め方は。
世耕 感染予防のため、慎重な行動が求められていますが、「現場に出る」ことはとても大切です。状況を見ながら、現地視察も復活、充実させます。「不安に寄り添うと言えば、参院自民党」となるよう、活動をさらに深化させていきます。不安を感じている方々にしっかりと向き合うこと。このことが、今は不安を感じていない方々にもさらに安心をお届けできるのではないでしょうか。
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